日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国は「核武装」したがっている


さて、今回は今年に入り韓国内の様々な場所で話題が出てきている、韓国人による核兵器保有待望論について書いて行きます。


要約

去年辺りから韓国ではあちこちで独自の核武装論が散見されていたが、今年に入り核武装論は更に大きくなり、政府内からも声が上がり出している。
これは、勿論北朝鮮が核実験を繰り返しているからという理由もあるが、本質的にはもっと根深い部分にあり、彼ら独特の価値観が関係している。


数年前より、国際社会において韓国の望み通りの結果が得られない事例が多くなった結果、「主観的・絶対的正しさ」という独特の価値観を持つ彼らは、「なぜ正しい事をしているのに支持されないのか」という国際社会に対する不信感が大きくなり、それを「世界は道徳よりも自国の利益を優先しているのだ」と自己完結し始めている。


その結果社会において「上下関係」が絶対的な意味を持つ彼らは、「正しさが受け入れられないのは自分達の力が弱いからだ」と考えるようになり、正しさを通すための力として核武装待望論が大きくなってきているという背景がある。


※一部を除き、引用記事本文は文末にまとめて掲載しています。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。



1:公に核武装が論じられ始めた韓国


まずは韓国最大手メディアである朝鮮日報の記事から


【社説】米中に頼れない韓国、今こそ独自の核武装
朝鮮日報 2016/01/28
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/01/28/2016012801204.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/01/28/2016012801204_2.html
(ウェブアーカイブ
http://web.archive.org/web/20160128084045/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/01/28/2016012801204.html
http://web.archive.org/web/20160129043502/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/01/28/2016012801204_2.html

米国のケリー国務長官と中国の王毅・外相は27日、北朝鮮による4回目の核実験に向けた対応について意見を交換したが、当初の予想通り明確な合意はなされなかった。会談後、ケリー国務長官は「北朝鮮に対してはこれまで以上に厳しい国連制裁決議が必要との点で一致した」と発言したが、その内容については明らかにしなかった。これに対して中国の王毅・外相は「制裁が目的になってはならない」とした上で「(対話を通じた問題解決という)中国の考え方は、喜怒哀楽によって変わることはない」と発言した。このような中国の態度から考えたとき、中朝貿易を制裁対象に含めるとする米国と中国の合意も、実際に北朝鮮を締め上げるレベルにはならないことが確実になった。
(中略)
北朝鮮の核問題解決の責任を中国に押し付けてきた米国や、北朝鮮による相次ぐ核実験を黙認してきた中国を信じるべき時はもう終わった。今や韓国は自衛策として最低限の核兵器保有するため、国民的な議論を行わざるを得ない状況に直面している。それによって国民が核兵器保有を進めることで一致すれば、韓国政府はすでに紙くずとなった1991年の韓半島朝鮮半島)非核化共同宣言をまずは破棄しなければならない。さらにウラン濃縮や核燃料の再処理など、最低限の核主権確保に向け米国との交渉もあらためて推進しなければならない。

 一方で核武装を無理に進めた場合、韓米同盟にヒビが入るのはもちろん、国際社会からの制裁も避けられないだろう。これは貿易で国の経済を維持する韓国にとっては大きな試練になるはずだ。またたとえ独自の技術を確保したとしても、強大国による厳しい監視をくぐり抜けて原料を確保し、核兵器を作れるのかという懐疑論もある。しかし現状は6カ国協議や数々の制裁措置に何の効果もなく、また米中両国も互いに責任を押し付け合っているだけで効果的な手段は何も打ち出せていない。これでは韓国としても、着実に核武装を進める北朝鮮の動きをただ眺めているわけにはいかないだろう。
(後略)


上記記事のように、要するに「アメリカも中国も北の核に対して韓国の助けにならないから核武装しよう」という論調です。
以前から書いているように、韓国人は彼ら独特の価値観から「自分達は他者から助けられて当たり前」と考える傾向にあるので、現在のアメリカや中国の態度は極めて不満なのです。


また、核武装論は別に「朝鮮日報のおかしな記者が主張しているだけ」ではなく、例えば先月中ごろには韓国与党からも核武装論が出てきています。


(※1)
韓国与党幹部「我々も核持つべきだ」 政界に衝撃 朝日新聞 2016年1月7日


更にこれは「一部の右派勢力のみが主張しているだけ」というわけでもなく、先月世論調査会社である韓国ギャラップ社が調査したところ、国民の54%が独自の核武装に賛成という結果が出ており、韓国人の過半数が韓国の核兵器保有に肯定的という背景が見えてきます。


(※2)
国民54%「我々も核保有」、61%「核実験は威嚇的」=韓国 WoW!Korea 1月15日


またこの調査結果からは、年齢が高くなるほど核武装に肯定的な考えが多くなっている事がわかり、これは恐らく80年代から90年代にかけて、韓国内で日本への核攻撃を示唆する反日プロパガンダ映画や小説が次々とヒットした事が大きく関係しています。


以前書いた事がありますが、韓国人は扇動されやすい傾向にあること、教育の影響から年輩層は反日国粋主義の傾向が強く、若年層ほど反日は薄まるが(北朝鮮も含めた)民族主義の傾向が強く、この事もこの調査結果に影響しているでしょう。


若い層は「北と統一すれば自動的に(同じ民族の)北の核が手に入る」と考える傾向が強いので、北朝鮮に肯定的であれ否定的であれ、韓国独自の核武装にはあまり興味がないわけです。


