日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国人が「正しさ」を否定されたときの典型的反応


さて、今回は過去にも何度か言及した韓国的価値観である「絶対的正しさ」についてとなります。
まずは以前に書いたことのおさらいとなりますが、韓国人の絶対的正しさについて軽く書きます。


殆どの韓国人にとって、韓国の歴史観や価値観などは常に絶対的に正しく何事にも優越しており、それを疑ったり否定したりする事は、その行為自体が「劣等さ」の証明となります。
そして、この正しさは彼らの中で世界中の人々が「常識として知っておかなければいけない事」であり、知らないのであれば韓国人が「教えてあげなければいけない事」です。


また、「教えてあげれば」誰もがその正しさを当然理解するものであり、本来絶対的に正しく全ての人類が正しいと判断できる事柄なので、それを理解できないのは不純な動機、例えば賄賂を貰ったとか問題を起こして金儲けをしようとしているとか、何か後ろめたい悪意があるからだと、彼らはそう考えます。


それくらい彼らにとってこの「正しさ」というのは絶対的なものであり、絶対的なものであるからこそ本来は根拠すら必要の無い物なのです。


が、今回アメリカの政府高官がその「正しさ」を否定するような発言をしたため、現在韓国では蜂の巣を突付いたような大騒ぎになっています。
まずは以下の記事を。


米・国務次官、日中韓の関係改善を促す
日テレBEWS24 2015年2月28日
http://www.news24.jp/articles/2015/02/28/10270160.html
アメリカのシャーマン国務次官は27日、アジア情勢について講演し、歴史認識をめぐる日本と中国、韓国の摩擦について失望感を示した上で、3か国の関係改善と協力を改めて促した。

 シャーマン次官は講演で「東アジアでは過去の歴史が今もまだ生きている」と述べた上で、歴史認識をめぐる摩擦に失望感を示した。一方で、シャーマン次官は「日中韓アメリカが同時に同じ方向を向いて協力すれば、世界はより安全に豊かになり安定する」と強調し、各国が関係を改善してアジア太平洋地域の繁栄に協力するよう改めて促した。


米の「共同責任論」に一斉反発=歴史問題で韓国各紙
時事通信 2015/03/02
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201503/2015030200498
 【ソウル時事】シャーマン米国務次官(政治担当)が日本と中韓の対立に関し、「愛国的な感情が利用されている」と述べたことに対して、2日付の韓国メディアは「共同責任論」と一斉に反発した。ハンギョレ新聞が「北東アジアの歴史対立で、米国が手放しで日本に味方した」と1面トップで伝えるなど敏感な反応を示している。

 趙太庸外務第1次官は2日の国会答弁で、米政府に発言の真意を尋ねたことを明らかにし、「立場に何の変化もないことを確認した」と述べた。趙氏は「米国も歴史問題で正しい認識を持っているので、一方的に日本の味方をすることはないだろう」と語った。
 シャーマン氏は2月27日、ワシントンで戦後70年をテーマに講演。沖縄県尖閣諸島従軍慰安婦の問題で日中韓の協力が妨げられていると指摘し、「理解できるが、もどかしい」と発言した。名指しを避けながらも、「指導者がかつての敵を非難することで国民の歓心を買うのは簡単だが、そのような挑発は機能停止を招くだけで、進歩はない」と苦言を呈した。
 韓国日報は社説で「関係回復の責任は、(対立の)原因をつくった日本にあるのは明白だ。共同責任論は問題の核心をぼかし、解決の糸口を見えなくさせる恐れがある」と批判。「米国はあいまいな態度をやめ、根本的な対立解決を目指すべきだ」と指摘し、問題の原因は日本にあると非難する韓国の主張と歩調を合わせるよう求めた。
 東亜日報は「歴史論争を触発したのは日本だが、これを政治利用する韓中政府の対応にも問題があるという米国の認識が表れた」と分析。朝鮮日報も「米国が、対立の責任は日本よりも韓中にあると立場を変えたとの観測も出ている」と危機感を吐露した





要するにシャーマン米国務次官の発言は、第三者視点からの「どっちもどっち論」でしかなく、我々の価値観からすると別に大した内容ではありません。
まあ多少「無責任かな」と思う程度のことであって、それ以上でも以下でも無いので、我々の感覚からすると韓国の反応はあまりにも過剰に見えます。



しかし、韓国人にとって見るとこれは「アメリカによる裏切り行為」に近いのです。
なぜなのかと言えば、それは彼らからしてみるとアメリカが韓国人の絶対的正しさを否定したように見えるからです。


「指導者がかつての敵を非難することで国民の歓心を買うのは簡単だが、そのような挑発は機能停止を招くだけで、進歩はない」というのは、実際に中韓が行っていることなのですが、韓国人にとってそれは「日本が間違った事をしているから」ゆえの行為との認識です。
つまり韓国には落ち度が無く、落ち度があるのは日本である、関係悪化は日本が悪いとの考えです。


