日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国は今「どうしたらいいのか解らない」状態になっている


さて、今回は最近ニコニコニュースでも話題に挙がった韓国の新たな外交方針である「ツートラック・アプローチ」についてとなります。


これは今まで韓国が外交上の最大の懸案としてきた歴史問題を、その他の外交上の問題と切り分ける(韓国、対日関係で歴史問題分離 朴大統領が初めて表明 2015/5/4)という政策なのですが、そもそもツートラック・アプローチという名前がついたのはつい先月のことですが、実は韓国内では政治の世界でもメディアでも、1年くらい前から指摘されていたものに、最近名前がついただけです。


つまり、主張そのものはずっと前からあったにも関わらず、言葉だけが先行し何一つ実行に移せない状態が1年も続いていたという事です。
そして当然のことですが、「出来なかった」のには相応の理由があるわけですが、それは最後に書く事とします。


現在の韓国は「ツートラック・アプローチ」を宣言したは良いものの、前回書いた「宣言しただけでしたつもりになる」という、韓国独特の価値観が足枷になっていることともう一つ、韓国人特有の「絶対的正しさ」からくる錯誤の影響で、「宣言したのはいいが具体的にどうすれば良いのかが解らない」状態になっているのです。


今回はこの「絶対的正しさの錯誤」を中心に、その原因について書いていくこととなります。
まずは以下の記事から


【噴水台】本当の外交とはこういうもの=韓国
2015年05月05日13時46分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/923/199923.html
かなり前、娘が小学生の時の話だ。長く暮らした米ロサンゼルス近郊の小さな家には、家と家の間に塀がなかった。80歳以上の一人暮らしの隣のおばあさんから焼きたてのパンや熟したイチジクをもらって食べるなど親しく過ごした。おばあさんが健康かどうか私はいつも見ていたし、何かあれば私の家の窓をたたくように伝えていた。

ある日、裏庭で子どもと子犬と遊んでいる時、おばあさんが玄関のベルを押した。塀もない家。そのまま裏庭に来てもかまわないが、あえて玄関まで来て彼女が渡したものはビニール袋に入った子犬の排泄物。子犬の世話をきちんとしろということだ。正しい言葉だが、当惑した。言葉で言えばいいものを、ビニールにそれを入れてくるとは。その時に初めて知った。いくら親しくても米国の人たちは必要に応じて急変することもあるということを。

人と人、あるいは国と国。お互い親しく過ごすには相手の特性を先に把握することが重要だ。

先日、オバマ大統領と安倍首相の両首脳が会う場面。「友情誇示、称賛リレー、国賓待遇、そしてお世辞…」。終始、憂うつだった。韓国ともっと親しいと思っていた米国。それは錯覚だった。自分たちだけが孤独になった気分。その日、慰安婦問題は両首脳の間でイシューにもならなかった。それでも中国は私たちの兄弟か。いや。中国も最近、安倍首相との関係が妙だ。

「一緒に行こう」というリッパート駐韓米国大使の一言に治癒祈祷会まで開きながら大騒ぎし、何かあれば怒り、すぐにみんな忘れて。これではあまりにも単純ではないだろうか。利益を追って動く国際社会に「常に我々の味方」はない。

借金だらけの債務者に「お金を返さなければ対話をしない」と会うたびに催促すれば、お金も受けられず死ぬまで敵になる。相手を先に分析し、それに合わせて対応してこそ、お金も返ってくる。日本に接するたびに慰安婦問題を先に突きつけてきた従来の外交方式を今からでも少し変えてみよう。一日も早く解決するべき重要なイシューであるのは確かだが、ひとまず背中の後ろに隠し、日本の国民性に合わせて我々も仮面でもかぶって同じように二重的に接近しよう。国と国の間では義理より実益だ。

「元慰安婦女性53人ノーベル平和賞候補推薦案」の話を聞いた。実によい。そのような形で隠密に拡大していき、国際問題として公論化しよう。私たちの口では泰然と日本と対話し、他人の口を通じて慰安婦問題を国際問題として取り上げさせる。これが本当の外交だ。


この記事を読むと、前半は「常識の違い」に言及し韓国メディアにしてはかなり良いところまで踏み込んでいるのですが、後半は「いつもの韓国」に戻ってしまっています。
そしてこれは韓国の混乱を非常によくあらわしているのです。


