日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

レーダー照射問題と韓国的価値観


さて、今年最後の記事は今最も話題となっている、韓国軍による自衛隊機への火器管制レーダー照射問題と、韓国的価値観の関係について書いていきます。

初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由


注意
・このブロマガは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブロマガのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください


今月20日、日本のEEZ付近で活動中の韓国軍の艦船が、自衛隊機に対して火器管制レーダーを照射するという事件が発生したが、その後日本政府が抗議をすると、韓国側は主張を二転三転させており、この事には韓国独特の「正しさ」の概念が関係している。


また、現状韓国は「挑発してきたのは日本」と、22日までとは全く異なる主張をしているが、これも含め現状の韓国側の主張は、「被害者が偉い」「他者の劣等性の指摘から自己の優越性や正当性を証明する」という彼ら独特の価値観で充分に説明できる。


更にもう一つ、現状の韓国は文政権によって本来外交を担うはずの外交部(外務省に相当)が完全に機能停止しているため、最早これまでのような意見調整をできる状態に無く、この問題が今までのように「穏便かつ有耶無耶」に着地する事はまずありえない。


※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。



1:矛盾だらけの主張


まず今回の件について、あまり詳しくない方に説明すると、今月20日韓国海軍「クァンゲト・デワン」級駆逐艦が、海上自衛隊第4航空群所属P-1に対して火器管制レーダーを照射してきたとして、21日に防衛省が発表、続報を22日と25日にも発表し、日本政府が韓国政府に公式抗議をしました。


韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について 防衛省 平成30年12月21日

韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について 防衛省 平成30年12月22日

韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について 防衛省 平成30年12月25日


まずこの件なのですが、韓国側の対応は「突っ込みどころしかない」といえるほど突っ込みどころだらけですが、それは日本のメディアでも充分すぎるほど報じられているので、ここではあまり重点的に書きません。
それよりも、「なぜそのような反応になるのか」に重点を置きます。


そのうえで最初に注目すべきは日本政府による抗議後、22日に行われた韓国海軍側からの説明です。

北朝鮮漁船救助の際に日本哨戒機へ火器管制レーダー照射=韓国軍
聨合ニュース 2018.12.22
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20181222000100882

【ソウル聯合ニュース韓国海軍の艦艇が20日、東海上で漂流していた北朝鮮漁船を救助する際に火器管制レーダーを作動し、このレーダーが日本自衛隊海上哨戒機に照射されたことが22日、分かった。

韓国軍の消息筋は「漂流中だった北の漁船が近くの船舶に救助信号を送り、わが軍が海軍駆逐艦(広開土大王・3200トン)を派遣し、救助作業を行った」と述べた。また、「出動した駆逐艦は遭難した北の船舶を迅速に見つけるため火器管制レーダーを含むすべてのレーダーを稼働し、この際、近くの上空を飛行していた日本の海上哨戒機に照射された」と説明した。

 韓国軍は日本当局の抗議を受け、北朝鮮の漁船を救助する際に火器管制レーダーを作動させたと解明したようだ。岩屋毅防衛相は21日に記者会見を開き、「極めて危険な行為だ」として韓国側に抗議し、再発防止を求めたと明らかにした。

 救助された北朝鮮の漁船は1トン未満の木船で、4~5人が乗っていたようだ。数週間漂流し、船員のうち1~2人は死亡したという。

 韓国の政府消息筋は「救助された北の住民は病院で治療を受けた後、関係機関の調べを受ける予定」として、「彼らは北に戻ることを望んでいる」と述べた。


上記の22日時点での発表でのポイントは以下の2点です

・遭難した北の船舶を迅速に見つけるため火器管制レーダーを含むすべてのレーダーを稼働
・この際、近くの上空を飛行していた日本の海上哨戒機に照射された

この時点で韓国側は、火器管制レーダーを使用していたこと、また海自の哨戒機にレーダーが当たったのは「偶発的な出来事」と釈明していました。


しかし翌日になると、以下の記事のように

日本哨戒機接近し撮影用光学カメラ稼働 ビーム放射はせず=韓国軍 
聨合ニュース 2018.12.23
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20181223000600882

・追跡レーダーが(光学カメラと)共に稼働されたが、ビームは照射しなかった
・日本の哨戒機は韓国艦艇の上空を飛行するなど、むしろ「威嚇飛行」を行っていた
・日本の哨戒機が艦艇の方向に接近し、光学カメラを運用した

レーダーの照射は行っていなかった、むしろ日本の哨戒機が威嚇飛行を行ってきたため、光学カメラを使用したと、主張が大幅に変わっています。


韓国側の通信に関する説明などにも矛盾点はありますが、その辺りは以下のフジの記事が詳しいのでそちらを参照してください。


韓国海軍は、海軍として“機能”するのか。火器管制レーダー照射問題 FNN 2018年12月26日


このように、韓国側の主張は22日とそれ以降で全く整合性が取れないわけですが、ここで問題となるのはこうした「整合性の無さ」を韓国社会に指摘しても、まるで意味が無いという事です。


