日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

日本と韓国では「協調」と「妥協」の意味が全く違う


皆様、明けましておめでとう御座います。
本年もよろしくお願いします。


さて、今回は以前の「約束」の概念の違いと同じように、日本と韓国ではその価値観や文化的背景の違いから、同じ漢字語由来の単語でも意味が全く違う、そのことについてとなります。


日本では、特に教育の場で「協調性」が重要視されており、社会でそれがしっかり機能しているかいないか、それはまあ別の議論なので置いておくとして、とにかく協調性というものが人間関係において非常に重要視される価値観をもつ、「そういう社会」です。


そして、日本人はこの価値観に基き外国の人達ともかかわりを持つのですが、それがプラスに働く事もあればマイナスに働く事もあります。
これは国や民族・宗教が違えば当たり前の事ではあるのですが、こと韓国との関わりの場合、協調性というのは殆どの場合マイナスにしか働きません。


それはタイトルにもあるように、日本と韓国では協調という単語の概念がまるで違うからです。極論を書けば、協調性というのは韓国では「弱さ」や「劣等さ」と取られる場合が多く、トラブルを呼び込む原因となりえるからです。


それを知ってもらうためにまずはこちらの記事から


【コラム】妥協を悪と見なす韓国社会
朝鮮日報 2014/10/05 07:06
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/10/04/2014100400992.html(リンク切れ)
http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2014100400992
今年7月にこの世を去ったバイオリニスト、ペ・イクファン米インディアナ大教授の生前のインタビューを読んでひやりとした。ペ氏は1985年、世界3大コンクールに数えられるエリザベート王妃国際音楽コンクールで2位になり、韓国人バイオリニストとして最高の成績を残した演奏者だ。

 ペ氏は韓国の室内楽が発展しない理由について「妥協を非常に恥ずかしく思う民族性のせいだろう」と述べた。弦楽四重奏はよい演奏のため演奏者4人が互いに批判しながら歩み寄っていく必要があるが、韓国人は妥協を自分が弱いせいと考え、よい音楽のための譲歩とは考えないというわけだ。妥協することを恥と思う風潮のために協業ができないという話を、まさか音楽家から聞くとは思わなかった。

 韓国人の「反妥協的なDNA」が特に強いとは思わない。だが、妥協よりもはっきりとした原則や路線をごり押しする側が力を得て、事を台無しにするケースはたくさん目にした。

(中略)

 妥協をタブー視する現在の韓国社会の空気は、革新派が口にする「民主主義の強固にする」という目的のためにも不幸なことだ。小学生のころから妥協のルールや妥協の言葉を教えなければならないだろう。妥協を罪と見なす限り、民主主義は不可能だ。




この記事を読んで違和感を感じないでしょうか。
文中のペ・イクファン教授の指摘している内容は、日本人の価値観からすると「協調」の事となるのですが、それを「妥協」と表現しており、記事全文を通してその前提で書かれています。
一見すると小さな違いのように見えるのですが、これが非常に重要です。


日本人の感覚からすると、「良い音楽」を皆で協力して演奏したいのならば、それは互いに協調しあって相手を尊重する事で実現できると考えるわけですが、韓国人の価値観ではそれは「妥協」なのです。
そして本文中にもあるように、韓国人にとって協調と妥協が事実上同じ意味というだけではなく、妥協という単語そのものが概念的に異なり、弱さであり悪でもあるのです。


そしてこれは個人同士の係わり合いならばそこまで大きなトラブルにもならないのですが、国や集団が関わる物となると、それは大きな対立の原因となります。
特に日本人は協調性を持って相手と関わろうとするので、ある意味で韓国人を「誤解させる」からです。