これはどういう事かと言えば、前回も書いたように現在韓国では「外交的孤立」を危惧する声が高まっており、先月末の安倍首相による米議会演説を切っ掛けとして「歴史問題にこだわりすぎた結果孤立した」という論調が増えてきた事と関係しています。


また以下のように、現在韓国にはアメリカの識者達が多数の「忠告」を行っており


米識者「歴史は重要だが圧力は敵に加えるものでは?」
朝鮮日報 2015/04/30
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/04/30/2015043000390.html
http://web.archive.org/web/20150430234123/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/04/30/2015043000390.html(ウェブアーカイブ
米国の北東アジア専門家3人が見た日米同盟と韓日関係
【インタビュー】ジェームズ・スタインバーグ氏=元国務副長官
「韓日間の歴史関係は重要だが、だからといって過去史を誤用してはならない」
日本は米国の敵ではなく、同盟国…過去史問題で圧迫はせず

オバマ政権のアジア政策を立案したジェームズ・スタインバーグ元国務副長官(写真)は28日、韓日関係について「歴史問題は重要で、米国もこれを重視しているが、同時に歴史の誤用に対する他の国々の懸念も理解すべき」と語った。スタインバーグ元国務副長官は、28日の記者会見で「(韓日関係において)重要なのは、両国が相手の直面している問題を理解してやること」という趣旨の発言を行った。

 この発言をめぐり、外交関係者の間からは「今年2月のウェンディ・シャーマン国務次官の発言を思い起こさせる」という指摘が出た。シャーマン国務次官(政務担当)は今年2月27日、あるセミナーの基調講演で「政治指導者らが過去の敵を非難して安っぽい拍手を得ることは難しくないが、こうした挑発は、発展ではなくマヒを招く」と発言した。名指しはしていないが、韓国または中国を念頭に置いた発言と解釈された。

 シラキュース大学マックスウェル・スクールの学長を務めているスタインバーグ元国務副長官は、「米国が過去史問題で日本に十分な圧力を加えていない」という指摘に対しても「圧力は敵に対して加えるものであって、同盟国に対しては加えられない。仮に圧力を加えるとしても、それが生産的・効果的だとは思わない」「米国の役割は、韓日間の意見の違いを解決することではなく、さらなるコミュニケーションにより、お互いが両国の懸念を理解できるよう奨励すること」と語った。

 またスタイバーグ元国務副長官は、安倍首相が今年8月に発表するとみられる「安倍談話」に「侵略」や「謝罪」という文言を含めるべき、という指摘について「ほかの国々の懸念を理解している、と示すやり方を模索するのが肝心で、それを表現する方法は、異なることがあり得る。『具体的な用語として何を使うべきか』は、別に重要ではない」と語った。

 さらにスタインバーグ元国務副長官は、安倍首相が従軍慰安婦問題と関連して使用している「人身売買(human trafficking)」という表現についても「『trafficking』と英訳されている日本語のニュアンスが何なのか理解することに時間をかけ過ぎるのは問題。ニュアンスの把握に集中しすぎず、未来に向かって進展し得る和解の余地があるかどうかの方を考慮すべき」と指摘した。安倍首相は、人身売買の主語を意図的に省略し、慰安婦を強制動員した旧日本軍の責任を否定しようというねらいを露わにしている、という指摘を受けてきた。

 このほか、スタインバーグ元国務副長官は「過去70年間、第2次世界大戦が終わってから、日本はアジア・太平洋地域などで建設的な役割を果たしてきたと考えている。自負に値するもの」とも語った。


米識者「韓国人の対日観、自信を持って自ら歴史脱却を」
朝鮮日報 2015/04/30
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/04/30/2015043000382.html
http://web.archive.org/web/20150430094450/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/04/30/2015043000382.html(ウェブアーカイブ



米識者「陸自の人数が韓国の3分の1でも心配というのは…」
朝鮮日報 2015/04/30
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/04/30/2015043000389.html
http://web.archive.org/web/20150430104555/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/04/30/2015043000389.html(ウェブアーカイブ



このため「自分達の正しさがアメリカに通じていない」という事を実感し始めた人が出てきたからです。


そもそも韓国は今まで書いてきたように、自分達の絶対的正しさはこの世の普遍の物であり、本来ならば世界中全ての人が正しいと同意するもので、知らないのならば教えれば「理解し同意する」ものだと考えてきました。


