日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

マスコミ報道と韓国


さて、本日の内容なのですが、どちらかといえばマスコミ問題で書いた方がいいような気もするのですが、扱う内容がほぼ韓国関連なのでこちらでやることにします。


初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由

注意
・このブロマガは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブロマガのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください


ここしばらく、メディア報道などをみていると「ある程度韓国に譲歩しなければ、韓国が中国陣営に行ってしまう」という論調が増えているが、実際には韓国の親中傾向と日本はまるで関係がなく、「米中双方から美味しいとこどり」しようとした韓国が双方から圧力を受けているというのが実態となっている。


さらに、韓国による対日観を見た場合、彼らは日本を「序列の低いウリ」と見る傾向が強く、そのため韓国人は日本との政治的対立を「道徳観の問題」と考える傾向にあり、それがあるためたとえ日本が一部で譲歩したとしても、「道徳観」で考える韓国側が態度を変える可能性は低い。



※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:日本の態度で親中化?


まずはこちらの記事から

日韓問題~日本は韓国に譲歩するべきである
日本放送 2019/12/04
https://www.1242.com/lf/articles/216876/

ニッポン放送飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月4日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。安倍総理の中国訪問のニュースについて解説した。

安倍総理が12月下旬に中国を訪問、現地で日韓首脳会談も調整

安倍総理は政府与党連絡会議で15日からインド、23日からは中国を訪問すると表明した。中国では日中韓首脳会談に出席する他、中国、韓国との個別の首脳会談も調整。日韓首脳会談が実現すれば1年3ヵ月ぶりとなる。

飯田)ちょうど24日のクリスマスイブになると産経新聞は報じていますが、韓国との首脳会談も調整中とのことです。

落としどころの見つからない日韓問題

佐々木)日韓問題の落としどころが見つかりません。徴用工問題の解決策として、韓国側からは慰安婦問題のような基金をつくり、日韓折半という話がありますが、日本政府としては、これは飲めません。韓国の動きを見ていると、最高裁が判決を出しているからということなのだけれど、国内で出した判決が条約より上になるのかと言うと、ならないわけですよ。そうすると本来的にはロジックではなく、結局のところ韓国は面子なのかなと思いますよね。とは言え、日本政府も面子で語っている人は多いです。

飯田)日本側の面子として。

佐々木)そうです。だから面子で言い出すと決着がつかないので、本来ロジックで議論すべきです。韓国はGSOMIA問題では踏みとどまりましたが、一方ではアメリカが懸念している通り、韓国は中国寄りに落ちています。そうすると中国・ロシアという陸の国と、アメリカ・日本という海の国が対立する、19世紀末~20世紀初めのイギリスとロシアのグレート・ウォーみたいなことをやり直すことになります。北朝鮮、韓国と、半島というのは常に中途半端な位置になります。最近だとクリミア半島第一次世界大戦の直前のバルカン半島とか。半島は常に中途半端な位置に立たされて、火薬庫になりやすいのです。

地政学的には日本は韓国にある程度譲歩する必要がある

飯田)まさにイギリスとロシアがぶつかったのも、クリミア半島のあたりでした。

佐々木)半島は火種になりやすい場所なのです。それが繰り返されていて、韓国が陸側に行くのか海側に来るのか。日本としては陸側に行ってしまったら、得することはありません。中国・ロシア・アメリカ・北朝鮮に囲まれていて、日本と韓国だけおとなしくしていたのに、その韓国が向こう側に行ってしまったら、日本は完全に孤立して中国・ロシアに向き合わなければなりません。向こう側に行ってほしくないわけです。そう考えると、日本は韓国の面子をある程度、満足させる必要があるのではないかと思うのですね。ロジックはないにしろ。そう言うと右派の人たちが怒りますが。

飯田)全体の大きな地政学を考えたときに。

佐々木)地政学的には、韓国にある程度譲歩する必要があるのではないかと思います。

飯田)譲り方をどうするかですよね。「これでおしまいだ」と言っても、何度も蒸し返して来て、温和だった日本人もいいかげんに怒ったというのが今回の問題ですよね。

佐々木)右派だけではなく、みんな怒っています。

飯田)これに関しては世論調査をしても、7~8割は「もう譲らなくても」となっています。

韓国と決裂しても日本が得することはない

佐々木)ここで決裂しても、結果的に日本が得をすることはありません。

飯田)10月に韓国のソウルに行ったとき、もともと軍のエリートで、いまは教授をやっている人に話を聞いたのですが、「たしかに自分たちはクッションとして存在していた。最前線で対峙して来た」と。「もし我々が中国側に行ってしまったら、どうなるかわかりますか? 想像できますか?」と言っていました。こちらとしては「だからいろいろ譲って来たのに」と言いながら、議論になりましたが。