2:韓国による核開発の前科


実は韓国、核武装論が起こったのは今回が初めてではなく、過去にも何度か核武装論が出てきた事があり、そのうち何度かは実際に核開発未遂を行っています。


たとえば1970年代、北朝鮮の核開発がまだ話題にもなっていなかった頃、朴正煕政権によって独自の核開発構想があり、それを察知したアメリカとの間で何らかのトラブルがあったことが知られており、この時は朴正煕大統領が死亡した事で計画が頓挫しています。


また、1980年代には核開発に繋がる実験をしていた事が発覚しており、更には2000年にもレーザー濃縮実験を行い濃縮ウランを生成していた事が2004年に発覚、IAEA国際原子力機関)による要監視対象国となっています。


そして更に、この時使われたレーザー濃縮の技術が日本から盗まれたものであったことが去年発覚しており、日本の核技術に関する情報管理の甘さが問題にもなっています。


(※3)
IAEA「韓国ウラン分離に深刻な憂慮」 中央日報 2004年09月13日
日本の核技術流出初確認 04年査察、韓国で資料押収 毎日新聞 2015年11月4日


この事から解るのは、確かに北朝鮮による核開発が韓国での核武装論の動機のひとつではあるが、韓国の核開発は1970年代から計画されてきたものであること、あくまで北朝鮮による核開発は動機のひとつでしかなく、元々彼らは核武装したがっていたという事であり、韓国はそれを今でも諦めておらず、今回の核武装論は「その続き」だと考える事もできます。


3:独特の価値観から見た世界


ここで書く内容は、韓国による核武装論とは直接関係はありませんが、問題を知る上で重要な部分です。
(定期的にこのブロマガを読んで下さっている方々には既知の内容ですが、おさらいも兼ねて書きます。)


韓国では人間関係の基本が上下関係のみであり、対等という概念は非常に希薄です。
また、韓国人の多くは常に「自分は絶対的に正しい」と考えており、厳格な序列社会である事が「正しさ」の暴走を抑制するストッパーとして機能しています。


つまり上位の人間は下位の人間よりも「正しいはず」なので、下位の人間が正しさを主張しても上位の人間の正しさが何よりも優先され、そのため「上位の人間は下位の人間に何をしても許される」という考えがあるという事です。


韓国人が異民族や異人種、または異文化に蔑視的態度を取る傾向が強いのも、彼らが人種や民族、文化に序列をつけており、序列が下と考える相手には蔑視的態度を取れる「正当な権利がある」と考えている場合が多いという事でもあります。


そして、この序列を覆す唯一の方法は「被害者になること」であり、韓国では被害者になれば「道徳的に絶対的に正しい存在」となれるので、例外もありますが原則的に徹底した序列社会を超越した存在となる事ができる可能性が出てきます。


去年韓国人が広島の原爆被害者の追悼式を「被害者のコスプレ」と批判したのもそのためであり、彼らにとっては日本(人)は「永遠の加害者(道徳的劣等者)」であるはずなので、追悼式が「加害者が被害者に成り代わる」=日本が立場をわきまえず道徳的に正しい存在とアピールし始めた、と見えたからです。


(※4)
【コラム】被爆国・日本の「犠牲者コスプレ」 朝鮮日報 2015/08/14 (1/2ページ)(2/2ページ


ここでこれを書いたのは「韓国人は国際情勢を韓国人独自の価値観に当てはめて解釈している」ということを、改めて理解してもらうためです。
彼らは自分達の正しさや価値観は世界において絶対普遍のものであり、本来ならばこれを誰しもが理解できるものと考えている、この大前提が今回の核武装論と直接的に大きな関係があります。


4:「正しさを否定された」と感じた結果の核武装


韓国はここ何年も、国際社会に向けて「自分達は被害者である=道徳的に正しい存在である」とアピールしてきました、そして概ねその主張は表面的には受け入れられてきたのですが、2013年頃から徐々に韓国人の理想とする展開とは違う反応が出始め、特に去年から今年にかけては「正しさが否定される」状態が続きました。


彼らの価値観に基き「道徳的に正しい事」をしていれば、彼らは全てが上手く行くと考えていたのにです。


(※5)
【コラム】日本の精神的・道徳的優位に立って堂々と(1)(2) 中央日報 2015年08月14日


たとえば、去年韓国は8月の安倍談話を非難していたのですが、国際社会は概ね肯定的な評価をしたため韓国人の多くは困惑しました、「安倍談話は道徳的に間違っているはず」にも関わらず、なぜ国際社会から肯定的な評価が多かったのか、彼らには解らなかったのです。


更に、TPP関連で韓国がアメリカに参加を申し込むと、「正しい事をしているはず」にも関わらず、アメリカから「時期尚早」と素っ気無い態度を取られ、「正しい事をしているのだから東アジアでの韓国の役割は更に高まるはず」と考えていたにも関わらず、アメリカは「戦犯国」の日本を重視する態度を取ったため、彼らはある考えに行き着きます。


「世界は道徳的正しさよりも利己的な利益を追求しているのだ」と。
あくまで韓国人の想定する「正しさ」と「道徳観念」においてです。


(※6)
TPP大筋合意:「時期尚早」 駐韓米大使が前のめりの韓国にくぎ 朝鮮日報 2015/10/09

(※7)
日中の対立深まる…韓国の役割がさらに重要に(1)(2) 中央日報 2015年09月21日
「日本の役割拡大」は米国の意を実現…北東アジア軍拡競争の懸念強まる(1)(2) 中央日報 2015年09月24日


