日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国人の「道徳」と「精神勝利法」


さて、今回は以前から書いている韓国人の「道徳的正しさ(絶対的正しさ)」と、「精神勝利法」という人によってはあまり聞きなれない言葉の関係について説明していきます。


まずは精神勝利法の説明から。
精神勝利法とは、中国の小説家魯迅の作品である阿Q正伝において、主要登場人物の阿Qが自身に降りかかるありとあらゆる不都合を、結果を心の中で都合よく取り替え自身の勝利と思い込むことで、自尊心を満足させてしまう行為の事で、魯迅はこれを当時の中国人の悪習であり改めなければいけない行為としました。


精神勝利法とは、要するに20世紀初頭の中国人が、同じ中国人を戒めるための言葉という事になるのですが。実は現代の韓国人が不都合に直面した時にとる言動が、魯迅の定義した精神勝利法と細部に違いはあるにせよ、かなりの部分酷似しているのです。


そしてこの精神勝利法と酷似した韓国人の反応というのが、韓国人の道徳的正しさであり、彼らは自分達に何らかの不都合が起きるたびに「自分達は相手よりも徳の高い存在なのだ」と思い込むことで、自身に振りかかった不都合を全て「(道徳的に劣った)相手の責任」にしてしまうわけです。


これは以前から書いている韓国人の特徴である、他者の劣等性が自己の優越性と=の関係とする蔑視ありきの自民族中心主義や、被害者が最も偉いとする価値観としばしば結びつき、「自分は相手よりも徳の高い存在なのだ」とする精神勝利法で自身への正当化として度々使われます。


最初にこちらの記事を。


【コラム】中国は本当に世界第2位の経済大国なのか
朝鮮日報 2015/09/20
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/09/19/2015091900442.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/09/19/2015091900442_2.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/09/19/2015091900442_3.html

ウェブアーカイブ
http://web.archive.org/web/20150921041536/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/09/19/2015091900442.html
http://web.archive.org/web/20150921041607/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/09/19/2015091900442_2.html
http://web.archive.org/web/20150921041637/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/09/19/2015091900442_3.html
(前略)
 その中国で、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は天安門から中国人民解放軍による史上最大の軍事パレードを見た。6・25戦争(朝鮮戦争)時の中国軍や、米国との安保同盟のことを考えて眉をひそめる人もいる。しかし、それよりも、韓国は中国経済の将来をまず考えなければならない。「株式会社 大韓民国」の貸借対照表では、数多くの項目が中国の今後次第で変わってくるからだ。

 軍事力だけでは国民を豊かにできないという真理はソ連が証明した。だからといって、「中国もソ連のように崩壊してしまう」と今から悲観する必要もない。2-3年苦労すれば終わるのか、それとも10-20年の長期低迷になるのかは、今後の中国のやり方次第だ。ただし党主導の統制経済はもはや通用せず、限界点に達していることだけは明白になった。米国の母親たちが出産のために行く理想の国に中国がなるのは、まだまだ先のことだ。



実は韓国三大紙の中で最も中国に好意的だったのは朝鮮日報であり、特に中国との経済の結びつきをしきりに訴えていたのですが、ここ最近は中国に否定的な論調が目立つようになって来ました。
勿論中央日報東亜日報も中国に否定的な記事が最近多いです。
要するに、以前書いた「韓国人は走り終わってから考える」そのものです、希望的観測に基き突っ走り、その結果として様々な弊害が出てから慌て出すのです。


少し前まで韓国では、中国との関係がよくなれれば経済もよくなり、北朝鮮も日本も中国が何とかしてくれる、アメリカはそんな韓国の立場をちゃんと理解してくれている、そんな雰囲気だったのですが、当然中国にせよ他の国にせよ、どこの国も自国の国益が第一なのですから、何でも韓国の思い通りに動いてくれるわけではありません、当たり前の事です。


しかし韓国は国も国民もその前提で中国へ接近した結果、今になって思い通りになっていない事に気付き慌て出しているわけです。
また、その結果同盟国であるはずのアメリカから信用されなくなってきている事も、やっと今更ながら韓国は気付き始めたのです。


結局、経済が好転できそうな要素も無く、日韓の問題も北朝鮮の問題も何も具体的には進展しそうになく、朴大統領による中国の抗日パレード参加は、ただ韓国が中国に利用されただけで終りそうだという事を、韓国人も薄々感じ始めています。


この結果は全て韓国のどっち付かずの態度が招いた事であり、傍から見たら単なる自業自得でしかないので、私達の感覚からするとまずは過ちを軌道修正しようと動くという発想になるでしょうが、韓国はそのような発想をしません、道徳的正しさに基き精神勝利法を活用し始めたのです。


