さて、本日は日韓の間の様々な問題について、日本側から状況を悪化させている人々や問題となる態度などについて書いていきます。
日本と韓国の間には様々な問題があり、その多くは日本人と韓国人の価値観=常識の違いから来るものではあるのだが、それ以外にもいわゆる「日韓友好論者(韓国人から良心的日本人と呼ばれる人々)」などが状況を悪化させているものもある。
彼らは往々にしてどんな問題も自身に都合の良い内容に論点を摩り替えたり組み替えたりすることが習慣化しているため、現在発生している問題を自身のイデオロギーに都合のいい内容に作り変えて韓国側に伝えており、最近も神奈川新聞がそれを大々的に行っている。
またそれ以外にも、日本側で韓国社会の価値観をまるで知らないがために、「日本の常識」で判断する事例も多く、海女のユネスコ登録の問題では「韓国側が何を望んでいるのか」を知ろうとしないまま共同提案を行った結果、韓国側が単独登録を行うといった事態になっている。
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1:韓国に間違ったシグナルを送り続ける人々
まずはこちらの記事から
日、過去の歴史反省せずに前後70年送る 嫌韓デモの根底にはアジア蔑視の風潮
NAVER/東亜日報(韓国語) 2016-12-01
http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=shm&sid1=104&oid=020&aid=0003023523
「ヘイトスピーチ(嫌韓デモ)の根底には、殖民支配と侵略戦争を正当化する為に作られたアジア諸国に対する蔑視が位置している。これがデモという形で街に出るようになったきっかけは、安倍晋三総理の登場である」
先月28日、東亞日報の東京支社で会談した神奈川新聞・デジタル編集部の石橋学編集委員(45歳=写真)は、「日本社会は歴史に対する反省をせずに戦後70年間続いた」とし、これが嫌韓デモの根本的な原因だと強調した。また、「根深い差別意識が2002年以降に始まった韓流ブームに反感を持つ人々によって凝縮され、インターネットを通じて影響力を持つようになった」と説明した。彼は嫌韓デモ隊に対立して戦った川崎市コリアンタウン桜本を扱った本、『ヘイトデモをとめた街』を9月に出版した。
2012年の安倍総理就任以降にデモが本格化した理由については、「安倍総理の歴史修正主義の認識は結局、日本軍慰安婦被害者が嘘をついているという事を意味する。それと同時に加害者を被害者に変身させた。これには何かが詰まっていて、(他国々に比べて日本が)損をしているという国の意識と合致した」と説明した。
石橋委員が同僚と執筆した本は、昨年11月に嫌韓デモ隊が川崎市のコリアタウンへの進入を試み、これらを防ぐために在日同胞が立ち上がり、約8ヶ月続いた戦いを生々しく盛り込んだ。
住民たちは在日同法3世の崔江以子(チェ・カンイジャ・43歳)さんを中心に、日本の市民社会と共に道路に座り込んで嫌韓デモに抗議した。道路に横たわる方法でデモ隊の進入を2度防いだ。長くて孤独な闘いは国会証言、署名運動などを通じて嫌韓デモ規制法の制定に決定的な役割をした。
石橋委員は、「住民たちは40年間作ってきた共生の間隔を守るために争った」とし、「被害者の切実な訴えが与党国会議員の心まで動かした」と話した。
神奈川新聞は19万部の小さな地方誌だが、2015年から書籍『時代の正体』シリーズを発行して、安倍政権と正面から対立している。
色々と突っ込み所だらけの内容なのですが、根本的に「嫌韓」の問題が「アジア蔑視」の問題に摩り替えられていたり、韓国を批判しているのが在特会のような人々だけであるかのような印象を与えていたり、記事全体としておかしなところだらけです。
また更に、「2002年以降に始まった韓流ブームに反感を持つ人々によって凝縮され」と書かれていますが、実態はこのブロマガを以前から読んでいる方々ならわかるでしょうが、2002年の日韓共催ワールドカップにおける韓国側の非常識な行いが日本の嫌韓の出発点です。
参照記事
