日韓問題(初心者向け)

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韓国では「信用」の基準が相手によって変わる


さて、今回は過去にも何度か扱った事のある韓国社会における「信用」の概念について、改めて書く事にします。


なぜ今回改めてなのかといえば、実はつい最近韓国関連でこの「韓国人の信用の概念」を知る上で非常に参考になる出来事2つが、丁度比較参照しやすい形で発生しており、この2つの出来事を比較すると韓国人が信用というものをどう捉えているか非常にわかりやすいからです。
ある意味で奇跡的なタイミングです。


2つの出来事に関しては後ほど引用するとして、結論を書いてしまうと、韓国人の多くは主観的正しさしかもっていない事と、その主観的正しさを元にして「自身は道徳的に優れた存在である」と考えている事は以前から書いていますが、主観的な視点のみを正しさや道徳の判断基準にしているがために、不正行為を他人(道徳的に劣等)がした場合は信用を失う行為となりますが、自身(道徳的に優越)が行った場合には信用を失う行為にはなりえないはずと考えるのです。


なぜならば、自身は道徳的に優れているのだからその行為は全て「正しい理由」がある、との前提の下で、相手はその事情を汲んで不正を「しなければいけなかった原因や動機」を理解しなければいけないと考えるわけです。
そして他者が不正行為を行った場合には、彼らから見てそれは道徳的に劣った存在のしたことなので、事情を汲む必要が無く原因の如何に関わらず信用を失うと、そんなわけです。


つまり、彼らの中での信用というのは、主観的な判断基準に基く「徳」の高い低いで決まるのであって、同じように不正をしてもこの徳の違いによってその扱いが変るわけです。
以前韓国人は「相手が自身に都合の良い事をいえば信用する」と書きましたが、これも要するに相手が韓国人の徳の高さや正しさを理解したと判断した結果なのです。


前置きが長くなってしまいましたが、具体的な事例を元にこれを説明していきます。
最初に書いた2つの事例のうちまず一つ目の事例を。


【萬物相】フォルクスワーゲンとドイツ人
朝鮮日報 2015/09/24
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/09/24/2015092401225.html
(前略)
先週、米国の環境庁が世界トップの自動車メーカーであるドイツのフォルクスワーゲン社に対し、48万台以上のディーゼル車についてリコールを行うよう命令した。米国の排ガス基準に合わせるため、検査のときのみ排出ガス低減装置が作動するエンジンを搭載していたことが発覚したのだ。低減装置が作動すればエンジン効率が低下するというのがその理由だが、これはまさに顧客と政府をだます詐欺に他ならない。一昨日フォルクスワーゲン社はこれと同じ型のエンジンを搭載した車をすでに1100万台販売したことを明らかにした。

 韓国人はドイツ車を非常に好み、フォルクスワーゲンも韓国の輸入自動車市場でトップを走っている。フォルクスワーゲンはベンツやBMWといった高級車ではなく、より大衆的な車を製造販売していることから、業界ではこのことが韓国でもフォルクスワーゲンの販売が非常に好調な理由と考えられている。有害物質の排出を減らし、そこからさらに燃費を良くしようとすれば、どうしても自動車の価格は高くなる。韓国人がドイツ車を好むのは、技術に対する信頼とともに、ドイツという国の良いイメージも間違いなく作用している。しかし逆に言えばそれだけ今回ドイツ人が行った不正に対する失望も大きいはずだ。その結果、今回の問題によってフォルクスワーゲンという一企業はもちろん、ドイツという国とドイツ人も多くのものを失ってしまった。


中央日報の同様の記事
【社説】フォルクスワーゲンの詐欺劇が「クリーンディーゼル」の危機に
2015年09月24日11時17分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/156/206156.html


これを読むと、信用の概念が我々と同じように見えます。
実際ここに書かれている事は、程度の差こそあれ日本人の感想ともさほど違いが無いでしょうし、記事内容に異論のある人もあまりいないでしょう。


