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ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由
注意
・このブロマガは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています
・当ブロマガのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです
・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません
・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
さて、本日も少々短めの記事となります。
※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブやウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。
1:韓国特有の事情
まずはこちらの記事から
韓国メディア、ボストンマラソン優勝の日本人選手を紹介…ネット上でも賛辞
2018年04月17日14時19分
[ⓒ 中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/613/240613.html
韓国メディアがボストンマラソン大会で優勝した川内優輝(31)を紹介した。
埼玉県の高校の事務職員として勤務する川内は16日(現地時間)、世界的なマラソン大会のボストンマラソンで2時間15分58秒をマークして優勝した。川内は1987年の瀬古利彦以来の日本人優勝者になった。
ソウル新聞は「エリート選手でもなく、コーチもなく一人で走法を考えて世界的な大会で優勝した」とし、川内が2014年仁川(インチョン)アジア競技大会で銅メダルを獲得するなど韓国で開催された大会にも数回出場したことを伝えた。
韓国通信社ニュース1は、日本メディアが「最強の市民ランナーが世界に衝撃を与えた」と報じた、と紹介した。また、最後の2キロを残して川内がスパートをかけた当時「夢の中を走っているような感じだった」と話した内容も伝えた。
記事に接した韓国のネットユーザーは「このような人が本当のアマチュアスポーツマンだ」「エリートスポーツだけがすべてではないことを見せた」「社会体育が定着している日本がうらやましい」などとコメントしている。
関連記事
「公務員ランナー」川内優輝、ボストン・マラソンで優勝 朝鮮日報 2018/04/18 (1/2ページ) (2/2ページ)
まずこの記事なのですが、先日アメリカのボストンマラソンで日本の川内優輝選手が日本人として31年ぶりに優勝したという記事です。
そしてこのニュースは日本でも大きく取り上げられましたが、実は韓国でもかなり大きく取り上げられていました。
どれくらい大きく取り上げられていたのかは、上記記事以外でも以下のgoogleのニュース検索で見てもらうと解りますが、韓国の大手メディアで場所によってはトップニュース扱いという待遇なのです。
https://www.google.co.jp/search?q=%22%EA%B0%80%EC%99%80%EC%9A%B0%EC%B9%98+%EC%9C%A0%ED%82%A4%22&client=firefox-b&dcr=0&source=lnms&tbm=nws&sa=X&ved=0ahUKEwiq9Kbk68PaAhXDEpQKHf4XBuQQ_AUIDSgE&biw=1280&bih=888
ここで不思議なのが、なぜ自国の選手でもない人物がここまで大きく取り上げられるのかなのですが、実はそれには理由があり、引用記事でも言及されていますが、彼がプロではなくアマチュアで本業は公務員だからです。
日本人からしてみると、凄い事ですが「驚愕するような事」ではなく、他国の選手で似たような事例があったとしても、ニュースで取り上げられ話題にはなるでしょうが同時に大手メディアが一斉に他国の選手の事をここまで大きく取り上げる事は無いでしょう。
ではなぜ韓国でこうなったかといえば、韓国では「権威」や肩書きが最も重要であり、これが韓国の序列社会で大きな要素を占めているため、通常韓国社会ではそもそもこうした背景のある選手が世に出る事はありえないのです。
つまり、単にボストンマラソンで日本人が31年ぶりの快挙というのではなく、本業が公務員のアマチュア選手が「権威ある」マラソン大会で優勝した、これが韓国で「驚愕の出来事だった」ため、このように異例の注目記事となっているのです。
こうした事は韓国で過去にも発生しており、例えば以下の記事でその原因について取り上げられています。
<ノーベル賞の話>2014年物理学賞、中村修二
中央日報 2016年12月13日
(1/2ページ) (2/2ページ)
(一部抜粋)
