日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国が反日をするもう一つの理由


さて、今回は過去にも何度か取り上げてきた韓国の反日についてなのですが、世間一般で言われている反日の動機に関して、それとは少し異なった私の考えを書いてみます。


韓国人の反日に関して、様々な人が「国内の不満への矛先逸らしである」との意見を持っていますが、私はそれも全く無いわけではないのでしょうが、それが主な原因ではないと考えています。


また、なんでも韓国のやる事を肯定してしまう、いわゆる日韓友好論者(韓国人の目から見た「良心的日本人」)の人々が指摘するように、「過去の植民地支配に対する反発と不信感」という考えも私は主な原因ではないと考えています。


では何が主な原因なのかといえば、これは以前から指摘している韓国社会独特の価値観である蔑視ありきの自民族中心主義と、これもまた以前書いた『韓国人は世界一「嫌韓」』で指摘した韓国人の韓国社会への不信感、この2つが複合的に関わり、韓国独特の反応となった結果であると考えています。


たとえば中国などは、政府が国内の不満へのガス抜きとして反日をするわけですが、これは要するに一種の代替行為です。
社会を改善するよりも、外に敵を作って怒りの矛先をそちらに向けたほうが手っ取り早く対費用効果が高いので、政府主導で不満の矛先逸らしの相手を与えている、古代ローマにおける「パンとサーカス」のようなものです。


では韓国の場合どうなのかというと、確かに政府主導の「パンとサーカス」もあるにはあるのですが、そもそも彼らにとっては反日が代替行為ではないのです。
蔑視ありきの自民族中心主義という価値観の社会では、他者の劣等性を指摘すれば、自己の現状がどうであれ相対的かつ無条件に自己の優越性が保障されるという独特の構造を持っているので、たとえ社会を一切信用できなくとも、他者(他の社会)の劣等性だけ指摘できればそれで自身が所属する社会の優越性が実感できるのです。


つまり韓国社会では、反日は政府主導で行われる矛先逸らし用の代替物という要素よりも、蔑視ありきの自民族中心主義という、独特の価値観によって成り立つ社会における、起きるべくして起きる反応、或いは社会を成り立たせる機能の一つと言えます。
ですから、中国のように政府主導で行われる国内の不満の矛先逸らしとは少々事情が異なるわけです。
過去何度か私が「日韓問題において反日は枝葉でしかない」と書いてきたのもこうした考えからです。


まずはこちらの記事から。


【コラム】「韓国の物は信じられない」という韓国人の心理
朝鮮日報 2015/06/28
(リンク切れ)
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/06/27/2015062700440.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/06/27/2015062700440_2.html
(ウェブアーカイブ
http://web.archive.org/web/20150628220111/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/06/27/2015062700440.html
http://web.archive.org/web/20150628220310/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/06/27/2015062700440_2.html
(一部抜粋)
華聯グループは先月22日、ジェムバックスという聞き慣れない韓国企業と折半出資で流通業者を設立した上で、500億ウォン(約55億円)を投資すると発表した。合弁流通会社は中国製品を韓国に売ることが目的かと思いきや、韓国製品を中国で販売することが目的だという。さらには、今後3年以内に年商5兆ウォン(約5500億円)を目指すと宣言した。これだけの大構想を見ると、中国共産党の意図が気になる。

ジェムバックスは抗がん新薬、薬品・健康補助商品、化粧品を製造している。中国人の生活レベルが向上する以前から熱狂してきた「長寿」「健康」「美しさ」という三大価値にも合致する。しかも韓国製だ。記者会見した華聯グループ関係者は「中国人はチョコパイや辛ラーメンも中国製ではなく韓国製を好む」と話した。それは韓国人が日本製の家電製品を買う際、タイ製、マレーシア製ではなく、日本製であることを確認して購入するのと似た心理だ。
ところが、ジェムバックス代表で医師出身のキム・サンジェ氏の反応は意外なものだった。キム代表は「韓国製だから信用できないという韓国の医師に何かを感じてもらいたい」と述べたのだ。ジェムバックスのすい臓がん新薬は食品医薬品安全処の認可を得ていながら、まがい物扱いされている。華聯グループはその「まがい物」に500億ウォンを投資した。

 韓国人自らが「韓国製だから信用できない」と見下す心理は中東呼吸器症候群(MERS)の流行からも見て取れる。代表的な例がサムスンソウル病院だ。
(中略)
「韓国の物だから信じられない」という心理の根底には「非科学」がある。非科学は思考バランスを崩壊させ、ついには国家を滅ぼす。「外国人医師導入論」が登場するさまを見ると、壬辰倭乱文禄・慶長の役の総称)の当時、明と組んで倭(日本)を討ったのはいいが、40年もたたないうちに清との間で丙子胡乱(1636-37)が起きると、倭に懇願して清を討つことを検討した歴史が思い浮かぶ。