しかし一見すると同じに見えますが、実態としては私達の感覚とは少し違う部分もあります。
以前から書いているように、彼らは他者の劣等性から自己の優越性を証明するわけですが、これも同じでフォルクスワーゲンの劣等性から自己の優越性を実感しているという側面があります。


まあ、韓国人ほど「露骨」ではないにせよ、日本人を含め少なからずこうした反応はありますが、重要なのは韓国人にとって自己の優越性の証明としての他者の劣等性は、自己の優越性を決める上での絶対的な判断基準であり、ほぼそれのみで決まっているといってもいい事でしょう。


このように、他者の不正に対しては部分部分に違いがあり、我々の考える信用の概念と異なる部分もありますが、大筋で韓国人の中でも“似た”基準が適用されていることがわかります。
が、同じ状況が韓国人自身に向けられると、途端に様相が一変します。


つぎに2つ目の事例です


米技術移転拒否で韓国型戦闘機開発計画に暗雲
朝鮮日報 2015/09/25
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/09/25/2015092501278.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/09/25/2015092501278_2.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/09/25/2015092501278_3.html
次期戦闘機(FX)F35の配備と関連して、アクティブ・フェーズド・アレー(AESA)レーダーと機体の統合技術など中心技術4件の移転が米国政府から拒否されたため、韓国型戦闘機(KFX)=写真=の開発を予定通り2025年までに終えるには支障があることが確認された。AESAレーダーではなく旧型のレーダーを積んだKFXを初期生産する可能性も持ち上がっている。KFXは、2010年代後半から旧型のF4、F5戦闘機などが退役していくことによる戦力の空白を埋めるために開発するもので、開発が遅れた場合、韓国空軍の戦闘機戦力の空白が懸念される。
(中略)
■技術移転を拒否されてもみ消し
 防事庁は昨年9月、米国ロッキード・マーチン社と契約を締結した直後「技術移転がきちんと履行されない場合、合意覚書により、航空機メーカーの履行保証金を没収する。合意された事項を最優先で確保し、KFX事業に支障が出ないようにしたい」と説明していた。ところが今年4月、米国政府が4件の中心技術の移転に反対していることが明らかになると「承認は難しいと知りつつ推進した」と前言を翻した。これについて防事庁の関係者は24日「当時の交渉の際、ロッキード・マーチン社が『システム統合技術の移転は難しい』と言ったが、(システム統合4項目は技術移転をしないという)米国の政策を確認できなかった」と実情を明らかにした。防事庁側は「そのうちの一部うまくいくだけでも成功と考えて、難しいだろうと思いながらも推進した」と説明した。

 防事庁は今年4月、承認を拒否する公式の通知を米国政府から受け取ったが、通知を公開せず、この措置をめぐっても批判が持ち上がっている。防事庁の関係者は「申し訳ない。技術的代案を話し合い、悩んでいて(公開が)遅くなった」と釈明した。
(後略)


まず記事中では少しわかり難い表現になっていますが、この問題は要するに韓国側がアメリカ側に対して戦闘機の中心技術の移転を要求していた事が発端です。
が、アメリカ側は当初からその要求を拒否していたにも拘らず、韓国軍と韓国政府は「技術移転がされるもの」と言う前提で国民に話をしていたのです。


しかし、当然アメリカ側にとってそんな事は寝耳に水です。
はなからそんなつもりが無かったにも拘らず、韓国側が勝手に技術移転されるものとの前提で話を進めようとしていたのがいけないのですから、責任は韓国側にあると考えるのが、我々の価値観からすると普通でしょう。