嫌韓の出発点、2002年日韓共催ワールドカップで何が起きたのか
また慰安婦問題についても日韓対立の重要な部分がこの記事では全く別物に変換されています。
これも以前記事にしましたが、日本と韓国のこの件における最大の対立点は「軍命令によって軍人が行った女性の拉致」の有無であり、日本側はこれは存在しないとし、韓国側はこれが存在したとしてこの件の「法的責任を認めること」を日本政府に要求しています。
参照記事
【河野談話】韓国政府が自爆しました
韓国国定教科書 慰安婦・独島めぐる記述を強化 聨合ニュース 2016/11/28
それがこの記事では「日本が慰安婦の存在を否定している」という内容に摩り替えられているのです。
また他にも、そもそも在日への批判が高まった背景の根本部分には、彼らが長年メディアや朝鮮総連・大韓民国民団などを中心に「自分達は強制連行されてきた被害者だ」と訴え既成事実化していたにもかかわらず、それがまるで嘘であった事が判明したという背景があり、問題の本質はここにあります。
参照記事
「我々は強制連行で奴隷として連れてこられた被害者だ」日本の多文化主義と在日韓国・朝鮮人
要するにこの記事は、先日私がもう一つやっているブログのほうで書いたメディアの問題点を体現しているような記事なのです。
参照記事
マスコミの「偏り」への考察
つまり、相手の主張の中から「結論ありき」に都合のいい内容のみを抽出したり、相手の主張を歪めたりと典型的な詭弁のテクニックを駆使し、相手の主張をまるで別物に変換して「悪魔化」することで持論を成立させ、「問題は一方的にネトウヨにあるのだ」と韓国側に耳打ちしているわけです。
現在韓国と友好を進めようとしている人々は大半がこんな人達であり、そのため実際に「日本側が何を問題にしているのか」を知る韓国人は殆どいませんし、そもそも今更実態を説明したところで、上記のような日韓友好論者が散々こんな事をしてきた後では大半の人が信じないでしょう。
要するに、現在の日韓関係は先ほど引用した記事を書いているような人々によって、最早「手遅れ」の状態になってしまっている上に、彼らは絶対に自分達の方針に問題があったことを認めないでしょうから、これからもこうした「間違った認識」が韓国に伝えられ続けるわけです。
2:「常識の違い」を理解しない人々
次に問題となるのが、日韓の間にある価値観=常識の違いを理解しないまま、日本人の常識を韓国側に当てはめ、その結果韓国側の意図を読み違い問題が悪化していく事例です。
これの典型的事例が以前も言及した海女のユネスコ無形遺産登録問題で、韓国発の記事を読んでいると、日本側は韓国に対して「共同登録」を求めていたようなのですが、韓国側はそれを無視して単独登録を行いました。
「済州の海女文化」 韓国19件目の無形文化遺産に 聨合ニュース 2016/12/01
以前の記事で書きましたが、海女の記録は日本のほうがはるかに古く、そのため日本から朝鮮半島へ文化が流入した可能性か、或いは双方で別々に独自発展した文化である可能性が極めて高いです。
彼らにとってはこれが大問題であり、それが韓国が単独登録に拘った理由と直結しており、韓国の歴史観においては、朝鮮半島から日本への文化や技術の流入の存在は肯定しますが、その逆は何があろうと絶対に認めません。
これには、以前から書いているように彼ら独特の序列意識や小中華思想が関係しており、韓国では対等の概念が希薄であるため常に「どちらが上か下か」に拘る事、また中華思想においては文明や文化は「中原から一方通行的に周辺へ流れていく」との考え方があるため、日本から朝鮮半島への文化の流入などあってはならないことです。
また、李氏朝鮮以降朝鮮では明の滅亡によって「自分達こそが真の中華の後継者である」とする小中華思想が発達した歴史的背景があり、このことも現在の韓国人の歴史観に深く関わっているため余計に「日本の影響があったこと」を認められないのです。
【寄稿】韓国のDNAに刻まれた中国への片思い 朝鮮日報 2015/10/02 (1/3ページ) (2/3ページ) (3/3ページ)