佐々木)微妙なところですよね。


関連記事
「韓日米から韓国が離脱した場合…日本の生命線は38度線ではない大韓海峡」 中央日報 2019.12.11
スマートフォン
https://s.japanese.joins.com/JArticle/260398


上記記事では、日本があまりにも韓国のメンツを傷つけると韓国が中国側へ行ってしまう、それは結局のところ日本の損害になるので、ある程度の譲歩が必要であるとしている記事です。


これなのですが、最近文大統領が「韓国が日本の防波堤になっているのだ」と発言したことから、それに「忖度」する論調が日本のメディアで増えてきたため、この記事もそのうちの一つと考えられます。


「韓国は安保の防波堤、GSOMIA終了は日本が原因を提供」 朝鮮日報 2019/11/20


この件なのですが、数日前に韓国の文正仁特別補佐官が「中国の核の傘に入る」といった趣旨の発言をしたため、一見するとそのことも関係しているかのように見えます。


文正仁特別補佐官「在韓米軍が撤退したら中国が核の傘を提供すればどうか」 朝鮮日報 2019/12/05


しかし実際には、韓国は別に日本の態度を見て中国寄りになったわけではなく、特に李明博朴槿恵政権頃から顕著でしたが、経済では中国と協力し、安保ではアメリカと協力するという、彼らの言うところの「ツートラック戦略」をおこなっていました。


つまりは「双方にいい顔をしておいしいとこ取りしよう」という事です。


そして文政権はこの考え方をそのまま引き継ぎ、そのうえで「自分達が正しさを訴えればアメリカも中国も自分達に協力し、北朝鮮との関係が改善するうえに日本に対しての強い味方となる」と考えていたわけです。


しかし実際にはどうなったかといえば、そんな「美味しいとこ取り」のコウモリな態度がアメリカや中国や北朝鮮に通用するわけがなく、アメリカからは駐留費問題で圧力をかけられているうえに、北朝鮮からは無視され


【時視各角】在韓米軍の撤収、このままでは避けられない 中央日報 2019.12.10
スマートフォン
https://s.japanese.joins.com/JArticle/260363

金正恩の首脳外交広報動画、文在寅大統領だけカット 朝鮮日報 2019/12/11


さらには中国からは


王毅外相「THAAD解決しなければ習主席訪韓ない」…課題投げ掛ける 朝鮮日報 2019/12/07 (1/2ページ) (2/2ページ

文大統領「韓半島の非核化支援を」…王毅部長、米国批判「強権政治、国際脅威」 中央日報 2019.12.06
スマートフォン
https://s.japanese.joins.com/JArticle/260282


THAADの件を習近平訪韓の交換条件にされたり、露骨に反米踏み絵を迫られる事態となっています。

(※元々文政権は北朝鮮金正恩訪韓を望んでいたが、それを拒否されたため代わりに習氏の訪韓を支持率集めに利用しようとしていた)


つまり、「全ての国が文政権の徳の高さを支持し一緒に日本を叩いてくれる」と思いこんでいたところ、「お前は一体どっちの味方なのだ」と各国から詰め寄られるという事態になったわけです。


結局のところGSOMIA問題もこの延長です。
安保では韓国は重要な位置にあるのだから、騒ぎを起こせばアメリカが自分達の側につくと勝手に思い込み、結果アメリカから強い不信感を持たれたうえに、GSOMIA破棄という思わせぶりな態度を取ったことで、北と中国からさらなる圧力を受ける結果となったわけです。


そしてどうにもならなくなった結果、苦し紛れに日本に対して「我々は日本の防波堤だ」とか「中国の核の傘に入る」と言い出すことで、自身を人質にして周辺国が折れてくれることを期待している、それが現状です。


こんな態度なので、当然韓国人には本気で「アメリカの同盟をやめて中国の側につく」覚悟などありません。
こうすれば周りが言う事を聞いてくれると勝手に思い込んでいるだけです。