なぜかといえば、それは彼らは私達とは全く異なる「正しさの概念」を持っているからです。


※独特の正しさの概念
彼らの正しさの概念は独特であり、根拠を必要としない。
また「この世には最初から一つの正しさが存在する」と考えられており、自分はその正しさを常に選択していると考える傾向にある。

そして正しさ同士がぶつかった場合には、(曲解でも捏造でもその件と全く関係なくともなんでもいいので)相手の劣等性を指摘する事でそれを自己の正しさの担保とする。

また相手の劣等性を指摘した時点で自身が指摘された問題は相手の問題にすり替わる。

【日韓問題】日韓で異なる「正しさ」の概念

動画




要するに、韓国社会において「自分は正しい」は「前提」であり、そうであるため元々根拠や整合性というものは重視されず、この「前提」に基いて「その時の感情」が最も重視されます。


そのため、「22日と言っている事が違うではないか」等、彼らに指摘してもまるで意味がありません。
彼らからしてみれば、23日以前にどんな話をしていたとしても、「自分は正しい」という前提があるので、現状の彼らの主張である「自衛隊機が威嚇してきた」が正しいのです。


また先週記事にした「旭日旗問題と韓国的正しさ」で書いたように、韓国社会においては自身の欲求や願望と「正義」がイコールの関係にあるため、感情的に「こうだ」と彼らが思ったらそれが「社会正義」となる傾向にあり、そのこともこの矛盾が韓国で問題にならない原因になっています。


2:劣等性の指摘


また今回の事例には、これも以前紹介した「蔑視ありきの自民族中心主義」に関係した彼ら独特の価値観も関係しています。

※蔑視ありきの自民族中心主義
韓国の自民族中心主義(エスノセントリズム)は非常に特殊であり、通常の自民族中心主義が自己の優越性の肥大化から異民族や異人種を蔑視するようになるのに対し、彼らの価値観では「他者を蔑視する事で自己の優越性を証明する」通常とは逆のプロセスになっている。

韓国人が日本人から嫌われる根本的原因

動画



この価値観により、韓国社会では「自身の正しさや優越性」を「他者の劣等性や落ち度」を担保に証明しようとする傾向にあります。


そのため整合性や一貫性の問題は例えば先ほどの「日本が威嚇してきた」という「日本の劣等性」よりも優先されず、「言っている事が22日と違うではないか」と指摘しても、彼らには「日本人が劣等性を指摘されて言い訳している」としか認識されません。


更に韓国側は以下のように


「日本の哨戒機が威嚇飛行」 韓国軍関係者が反論 日経新聞 2018年12月23日

韓日外交当局者会ったが、強制徴用・レーダー葛藤「見解に開き」 ハンギョレ新聞 2018-12-24

韓経:韓日外交当局が協議も「レーダー問題」できしみ 韓国経済新聞/中央日報 2018年12月25日

連日続く日本のレーダー強硬発言…政治的悪用? 中央日報 2018年12月26日

(※1)
「救助しようとレーダー稼働」の説明にケチをつける日...理由は? YTN/NAVER(韓国語) 2018-12-22


まず最初の日経の記事では、聨合ニュースのインタビューを受けた韓国軍関係者の言葉を引用し「公海上での韓国海軍の活動を制約しようという意図ではないかと疑われる」と主張していたと書かれています。


また次のハンギョレの記事では「日本が事実関係に対する明確な確認をせずに日本側の主張をマスコミに公開したことに対して強い遺憾を表明」という韓国政府の言葉を伝えています。


その次の韓国経済新聞の記事では「外交関係者の間では支持率が低下する安倍政権が反韓感情を刺激しようとしているのでは」と主張しており、次の中央日報の記事では「韓国政府に対する反感、(日本の)国際社会での存在感の回復など2つのことが複合的に作用した結果」と主張しています。


そして最後のYTN(韓国のニュース専門テレビ)では「日本が軍事大国化を加速させる口実に利用している」と報じています。


これら全てが「日本に対する劣等性の指摘」であり、以前も解説したように、これはお互いの「正しさ」がぶつかった時に韓国的価値観の人々が行う一般的な反応で、こうして次々と「劣等性の指摘」を行った時点で、韓国社会ではこれが「日本の問題」にすり替わっています。


なので、こうなった時点で日本側が根拠を提示したり矛盾点を指摘したりしても「日本は問題を起こしておいて言い訳をするな」という解釈にしかなりません。
現状、既に韓国内では韓国側の落ち度は全て消え去り、「韓国の起こした問題」から「日本が問題を起こした」という認識が社会の多数派となっているのです。


また更に、これも以前解説しましたが、韓国では「被害者が偉い」という考え方があります。

元記事
韓国では被害者が一番偉い

動画




先ほど挙げた韓国による一連の「劣等性の指摘」や最初のほうの聨合ニュースの記事にあった「日本の哨戒機が威嚇してきた」という主張によって、現在彼らの中で「被害者の韓国」と「加害者の日本」という構図が出来上がっています。