【中央時評】漢字文明圏の歴史と未来=韓国(2)
2015年09月10日11時15分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/541/205541.html
韓国は米国の軍政の下、自由民主主義と市場経済を採択した幸運をもとに健康に育った。特に外部志向的政策で経済を発展させたのはそれ自体が大きな成就であり、「従属理論」に引きずられて遅れを取った社会に正しい発展モデルを提供した。その事実が我々の自負心の基礎だ。一方、極めて抑圧的な共産党政権が北朝鮮を支配してきたのは同じ民族である我々にとっては非常に苦しい。朝鮮の伝統にあったいかなる病的な要素がこうした地獄を作ったのか、我々は省察しなければいけない。

妙なことに漢字文明の中心である中国だけが現代の歴史に対する寄与がない。1840年代に阿片戦争で欧州勢力と衝突した後、中国は変化した環境に十分に適応できず、結局は日本の侵略を受けた。日本の陸軍の大半が中国に縛られたという事実が見せるように太平洋戦争に対する中国の貢献は大きかったが、最終的に日本を敗北させたのは米国だ。

共産党が中国を掌握すると、中国の役割は否定的になった。命令経済の導入で国民は極度に抑圧され、数千万人が餓死した。韓国戦争(朝鮮戦争)では侵略国である北朝鮮を支援し、国際連合から「侵略者」と規定された。辺境の少数民族を抑圧し、周囲のほとんどすべての国々と国境紛争を起こした。

そのような歴史が今回の中国の「戦勝節」行事に影を落とした。勇戦奮闘した国民党軍の貢献を中国共産軍が奪ったうえ、ともに戦った米国・英国・オランダおよび豪州は祝うこともなかった。特に朴槿恵大統領の華やかな姿は、他の自由国家の指導者が出席しなかったという事実を浮き彫りにした。

超強大国となった後、中国は自らが目指す世界秩序の姿を明らかにしなかった。実際、国が大きくなれば責任も重くなるという事実も悟っていなかった。1世紀前に日本が漢字文明を守護する機会を逃したように、今の中国は人類の文明の進化に寄与する機会を逃している。高い道徳レベルが伴ってこそ、こうした機会をつかむことができる。

今はもう隣国が中国に道徳的行動を要求するべきだ。道徳は人の天性であるため、道徳を強調することはいかなる場合であれ賢明で現実的な方策だ。誰もが力と戦略を話すが、中国が道徳的に成長できなければ砂の城でしかない。社会の根本は道徳だ。国際社会といってもそれは変わらない。

卜鉅一(ボク・コイル)小説家・社会評論家


要するに、「道徳的に優れた自分達が、中国を道徳的に正しい方向へ導けば良いのだ」と、そんな記事です。
韓国の思い通りにならなかったのは自分達が判断ミスをしたからでは無く、中国が道徳的に劣っていたからであり、自分達には何の落ち度もないのだと、そんなわけです。


また同じく思い通りにならないアメリカに対しても、こんな論調で「道徳的劣等性」を指摘し始めています。


移民の国、移民の佗びしいということ
コリアタイムズ(韓国語)  2015-09-19
http://www.koreatimes.com/article/942174
(一部抜粋)
この頃、共和党大統領選挙指名戦に出たドナルド・トランプの卑劣な言葉を聞いてレジャーワールド‘事件’を思い出した。「コリアン嫌いだ、出て行け」というハルモニと「米国が他の国々のゴミ処理場になっている」というトランプは同じ話をしている。白人優越・人種差別主義が脳裏に打ち込まれた、この社会に明らかに存在している一部構成員らの低級な意識を赤裸々に表わした言葉だ。‘差別’という恥部を隠すどころか完全に真裸になっても恥じるどころか、拍手喝采を受けている、この社会に巣くう外国人嫌悪の根は深い。

米国は移民の国だが、移民者に親切なだけの国ではない。先に席を占めた移民者らが後から来た移民を差別する態度がずっと反復されてきた。単に新参という理由で、宗教が違うという理由で、人種が違うという理由で、英語をできないという理由で…排斥し、そのような差別と弾圧を歯を食いしばって耐え抜いた歴史がすべての移民コミュニティの歴史だ。

反移民感情の核心は不安だ。外国から移民者が来たら今、自分たちが享受しているものなどが奪われないかと思う不安感だ。景気が悪いほど反移民感情が強くなる背景だ。人権に対する認識がなかった19世紀中盤には特に激しかった。移民反対、移民者反対を政治綱領で出した党もあった。‘何も分からないです(Know-Nothing)’党だ。今はラテン系がトランプによって‘ゴミ’扱いされているが、当時はアイルランド系が最も過小評価を受けた移民者であった。



似たような論調の記事は他のメディアでも掲載されており、特に中央日報では「アメリカでは韓国の中国接近を口実に差別主義者がのさばっている」としています。(韓国のイメージ下げる「トランプの口」、駐米大使館の国家監査場も熱くした 中央日報 2015年09月16日)
要するに、アメリカが韓国を信用しないのは、韓国が間違っているからでは無くアメリカが道徳的に劣等だからだとしたいのです。