この事を踏まえて最近の韓国三大紙の記事を読んでみて下さい。


【コラム】「あるがまま」の日本を見るべき時代
朝鮮日報 2014/12/30
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/12/30/2014123001068.html
先日、日本の内閣府が日本国民を対象に毎年実施している世論調査で、「韓国に親しみを感じない」という回答が史上最高の66.4%に達したと発表した。2011年の36.7%から、12年には59%まで急増し、13年は58%、そして今年はピークに達したのだ。この調査が始まったのは1978年で、韓国が軍事政権時代だった当時よりも韓国のことを嫌っているというわけだ。黒田勝弘・元産経新聞ソウル市局長が、年初の『週刊朝鮮』に寄せた記事で「韓国の失敗が日本の喜びになっているようだ」と記すほどなので、日本国内の反韓感情は推して知るべしだ。
(中略)
韓日関係がこうなってしまったのは、盧武鉉大統領の「外交戦争も辞さず」発言、李明博大統領の「天皇謝罪」発言など、韓国側が不必要に刺激したことも影響している。しかしそれ以上に、日本の政治家自身による選択の方が、はるかに影響が大きかった。日本はこの数年、平和憲法を損なって軍備を強化する「戦争ができる国」への道を疾走してきた。安倍首相は戦争責任を回避し、戦後秩序そのものを否定するかのような発言も何度か行った。こうした政権と普通の日本人は違うという見方も一部にあるが、衆院選の結果は、そうではないという事実、今の日本は韓国人が慣れ親しんだ日本ではなく、新たな日本なのだという事実を示した。

 来年6月には、韓国と日本が国交を正常化してから50年になる。難題はますます増えているのに、解決対象どころか、管理するのも大変だ。今や、謝罪の文言をめぐって綱引きする時代も終わった。「あるがままの日本」を相手に、根底からやり直すしかない。




まずは朝鮮日報の記事なのですが、最近韓国は今までの韓国の外交方針が日本に通用しない事、韓国の経済状態が徐々に悪化してきていることなどから、流石に今までの韓国側の言動に問題があった事を認めつつあります。


ただし、韓国人にとってそれを「ただ認めること」は妥協であり自らの責任を認めてしまう事になるので、「最大の原因は日本にあるのだ、今こうなっているのは日本のせいだ」とし、自分たちの問題は些細なこと、日本に問題があるからこうなっているのだとしている記事です。


次に中央日報の記事


「首脳会談のない正常化も一つの方法…韓日間の多様なチャネル必要」(2)
2015年01月02日08時05分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/745/194745.html
<3>「被害者の韓国が先に手を差し出せば主導権握れる」

韓元長官は「韓国が先に政治的な勇気を発揮し、日本により高い次元の対応をする必要がある」とし「加害者である日本には嫌韓があるが、むしろ被害者である韓国には嫌日はない。我々の国民の寛容と大局的な立場を見せるべきだ」と述べた。

孔元長官も「韓国の日本に対する認識はまだ19世紀末から1945年までに止まっている。被害者である韓国が先に過去から抜け出せば、新たな50年間の韓日関係を主導できる」と述べた。

<4>「日本が自ら変化する呼び水を与えるべき」

孔元長官は「日本が変わることができる呼び水を与えなければいけない」とし「慰安婦局長級協議で我々は内部的に緻密に用意するものの、日本が望む、受け入れられない内容を含め、その一部を流して交渉を主導しなければならない」と例まで挙げて助言した。

金大中(キム・デジュン)政権で外交部長官を務めた李廷彬(イ・ジョンビン)元長官は「過去に河野洋平外相が独島(ドクト、日本名・竹島)について『韓日政府がお互い公式的には沈黙を守ろう』と提案したが、我々が領土主権を行使していることを勘案し、これに応じた」とし「韓日関係ではこのように鋭敏な問題を避けることができるいくつか現実的な方法がある」と述べた。

<5>「国際社会と疎通して説得するべき」

韓元長官は「最近の韓日米情報交流協定のように、韓国は首脳会談が開かれなくても日本との協力の努力を断っていない」とし「しかし重要なのは我々が沈黙するのではなく、このように韓日関係が地域全般に障害を与えることはないという立場を十分に国際社会に説明しなければいけない。教科書的な原則ばかり繰り返しては困る」と強調した。