記事にあるように、韓国人自身が漠然と韓国製を全く信用していないという背景が見えてきます。
それだけ韓国では様々な不正がまかり通っていると同時に、誰もが当たり前のように不正を行うため何もかも信用ができないという事であり、むしろ彼らの認識では「劣等なはず」の日本人の作ったもののほうを信用している、ある意味それだけ深刻な社会不信が蔓延しているという事でもあります。


こうした背景から、韓国では度々以下のような内容が議論になります。


教授14人が見た大韓民国「規則破ってこそ利益を得られる社会」
2015年07月09日10時08分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/896/202896.html
ハ・ヨンソプ延世大行政学科教授(52)が同僚教授13人と共著『危険社会と国家政策』を出した。ハ教授は「セウォル号沈没事故に衝撃を受け、知識人社会がこれを多角度から検討する必要性を感じた」と述べた。同じ学科の教授が同じ問題意識を持って共著を出すのは韓国の大学では多くない。共著に参加した教授の目にセウォル号沈没事故は代表的な「政府失敗」事例だった。お互い利害関係が絡む社会構成員が安全規則を守らず、これを監視するべき政府が役割を果たすのに失敗したということだ。

ハ教授は韓国社会について「規則を破ってこそ利益を得られる社会」とし「危機を予防する規制はあるが、規制を破っても摘発されるケースが少ないうえ、処罰が軽いため、守る人が損をする構造」と述べた。ホン・スンマン教授もセウォル号惨事に関し、「皮肉にも、あまりにも多くの規制があるため規制が守られなかった」と指摘した。

教授らは今回の中東呼吸器症候群(MERS)事態でも共同体を脅かす同じ危険要素を発見した。セウォル号沈没事故後に市民が「誰も自分を助けてくれない」と政府に不信感を抱くことになったとすれば、MERS事態後は「同じ共同体構成員も自分を伝染させる危険要素」と感じることになったという。ハ教授は「ルールをよく守る社会を作れるように制度的に誘引しなければいけない」とし「政府と市民が参加する透明な情報公開と徹底的な監視・牽制を通じて、大韓民国を安全社会に導かなければいけない」と強調した。


韓国の生物・医学研究員、7割が「研究不正を経験」
朝鮮日報 2015/07/17
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/07/17/2015071701249.html(リンク切れ)
http://megalodon.jp/2015-0717-1709-40/www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/07/17/2015071701249.html(ウェブアーカイブ
ポステックのBRICが研究倫理についてアンケート調査
国立がんセンター教授が自分の息子を論文著者と記載していた問題が契機
当の息子はハーバード大に進学

韓国の生物学・医学分野の教授や研究員の7割は、最近3年間に、自分が属する研究室で「研究不正」を経験もしくは目撃したことがあるという調査結果が出た。

 ポステック生物学研究情報センターの公式ホームページ「BRIC」は、14日から3日間かけて、韓国の生物学・医学分野の教授や研究員1145人を対象に「研究倫理アンケート調査」を行った。この調査によると、回答者全体の66%(759人)が「研究に参加していない人物を著者に加えたり著者の優先順位を変更したりする研究不正行為を、最近3年間に経験もしくは目撃したことがある」と回答した。
(後略)


要するに、韓国では他者を騙したり不正を行ったりしなければ利益を得られない、ある種そうした共通認識のようなものができあがっているので、多くの韓国人は韓国社会が信用できないと考えていると同時に、誰もが簡単に不正に手を染め、それが更なる社会不信を招いているのです。


この状況だけならば多かれ少なかれ他国でも見られますし、日本にもまるで不正がないというわけではないのですが、韓国が特殊なのはここからです。


こうした状況ですから、韓国人の多くは韓国の政府も企業も全く信用していません。
例えば中国の場合ならば、そうした背景から外国旅行で一斉に買い物をする「爆買い」という現象を引き起こすのですが、韓国の場合には移民は多いですが爆買いのような状況はあまり発生していません。


なぜなのかといえば、他者の劣等性を使って自国の優越性を「実感する」事でバランスを取っているからです。
例えば以下の事例がわかりやすいですが。


韓国国民の8割超「日本産水産物輸入規制続けるべき」
聯合ニュース  2015/09/11
http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2015/09/11/0400000000AJP20150911001200882.HTML
【ソウル聯合ニュース東京電力福島第1原発事故を受けた韓国の日本産水産物輸入禁止措置をめぐり、韓国国民の大部分が引き続き厳しい規制を求めていることが11日、分かった。

 韓国国会保健福祉委員会所属の最大野党・新政治民主連合の印在謹(イン・ジェグン)議員が食品医薬品安全処から提出された世論調査の報告書で明らかになった。

 それによると、昨年10~11月の世論調査の結果、回答者の85.9%が「日本との貿易摩擦が起こる可能性を考慮しても、日本産の水産物について今の水準と同じ輸入規制を続けるべきだ」と答えた。「日本産水産物を今よりもさらに厳しく管理すべきだ」という回答者も69.9%に達した。「世界で最も厳しく日本産水産物を管理すべきだ」と答えた人も31.3%に上った。