ちなみに最近韓国はこんな指摘を受けています。


<魅力コリアレポ>(2)魅力国家の条件…秘訣は開放・多文化
2015年09月18日08時25分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/915/205915.html
(一部抜粋)
回答者らは「韓国がさらに魅力的な国になるためには開放的な姿勢と多文化的な感受性を持たなければいけない」と注文した。ウィリアム・パターソン豪州大使は「国家レベルでは開放性を追求するが、韓国で活動する外国企業に親和的な環境を作ることができない場合もあり、残念だ」と話した。グレッグ・ランバート米シラキュース大教授も「人種的な偏見と他のアジア人に対する差別を克服しなければいけない」と指摘した。『韓国人だけが知らない別の大韓民国』の著者エマニュエル・パストリッチ(米国ハーバード大博士)は「韓国に必要なのは『違い』を受け入れようとする開放・寛容の精神」と述べた。


この記事を見ても、韓国の論調はブーメランでしかないのですが、彼らのこの論調は精神勝利法を成立させるための行為であり、彼らの価値観では相手側の劣等性さえあれば自己の優越性が保障されるので関係ないわけです。


2015年9月23日22:56追記
ソースが中央日報ばかりに偏っていましたので、一部ソースと文章内容を変更しました。


また、このように「自分達は誰よりも道徳的に優れた存在である」とする前提が独り歩きし、以下のような論調も出てきています。


日中の対立深まる…韓国の役割がさらに重要に(2)
2015年09月21日08時17分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/983/205983.html
尹長官は20日、ソウルコCOEXで開かれた「韓日交流おまつり」の祝辞で、韓日関係について「世界のどの地域を見ても近隣諸国の間に大小の緊張や摩擦がないところはない」と述べ、未来に傍点を打った。一方で「正しい歴史認識に基づいて国交正常化50周年が新しい未来を開く転機になるよう努力しなければいけない」という警告も忘れなかった。政府関係者は「安保法の通過が韓日関係改善の障害にならないよう韓国政府も努力することで、日本もそうしなければいけないという要求」と説明した。

日本の安保法制という新しい外交環境で専門家は韓国の外交力がさらに重要になったと分析した。高麗大アジア問題研究所のナム・グァンギュ教授は「米中関係で日本の変数が大きくなり、北東アジア覇権をめぐる日中間の対立は深まることになった」とし「韓国が中間で真ん中で媒介の役割をして外交的な空間を広げることが可能だ。多者関係をうまく活用しなければいけない」と述べた。また「北が10月に挑発しても、過去のように韓日米対中国に立場が分かれる可能性は大きくない。冷戦的な秩序が変わり続けているため」と説明した。

国立外交院のキム・ハングォン教授は「今はもう明示的に北東アジアで米国・日本・中国のすべてから戦略的信頼を得る国は韓国しかない。北東アジアの緊張を緩和するための韓国の戦略的な連結の役割がさらに重要になるだろう」と述べた。特に25日の米中首脳会談、10月16日の韓米首脳会談、10月末-11月初めの韓日中3カ国首脳会議が北東アジア外交の分岐点となる見込みだ。


要するに「日本も中国も自分達よりも道徳的に劣った存在なのだから、韓国が正しく導いていくべきなのだ」そんな論調です。
これは以前紹介した「韓国人の目から見た「かくあるべき」世界」のマンガの一場面と似たような状態です。







この当時は90年代のアジア通貨危機から数年後であったため、単純に経済破綻から来る自信喪失を「かくあるべき」で埋め合わせた結果だったのですが、今回は自身の判断ミスの結果、日米からは不信感を持たれ、頼りにした中国はまるで期待通りにならず、多数の不都合が韓国に振りかかった結果、「自分達は道徳的正しいのだから道徳的に間違った他国を導ける」と、道徳的正しさに基く精神勝利法を繰り返した結果としての「アジアのバランサー論」なのです。


最後に。
韓国はこのような状態で精神勝利法を繰り返しているわけですが、その事を韓国に指摘してもまるで無意味です。
今回の件でもそうですが、彼らは自身に不都合が振りかかれば全て「他者が原因である」とし、それは相手が道徳的に劣等だから起きた事なのだとしてしまいます。


ですから、今回のような事を韓国に指摘しても、他者の劣等性が自己の優越性の担保となっている独特の価値観と結びついて、「お前のやっていることも精神勝利法だ」とこじつけてしまい、しかもこうなった時点で彼らの中ではこの問題が相手の問題に摩り替わり自身の問題は消えてしまいます。


ある意味で韓国のこの精神勝利法は、理屈の上ではこの世の中の誰よりも道徳的に優れた絶対的な存在にもなれる考え方です。
自分達の不都合は全て他者に転嫁でき、しかも他者の劣等性から自己の道徳的優位性を無限に導き出せるからです。


ですから私達がすべき事は、このような態度の韓国人を注意することでも、ましてや同調する事でもなく、「彼らはそういう価値観の人々なのだ」という事を理解し、その前提で彼らの言動に『対処』していくことなわけです。


余談になりますが、魯迅阿Q正伝では、阿Qは最終的に意味も解らずにノリで他者の政治的主張を真似た結果、無実の罪で捕まりあっさり処刑されてしまいました。
果たして韓国はどうなるでしょうか。