日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国は『事実上』社会が暴力による問題解決を容認している


さて、今回は先日韓国で発生したアメリカ大使襲撃事件にも関連した内容となります。


ただし、今回襲撃事件そのものは最初に少し触れるだけです、タイトルにもあるように韓国でこういった事件が起きる背景そのものについて掘り下げていく事となります。
まずはこちらの記事から。


米大使テロ:犯人キム・ギジョンは一体どんな人物なのか
朝鮮日報 2015/03/06
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/03/06/2015030600645.html
5年前には日本の大使にコンクリート
(中略)
 キム容疑者が韓国駐在の外交使節を襲撃したのは今回が初めてではない。2010年7月にソウル市のプレスセンターでの講演会で、独島問題に抗議するとして、日本の重家俊範駐韓大使(当時)にコンクリート片2個を投げたとして、懲役2年(執行猶予3年)の判決を受けた。北朝鮮は当時、朝鮮中央放送を通じ、キム容疑者を支持した。キム容疑者は2年後の12年8月、禹相虎(ウ・サンホ)国会議員(新政治国民連合)らが開いた記者会見で、「自分が投げた石(コンクリート片)は独島を象徴する」と主張した。昨年には事件の経緯に言及した「独島と私たち、そして2010年」という本も刊行した。

 「在野の文化活動家」と呼ばれていたキム容疑者は、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉ノ・ムヒョン)政権期に政界に関与し始めた。2001~03年、05~07年に民主平和統一諮問会議の地域委員を務めたほか、盧武鉉政権期の05年からは統一部(省に相当)が任命する統一教育委員として、4年間にわたり学生や市民に対する講演を行った。

 大学の同窓生はキム容疑者について、「20年前から反米、反日親北朝鮮の傾向が強かったチュチェ(主体)思想派だ。06年に日本の島根県が『竹島の日』を設定した際、本籍を独島に移し、日本糾弾運動を行い、北朝鮮を訪問して以降は、本格的に反米運動に乗り出した」と語った。キム容疑者は盧武鉉政権期の06年11月から07年4月まで「民族和合運動連合」という団体に所属し、北朝鮮を8回訪問した。北朝鮮南部の開城市で植樹を行うという名目だった。

 北朝鮮訪問後、キム容疑者の活動は過激化した。07年10月には大統領府(青瓦台)前で焼身自殺を図り、やけどを負った。ウリマダンのメンバーが1998年に不審人物に襲撃された事件の真相究明を求めることが動機だった。事件当時にキム容疑者の弁護を担当したのは、当時弁護士だった盧武鉉元大統領だった。キム容疑者は「担当弁護士が大統領になっても事件が解決されない」として、焼身自殺に及んだという。



記事にもあるように、襲撃犯は以前から問題のある行動をしていた人物であり、別の記事によると前科6犯の「要注意人物」だったのです。
また動機に関しては、前回紹介したシャーマン国務次官発言ではなく、北朝鮮が抗議していた米韓軍事演習への抗議だったようです。
実は韓国、こういった傷害事件にまで発展した事例は少ないですが、これに近いような事件は過去にも何度も起きています。


たとえば、2006年にはソウル市議会議員の崔在翼という人物が、島根県竹島の日への抗議のため島根県議会を訪問し、玄関付近でカッターナイフを振り回し警備員に取り押さえられると言う事件が発生していますし、2012年には韓国の日本大使館にトラックが突入する事件が発生しています。
そのほかにも、大きな事件にはならなかったものの日本大使館は韓国の右派系・左派系の民族団体から何度も「襲撃」や不法侵入をうけています。


なぜ現在の韓国ではこういった事件が頻発するのか、そこには韓国の社会が教育や政治スタンスを通じて「テロリストを英雄視している」という事が関係してきます。


陸軍、「安重根将軍」呼称を公式化
東亜日報 MARCH 24, 2010
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2010032452318
陸軍が公式に安重根(アン・ジュングン)義士の呼称を将軍と呼ぶことを決めた。このため、陸軍は23日、鶏竜台(ケリョンデ)陸軍本部の指揮部会議室を「安重根将軍室」に名前を変えて使用する方針だと明らかにした。陸軍は25日、安重根将軍室の開館式を開き、安義士の将軍呼称の使用を公式化する予定だ。

陸軍は、「安義士が自ら軍人であると強調したことがあり、安義士の精神を軍人精神の基本にするという趣旨で、安重根将軍に呼称を決めた。将軍の呼称は階級的な意味ではなく、国家危機に身を捧げるという象徴的かつ包括的な無官の意味だ」と説明した。そして、陸軍は、「社会で安義士と呼ぶことに反対するという意味ではない」と付け加えた。安義士は自身を「大韓義軍参謀中将」とし、「国家のために身を捧げることが軍人の本分」という意味の「為国献身軍人本分」と記したことがある。
(後略)


