日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

自分は何も変わらない、相手が変わり受け入れよ


さて、本日は最近の韓国による対日、対米での特徴的な考え方と態度について、それが非常に分かり易く表れている記事がハンギョレ新聞に掲載されたので、その件について手短に書いていきます。

初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由

注意
・このブロマガは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブロマガのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください


※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


まずはこちらの記事から

[寄稿]“防衛費圧迫”根本解決法は南北平和条約
ハンギョレ新聞 2019-11-18
http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/34992.html

パク・ハンシク米ジョージア大学名誉教授 
「米国が戦時作戦統制権も委譲せずに 
分担金の莫大な引き上げだけを要求するのは 
商人が品物を渡さずに代金を払えというようなもの 
 
インド太平洋の覇権を得ようとする 
米国の利益は韓国の利益と相反 
米中が参加する南北平和条約が 
強大国に振り回されない対応策」

 韓国に対する米国の防衛費分担金引き上げ要求が激しい。米国は、現在の分担金総額の5倍に達する6兆ウォン(約5600億円)程度を要求しているという。特に、ここにはグアムやハワイなど朝鮮半島外に駐留する米国の戦略資産展開費用まで含まれていると見られる。また、米国が南シナ海やホルムズ海峡で作戦を遂行する時、韓国の派兵や金銭的支援を要請することがでありうるという話も聞こえてくる。

 米国の要求に対して最初に考えなければならない点は、戦時作戦統制権(戦作権)問題だ。米国は韓国に戦作権を委譲していない。にもかかわらず韓国に過度な防衛費分担金を強要している。市場で商人がお客さんに品物は渡さずに代金だけ払えというようなものだ。韓国が戦作権を保有していない状態で、防衛費分担金だけ払うというのはありえない話だ。

 米国の不当な要求に賢明に対処するには、より大きな枠組みで問題を眺める必要がある。国際政治の世界で、国家の行為を決める最も重要な基準は「国家利益」だ。米国の過度な防衛費分担金要求は、米国が追求する国家利益から派生したものだ。一つは、いわゆるインド・太平洋戦略を手段に中国を牽制することであり、もう一つはインド・太平洋地域での覇権を維持することだと言える。

 しかし、米国のこうした国家利益は、韓国が追求すべき国家利益とは正面から相反する。韓国は中国と経済的パートナー関係にある。それにもかかわらず米国の国家利益を追従する手段に編入され、中国に対し軍事的に敵対的立場を取るならば、中国が黙っているだろうか?米国が韓国を助けるだろうと考えるかもしれない。だが、THAAD(サード、高高度防衛ミサイル)配備の時に中国が韓国に対し経済報復を加える状況で、米国はどんな立場を取ったのか?さらに言えば、韓国の国家利益はインド・太平洋地域で覇権を追求するところにはない。

 韓米同盟を“韓米血盟”と理解する人々は、こうした意見に反論するだろう。しかし、同盟とは、あくまでも各同盟当事国の国家利益に符合する場合にのみ存在理由がある。特に“動物王国”とも言うべき国際政治の世界で、自国の国家利益に反する路線を歩むことは、すなわち自滅の道という事実を肝に銘じなければならない。

 米国のホルムズ海峡派兵要求も、米国ではなく韓国の国家利益を基準に判断しなければならない。中東は、米国ですらどうにもできない火薬庫だ。韓国がホルムズ海峡に派兵して、中東紛争にかかわればどうなるだろうか?今年8月、イランは韓国に対しホルムズ海峡派兵を望まないとの公式立場を伝達した。韓国の国家利益に献身する政治指導者ならば、イランの立場を軽視してはならない。
 韓国が周辺強大国に振り回されずに朝鮮半島の平和を恒久的に定着させるには、北朝鮮と不可侵条約や平和条約を締結しなければならない。韓国は米国と同盟関係にあり、北朝鮮は中国と同盟関係にあるので、絶対に米国と中国が参加する平和条約を締結しなければならない。先に南北の首脳が会って始めることができる。今がその適切な時期だと考える。南北の平和条約締結に米国と中国が反対しなければならない政治的・歴史的根拠がないためだ。何よりも南北の平和条約が締結される場合、朝米間の慢性的敵対感を解消し、正常な国家関係を樹立することができるはずだ。また、そうなれば地球上の最後の冷戦地帯である朝鮮半島は、ついに平和地帯として新たに踏みだし、世界に新しい平和のモデルを提示できるのではないだろうか?
パク・ハンシク米ジョージア大学名誉教授



記事はいわゆる米軍駐留費の分担金問題について書かれており、いろいろと突っ込みどころの多い記事ですがそれらは今回省略し、今回問題にするのは「同盟とは、あくまでも各同盟当事国の国家利益に符合する場合にのみ存在理由がある。」と書かれている部分です。