恐らく日本側は、「同じような文化があるのだから共同登録すれば良いではないか」と考え共同登録を提案したのでしょうが、韓国側からしてみればこの状況で日本と共同登録する事は「海女が日本の影響を受けた」と認めるも同じなので、そんな事は許されなかったのです。
結果韓国側は日本側が共同登録を提案している間に単独登録を成功させ、同時に「登録されたのは韓国の海女なのだから韓国の海女がオリジナルだ」という認識を強めたと同時に、自分達は日本よりもユネスコに対して影響力がある=自分達のほうが上だとの確信を持ったわけです。
またこの件で更に問題なのが、以前「日本と韓国では「協調」と「妥協」の意味が全く違う」で書きましたが、彼らにとって協調とは妥協の事であり、同時に単語として彼らが使う協調とは「自身が不利なときに少しでも待遇を良くするための手段」です。
つまり、相手に対して妥協ではなく「お互いに協調し合おう」という態度を取るということは、相手よりも自分が不利であり足元を見られても仕方が無い状態であると認識されます。
序列社会とはそういったものです。
そして日本側が「共同登録をしよう」と韓国側に呼びかけたのは、彼らの価値観から見て明らかに「協調」を求める態度であり、韓国人の一般的な価値観から見れば日本が下手に出てきているようにしか見えません。
だから韓国側は日本側からの共同登録を無視したわけです。
韓国的価値観から見たら、単独登録を要求せずに共同登録を提案してきたという態度は単なる「弱さ」にしか見えなかったわけです。
そして更に問題なのが、こうしたことが繰り返されると韓国では「日本に対して更に強硬に要求をしても良い」という空気が生まれることで、要するにこれまで日本人的な態度を取ったがために今後ユネスコ関連で韓国側とのトラブルが余計に増える可能性があるわけです。
一事が万事、こうして状況は悪化していくわけです。
3:「相手を知る事」が重要
今回書いたように、日韓関係は今でもどんどん悪化し続けており、特に最近の事例では今回書いたように日本側による「間違ったアプローチ法」が問題を悪い方向へと導き続けています。
そして今回重要な事は、韓国人から「良心的日本人(例1 例2)」と呼ばれている、私が便宜上日韓友好論者と呼ぶ人々には2種類いる事です。
一つは元々イデオロギー的に親北朝鮮や親中国であり、「反日」である事から「敵の敵」として韓国を利用しているような人々で、これは今回ならば最初の神奈川新聞の事例などが典型的です。
もう一つは、多文化主義をこじらせていたり自分の持つ常識が世界の全てと思い込んでいるようなタイプで、これは今回の事例ならばユネスコの無形遺産登録のような事例が典型的です。
(人によってはこの両方の要素を有している場合もありますが、これは定義としては前者になります、(2016年12月4日11:20追記)またコメント欄でも指摘されたように、商業的な動機から韓国側の主張を全面的に肯定するような人々もいますが、彼らの主張にも前提としては偏った多文化主義思想があるような印象を受けます)
そして、後者の要素のみの場合には頭の固い人がいても地道に「違いとは何なのか」を伝えていけば大抵は何とかなりますが、前者の要素を持つ人々はそれではどうにもなりません。
彼らは原則的に自分達のイデオロギーに基いた世界観を絶対視しており、全ての事柄をその世界観に当てはまるように「加工」して解釈しようとするからです。
だからこそ結論ありきの思考をするのであり、根本的にその世界観に見合わない情報は殆ど無意識に無視したり内容を曲解したり組み替えたりしてしまうので、こちらが何を言ってもほぼ無意味です。
相手の主張を持論に都合のいいように歪め、それを叩く事で論破したように見せかける詭弁「ストローマン」や、相手の主張の中から持論に都合のいい部分のみを抽出し、継ぎ接ぎして別のものに変えてしまう「チェリーピッキング」と呼ばれる詭弁が頻繁に使われるのはこのためです。
最初の記事でもこの2つの詭弁を駆使して記事が書かれています。
また、経験上こうした詭弁を使う人々は問題点を指摘し続けると「どっちもどっちだ」と、前提の異なる問題を強引に相対化し、「相手にも同じ問題がある」かのように見せかける「燻製ニシンの虚偽」と呼ばれる詭弁を使ってきます。