ご存知の方も多いとは思いますが、安重根とは1909年10月に満州ハルビン駅で前韓国統監の伊藤博文を暗殺した人物であり、犯行の動機や言動から明確にテロリストと定義できる人物なのですが、韓国では「抗日義士」と呼ばれ英雄視されています。
そして、記事ではその人物を軍が公式に「将軍と呼ぶ」と声明を発表しています。
(余談になりますが、記事中の「安義士が自ら軍人であると強調した」とは単に安の自称です)


またこんな記事もあります。


(記者手帳)チョコレートよりアン・ジュングン
アジアニュース通信(韓国語) 2015年2月13日
http://www.anewsa.com/detail.php?number=780956&thread=04r03
(前略)
一説によればこの日は去る1958年、日本の製菓会社、森永が女性から男性に自由に愛を告白しようという商業キャンペーンを行って我が国に伝わった。しかし、この日は民族の英雄・安重根(アン・ジュングン)義士が去る1910年2月14日午前10時、旅順の関東都督府地方法院で民族の元凶・伊藤博文を狙撃した容疑で死刑宣告を受けた日だ。

このように日本は光復後もチョコレートを利用した商売で安重根義士の追悼日を希薄にさせてきた。あきれたことだ。光復70年を迎える今年、いまだに私たちの社会は政治、経済、文化など何をしてもまともに清算できない親日残滓に苦しんで低級資本の商売に奴隷のように言いなりになっているのが実情だ。
(中略)
もはや2月14日は日本の商売に参加するのでなく、民族の英雄・安重根義士を追悼しなければならない日だ。


最早「一体何を言っているんだ…」と突っ込みを入れたくもなりますが、彼らは大真面目のようです。
また他にも、韓国では20世紀初頭の爆弾テロ犯である李奉昌尹奉吉、これ等人物にテロの指令を出していた金九などが英雄視されています。
これは要するに、ビンラディンや最近話題のISILを英雄視するのと同じ事なのですが、韓国ではそれが一般的にまかり通っています。


そして重要なのはここからです。
韓国にもテロ行為を批判する世論も当然あるわけであり、今回の米大使襲撃事件にもガチガチの親北派以外は批判的です。
これは大筋で先ほど挙げた日本大使や大使館への襲撃でも、程度の差こそあれほぼ同じ反応です。
(まあ対日本となると喝采する人もかなりいますが。)


一見すると矛盾しているようにも見えますが、これはどういう事なのかと言えば、何がテロで何が「義挙」となるのか、それが完全に個人の主観的判断に依存しており、一般論として「テロを禁忌とする考え」が存在していないという事でもあります。


つまり、同じ行為をしてもそれが韓国人の主観的「正しさ」に合致すれば義挙となり、合致しなければテロ行為となるわけです。
一見すると合理的にも見えますが、これは要するにそれがテロ行為になるかどうかの判断が非常に曖昧で流動的であり、韓国の社会的風潮として「問題解決の手段としての暴力」に至るまでのハードルが、非常に低いという事なのです。


なので、韓国ではこういった本が度々ベストセラーとなります。


「安倍首相は撃たれ、安重根の声がハルビン駅に響き渡った」
朝鮮日報 2014/08/10
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/08/09/2014080900767.html (リンク切れ)
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/08/09/2014080900767_2.html(リンク切れ)
http://web.archive.org/web/20140810072343/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/08/09/2014080900767.html(ウェブアーカイブ
http://web.archive.org/web/20140810072519/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/08/09/2014080900767_2.html(ウェブアーカイブ
小説『父のいた日々』で有名な小説家のキム・ジョンヒョン氏(57)が、安倍晋三首相(60)をターゲットに、事実と空想を組み合わせた長編小説『安重根(アン・ジュングン)、安倍を撃つ』を発表した。

 本作は、独立運動家の安重根(1879-1910)が伊藤博文・初代韓国統監(1841-1909)を暗殺した歴史的事実に基づく第1部・第2部と、安重根が安倍首相を狙撃するという架空のストーリーを描いた第3部からなる。

 安倍首相の相次ぐ妄言と日本の右傾化で深まる、最近の懸念を反映した作品。「反省はおろか、靖国神社参拝などふてぶてしい態度を取る日本にとって、警告ではなく反省のチャンスになることを望む」という気持ちで書かれた。

 キム・ジョンヒョン氏は、4日午前に光化門で開かれた『安重根、安倍を撃つ』の販売記念記者懇談会で「安倍を撃つという小説が出るほど韓国人は怒っている。このことを認識して反省してほしい」と強調した。

 キム・ジョンヒョン氏は、小説執筆のために数年間韓国と中国を行き来し、資料を集めた。特に、安重根が旅順監獄で書いた『安重根自叙伝』(原題は『安応七歴史』)と、安重根が裁判を受けた当時の新聞・公判記録を参考にした。