 回答者の半分以上(58.8%)は「福島の原発事故をきっかけに、水産物の購入をためらうようになった」と答えた。「水産物を全く買わない」とした人も5.6%に達した。回答者の68.8%は放射性物質が不検出水準の日本産水産物を「買わない」と答え、「買う」と答えた人は10.3%にとどまった。

 放射能情報をめぐる韓国政府の対応を「信頼する」と答えた回答者は13.3%、「信頼しない」は42.6%だった。

 印議員は「少しでもリスクがある限り、日本産水産物に対する輸入規制を維持し検査を徹底すべきだ」と指摘した。

 韓国は2013年9月から福島など8県の全ての水産物について輸入を禁じている。 



元々この規制は2012年に日本のオリンピック誘致を妨害する目的で始めた事は以前に書きましたが、もう一つの効果として「日本の製品は放射能汚染されていて信用できない」とする事で、彼らの中では相対的に韓国製品のほうが信用できるという構図が出来上がっているのです。


だからこの件のように科学的に危険性が一切立証できず、法的にも規制する正当性がないと韓国メディアや学者すらも認めているにも拘らず、多くの人が手放しで支持するのです。


また日本人の感覚からするとかなり不思議に思うかもしれませんが、過去に書いたように韓国では原発部品の不正納入事件によって、危険な原発事故が相次いでいますし、2011年には放射性廃棄物を練り込んだアスファルトがソウル市内で道路の舗装に使われていた事件が発覚しているのですが、こうした原発への不信もこれがあるからこそ韓国人の中では消えてなくなってしまうのです。


他者の劣等性で自己の優越性が担保される社会とはそういう事です。
自身の所属する社会に不信感があり、その原因がまるで解消されていなくとも、他者の劣等性が指摘できればそれで不信感そのものが消えてなくなるのです。
(あくまで一過性のものであり、不正が発生するたびに社会不信と他者の劣等性の模索が繰り返されますが)


またこちらの事例も同じです。


集団的自衛権など日本の右傾化に広報外交で対応=韓国
聯合ニュース 2015/09/10
http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2015/09/10/0400000000AJP20150910002100882.HTML
【ソウル聯合ニュース】韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官は10日、国会による国政監査で、集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案の成立を急ごうとする日本の右傾化に対し、広報外交で対応していると述べた。

 尹長官は「日本内の一連の右傾化動向については政府内でも最も重視し、対応している」と強調。「われわれにとっても関心事だが、米国を含むほかの域内国の関心事でもある」と説明した。

 また、安保関連法案に反対する日本の野党や市民社会と連携した広報外交、民間外交が必要との指摘については、「十分認識している。現地の公館だけでなく、本部レベルでも日本の野党、オピニオンリーダーが来韓すると、私を含め政府(関係者)が会ってわれわれの考えを伝え、公館でもさまざまな広報外交努力を行っている」と述べた。



彼らの中では、こうして「日本の劣等性」を世界に向けてアピールすることで、韓国人の優越性を実感する事ができ、また「もしかしたらアメリカに中国傾斜の事で不信感を持たれているかもしれない」という不安感すらも相対化して打ち消せるのです。


どちらの事例も現実的に考えて韓国に実利は無く、安保法関連は既に殆どの国が肯定的な反応を示しているため、共感するのはロシア、中国、北朝鮮だけでしょうし、水産物輸入規制の件は既に日本政府がWTOに提訴しているので、このまま行けば実態としては韓国にとって不利益しかないのですが、彼らの中では一時的に国内への不信感を打ち消し相対的に自己の優越性を実感できるというメリットがあるのです。


そして更なる不信感や不安感に見舞われたら、また更に他者の劣等性を見つければ良いですし、他者から韓国の問題点を指摘されたら、指摘した側の問題点を見つけ出し相対化する事で、自己の問題を打ち消し相手の問題に摩り替えてしまえば良いのです。


これが韓国が反日を行うもう一つの理由です。
韓国人独特の価値観から発生した必然が、結果的に反日を生み出しているとも言えます。
一見すると中国の行っている反日政策と似ていますが、実はその背景には全く異なるプロセスとロジックが存在しているのです。
韓国の反日は、社会の改善の代替行為(=パンとサーカス)ではないのです。


ある意味これは、韓国社会における安全装置のようなものではないでしょうか。
勿論、日本がそれに付き合う必然性はどこにもないのですが。





少々お知らせ。
次回はとうとう200回目の記事となります。
一応何かやろうと考えていたのですが、全く良い案が浮ばなかったため、次回は初見さんや最近ここにこられるようになった方にも私の日韓問題に対する考え方を知ってもらうため、これまで書いてきたことの総括的な内容のまとめという名の手抜き記事を書く予定です。


手抜きではあるのですが、一応これは定期的に書いておかないと色々と齟齬もありそうですので、200回目の節目という事でそんな内容にします。


ただし、次回までに何か重大な出来事が発生し、記事にする必然性が生まれたらそちらを書きますので、あくまで予定ですが。