そして更に、中国の抗日式典参加について多くの韓国人は「アメリカは韓国の事情と正しさを理解しているはず」と考えていたにも関わらず、「アメリカが韓国の中国傾斜に不信感を持っている」と気付いたことも、彼らにとっては衝撃的でした。


このように、韓国人的価値観から見た様々な誤算や失望が続いた結果、彼らはこう考えるようになります。
「自分達は力が弱いから、利己的な利益しか考えない世界から下位の存在と見られているのだ、他国に一撃を与える力があれば序列が上がり道徳的正しさが受け入れられるはずだ」と。


(※8)
【コラム】韓国外相は口先で国が守れると思っているのか 朝鮮日報 2015/09/25 (1/3ページ)(2/3ページ)(3/3ページ


つまり彼らは、彼ら独特の価値観に基き国際社会の反応を分析し、「道徳観念の低い国際社会で正しさを受け入れさせるには、被害者である事を訴え道徳的正しさをアピールするよりも、他国を圧倒する力がなければいけない」、そう考えるようになったわけです。


実態としては、「自分達は助けられて当たり前」という態度に基き、コウモリ外交を続けた結果どこからも信用されなくなっただけなのですが、彼らは自分達の価値観が全世界で通用すると考えているので、このような解釈をしたというわけです。


そして更にこの事に拍車をかけたのが、韓国人から良心的日本人と呼ばれる日韓友好論者の存在です。
彼らは韓国人の正しさを何でも肯定してしまうため、「やはり善良な道徳心を持っている相手なら自分達の正しさは受け入れられているのだ」と考えているのです。


(※9)
【コラム】我々が手を握るべき日本人たち=韓国 中央日報 2015年08月17日


その結果、本来ならば流石に誤算続きで「もしかしたら自分達の判断は間違っていたのではないか」とブレーキを踏むところを、むしろアクセル全開で駆け抜けてしまい、疑いを持つどころか自分達の判断に確信を持ってしまったという側面があるのです。


そしてこの判断のまま突き進んだところへ決定的な2つの出来事が発生します。
一つは去年末の慰安婦合意、これには明らかにアメリカの意向が関わっているのですが、多くの韓国人は「アメリカが道徳的正しさを無視して韓国を裏切った」と感じました。


もう一つは先月初めの北朝鮮の核実験に対し、中国が韓国に対して素っ気無い態度を取った事です。
これはそれまでの中国の態度からは当たり前の反応なのですが、韓国人からしてみれば「抗日式典にも参加し中国の助けをしたにも関わらず、恩を仇で返された」と見えたのです。
中国は単に韓国を政治的、軍事的に利用しただけなのが明白だったのにです。


この2つの出来事が直接的な動機となって、一連の核武装論再燃となったわけです。


この事を踏まえたうえで、もう一度最初に引用した朝鮮日報の記事を読んでみて下さい、印象が大きく変わるでしょう。
彼らにとっては彼らの価値観が世界の全てであり、彼らの常識の範囲では核武装論が必然なのです。



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以下は当ブロマガのお勧め記事マイリストです、もしよかったらこちらもどうぞ。












(※1)
韓国与党幹部「我々も核持つべきだ」 政界に衝撃
朝日新聞 2016年1月7日
http://www.asahi.com/articles/ASJ1733PWJ17UHBI00Q.html
http://web.archive.org/web/20160108064546/http://www.asahi.com/articles/ASJ1733PWJ17UHBI00Q.html(ウェブアーカイブ

 北朝鮮による核実験強行を受け、韓国政界では衝撃が広がっている。与党幹部からは自衛のために韓国も核を保有すべきだとの意見も出始めた。

 韓国与党、セヌリ党の元裕哲(ウォンユチョル)院内代表は7日、「北の恐怖と破滅の核に対し、我々も自衛レベルの平和的な核を持つ時が来た」と主張した。韓国では核保有を主張する意見が一部にあり、北朝鮮の4回目の核実験で改めて浮き彫りになった格好だ。

 元氏は7日午前、同党の最高委員会議で「北は我々の頭に核兵器という拳銃を突きつけている」と指摘。「対話を通じた平和的解決が最も望ましい」としつつ、「方法を全面的に再検討する時期ではないか」と訴えた。
(後略)

(※2)
国民54%「我々も核保有」、61%「核実験は威嚇的」=韓国
WoW!Korea 1月15日
http://www.wowkorea.jp/news/newsread_image.asp?imd=159100

韓国国民の10人に6人が北朝鮮の4次核実験が朝鮮半島の平和に威嚇的であると考える一方で、3人は威嚇的ではないと考えていることが分かった。また、国民の54%が「韓国も核兵器保有しなければならない」と考えていることが調査された。

 世論調査専門機関韓国ギャラップは15日、去る12~14日、全国の成人1005人に、4次核実験での朝鮮半島平和威嚇に関する程度を質問した結果、「とても威嚇的」37%、「若干、威嚇的」24%で61%が威嚇的である認識をしたと明かした。

 また、「韓国も核兵器保有するべき」との主張には54%が「賛成」、38%が「反対」の立場を見せた。8%は意見を保留にした。

 ギャラップによると、核兵器保有「賛成」は50代(68%)と60代以上(63%)、セヌリ党支持層(62%)で比較的多く、「反対」は20代(57%)が多かった。

(※3)
IAEA「韓国ウラン分離に深刻な憂慮」
2004年09月13日19時31分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=55801