 10月26日、中国のハルビンに向かう超高速の特別列車「和諧731号」に乗っていた安倍首相の前に、安重根が現れた。かつての日本の蛮行を反省せよという安重根と、「私がやったことではない。それが私とどう関係あるのか」と言って逃れようとする安倍首相。

 安倍首相は幻影を見ているのだと思ったが、恐怖に震えた。数時間後、ハルビン駅。1909年10月26日と同じく、厳重な警備の中で安倍首相が特別列車を降りた直後、立て続けに3発の銃声がとどろいた。安倍首相は撃たれ、安重根の声がハルビン駅に響き渡った。

 安重根は逮捕され、殺人未遂で収監、裁判にかけられることになる。しかし安重根が安倍首相を撃つほかなかった、安倍首相の15の罪を告げたことで、裁判の先行きは変わり始めた。
(後略)


要するにこれは、現代に復活した安重根が安倍首相を狙撃し、かろうじて命を取り留めた安倍首相が、自らの行いを深く反省し韓国に謝罪すると言う、非常に「韓国人らしい」発想の小説なのですが、内容を見てわかるように、相手が気に入らなければテロによって攻撃する事は正しい事であり、尚且つその正しさは「相手も理解すべき物」となっています。


このように韓国では、韓国人的正しさとして韓国人が納得できれば、テロ行為が容認されその思想が多くの人に支持される、そういった社会の風潮があるわけです。
だから韓国では、個人の主観で「正しい事」と理由付けされればそれで正当化され実行に移す人物が度々現れるのです。


勿論、日本にもそういった短絡的思考に陥る人は存在しますし、実際に行動にまで移さなくとも、ネットやデモなどを通じて過激な発言をする人々は存在します、しかし、「ではそれが社会全体の風潮として存在するのか」といえば、それは明確にNOでしょう。


またたとえば安重根を英雄視するという行為は、日本で言えば明治時代に訪日していたロシア皇太子を襲撃した大津事件の津田三蔵を英雄視するようなものですが、津田三蔵を英雄視する日本人は現代の日本においてほぼ皆無です、当たり前の事ですが。
こういったところにも、価値観の大きな隔たりがあるのです。


実はもう一つ要素があるのですが、そちらまで書いているとまたやたらと長くなってしまうので、それはまたの機会とします。


最後に。
韓国の社会ではこういった背景があるので、問題解決の手段としての暴力行為に至る事例が多数あるのですが、日本で日韓友好を訴える人々の中にこういった韓国の社会的風潮を安易に受け入れてしまう人々がいます。


多くの映画館が上映拒否!「反日映画ではなく青春映画でロードムービー」と20歳の韓英恵、堂々と舞台あいさつ
シネマトゥデイ 2011年10月16日
http://www.cinematoday.jp/page/N0036153
 2009年に製作されながら、その過激な内容から日本公開が危ぶまれていた映画『アジアの純真』が15日に新宿K’s cinemaで初日を迎え、主演の韓英恵、笠井しげ、片嶋一貴監督、脚本家の井上淳一が舞台あいさつを行った。韓は「この映画は、ネットで書かれているような反日映画ではない。わたし自身は青春映画、ロードムービーとしてとらえています。わたしの10代最後の思い出の映画が、この『アジアの純真』で本当に良かったと思っています」と晴れやかな笑顔で語った。

 本作は、朝鮮民主主義人民共和国北朝鮮)の拉致被害者5名が帰国し、北朝鮮バッシングが渦巻いていた2002年の日本を舞台に描くロードムービー。双子の姉を街のチンピラに殺された在日朝鮮人少女(韓)と、その現場を目撃しながら何も出来なかった日本人男子高校生(笠井)が、旧日本軍の毒ガスを手に、無差別テロで社会へ復讐していく姿を描く。
(後略)


上記の映画もその一つであり、「自分達は被害者なのだから暴力(不法)行為による報復は正当化されるべき」という、非常に彼ららしい発想に基く映画です。


そして、安易に日本人がその彼らの価値観を受け入れてしまうと、韓国人はより一層「そういった行為」で対日本の問題解決を行おうと考えるようになります。
結果として、現在の韓国では「日本人に対してなら(正しさのために)何をしても良い」という発想が社会的にまかり通っており、それがたとえば産経の元ソウル支局長逮捕事件や対馬の仏像盗難事件などの遠因となっています。


こういった人々は、韓国の様々な行いを殆ど批判しません、大半を見なかった事にするか、或いは強引に全く関係ない事柄を関連付けて「どっちもどっち論」へと誘導し、韓国の問題そのものを打ち消し、「批判者側の問題」へと論点を摩り替えてしまいます。


そんな事ばかりしているから、彼らは余計に「価値観の違い」に気付けなくなり、自分達が「正しい」と思う事を対外的に行い続け、次々と問題が起きるのです。
本来は、「何でも受け入れればよい」と言う物では無いはずなのですが。