しかし主観によって正しさが決まり、道徳的な優劣が判断基準の彼らはまるで異なる反応をします。
次に以下の記事を。


【社説】ロッキード・マーチンに翻弄された無能な韓国軍
朝鮮日報 2015/09/23
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/09/23/2015092301383.html
(前略)
2025年の開発完了を目指している韓国型戦闘機事業には、18兆ウォン(約1兆8000億円)を上回る国民の税金が投入されることから「過去最大規模の兵器開発事業」とされてきた。ところが8兆ウォン(約8100億円)近い資金を投入して米国メーカーから戦闘機を購入するにもかかわらず、オプションとして約束していた技術移転が行われないとなれば、事業全体に大きな影響が出るのは避けられないだろう。

 しかもこのような事情にもかかわらず、米国企業には何の責任も追及できないというのだから、開いた口がふさがらない。防衛事業庁は昨年、F35Aの導入を最終決定する際「ロッキード・マーチン社から技術移転の提案を受けた」などと宣伝していた。導入する機種の検討に当たっても、この技術移転は大きく評価され決定に影響したとも伝えられた。ところが防衛事業庁は今になって、この四つの技術について移転の正式契約は行われていなかったことを明らかにした。もし問題の技術移転について、防衛事業庁が事前に米国政府の意向を打診していれば、今のような状況にはならなかったはずであり、ロッキード・マーチン社との交渉でもより有利な立場に立てたはずだ。

関連記事
[社説]F-35技術移転、混乱を招いた軍と情けない対米軍事外交
東亜日報 SEPTEMBER 25, 2015
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2015092592618
(一部抜粋)
これらの核心技術は、日本など他国にも提供したことがなく、当初から獲得の可能性は高くなかった。ロッキード・マーティン社もこのため、「米政府が承認すれば」という条件を合意覚書につけた。にもかかわらず防衛事業庁は、米国から受ける技術が何であるか具体的に明らかにせず、これを活用してKFXを推進すると言いながら、今になっては4件は当初の契約事項ではないと主張している。国民は愚弄された思いだ。米国は契約に違反したわけではないというが、韓米同盟は光の漏れる隙間もないほど最上と言いながら、必要な技術を受けることもできず、現実的限界を知りながら可能なように振る舞った軍の過ちは大きい。


見ての通り、なぜか韓国ではアメリカが信用を失ったことになっているのです。
まず当たり前の事ですが、ロッキード・マーティンアメリカ政府も、最初から技術移転は拒否しています、記事にあるような「オプションとして約束していた技術移転」という契約はそもそも存在していません、それは単なる韓国側の要求でしかないのです。


記事中で「この四つの技術について移転の正式契約は行われていなかったことを明らかにした」とか「「米政府が承認すれば」という条件を合意覚書につけた」とある事からも明白です。


しかし彼らはロッキード・マーティンの責任を追及したがっているのです。
なぜなら「国民にそのつもりで説明しているうえに、何より(徳の高い)韓国がその技術を望んでいるにも関わらず、ロッキード・マーティンと米政府がメンツを潰した」からです。
先ほども書いたように、彼らにとって信用とは徳の高い(はずの)自分達に都合の良い内容を相手が同意してくれる事ですから、彼らの価値観では「アメリカが韓国の信用を裏切った」事になるわけです。


更に書くと、実際にはこの件に関する問題はこれだけではありません。
フォルクスワーゲンの事例を出したのはこちらが本題です。
実は韓国、この件に限らずアメリカ側の信用を損なう行為を繰り返し続けてきた前科が多数あり、元々技術移転などできるような環境に無かったのです。


軍の戦力維持に支障 … 旧型兵器の部品生産中断で「共食い整備」の悪循環
文化日報(韓国語) 2013-11-11
http://www.munhwa.com/news/view.html?no=2013111101070227173004
(一部抜粋)
旧型兵器が部品不足で問題なら、新型装備は外国の技術牽制などでメンテナンス支援が制限されている。2011年6月に米政府傘下の国防技術移転協会(DTCC)関係者が韓国を訪問して、「韓国軍技術者が夜間低高度浸透攻撃装備であるタイガーアイを無断で分解した」という疑惑を提起した。当時、韓国空軍関係者が該当装備が故障したためこれを確認したことが分かった。だが生産国の立場では、技術流出を防ぐため複製の有無を着実に監視しており、我が軍当局の整備能力が大きく落ちている。最近では、独島艦で火災を起こした発電機も、核心部品を国内で修理できずに外国に送った。