そして、その前提で様々な外交を続けてきた結果、「アメリカに通じていない」事を実は今回始めて実感を持って理解したのです。
流石に韓国人的価値観であっても、目の前で面と向かって拒否されたらその事実そのものは認めざるを得ないですから、これは当たり前です。


韓国の思惑では、今回の安倍首相の米議会演説は韓国の要求通り中止されるはずだったにも拘らず行われ、それでは韓国の意図した通りの演説にさせようと働きかけたにも関わらず、それすらも意図したとおりにならなかったのです。


そのため、一時期韓国でこの絶対的正しさが揺らぎ、「韓国の常識は韓国内でしか通じない」という発想に行きつく寸前まで行く人たちが出てきました。
が、それは一時的なもので、大勢はすぐに元に戻ってしまったのです。
なぜなのかといえば、表面的に「韓国人の正しさに同意したように見える」意見がいくつも出てきたからです。


安倍訪米:謝罪なし安倍演説への反響さまざま
朝鮮日報 2015/05/01
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/05/01/2015050100594.html
日本の安倍晋三首相が米上下両院合同会議で行った演説がさまざまな反響を生んでいる。

 共和党エド・ロイス下院外交委員長は29日、声明を発表し、「安倍首相が東アジアの外交関係を悪化させる歴史問題を適切に扱う機会を活用できず、非情に失望した」と述べた。親族の葬儀のために議場には姿を見せなかったが、ロイス委員長は「慰安婦の被害者が受けた傷がどれほど深いものか、彼らがどれほど謝罪を望んでいるかを理解している。安倍首相は今回の演説を第2次世界大戦当時に性奴隷として苦痛を受けた人たちに謝罪する機会とすべきだった」と指摘した。

 下院外交委で民主党の幹事を務めるエリオット・エンゲル議員も演説直後の声明で、「安倍首相が過去の首相の立場を継承するとしながらも、慰安婦被害者である李容洙さんが本会議場で見守っているにもかかわらず、直接謝罪しなかった。日本は(慰安婦問題など)未解決の問題をもっと積極的に解決することで、隣国と生産的な関係を結ぶべきだ」と主張した。

 民主党マイク・ホンダ下院議員は「安倍首相は帝国主義の日本軍による組織的な蛮行である『慰安婦』犯罪について謝罪せず、責任回避を続けた。これは衝撃的であり、とても恥ずかしいことだ」と述べた。2007年に米下院が満場一致で可決した「慰安婦決議案」を主導したホンダ議員は「安倍首相は慰安婦や性奴隷に言及すらしなかった。歴史を直視することを拒否すること自体が20万人を超える(慰安婦被害者の)少女と女性に対する侮辱だ」と述べた。ホンダ議員は安倍首相の演説途中にほとんど拍手しなかった。

 アジア太平洋系議員連盟の議長を務める華人のジュディー・チュ下院議員は「安倍首相が『私たちの行為がアジア国家の国民に苦痛を与えた』と述べたことは評価できる」としながらも、「(被害者の)傷を癒したいならば、正直でなければならず、責任を認めることを知らなければならない」と話した。チュ議員は「安倍首相は『日本の目は未来に向いている』と述べたが、責任や反省がないまま前進することは不可能だ」と指摘した。民主党のチャールズ・ランゲル下院議員はCNNのインタビューに対し、「とても失望している。すまない、謝罪すると発言することがそれほど難しいのか」と疑問を呈した。


若宮啓文の東京小考]鈴木・全斗煥の時代を思いだす
東亜日報 APRIL 16, 2015
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2015041615278


慰安婦問題は歴史的真実 謝罪を=元朝日記者の植村隆
朝鮮日報  2015/05/05
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/05/05/2015050500664.html




結果として、大勢としては「何かがおかしいが“やはり自分達は正しかった”」という状態になってきているのです。
ここで重要なのは、上記で挙げた記事に出てくる人々が「韓国人の絶対的正しさ」を本当に理解しているのかどうかという事です。


当たり前の事ですが、彼らは別に韓国人のように「絶対的正しさを信じて疑わない」からこういったコメントをしているわけではありません。
アメリカ議員達は「煽れば韓国系移民が票田になるから」やっているだけです、そうでないならそもそも韓国によるロビー活動は成功し、安倍首相の議会演説は中止に追い込まれていたはずです。