韓国で一般の人たちはもちろん科学者さえもノーベル賞に対する固定概念を持っている。ノーベル賞の成果は基礎科学、高尚な学術研究、エリート科学者から出てくるという考えだ。中村氏はこうした偏見を完全に打ち破る。彼は1978年に徳島大学を出て日本の中小企業の日亜化学工業に入ったがノーベル賞を受けることになった成果はここで働いて14年ぶりに作ったものだ。当時彼は39歳で修士学位所持者だった。中村氏はこの技術開発1年後に博士学位を取ったがいわゆる「論文博士」だった。日本では大学に通わなくても論文を何本か出せば博士学位を取れる制度がありこれを活用したのだ。韓国でならC級研究者として後ろ指を差されただろう。
2014年にノーベル賞を受賞した中村修二氏に関する記事なのですが、当時韓国では中村氏の件も先述の河内氏の事例と同様に「驚愕の出来事」として取り上げられており、こちらではその原因を上記のように書いています。
もし韓国だったら、権威も肩書きも無い人物が何かを成し遂げたとしても、決して評価されず「C級研究者として後ろ指を差されただろう」と。ちなみにこの場合の「後ろ指を差される」とは、「劣等性を指摘される対象」という意味です。
日本でも学閥の問題や論文盗用の問題があるので偉そうな事はいえませんが、それを踏まえたとしても、韓国ではそもそも権威や肩書きがなければ成功もありえず、そもそも劣等者として「成功のチャンス」すら与えられないのです。
つまり、スポーツでも学問でも、その道の専門分野に進み「エリート」という序列の上位者にならなければ決して評価されないし、結果を出す事もできない、にもかかわらず日本では「権威」から外れた人間が世界的な結果を出した、だから韓国で大ニュースになっているわけです。
2:韓国式下克上
こうして韓国では、徹底した序列社会であるために権威や肩書きが無い人間はただひたすら虐げられる存在となるわけですが、虐げられる側も人間であるため、虐げられ続ければ鬱憤もたまります。
その結果「恨(ハン)」が蓄積され続けていくわけですが、他者の劣等性から自己の優越性や正当性を導き出す価値観のある韓国では、「権威」や「肩書き」のある人間の劣等性を指摘し、それが多数派の共通認識になれば、それだけ自己の序列を上げるチャンスになります。
参考記事
韓国人の「恨(ハン)」に関する考察
実力があっても権威や肩書きなど、エリートとしての地位がなければそもそも真っ当に這い上がるチャンスが無いためこうなるのですが、これを上手く利用したのが文在寅政権です。
元々文在寅氏は、盧武鉉元大統領などの親北左派系が李明博政権以降に「虐げられる側」であったことで本人自身もかなりの「恨」を蓄積していました。
文氏がどうやって大統領になったかといえば、要するに朴槿恵元大統領の「劣等性の指摘」特に2014年に発生した「セウォル号沈没事故」に関連し、朴元大統領の劣等性を指摘した事が大きな切っ掛けです。
ある意味で、文在寅氏は韓国の「恨(ハン)」の体現者とも言える存在なのです。
そのため彼は、大統領就任後もひたすら「他者の劣等性」を指摘し続けており、現在のターゲットはサムスンです。
例えばサムスンは労組を元々持っておらず、労組が設立されてからも労組に嫌がらせを続け力をつけさせないようにしてきました。
サムスン「労組組合員減少」の実績報告…組織的な“偽装閉業”を実行 ハンギョレ新聞 2018-04-12
巨大サムスンに対抗した労組、ついに直接雇用引き出した ハンギョレ新聞 2018-04-18
それが労組と密接な関係にある文政権になると、「労組締め出し」をしていたサムスン側の実態が次々と明るみに出て劣等性の指摘をされる側となり、いっきに序列が下がりました。
余談になりますが、確かに労組に力を持たせないよう、権力を使って裏で工作をし続けたサムスンも問題ですが、実際のところ労組側にも問題があり、過去このブロマガでも言及した事がありますが、労組側は組合員の子女を優先的に企業に就職させる世襲雇用制度をもっているのです。
【社説】「雇用世襲」が明るみに出た韓国大企業労組 朝鮮日報 2016/03/04
だからこそ、こうしたある意味「労組貴族」とも言える人々を警戒し、サムスンは権力をフル動員して「労組つぶし」という違法行為を繰り返していたわけです。
元々サムスンの場合朴政権の収賄事件に関わったとして、実質的なトップであった副会長が摘発されたという経緯もあり、文政権から劣等性の指摘をされ続けていたわけですが、更に止めとばかりにこの「労組つぶし」の件で劣等性の指摘をされ、文政権の序列を維持する手段に利用されたわけです。
そのため相対的に労組の序列も上がりました。
文政権や労組のような親北左派系など、かつての保守政権から虐げられて来た側が、劣等性の指摘によって序列が上がった事で逆に「虐げる側」になったわけです。
権威や肩書きが非常に重要な意味を持ち、それを前提に徹底した序列社会を形成している韓国において、唯一の「下克上の手段」が他者の劣等性の指摘であり、文大統領はこれを上手く利用したのです。
これが韓国の社会構造です。
序列が全てであり権威や肩書きがなければ成果を出す事ができないわけですが、それだと「恨(ハン)」が蓄積され続け社会は閉塞し破綻してしまいます。
それを防ぐある種のフェイルセーフ(安全装置)として、「他者の劣等性の指摘」による若干の序列の流動性が機能しており、ある意味韓国にはなくてはならない価値観なのです。
日本の常識とはかけ離れていますが、ある意味で理に適った価値観というわけです。
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