韓国人の絶対的正しさの中では、日本は永久に敗戦国であり罪深い戦犯国であって、常に深く反省し韓国人に謝罪し韓国の正しさを全面的に受け入れ続けなければいけない存在です。
そして、常に自ら率先して謝罪し反省し続ける日本と、それをその都度「許してやる」存在としての韓国という形態が、彼らの望む理想的な日韓友好です。


にも拘らず、今回アメリカは「中韓は過去を掘り起こして国民を煽ることで内政からの矛先逸らしに利用している」とも指摘したわけです。
それが実態としてどうなのかは一切関係なく、彼らからしてみると韓国側“にも”落ち度があると指摘していると同じ事なので、それが許せないのです。
絶対的に正しい韓国と、絶対的に間違っている日本という構図が崩れるからです。


韓国人的には、「正しさを理解する」と言う行為は100%肯定する事を意味します。
そして今まで韓国はアメリカが「正しさを理解している」と思っていました。
にも拘らず、今回の部分的に受け入れて部分的に否定するといった態度は、韓国人の正しさを否定しているのと同じです。
本来絶対的に正しいのだから100%肯定しなければいけないにも拘らず、アメリカが「韓国にも落ち度がある」(=韓国人的には韓国の劣等さの指摘)と言い出したがためにこうなったわけです。


本来、「韓国人の正しさ」を100%受け入れる事ができる人以外は、彼らとまず相容れないのです。


そして、今回の事例からはもう一つ解ることがあります。
それは「彼らは他者の劣等性を指摘することでしか自己の優越性を証明できない」と言う事です。
これは過去に書いた蔑視ありきの自民族中心主義にも通ずることですが、彼らは自らの正しさを絶対的なものとし、そこに根拠すら必要としていません。


別の書き方をすれば、疑問を挟む余地が無く絶対的に正しいとしてしているからこそ、「なぜ正しいのか」を考える発想がそもそも無いのです。
(余談になりますが、韓国人がよく歴史問題で捏造資料を提示するのもこれが原因です、絶対的に正しく本来証拠など必要が無いはずなので、証拠というのもを非常に軽視するのです)


しかし、常にそれでは済まされず何らかの「正しさの証明」が必要な場合があります。
その場合に彼らが取る方法が、「いかに相手が劣等か」なのです、常に絶対的に正しい「はず」なので、そうするしか手段が無いわけです。
それが今回の事例でもよく解ります。


【社説】看過できない米国務次官の「韓中日共同責任論」
朝鮮日報 2015/03/03
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/03/03/2015030300620.html
米国のウェンディ・シャーマン国務次官(政治担当)は2月27日、ワシントンで開かれた国際関係に関するセミナーで基調演説を行い、「(東アジア)の歴史問題は韓中日3カ国にいずれも責任があるので、早期に整理し、北朝鮮の核問題など当面する懸案に集中すべきだ」と述べたという。
(中略)

 シャーマン国務次官は今回、外交的には使ってはならない不適切極まりない表現を遠慮なく使った。次官が言う「安っぽい拍手を受けるために民族の感情を利用する挑発」の主語が誰なのかははっきりしないが、韓国あるいは中国と推測される。米国の同盟国の指導者に対する無礼であり、2大国としてのパートナー・中国に対する挑発だ。現在は日本の安倍首相が靖国神社参拝に続き、慰安婦動員の強制性を認めた「河野談話」の見直しで、談話の意味自体を損ねたことが発端だ。にもかかわらず、韓国と中国を先に挑発した格好になる。

 20世紀前半の北東アジアで起きた出来事は、シャーマン国務次官が考えるほど単純に整理したり、覆い隠したりできる性質の問題ではない。オバマ大統領も昨年4月の韓国訪問時に慰安婦問題について、「実にひどい人権侵害だ」と述べている。国務部報道官も機会があるたびに日本に歴史問題の解決に積極的に取り組むことを求めてきた。何が米政府の公式の立場なのかはっきりさせる必要がある。

(後略)



これは中央日報の記事(「父も日本と戦闘、韓日中の歴史葛藤には失望」…米国務次官、自制要求)や東亜日報の記事(シャーマン米国務次官「韓中日の歴史認識論争に失望」)でも同じですが、とにかく相手が「いかに間違っている」のかに終始しています。


日本人的価値観ですと、まず「自分たちの立場と自分たちの主張の正当性」を提示するでしょうし、あの朝日新聞ですら去年8月の釈明記事では「自らの正当性」を必死になって説明していました。
まあ、結果的にただの言い訳と論点逸らしにしかなっていませんでしたが、それでも発想としてはまず「自己の正しさの証明」が最優先されています。


これは要するに、日本人的感覚だと「正しさは常に自ら証明しなければいけない」という価値観があるからです。
しかし、韓国では正しさとは普遍的なものであり常に絶対的に間違っていない事なので、むしろ正しさを証明しなければいけないというのは、劣等だから(間違っているから)わざわざ正しさを証明しないといけないのだ、との発想になります。
だから正しさを確認するための行為として、「相手の劣等さ」が証明の代わりとなるわけです。