本来、相手の問題点を指摘したければ今回私がやったように、具体的にこのような問題が存在しており、(相手の主張は)この部分を無視しているから問題なのだと提示すれば良いわけですから、強引に相対化する必要など全くありません。
どうして彼らがこんな事をするのかといえば、要するに自分達を絶対的な社会正義の位置に置いてそこで思考停止してしまっているので、自分達が想定する範囲の外にある意見には対応ができず、苦し紛れの手段として「どっちもどっちだ」とすることで相手の問題に論点を摩り替えるわけです。
しかし結局こうした手法は具体性が無く客観性にも欠けているので、相手の使うロジックや動機さえわかってしまえば対処法は実のところ簡単です。
こちらは「これが問題なのだ」と定義を明確にしたうえで、相手の主張の問題点、つまり根拠や客観性の無さ、状況次第では相手の使っている詭弁の種類などを特定しそれを明確に指摘すれば良いのです。
彼らは一方的に主張する手段に長けており、またマスコミ関係者にこうした人々が多いのでなかなかここまで持っていくのは大変ですし、単なる一般人がメディアと同等の発言力を持つことは難しいですが、だからといって「どうにもならない」わけではありません。
なぜかといえば、以前もどこかで書きましたが私がネットを始めて韓国と関わりだした当初は、韓国に否定的な意見を書けばネット上でも無条件に差別主義者扱いされまともに話も聞いてもらえませんでした。
しかし今はどうでしょうか、今でもマスコミなどは一方的に相手の主張を歪めたり組み替えたり、或いは特定の情報を無視し続けたりしていますが、同時に「何が問題なのか」をしっかりと把握しマスコミの行う報道などを批判する人も増えました。
なぜこうなったのかは簡単で、ネットを通じて問題点が広く共有されるようになった結果、マスコミが一方的に伝える情報に相対的にではありますが価値がなくなったからです。
勿論、その結果の弊害として問題提起する側にも「問題のある行為」をする人が増えましたが、それでも全体としては私がネットを始めた当初よりはずっと「発言し易い環境」になりました。
つまり、ネット上で問題提起を行いそれを地道に草の根的に拡散させていく事は、時間が掛かりますし短期的には目に見えた成果もわかり難いですが、長い目で見れば確実に効果があるわけです。
そして、これまでは問題提起のみが行われてきたわけですが、そこに今回私が書いたような「日韓友好論者の問題点の指摘」を組み合わせれば、当然それは長い目で見たときに効果が出てくるという事でもあるのです。
真っ当に議論すれば詭弁を使うしか手段が無いような相手など、仕組みを知ってしまえば「取るに足らない存在」なのですから、こちらはネット上で彼らの主張の問題点の指摘を積極的に繰り返していけば良いのです。
重要なのは、「何が問題の本質なのか」の定義を明確にし、それを説明できるだけの客観的根拠を各自が持つことです。
2016年12月4日11:30追記
書き忘れていたことがあったので追記しておきます。
「どっちもどっち」などの相対化を行うパターンの場合、上記で書いたように前提の異なるものを強引に相対化しているだけのため、実際のところは「違い」のほうが多いです。
これは要するに、「イルカやクジラも魚と同じ海で生活しているのだから、どっちも魚類だ」と言っているようなものです。
この場合どう反論すれば良いでしょうか。
基本はどれも同じで、相対化されている対象の共通部分と独特の部分を頭の中でリスト化し分離したあとで、独特の部分を指摘すれば良いわけです。
具体的には、例えば「イルカやクジラは恒温動物だが、魚類も恒温動物なのか」とか、「魚類には浮き袋があるがイルカやクジラにも浮き袋があるのか」といったように、順次同じではない部分を指摘していき、それらをいくつか挙げたうえで「何故同じなのか」を具体的に相手に再度説明させるといった手法をとると効率的です。
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