また日本人の場合にはもっと露骨です。
そもそも彼らが韓国人の絶対的正しさを理解していたのならば、慰安婦問題において「軍による強制があったか無かったかは問題ではない」という、韓国側の言分をはぐらかすような主張をするわけがないのです。


韓国では絶対的正しさから「軍命令による慰安婦の組織的強制連行」があったことになっており、それを疑う事がそもそもありません。
以前から書いているように、彼らの絶対的正しさには根拠すら必要なく、「正しいから正しいのだ」というものだからです。


つまり、「はぐらかす」様なことをしている時点で、上記に挙げたような日本人達は韓国人の絶対的正しさを理解しておらず、中国のためなのかそれとも北朝鮮のためなのか、または単に自分達の思想信条から反日に利用したいだけなのか、その辺りは知りませんが、とにかく明らかに韓国を煽って利用しているだけという事です。


しかし、彼らは表面的には韓国人の態度に同意し「正しさ」を煽っているため、韓国人達は彼らが「正しさを理解している」という錯誤に陥っています。
その結果、実態としては韓国人の正しさが現在の情勢に全く反映されていないにも関わらず、表面的には韓国人から見て「正しさを理解した人達がいる」という矛盾した状態になっているわけです。


だから韓国では現在「どうしたらいいのか解らない」状態になっているのです。
韓国的には「正しさは理解されている」はずなのですから、自分達のやってきた事は間違っていないはずにも拘らず、現実がそうなっていない、これでは打つ手が無いのです。


日本人的感覚では、現実が理想と食い違っている以上本来ならば「安易に自分達に同意する人々」に疑いの目を向ける方向へ行きそうなものですが、以前書いたように韓国では信用とは「自分達の気持ちを理解しているかどうか」なので、そういった発想へ思考が向かわないわけです。


そして次に、最初に挙げた「元々あった概念なのになぜ実行できなかったのか」です。
これは要するに「韓国内の親北派の仕掛けた罠」が関係しています。
以下の記事が解りやすいです。


[時論]自衛隊韓半島進入、根本対策ないか?/イ・チャンヒ
ハンギョレ新聞(韓国語) 2015-05-04
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/689704.html
日本の安倍政権の軍事膨張主義が日に日に力を増している。日本自衛隊集団的自衛権により世界のどこでも米軍後方支援の名目で行くことができるようになり、自衛隊韓半島進入も可能になった。

先月27日、ニューヨークで米-日国防・外交長官は米-日安全保障協議会を開き自衛隊の米軍後方支援を日本周辺から全世界に拡大する米-日防衛協力指針(ガイドライン)の第二次改正に合意した。今回の改正で両国は「米-日同盟は平和活動と海上安保、兵たん支援など日本法と符合する方式でどこでも国際安保により大きく寄与をできるようにする」と明らかにした。

同指針は交戦権と海外派兵を放棄した日本平憲法に違反し普通の国家になろうとする安倍総理の軍事大国化政策に力を与えた。もはや日本は直接軍事行動は単独でできないが、米軍がいる所にはどこでも米軍兵たん後方支援の名目で軍事行動に加担できるようになった。

日本自衛隊韓半島進入を可能にした今回の指針改正は植民地、韓国戦、分断という足かせからまだ抜け出せない韓国民の逆鱗に触れる。戦時作戦統制権が米軍にある韓国は韓半島有事の際、日本自衛隊韓半島進入の可能性をまともに統制できるかに神経を尖らせている。

韓国は同指針に自衛隊韓半島に進入したり韓半島に影響を与える軍事活動をする場合、韓国の事前同意を受けなければならないという文句を明らかに入れるよう要求したが受け入れられなかった。代わりに第三国の主権を全面的に尊重し国際法を遵守するという曖昧な内容が含まれた。
外交消息筋はここで第三国は韓国を指すものとし、指針には特定国家第三国を入れることはできず、第三国と表現したのだと伝えた。

周知のように米-日防衛協力指針は米-日安保条約に基づいた軍事協力マニュアルだ。この指針は1978年ソ連侵攻に備えて日本の要請で制定された。1997年北核危機の時、米国の要請で1次改正し、今回は安倍政権の軍事大国化政策と米国の中国牽制という利害が一致して米-日同盟のグローバル同盟化を目標に18年ぶりに第二次改正した。