国際原子力機関IAEA)のエルバラダイ事務局長は13日、韓国のウラン濃縮実験およびプルトニウム抽出実験について「深刻な憂慮」を表明したと、IAEA関係者らが明らかにした。

エルバラダイ事務局長はこの日、ウィーンで開催したIAEA定期理事会に先立ち、事前に理事国に配布した非公開文書を通じてこのように述べたと、匿名を要求したIAEA関係者らが明らかにした。

IAEAの「深刻な憂慮」表明という表現は、政府当局が当初期待したものより強力な水準で、IAEAが韓国のウラン分離およびプルトニウム抽出実験をかなり深刻な問題と考えていることを表している。

現地の韓国外交関係者は事務局長のこうした冒頭報告内容に関連し、「実際の会議ではニュアンスを調節できないか」と述べたが、冒頭報告の内容に重大な欠陥がない限り修正しないのが慣例であり、韓国側の希望通り文句が調整されるのは難しそうだ。

しかし別のIAEA関係者は「韓国の場合、その間、核拡散防止条約(NPT)や安全措置協定などを順守しようと努力し、IAEAの査察に誠実に応じてきたという点で、最悪の措置にはつながらないだろう」と説明した。


日本の核技術流出初確認 04年査察、韓国で資料押収
毎日新聞 2015年11月4日
http://mainichi.jp/articles/20151104/ddm/001/030/163000c

国際原子力機関IAEA)が2004年夏に韓国の極秘ウラン濃縮実験施設を査察した際、日本が開発した濃縮技術の特許に関する資料を押収していたことが毎日新聞の取材で分かった。IAEAのオリ・ハイノネン元事務次長が明らかにした。査察では、この特許に基づいた機器も見つかった。欧米主要国では、核兵器開発につながる技術は情報公開を限定する措置が取られているが、日本では、特許出願で詳細な技術情報が公開される。特許制度の不備により、軍事転用可能な核技術が他国で利用されていることが初めて明らかになった。(2面に解説と「核回廊を歩く」)

 ハイノネン元次長によると、日本の濃縮技術情報は、IAEAが韓国中部の大田にある「韓国原子力研究所」を査察した際に見つけた。日本の電力各社が中心となり1987年に設立した「レーザー濃縮技術研究組合」が開発したレーザー濃縮法と呼ばれる技術の特許に関する資料だった。

 ウランなど核物質を使う実験を行うには、事前にIAEAに届け出る必要があるが、韓国はこれを怠り、04年8月に自主的に申告。IAEAの査察で極秘実験が裏付けられた。

 IAEAによると、韓国は00年1〜3月に少なくとも3回、極秘のレーザー濃縮実験を実施し0・2グラムの濃縮ウランを製造した。濃縮度は最高77%に達した。ただ、ウラン(広島)型核兵器の製造には濃縮度が90%以上のウラン25キロが必要で、実験は小規模な実験室レベルにとどまった。

 レーザー濃縮技術研究組合は、93年から02年までレーザー濃縮法など計187件の特許を出願し、技術情報が公開された。韓国は、こうした日本の核技術情報などを入手し、極秘実験していた可能性がある。

 核技術を巡っては、01年に大手精密測定機器メーカー「ミツトヨ」が三次元測定機と呼ばれる機器をリビア核兵器開発用として不正輸出した例があるが、今回のように核技術情報の利用が判明したのは初めて。

 韓国への特許情報流出は日本の国内法上問題はないが、荒井寿光・元特許庁長官は「軍事技術にも転用できる技術を公開している実態は危険だ」と話している。


(※4)
【コラム】被爆国・日本の「犠牲者コスプレ」
朝鮮日報 2015/08/14
(リンク切れ)
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/14/2015081401042.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/14/2015081401042_2.html
(ウェブアーカイブ
http://web.archive.org/web/20150814122211/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/14/2015081401042.html
http://web.archive.org/web/20150814122329/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/14/2015081401042_2.html

「核は非人道性の極致」「長崎、生き残る苦しみ」…。ここ数日、日本の各紙は原爆投下70年に合わせ、先を争って特集記事を掲載している。1945年8月6日に広島、9日に長崎へ投下された原子爆弾で、それぞれ14万人、7万人が命を失い、「無条件降伏」を受け入れるしかなくなった日本としては、痛い記憶なのだろう。1、2発の爆弾でこれほど多くの命が一瞬のうちに失われることもあり得るという事実は悲劇で、二度と繰り返してはならない。しかし、侵略戦争を起こし、中国や韓国をはじめ、アジアで1000万人を越える死者を出した加害者・日本が「原爆被害国」として「犠牲者」のように振る舞うのは、どこかしっくりこなかった。

 同時通訳者にして作家でもあり、韓国にも固定ファンが非常多い米原万里の著書『魔女の1ダース』には、こんな話が出てくる。90年に東京で開かれたシンポジウムの通訳を務めていたときに経験したことだという。45年、ソ連軍が満州に進駐し、軍人を含む日本人60万人が抑留された。ソ連は抑留者をシベリアに連行し、長いケースでは10年間も強制労働をさせ、6万人が命を失った。ソ連は、ゴルバチョフ登場後にようやく抑留者問題に関心を持つジェスチャーをみせ、赤十字歴史学者からなる代表団を送って対話をスタートさせた。