こちらの記事は内容的にほぼ朝鮮日報と同じですが、より露骨です。
元々日韓首脳会談が2年間も開かれなかった理由は、朴政権が会談に条件を付け「条件を飲まないのなら会談はしない」とのスタンスを取って来たからなわけですし、歴史問題に拘ってきたのも韓国です。
そもそも韓国側の出してきた首脳会談の条件がまさに歴史問題です、日本側はずっと「条件なしで会談を」とのスタンスでした。


しかしそれだと韓国側の問題となってしまう上に、今から歴史問題を引っ込めたら韓国人にとってそれは「妥協」となってしまいます。
だから、「お互いに歴史問題に拘っている」という事にして、そのうえで「歴史問題に拘る日本をこちらが変えてやろう」としている、そんな記事です。


次に東亜日報


「日本が強奪した文化財、無条件に返せと言っても解決できない」
東亜日報 JANUARY 01, 2015
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2015010138448
「韓国人が日本の対馬で盗んだ仏像2点を返してほしい」

先月29日、神奈川県横浜市で開かれた韓日文化長官会議で、下村博文文部科学相が予定になかった発言をした。これに対して、金鍾徳(キム・ジョンドク)文化体育観光部長官は、「日本にある韓国文化財約6万6800点の取得経緯をユネスコ条約によって明らかにしよう」と応えた。

下村文科相が言及した仏像は、2012年10月に韓国人文化財窃盗団が、対馬の神社や寺から盗んで韓国に持ち込み、摘発されたものだ。2つの仏像は統一新羅と高麗時代に製作された。この文化財を日本に返す問題について、「日本が強奪したものであり返還してはならない」という意見と「強奪品という証拠がないため返さなければならない」という意見が対立した。裁判所は昨年2月、「日本が仏像を正当に取得したことが明らかになるまで返還してはならない」という決定を下した。

(中略)

専門家たちは、「政府が大きな絵を書き、冷静に実利的な判断を下して象徴的な措置をするなら、期待以上の肯定的な流れが形成されるだろう」と助言した。東国(トングク)大学美術史学科の鄭宇澤(チョン・ウテク)教授は、「ひとまず互いに相手の立場で事を見る試みが必要だ」とし、「日本側は、目の前に起こった状況(対馬の仏像)から国際条約によって処理することが先決の課題だと考えている。日本側は長い間、歴史的悪縁によって韓国社会に根付いた日本に対する否定的な感情の必然性を理解する努力をするべきだ」と指摘した。

韓国美術史研究所の文明大(ムン・ミョンデ)所長は、「韓国の文化財返還の目標は明確にしても、交流協力を通じて話し合う努力がなく一方的に返還の主張だけしては得るものはない」とし、「実益のない消耗的な感情対立を自制し、長い目で戦略的な接近を堅持する必要がある」と強調した。



こちらは対馬の仏像盗難事件に関してです。
簡潔に書いてしまうと、韓国人にとって仏像の返還は「妥協」です。
この問題、そもそも「日本が奪った」とする根拠は何もなく、韓国側の主張は間接的推定に過ぎません。
そのうえ、記事中の会談における韓国側の回答である「日本にある韓国文化財約6万6800点の取得経緯をユネスコ条約によって明らかにしよう」は、要するに日本にある韓国の文化財は全て奪われた物とする前提の主張であり、韓国側がこのように返したのは、自らの問題を相対化し「どっちもどっち」としたいからです。


もし単なる韓国側の国際条約違反の問題としてしまったら、それは韓国側の落ち度となり仏像を返還しないといけなくなります。
それでは韓国人にとって韓国の弱さや劣等さを認めることとなってしまうので、それを避けたいからこそ「相手の落ち度」を作り出し相対化しようとしているわけです。