この指針は分断国、韓半島の立場から二つの大きな問題点を持つ。最初に、韓半島の戦時作戦統制権を保有した米軍が集団的自衛権を名目にした自衛隊韓半島進入可否に対する決定権は自分たちにあるという理由で韓国の同意を明文化しなかった点だ。

二番目、韓半島問題を含むすべての軍事的活動を調整し実行するために指針に設置された‘米-日同盟調整常設機構’は米-日常設軍事協議機構で、韓・米・日を含むアジア軍事同盟強化のためのもので、東北アジア新冷戦構造を強化させる。これは韓半島平和統一のための条件造成という民族的利害と決して一致しない。

この指針は交戦権と海外派兵を放棄した平和憲法第9条に正面から対峙されるもので平和憲法の正常な改正が難しい安倍政権が指針改正を通じて事実上、平和憲法を無力化させたも同然だ。

国際法上、外国軍隊が他国の領土に駐留する時、該当国の主権的意志の同意を受けるのはあまりにも当然だ。ところが米軍兵たん支援の名目で日本自衛隊韓半島に進入する時、韓国政府の事前承認を受け入れることをわが政府が米-日指針に明示してくれるようもの乞いすること自体が非常に嘆かわしいことだ。

従って日本自衛隊韓半島進入を曖昧な指針条項として米国の好意に任せるべきでない。こういう問題の根本的解決はわが政府が戦時作戦統制権返還を通じて私たちの主体的な外交能力を強化し、南北関係正常化を通じて韓国、北朝鮮の信頼を積むことだ。

イ・チャンヒ韓国外大名誉教授


要するに、「集団的自衛権という名目で自衛隊が韓国に攻め込む口実になる」と彼らが煽り続け、それが韓国内で非常に大きく支持されたがために、結果的に「(韓国人の望む通り)歴史を反省しない日本は軍国主義化している」という考えとなり、歴史問題による外交対立となっているわけです。


この状態で、「歴史問題を分離」とはどうやって行えば良いのでしょうか。
はっきり書けば無理です、これは韓国人の民族主義や「道徳的正しさ」と非常に密接に関係している事ですし、何より日米が構想する「対中国」「対北朝鮮」での安保強化とも正面からぶつかります。
要するに、現在の韓国人にとっては「歴史を反省しない日本の軍事的強化は容認できない」というわけです。


当然、今後仮に日韓が首脳会談を行ったところで、韓国は現在の問題と歴史問題の分離など出来ません。
必ず「反省の無い日本の行いには同意できない」と、歴史問題と絡めての「要求」をしてくる事となります。


そして以前も書いたように、韓国側の歴史問題での要求とは決して終りの無いものなうえに、今現在も延々と「増え続けて」いく性質の物です。(参照:「韓国に対して謝罪すれば解決する」は大きな間違い
つまり、彼らの要求に答えることなど事実上不可能なのです。


だからこそ、韓国では1年も前から指摘されて来た事が何もできなかったのです。
ですから当然「ツートラック・アプローチ」という名前をつけたからとそれで外交方針を転換できるわけではありませんし、何より彼ら自身その方法を一切思いついていません。


ですから、韓国メディアなどの記事を読んでいても「二重路線でやって行こう」という論調はあっても、具体的にこれはこうしていこうという方針はどこにもありませんし、韓国政府からもそういった意見は一切出ていません。
だからより一層「宣言しただけでやったつもりになる」という状態になっていくわけです。


以上の2つの事柄から、韓国では現在対日外交方針に何一つ打開の手立てがありません。
自縄自縛でもうどうにもならないのです。
そしてだからこそ、今後韓国は更に日本に対してできもしない要求を次々と行い「日本のせいで関係改善が出来ない」と主張し、より一層日本人からみた反日を強めていくでしょう。
彼らにとっては「問題が起きたら他者のせいにする」が当たり前だからです。


これに対して日本側が出来る事は何もありません、元々韓国の自縄自縛で始まった韓国の国内問題に関係した問題である以上、日本による根本的解決などありえる訳がないのです。
もし、「日本がこれをすれば解決できる」と主張する人がいるのなら、その人は大嘘つきかその場の思いつきで適当な事を言っているだけです。


この事を踏まえて、今後日本のメディアが日韓問題でどのような報じ方をするか注目していくと、また違った見方ができるのではないでしょうか。