 シンポジウムの途中、ソ連歴史学者が抑留者問題の端緒となった経緯を報告する際に、ソ連軍が満州に「入っていった」と表現した途端、事件が起こった。ある出席者が「日ソ中立条約を勝手に破っておいて、『入っていった』とは何だ」と揶揄して会場内は収拾がつかなくなり、騒がしくなった、ソ連歴史学者は、あきれたというように見守っていたが、マイクをつかんだ。「うるさい! ならそのとき、あなた方はどこにいたのか。寝室にいたのか。満州があなた方の土地だというでもいうのか」。この一言で、ハチの巣をつついたようだった会場は、水を打ったように静まり返った。米原万里は、バランス感覚を欠いて自分の立場でしか物を考えない一部の日本人の厚かましさを、こういう形で皮肉った。


広島と長崎の被爆者の中には、徴用などで連れて行かれた朝鮮人7万人も含まれている。広島平和記念資料館で聞いた被曝生存者の肉声録音の中に、今なお忘れられない声がある。在日朝鮮人の証言だった。「原爆投下の当時、自分が生きているという事実を確認した後、真っ先に抱いた思いは、日本人が自分たちに責任を負わせて虐殺するかもしれないという恐怖だった」。空前の惨劇の現場で、1923年の関東大震災の際、6000人近い朝鮮人が虐殺された記憶から思い出したというのだ。

 おととい、植民地時代に韓国の独立運動家が辛酸をなめた西大門刑務所の歴史館を鳩山由紀夫元首相が訪れ、ひざまずいた写真は印象的だった。鳩山元首相は、被害に遭った側から「もういい」と言われるまで謝罪をやめてはならないと言った。安倍首相が率いる今の日本社会ではほとんど影響力がない元首相の突出行為なのかもしれないが、東アジアの平和を望む韓日両国の国民にとっては、感動的な場面だった。日本が東アジアで信頼を獲得し、平和国家と認められるためには、「犠牲者コスプレ」はそれくらいにして、相手の立場から考える「易地思之」を学ぶべきだ。


(※5)
【コラム】日本の精神的・道徳的優位に立って堂々と(1)(2)
2015年08月14日10時58分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/445/204445.html
http://japanese.joins.com/article/446/204446.html

光復(解放)と分断70年を回顧しながら、ふと1991年に英国で起きた真剣な論争が思い浮かんだ。当時サッチャー首相は大英帝国が欧州の一部として吸収されることを屈辱に思い積極的に反対したが、70年代に首相をつとめたエドワード・ヒースは13%を超える失業率のもとで競争力のない英国が欧州連合(EU)に加入するのは国益のために当然だと主張した。

結局、英国は92年に欧州通貨連合(ユーロ圏)に加入しないという留保条項と共にマーストリヒト条約に加入する。国家のアイデンティティを守りながらも国家の未来を苦悩して出したバランスの取れた決定だったと思う。

同じ島国でありながらも日本はバランス感覚において英国とは全く違うようだ。日本の人々は集中力が強い。生涯同じ仕事を熱心にして、1つのことを深く掘り下げ職人になり、高い技術力を蓄積して後代へと継承する。それでノーベル賞も数多く受賞し富を蓄積して、暮らしよい豊かな国になった。

一方で日本人たちは片一方に傾く傾向が強い。時にはバランス感覚不足で誤った考えを修正する復原力も弱い方だ。また日本人の間では他人に配慮し迷惑をかけることを嫌うが、国外を眺める時は常に欲を出して遠交近攻(遠くの国と手を握り近い国は攻撃する)をしたがり、それを野望と考える。

日本はまた経済的な一流国家としての自尊心とアイデンティティに対する執着が強いながらも、精神的・道徳的なアイデンティティの価値を相対的に低く評価している。このようにバランス感を失って精神的な基礎が揺らぎながら、日本は植民地時代の韓国を残忍に蹂躪(じゅうりん)して第2次世界大戦時は人間としての尊厳と価値を踏みにじり、想像できないほど残酷で野蛮的な行動もはばからなかった。

日本人は個人的には非常に立派で精神的に健全な人々が多い。しかし日本では、さまざまな人が集まれば自分の意向をあまり示さない指向があり、社会の誤った方向を正す集団的知性や市民社会活動も微弱だ。メディアの政府牽制や誤った社会現象に対する批判もそんなに強くない。こうなれば国家社会の自浄機能が弱まる。

日本は多分に二重的だ。古代日本は百済など韓半島朝鮮半島)から多くを学んだ。しかしその後力量を強化して壬辰倭乱文禄・慶長の役)を起こした。明治維新以降、西欧文明を受け入れて国力が伸張すると満州事変、日中戦争に続き真珠湾を攻撃して太平洋戦争を起こした。

敗戦後、過去70年間にも日本は似たような3つの失策を犯した。

最初は周辺被害国と本当に和解して道徳的・倫理的価値を蓄積する機会を捨てたことだ。被害国に対する謝罪の気持ちの代わりにお金で間に合わせようとした。彼らの経済援助によって東アジア諸国が豊かになったと片づけながら、過去の歴史に対する巧妙な論理開発に重点を置いて自己矛盾に陥っている。

2番目は東アジア外国為替危機の時の日本の身の振り方に関することだ。日本は東アジアで途方もない富を蓄積した。しかし97年タイで東アジア金融危機が初めて発生して韓国まで火が広がった時、日本は中途半端に、そして米国の後ろに隠れて守備的にのみ対応した。東アジアは日本のそっけない姿をまざまざと目撃した。