このように、日本人と韓国人では妥協や協調という単語に関する概念そのものが大きく異なり、日本人からみるとなぜそこに拘るのか、そんな事を拘っていたら問題をより悪化させるだけだろう、と考えることであっても、韓国人の価値観からすれば「そうしなければならない必然」なのです。
韓国人にとっては、自身の落ち度を完全に認める=妥協=劣等や悪徳だからです。


このような価値観の違いがあるうえに、韓国人は日本人との間に価値観の違いがある事を理解できません。そのため日本人の感覚で「協調」しようとすると、韓国人は日本人は劣等なのだとか弱いのだと考え、更に要求を増やすのです。
その結果が例えば、朝鮮王室儀軌「譲渡」後に起きた韓国側からの「日本に奪われた6万数千点の朝鮮の文化財を取り戻せ」という運動です。


つまり、日本人が日本人の価値観で「お互いに協調しよう」とすればするほど、余計に事態が悪化していき、要求が増え続けた結果対応不能なところまで行くのです。
それが今現在起きている日韓関係の問題の原因の一つです。


ではどのような対応が良いのでしょうか。
それに関して、ここ数年アメリカと韓国との間で問題になっている艦対空ミサイルSM-2の問題が良いモデルケースでしょう。


韓国は2010年にアメリカからこのミサイルを購入したのですが、発射テストが全て失敗に終りました。
そのことで韓国側は「ミサイルの欠陥である」としてアメリカに抗議し賠償を要求していたのですが、そもそもこのSM-2というミサイル、アメリカも含め多数の国で配備されており、韓国の言うような不具合が起きた国は韓国だけなのです。


つまり何らかの韓国側の落ち度が原因の可能性が高いのですが、それを認めてしまっては韓国人にとって「妥協」となってしまいます。
だから韓国側は、「問題はアメリカ側にある」として賠償を要求し、最近になりまだ未払い分の代金を支払わないと公式にアメリカに打診しました。


これに対して、アメリカの回答は
「契約には同様の失敗を保障する条項はない」
「補償してほしいのなら、ミサイル1発あたり54万ドルの追加費用を支払う必要がある」
という物です。
つまり契約の範囲内でしか対応しない、との立場を固持したわけです。


また、こういった対応を韓国にしたのは何もアメリカだけではありません。
例えば韓国がフランスからTGVの技術を買い高速鉄道KTXを作ったときも、多数の不具合が発生しフランスに保障を求めましたが、フランス側は「契約に無い」と一蹴していますし、以前も紹介したロシアのロケット羅老号にしても、韓国側がロシアにロケット技術の公開を要求しましたが、ロシア側は「契約に無い」と一蹴しています。


韓国の価値観では自身の落ち度を認める事は妥協であり弱さであり悪徳であるため、以前紹介した「韓国人は自身の行いすらも他者のせいにする」という価値観もあり、問題が起きた時必ず原因を外へともって行き、相手がその要求を呑めば「妥協しないため」に更なる要求をしてくる傾向にあります。なのでこの「きっぱりと要求を拒否する」対応以外は、問題を悪化させ長引かせる原因としかならないわけです。


日本人と韓国人は、こういったことでも価値観が大きく異なります。
安易に「日本人と韓国人は考え方が似ている」とか「価値観を共有している」と考えると、その先に待っているのはより大きな問題だけです。
ですから、日本人的な協調性というのは確かに大事ですが、それはあくまで日本人の価値観であり、「日本人と韓国人は価値観が大きく異なるのだ」という前提の下で対応していくべきです。


最後にもう一度書きますが、韓国人にとっては、日本人の価値観での協調は「妥協」であり、その妥協という単語にしても日本人とは定義や認識が大きく異なる、この事を知っておくのが非常に重要です。
日本人が日本人の価値観で「良かれと思ってやること」が、必ずしも良い結果を生むとは限らないのですから。
むしろ日本人の価値観を如何なる場合にも通そうとするのは、自身の価値観を絶対とする傲慢でしかないでしょう。