「韓国のアメリカの軍事技術盗用深刻」<米外交専門誌>
聯合ニュース(韓国語) 2013/10/29
http://www.yonhapnews.co.kr/international/2013/10/29/0608000000AKR20131029182900009.HTML
(ソウル=連合ニュース)イ・ハンスン記者=韓国が米国の武器をコピーしており、米国が頭を抱えているという分析が提起された。

米国の外交専門媒体であるフォーリン・ポリシー(FP)は28日(現地時間)の記事で、韓国が対艦ミサイル、電子戦(戰)機器、魚雷、多連装ロケットシステム、イージス艦部品に至るまで、米国の兵器システムを模倣していると報道した。

具体的には韓国の主力戦車K1は、米国のエイブラムス戦車をもとに、河を渡る技術を追加したものである。(※注)

またK1戦車の改良型であるK1A1戦車は120㎜滑腔砲、アップグレードされた電子システム、最新射撃統制装置を装着しているが、米国は射撃統制装置が、米国の技術を盗用したと見ているとFPは伝えた。

米国はまた、私たちの対艦ミサイルである「海星」も米国の対艦ミサイル「ハープーン」と似ていると見ている。 「海星」は、2003年に開発を完了した現在、米国の対艦ミサイルである「ハープーン」よりも優れて評価を受ける。
(後略)

(※注:元々韓国のK1戦車はM1エイブラムスの廉価版であり設計者も同じはずなので、この部分の模倣という記述はちょっと意味不明です、解る方がいたら教えてください)


要するに、韓国は以前からアメリカ側が公開していない技術を「盗用」する常習犯なのです。
当たり前の事ですが、こんな事をしていたら技術移転を渋られて当たり前であり、普通に考えれば韓国には信用が無いという事が解るのですし、本質的には最初に挙げたフォルクスワーゲンの行為と大して差が無いことも解ります。


我々の価値基準で考えた場合、元々の信用が無いのだからそもそも技術移転など無理な話と考えますし、韓国人もこれが他国で起きたことならばそう考えるでしょう。


しかし最初に書いたように、韓国人の一般的な価値観では不正行為に対する扱いも主観的な正しさや「徳の高い低い」によって変ってきます。
ですから韓国人的発想では、「韓国軍が技術盗用をしなければいけなかった理由をアメリカは理解しなければいけない」となるか、或いは「それは一部の例であって韓国がその行為で信用を失うような事はあってはいけない」とならなければいけないのです。


むしろ韓国人的な発想では、「技術盗用をしなければいけないような状況に追い込んだアメリカが悪い」と考えていた可能性すらあります。
その結果が先ほどの一連の次期主力戦闘機を巡る事件です。


このように、我々と韓国人の一般的な価値観では、「信用」という単語一つとってもここまで違いがあるわけです。
しかも今回の場合ならば、フォルクスワーゲンロッキードマーティンに対する態度の違いから、韓国人の反応は他者と自己に対するもので反応がまるで異なることから、事情を知っていないと「我々と同じ価値観を有している」と勘違いする可能性も十分あります。


韓国には信用に対する判断基準の背景として、ウリ(=自身及び身内や仲間)とナム(他者)で信用の基準そのものが最初から違うのです。
この事を知っているのといないのとでは、韓国に対する対応に天地の差が出てきます。


またこの事から、韓国との友好が個人のレベルを超えて行われる場合、どういったものなら成功し、どういったものだと失敗するのかも解るでしょう。
そして当たり前の事ですが、「成功する」方法は殆どの日本人にとっては到底受け入れることのできないものです。