これを普通に考えると2種類の見方ができます、「同盟という前提での利害調整交渉をする」というパターンと、「同盟国(アメリカ)よりも中国との関係を重視する」というパターンがありますが、韓国はどちらも想定していません。


ではどういう事かといえば、韓国が行う北朝鮮との平和交渉はいずれ上手くいくはずで、米中が朝鮮半島の平和条約に賛同すれば朝鮮半島に恒久的な平和が訪れ、アメリカとの分担金交渉も中国牽制への協力要請も必要なくなると考えているのです。


何を言っているのか意味が解らないかもしれませんが、こういう事です。
アメリカの考えは単に「自分達の利益」のためでしかないが、韓国は「普遍的正しさ」を選択しているので、韓国が望むことこそすべてにおいて正しい行為なのだと、そしてそれを実行すればすべてがうまくいくと、そう考えているのです。


いわゆる「理気二元論」に基づく考え方です。


参考記事
韓国社会では「記憶の改変」が起きているわけではない?


ですから、アメリカとの間で利益がぶつからないよう調整し交渉をするという事ではなく、ましてや同盟よりも中国を優先するという事でもなく、韓国政府が望んでいる事を実行する事こそ「正しい行いである」と書いているだけなのです。


つまり、「同盟とは、あくまでも各同盟当事国の国家利益に符合する場合にのみ存在理由がある。」とは、韓国人が正しいと考えている事を実行する事こそが普遍的な利益であるのだから、韓国の国家利益の追求に反する行為はしなくてもいい、それだけの事なのです。


これはつまり、「アメリカの国家利益の追求が韓国の国家利益の追求とぶつかったら、韓国はアメリカの要求にこたえなくともいいが、その逆、つまりアメリカが韓国の要求を拒否するパターンは”想定していない”」という事です。


そんなご都合主義が通るわけがないと考えるかもしれませんが、ハンギョレ等の現政府に近しい人々の考え方では、これこそが「非の打ちどころのない完璧な案」なのです。


以前から書いているように、彼らは「その時の自身の感情的利益」をこの世の普遍的な正しさであると考える傾向にあるわけですが、この考え方には「客観的視点」とか「第三者視点」という考え方が存在しません。


そのため彼らは「これをしたら相手がどう考えるか」という事を一切想定しておらず、常に「自分がどう考えているか」のみを判断材料としています。


ですから、アメリカとの分担金交渉で韓国が頑ななのも、GSOMIAの件で日米に頑ななのも、それは彼らに何か策があってそうしているわけではないのです。


文大統領、米国防長官の面前でGSOMIAを拒否 朝鮮日報 2019/11/16


「自分達は常に正解を選択している」という前提で思考するため、そもそも「相手が拒否する」という事を最初から想定しておらず、想定外の拒否をされたため対応できなくなり、自分達の言い分を繰り返すだけになった、それだけの事なのです。


これは日本に対しても同じです。
GSOMIAの件を持ち出しアメリカを引き込めば、アメリカが日本に圧力をかけて日本が引くはずである、彼らは本気でそう考えていただけなのです。
「非常時にはアメリカが常に助けるはず」という考えに基づいているのです。


一見すると、米韓同盟を壊し中国側につくために意図的にやっているかのようにも見えますが、実際には彼らはそこまで意図していません。
文正仁特別補佐官のような過激な思想を持つ人々もいるにはいますが、おそらく文大統領も含めほとんどの政府内の人々は米韓同盟の破棄など想定すらしていません。


実際以下の記事のように、親北ハンギョレ新聞ですら在韓米軍撤退に批判的な記事を掲載しています。


[コラム]在韓米軍が撤収したならば ハンギョレ新聞 2019-11-19


彼らの一連の動きは、計画されたことを計画通りにやっているわけではないのです。
その時の感情的利益に基づき、正しいことをしているのだから周囲はその正しさを受け入れるはずだ、そう考えているだけなのです。


そのため彼らは「自分達は何も変わらない、相手が変わり無条件に受け入れるべきである」という態度をとり続けるわけです。


最後に、少し日本も注意しないといけないことを。
この考え方はおそらく儒教の考え方に基いているのでしょうが、そのため日本人も「正しい行いをしていればいずれ周囲はわかってくれるはずだ」と考えがちです。
韓国との違いは、その態度が受動的か能動的かです。


結局これは単なる独りよがりであり、相手にわかってほしければ「自分の意見を相手に納得させられるだけの考え」を自身が有していなければいけません。
これは「自分の言いたいことを言えばいい」とも「相手の間違いを指摘できればいい」とも違います「持論がなぜ正しいのか」を客観的に証明することが必要です。


そしてこれは非常に大変で地道な作業であり、近道も簡単な攻略法もありません。




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