3番目は改革・開放以後の中国の扱いに失敗したことだ。中国を未開で危険な国と考えて敬遠視したが、中国の急速な膨張を見ながら中国への恐怖心と共に抵抗感も生まれた。米国に従ってアジアインフラ投資銀行(AIIB)への加入を拒否した。中国は勝者のパーティーにひたり、日本は内心後悔している。中国は一層自由になった。中国を多国フレームにまとめて牽制することに失敗したのだ。

以上のケースで見るように、日本は自己破壊的な偏見の中で、すまないと思う術も知らずにバランス感と羞恥心まで弱くなってしまったのではないのか疑わしい。精神的な後進国症候群に陥る感じだ。

したがって今、日本に最も緊急な課題は20年余りの長期停滞から抜け出すことよりも精神世界の健全さとバランス感覚を回復することだと考える。結局は精神世界が経済も支配するためだ。

かつて日本のリーダーは国内に困難が生じれば外敵を作って国民をそちら側へと追いやった。日本人たちはリーダーに従順になりながらバランス感覚なしに誤った戦争にともに没頭した。今の安倍政権もこれと似たような方向へ向かう雰囲気だ。今回は日本国民が過ちを正すバランスのおもり役を果たすことを期待する。

そして重要な隣国である日本が強い国(Able men)を超えて品格ある良い国(Good men)、国際社会で道徳的に自由な国(Free men)になることを願う。

今や韓国が真の独立を完成するには、国力を持続的に伸ばして国論を1つに結集し、名分と道徳的優位に立って堂々としながら大乗的な姿勢で日本に対応することだ。上位の中堅国家らしく感情的な対応をやめて冷徹で賢明な振る舞いで能力と品格ある一流国家にならなければならない。それが日本を克服する道だ。

韓日関係は新たな未来へと向かっている。両国の未来世代はどんな精神的遺産を礎に共に会わなければならないだろうか。次の50年は、両国関係が微分的な利己心に揺らがずに積分的な拡大バランスに深化したら良いだろう。

チョン・ドクグNEAR財団理事長

(※6)
TPP大筋合意:「時期尚早」 駐韓米大使が前のめりの韓国にくぎ
朝鮮日報 2015/10/09
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/10/09/2015100900837.html(リンク切れ)
http://web.archive.org/web/20151009094939/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/10/09/2015100900837.html(ウェブアーカイブ

米国のリッパート駐韓大使は8日、16日に予定されている韓米首脳会談で、韓国側が環太平洋経済連携協定(TPP)に加わる問題が議題となる可能性について「経済問題も話題にはなるだろうが、TPPについて活発な意見交換を行うのは時期尚早だ」とくぎを刺した。

 この発言は、首脳会談で米国とTPPについて話し合うことにより「韓国経済疎外論」を払拭(ふっしょく)させたい韓国政府の期待とはかなり異なるものだ。

 リッパート大使はこの日、ソウル市中区貞洞の米国大使公邸で外交担当の記者らの前で会見し「米国は現在、TPPを議会で承認してもらわねばならない状況のため、当分は議会との協議に力を入れるだろう」とした上で、上記のように述べた。

 リッパート大使の発言と関連して、ある外交筋は「今月5日に米国と日本が中心となってTPPが大筋合意に至った直後から、韓国国内では『加入のチャンスを逃した』『早期の加入を』といった声が高まっているが、米国はこれら韓国側の声にブレーキをかけたと解釈できる」との見方を示した。

 リッパート大使はさらに「高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備問題も議題にはならないだろう」とも発言した。

(※7)
日中の対立深まる…韓国の役割がさらに重要に(1)(2)
2015年09月21日08時17分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/982/205982.html
http://japanese.joins.com/article/983/205983.html

「安倍首相が米中間、日中間の葛藤を深める『不和の手』を投じた。韓国の課題はこれを『和合の手』で返すことではないだろうか」。

日本の安保法案参議院通過に関し、外交部の当局者が20日に述べた言葉だ。「戦争ができる日本」が北東アジアの外交地形に及ぼす影響をめぐり複雑な争いが始まった。米国・中国・日本を相手にする韓国の外交計算はさらに複雑になった。

政府は日本の安保法案通過を直接的に批判しなかった。参議院処理直後の19日午前2時53分、外交部の魯光鎰(ノ・グァンイル)報道官が論評を出し、「平和憲法の精神を堅持し、地域の平和と安定に寄与する方向で透明に推進しなければならないだろう」と述べた。「韓半島朝鮮半島)の安保および韓国の国益関連事案では我々の要請や同意がない限り日本の自衛権行使は容認できない」と強調しながらだ。懸念が込められているが、直ちに歓迎した米国とも、批判した中国とも違う。

韓国としては韓日米の対北朝鮮安保連携を考えれば日本の再武装を直接的に非難することはできない。しかし歴史歪曲を繰り返す中、軍事的な野心まで見せる日本を歓迎できないのは中国と同じ心情だ。

こうした悩みは尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官の動きにも見られる。安保法案可決が事実上確定した17日、「韓米親善の夜」行事で、尹長官は「天下無敵」という表現まで使って韓米同盟の強さを強調した。バトンを受け継いだリッパート駐韓米大使は「尹長官の言葉通り」という表現を3回も使い、韓米関係は過去最高だと強調した。外交部の当局者は「大統領の訪中後に浮上した中国傾斜論を払拭し、日本が韓国に影響を与えるほどの軍事的な野心を展開できないよう韓米同盟で制御するという意志を見せた」と伝えた。