そして今回の件でそれが最もよく現れているのがハンギョレ新聞の記事です。
ハンギョレ新聞は親北左派、反日反米のスタンスの新聞社なので、韓国とアメリカが仲違いするのはむしろ望むところです。
ですのでそれを考慮して読まないといけないのですが、それを踏まえても典型的なのです。


[社説]韓 - 米関係損なう米国務次官「妄言」
ハンギョレ新聞(韓国語) 2015.03.02
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/680367.html
米国のウェンディ・シャーマン国務省政務次官が先月27日(米国時間)、日本の過去の問題に関連して理解し難い発言をした。今後納得しうる処置が米政府からなされないならば韓米関係を損ねかねない内容である。

次官の「(北東アジアで)民族主義の感情が相変らず利用されており、いかなる政治家もかつての敵を非難することによって安直な拍手を受けることは難しくない。しかしそのような挑発行為は進展ではなく停滞を招く」という言葉は、明らかに中国と我が国(韓国)を意識したものだ。過去の歴史解決に消極的であるばかりでなく問題自体を否認する日本の安倍政権を積極的に支援する発言である。

国務省の3位格で東アジア政策を統括する高官としては信じられない発言である。次官が形式的に日本の謝罪と反省を促す要求さえしないのことが彼女の意図をよく示している。「韓中日のすべてに同様に問題があるので過去の問題はもう指摘し合わないでほしい」という注文である。

次官がなぜこういう発言をしたかを察することは難しくない。東アジアで米国の覇権国としての立場が弱まった状況下で、中国(の地位弱化)を狙ったアジアの再バランス政策を押しつけるために、日本と積極的に手を取るというものだ。韓国に対しては、米国と日本サイドにしっかり立つように求めていると読み取れる。訪米を4月に控えた安倍首相には、環太平洋経済パートナー協定(TPP)交渉をはやく済ますようにプレッシャーをかける意味がある。しかし、このような態度は反歴史的であるうえ、過去の問題解決をいっそう難しくしてあつれきを深めさせるばかりだ。自国の戦略的目標を成し遂げるためには他国の立場にかまわず何でもできるという傲慢な発想でもある。
(後略)



非常に解りやすく「相手の劣等さ」のみしか指摘していません。
自らの正当性を証明すると言う発想そのものが一切無いのです。
むしろ保守系朝鮮日報サムスン系の中央日報などは、どちらかといえば親米に近いので批判もおっかなびっくりであり「いかにアメリカが韓国を支持しているのか」を記事中に織り交ぜ、ある意味で火消しに必死になっている傾向にあるので批判も歯切れが悪いのですが、ハンギョレはそんな必要が全く無いので非常に「らしさ」が露骨になるわけです。


このように、韓国では「正しいから正しいのだ」と自らの正当性に根拠すら必要とせず絶対的なものとしているからこそ、自らの正当性の確認方法として「相手の劣等さ」を必須としているのです。
そしてこれは今回のような問題に限った事ではありません。


ありとあらゆる事柄で、韓国人は何かと他者を蔑視的に扱います。
それは結局のところ、今まで書いてきたように「(自分達は)正しいから正しいのだ」と絶対的な正しさを自らが持っており、そこに疑問を挟む余地すらない状態であるからゆえに、対外的にその確認が必要になった時、他者の劣等性の指摘(=他者を蔑視する行為)しか、手段が無いのです。


別の書き方をすれば、韓国では自己の証明の一般的な方法が蔑視(他者の劣等さの証明)という事でもあります。
日本と韓国では、こういった根本的な部分に様々な違いがあるわけです。






おまけ


「敵けなしても進歩ない」 米高官、日中韓に自制求める
朝日新聞 2015年2月28日
http://www.asahi.com/articles/ASH2X1P1BH2XUHBI001.html
米国のシャーマン国務次官は27日、戦後70年の節目についてワシントンで講演し、「ナショナリスト的な感覚で敵をけなすことは、国の指導者にとって安っぽい称賛を浴びる容易な方法だが、それは感覚がまひするだけで、進歩は生まない」と語り、日中韓の指導者に自制を求めた。

シャーマン氏は、過去の歴史が将来の協力をどう妨げるのかと問いかけ、「これまでは北東アジアの関係はスムーズとは言えなかった」。日中の尖閣諸島をめぐる緊張や、日韓の慰安婦や教科書の記述をめぐる問題などを例に挙げ、「これらは理解はできるが、同時に欲求不満がたまるものでもあった」と指摘した。

 米国は地域の安定に向け、日中韓と協力を進める考えを強調。今年は中韓が戦勝や解放70年などを記念する式典を予定し、日本も戦後70年の首相談話を出すことを念頭に、各国の指導者が「挑発的」な言動を控えることを求めた。そのうえで、昨年11月に日中首脳が握手をしたことは「正しいシグナルを送った」と歓迎し、日中韓の首脳会談開催にも期待を示した。



お、おう…