2:道徳外交


そしてもう一つ重要なこととして、以前から書いているように彼らには独特の「ウリとナム」という概念があるわけですが、

※ウリとナム
ウリ(自分達)ナム(それ以外)
自他の境界が非常に曖昧な概念であり、彼らはウリである場合自身と全く同じ正しさと感情を共有しており、「ナム」はそれ以外、或いは正しさを理解しない劣等な相手と認識される。
また、このウリの範囲はその時の都合で自身を中心に拡大縮小する。


韓国人独特の「ウリ」と「ナム」という概念


youtube
https://youtu.be/Zk4XP6QbfEo

韓国人は日本人の事を「序列の低いウリ」と考え、私たちの考え方や意向に関係なく、彼らは日本人を「自分達の同軸線上の存在」と想定している場合が多いです。


そのため、韓国人は本来内輪だけで対外的にはあまり道徳観云々を前面に出さないのですが、「序列の低いウリ」と想定している日本に対してだけはこの「道徳」を前面に出すことが多いです。
例えば以下の事例


文在寅大統領「南北平和経済の実現時は一気に日本経済に追いつく」 中央日報 2019年08月05日
スマートフォン
https://s.japanese.joins.com/JArticle/256289


文大統領の演説で日本経済に追いつくとしたうえで、「大韓民国は道徳的優位を基に成熟した民主主義の上に平和国家と文化強国の地位をより高め、経済強国として新たな未来を開くだろう」と、日本に対する道徳的優位性をかなり強調しています。


また徴用工問題でも


【コラム】「日本の立場に変化なし」判断…大統領訪日あきらめ李洛淵首相派遣(1) (2) 中央日報2019.10.24  (1/2ページ) (2/2ページ
スマートフォン
1/2ページ) (2/2ページ


いわゆる1+1+α案を「強制徴用に関する経済的方式の賠償をこれ以上日本に要求しないことによって、国民の自尊心と道徳的優位を守ろうという方案だ。」と道徳を強調しています。


また4年前の以下の記事でも


「日本の対米外交への過剰反応、米国に疲労感招く」 朝鮮日報 2015/06/09


慰安婦をはじめとする歴史問題において、韓国は日本よりも道徳的優位に立っているが、ハードパワー的な国家利益が関わるときは必ずしも道徳的優位が外交的優位を決定するとはいえない」と、日本との間で起きる外交問題を常に「道徳」で考えている事がわかります。


そしてこの「道徳」とはなにかといえば、過去記事「韓国社会では「記憶の改変」が起きているわけではない?」で言及した、朱子学や性理学における理気二元論の「理」の事、つまり「その時の感情的利益」です。


彼らは徳が低く下位概念である「気」でしか考えることができない日本に対して、「道徳的正しさ=理」を説いているわけです。


当然のことですが、この状態で日本側が「国と国との外交として」韓国のメンツを保っても何の意味もありません。


韓国側は、あくまでその独特の正しさの概念から日本に対して「道徳を説いている」わけですから、一部を「譲歩」したところで解決にはならず、韓国人の想定する「道徳的正しさ」を日本側が100%受け入れるまで要求は続きますし、日本の態度次第で「親中」の傾向がなくなるわけでもありません。
最初に書いたようにそれは「全くの別問題」だからです。


「日本人を序列の低いウリと思っている」とはそういう事です。
徹底した序列社会である韓国では、序列の低い相手は「徳の低い相手」であり、徳の高い人物の言動に常に従わないといけません。


だからこそ韓国は日本に対して道徳を説く「道徳外交」をしているつもりなのです。
なので何をやっても噛み合わないですし、最初のほうで書いた対米、対中、対北の態度と相まって、韓国はより日本に強硬な態度となるわけです。


この状態で日本が譲れば、韓国は更に道徳外交を強めるだけです。
余談になりますが、韓国人は中国の事を「華夷秩序の上位者」と考える事があり、特に文政権はその傾向が強いです。

なので恨(ハン)をためつつも、中国にはあまり強硬にならないわけです。


※恨(ハン)とは。

あくまで個人的な見解となるが、「主観的な正しさ」を絶対視する韓国社会において、この主観的正しさが相手や社会から受け入れられない場合に、彼らが感じる理不尽さを根底として、そこから派生する様々な感情の総称。

また恨には「解消」という概念があるが、これは完全に恨が消失するものではなく、「一過性」のものでしかない。

韓国人の中にある「主観的正しさ」と「恨(ハン)」


youtube
https://youtu.be/Rfk2R4lLOuw





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