尹長官は20日、ソウルコCOEXで開かれた「韓日交流おまつり」の祝辞で、韓日関係について「世界のどの地域を見ても近隣諸国の間に大小の緊張や摩擦がないところはない」と述べ、未来に傍点を打った。一方で「正しい歴史認識に基づいて国交正常化50周年が新しい未来を開く転機になるよう努力しなければいけない」という警告も忘れなかった。政府関係者は「安保法の通過が韓日関係改善の障害にならないよう韓国政府も努力することで、日本もそうしなければいけないという要求」と説明した。

日本の安保法制という新しい外交環境で専門家は韓国の外交力がさらに重要になったと分析した。高麗大アジア問題研究所のナム・グァンギュ教授は「米中関係で日本の変数が大きくなり、北東アジア覇権をめぐる日中間の対立は深まることになった」とし「韓国が中間で真ん中で媒介の役割をして外交的な空間を広げることが可能だ。多者関係をうまく活用しなければいけない」と述べた。また「北が10月に挑発しても、過去のように韓日米対中国に立場が分かれる可能性は大きくない。冷戦的な秩序が変わり続けているため」と説明した。

国立外交院のキム・ハングォン教授は「今はもう明示的に北東アジアで米国・日本・中国のすべてから戦略的信頼を得る国は韓国しかない。北東アジアの緊張を緩和するための韓国の戦略的な連結の役割がさらに重要になるだろう」と述べた。特に25日の米中首脳会談、10月16日の韓米首脳会談、10月末-11月初めの韓日中3カ国首脳会議が北東アジア外交の分岐点となる見込みだ。


「日本の役割拡大」は米国の意を実現…北東アジア軍拡競争の懸念強まる(1)(2)
2015年09月24日17時10分
[ⓒ 中央SUNDAY/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/182/206182.html
http://japanese.joins.com/article/183/206183.html

安倍晋三首相が総裁の自民党を中心とする与党が、自衛隊集団的自衛権行使が可能になる安保法案を国会で強行処理した。これを受け、北東アジアの安保地形に相当な変化が予想される。早くも韓国と中国は日本の今後の動きに神経を尖らせている。韓半島朝鮮半島)と北東アジアをめぐり軍備拡張競争が加速するという懸念もある。日中間で局地戦が発生することも考えられる。何よりも北朝鮮の全面的な挑発がある場合、1945年の解放以来、日本軍がまた韓半島に入ってくる可能性も完全に排除することはできない。

イ・ミョンチャン東北アジア歴史財団研究委員(慶応大国際政治学博士)は戦争が可能な「普通の国」への道を着々と進む日本の外交安保戦略と政策を研究してきた学者だ。イ氏に今回の法案成立の意味、安倍首相の意図、今後の北東アジアと韓半島に及ぼす影響などを尋ねた。

--日本国民の強い反対にもかかわらず安保法案を強行処理した安倍首相の意図は。

「安倍政権の念願は『戦後レジームからの脱却』だ。戦後レジームとは、日本が起こした侵略戦争戦勝国、米国の一方的な強要で作られた平和憲法9条により形成された、『自虐史観』が蔓延した日本をいう。日本の右翼勢力は、現在の日本は米国の半植民地であり、ここから抜け出す唯一の方法は憲法を改正して名実ともに独立国家の姿を整えることだと主張してきた。安倍首相の念願は祖父・岸信介元首相が果たせなかった夢を実現することだ」

--強行処理後に日本で予想される政治的な影響は。

憲法学者の多数が違憲だと認識する安保法案が通過したが、これを無力化しようとする日本国内の反発は続くだろう。これに対して安倍首相は衆議院解散を通じて信任を問う可能性も排除できない。この場合、総選挙での野党の対応がその後の日本政治の流れを決めることになるだろう。問題は小選挙区制度で分裂した野党では安倍政権の疾走を防げないという点だ」

--今後、韓半島と北東アジア、世界情勢に与える影響と含意は。

「経済大国の日本が近い未来に軍事大国として国際社会に登場する可能性があることを意味する。もちろん日本の軍事大国化がすぐに世界情勢に脅威となるわけではない。とはいえ北東アジアをめぐる国際情勢が不安定になる場合、軍事的衝突の危険性はさらに高まる。尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる日中間で局地戦が生じるおそれもある。周辺国との軍拡競争の可能性も高まった。韓国の立場では戦略的計算に入れるべきもう一つの軍事大国が隣に登場したという意味がある」

--米国は歓迎の声明を出した。米国が企画して安倍首相が実行したのでは。

「米国は第2次世界大戦終戦後、懲罰的な改革を日本に強要した。しかし冷戦が始まり、50年に韓国戦争(朝鮮戦争)が始まると、すぐに日本憲法9条を改正して軍隊を創設するよう当時の吉田茂首相に圧力を加えた。吉田首相はこれに反発し、軽武装と経済優先という『吉田ドクトリン』を発表した。集団的自衛権を認めない『専守防衛』を自衛隊の役割として定着させた。しかし90年の湾岸戦争をきっかけに米国は日本の軍事的役割拡大を要求してきた。その要求が25年の歳月を経て今回実行に移されたのだ。安倍首相は内心、米国の軍事的要求を聞き入れながら、反対給付として歴史問題で米国が日本側に立つことを望んでいるだろう」 
(後略)

(※8)
【コラム】韓国外相は口先で国が守れると思っているのか
朝鮮日報 2015/09/25
(リンク切れ)
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/09/25/2015092501201.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/09/25/2015092501201_2.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/09/25/2015092501201_3.html
(ウェブアーカイブ
http://web.archive.org/web/20150927200229/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/09/25/2015092501201.html
http://web.archive.org/web/20150927200434/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/09/25/2015092501201_2.html
http://web.archive.org/web/20150927200546/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/09/25/2015092501201_3.html

(一部抜粋)
 ルーズベルト大統領が考える国益とは、他国の手を借りてロシアの南下を防ぎ、米国は「漁夫の利」により中国で利益を得るというものだった。この時、「代わりに血を流す」と手を挙げたのは日本だ。中国の「東進(東方進出)」をけん制するため血を流すという安保法が成立した今の日本と似ている。程度の差はあるが、「一撃を加えられる」国だということもほぼ同じだ。米国はロシアを阻むため日本を戦場に引き込み、日本を引き込むために韓国を捨てた。当時の韓国は「一撃を加える能力」はもちろん、独立を維持する方法すらなかった。

 今は能力がないからと言って国が捨てられる時代ではない。だが、少なくとも「一撃の能力」なしに外交の主導権を行使するのは許されていない。先月の南北危機はそうした能力が試された場だった。北朝鮮の潜水艦が半数以上いなくなり、後方の火力兵器が前進配備された時、韓国はどんな一撃の「切り札」を切るのか。韓国海哨戒艦「天安」爆破・沈没や延坪島砲撃事件を経た韓国は何が変わったのだろうか。結局、今回もステルス機・爆撃機原子力空母など米国の戦略資産を引っ張り出した。米中日はそういう韓国を目の当たりにした。南北統一外交を主張する前に、統一を行うことができる能力を備えるべきだ。「一撃も加えられない」国のために大国が介入しないのは今も昔も同じなのだ。

 韓国政府は今回の危機に関して大きな勘違いをしているようだ。韓米同盟を「天下無敵」と言った尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部(省に相当)長官の言動がそうした認識を現している。今回の軍事危機で韓国の役割はどれだけだっただろうか。一撃の能力を備えた上であのような発言をしなければ、うつろな言葉にしか聞こえない。

 国は口で守るものではない。兵士たちに対する大統領の1泊2日間の特別休暇証付与も同じだ。兵士たちに本当に必要なのは、休暇証よりも敵の攻撃から自らを守ることができる「一撃の能力」だ。

(※9)
【コラム】我々が手を握るべき日本人たち=韓国
2015年08月17日11時20分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/501/204501.html

紆余曲折の末、安倍晋三首相の終戦70年談話が14日に発表された。6カ月間にわたり緻密に準備したというが、安倍首相の歴史修正主義主張を巧妙かつ執拗に包装し掛け接ぎした。

深い謝罪はなかった。朴槿恵(パク・クネ)大統領が翌日の8・15光復(解放)70周年演説で述べたように「我々としては残念な部分が少なくないのが事実」だ。にもかかわらず、朴大統領は「歴代内閣の立場は今後も揺るぎない」という安倍首相の言葉を行動で支えることを求めた。

しかし安倍首相にあまりにも大きな期待をする場合、近いうちにまた失望することになるだろう。むしろ安倍首相の言葉に一喜一憂しない毅然とした態度が必要だ。目を大きく開いて牛のようにこつこつと、「虎視牛歩」で我々の外交の道を歩んでいかなければいけない。

その過程で忘れてはならないことがある。日本には安倍首相と右翼だけが存在するのではなく、常識が通じる良心勢力が少なくないという事実だ。

安倍首相の談話騒乱の前に見られた重要な場面がある。柳寛順(ユ・グァンスン)烈士が投獄された西大門(ソデムン)刑務所を、12日に訪問して謝罪した鳩山由紀夫元首相(68)だ。日本の韓国植民地統治について、鳩山元首相は「心から申し訳なく思う。おわびの気持ちをささげていきたい」と述べ、頭を下げた。黒いネクタイに白い手袋をした鳩山元首相の表情は厳粛で真摯だった。1970年12月7日にポーランドワルシャワユダヤ人慰霊塔の前でひざまずいて謝罪した当時のヴィリー・ブラント西ドイツ首相を思い出させた。鳩山元首相がブラント元首相を真似たと低評価するべきではない。ドイツは現首相だったが、日本はなぜ元首相かと問いただすのもやめよう。

こうした良心的な日本人の勇気ある行動には熱い拍手で応えよう。我々が鳩山元首相を積極的に称賛してこそ、より多くの「第2の鳩山」が出てくるだろう。ひざまずいた鳩山元首相の写真をネットユーザーは世界に広めよう。安倍談話を激しく非難して怒り、その後すぐ忘れてしまうよりかははるかに価値がある。

このように穏健で合理的な日本人の声と位置づけが高まるよう我々が助けなければいけない。こうした側面で「菅直人談話」には改めて関心が向けられるべきだ。日本の強制併合から100年となった2010年8月10日、菅首相は韓国に言及しながら日本の大韓帝国併合過程の強制性をう回的に認めた。95年の「村山談話」よりはるかに進展した内容を入れた。しかし当時、韓国は「菅談話」の価値を正確に評価しなかった。

右翼が脅迫しても旧日本軍慰安婦と強制徴用の真実を知らせて記録する日本人は少なくない。この人たちと手を握る我々の小さな努力が積み重ねられてこそ、韓日関係80周年にはもう少し変わった日本に会えるだろう。