このため、日本側が「火器管制レーダー照射の件で韓国側は事実関係の説明と謝罪をすべき」と主張しても「加害者が被害者のコスプレをしている」としか認識しません。
一連の「劣等性の指摘」をした時点で、彼らの中で韓国は「序列の高い被害者」になっているのです。


ですので、むしろ韓国人達がこの件で「日本は謝罪すべき」と要求してきても何ら不思議はありません。


3:政府に問題解決能力がない


このように、今回の件は韓国的価値観が深く関わっている問題であり、単純に「韓国は反日だから謝罪できない」という問題ではありません。
韓国的価値観では、今回書いたように「落ち度は日本にある」という認識が一般的なのです。


ただそれでも、朴槿恵政権までの韓国なら問題を「穏便に」解決できる可能性がありました。
実際、盧武鉉政権時代に日本の海保と韓国の海洋警察が日本と韓国の中間海域で対峙するという事件が発生した事がありましたが、土壇場で「外交的解決」に至ったという過去があります。
なぜかというと、韓国の外交が機能していたからです。


しかし現状の韓国は以下のように


八方塞がりの韓国外交、本当の「惨事」はこれからとの声も 朝鮮日報 2018/12/25 (1/3ページ) (2/3ページ) (3/3ページ


どうも現在の韓国では、親文派と呼ばれる文大統領のイエスマンたちと、活動家や労組関係者など、外交とはまるで縁の無かった人々が外交を好き勝手に行っているうえに、これまで日米と仕事をしてきた外交関係者達が次々と排除されてしまい、そもそも意見調整が出来ない状況に陥っているようなのです。


更に以下の記事にもあるように


主な仕事は文大統領の随行役? 存在感がない康京和外相 朝鮮日報 2018/12/25


外交経験の無い韓国外交部(外務省に相当)の康京和長官は、「大統領府が重要な情報を外交部と共有していない」という憂慮すべき状態になってすら「何もしない」ため、最早外交部が機能していないそうなのです。


要するに、今回のレーダー照射事件で「外交上の話の出来る相手」が最早韓国の政権内に存在していないのです。
というより、そもそもそれを行うべき部署である韓国外交部が「存在しないも同じ」という状態なのです。


これは最早価値観がどうのとか、文政権の外交能力がどうのとか、そういったレベル以前の問題で、日本側が話をしようにも話が出来る相手がそもそもいないというのが現状なのです。
現状韓国がただひたすらに「頑な」なのもそれが原因でしょう。


そもそも「労組関係者」や「市民運動家」という、政治とも外交とも無縁の人々が好き勝手に政治をして「誰も責任を取らない」というのが文政権の特徴なうえに、肝心の「外交のプロ」を現場から排除してしまっているわけですから、もうどうにもなりません。


今後この件がどうなるのかはわかりませんが、一つだけ書ける事は「これまで通りのような着地点はほぼありえない」という事です。
今の韓国には、それを支えるだけの世論も、それを実行できるだけの人材も存在しないからです。


本年の更新は今回が最後となります、それでは皆様、良いお年を。


お知らせ(その1)
12月31日と2019年1月2日のブログ更新はお休みし、再開は2019年1月7日と1月9日からとなります、動画のほうは12月29日と2019年1月5日両方とも更新する予定です。


お知らせ(その2)
このニコニコのブロマガの仕様上、コメントが新たにあった事は解るのですが「どの記事にコメントがされたのか」を確認することが困難です。
そこで、もし過去記事に質問等私が何らかの回答を必要とするコメントをされた方は、お手数ですが最新の記事かtwitter@ooguchib」のアカウントのほうへその旨を書いていただけると助かります。


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(※1)
「救助しようとレーダー稼働」の説明にケチをつける日...理由は?
YTN/NAVER(韓国語) 2018-12-22
https://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=100&oid=052&aid=0001232072

<アンカー>
ウリ(我が)海軍が射ったレーダーが日本の海上哨戒機に影響を及ぼしたとし、日本政府が二日連続で強い不満を表明しました。

漂流中だった北韓北朝鮮)の船舶を探すためにレーダーを稼動したと説明しても、日本がこのような敏感な反応を見せる理由は別の意図があるのではないかという分析を生んでいます。

救助された北韓の船員は北側に引き渡されました。

キム・ムンギョン記者が報道します。

<記者>
日本の岩屋毅防衛相が記者会見を開き、我が軍に強い不満を表明しました。

東海(トンヘ=日本海)で作戦中だった日本の哨戒機に対し、我が海軍が火器管制用のレーダーを照射したというのです。

このレーダーは有事の際に目標物の位置を把握して、武器体系を誘導する機能を備えている事が知られています。

岩屋防衛相は予測不可能な事態を招きかけない非常に危険な行為と言いながら再発防止を要求し、外務省の幹部も友好国としてありえないと述べた事が分かりました。

これに対して我が軍は去る20日、救助信号を発信した北韓の船舶を探すために全てのレーダーを稼動したが、レーダー範囲に日本の海上哨戒機がいたと説明しました。

実際に1トン未満の小型の木船に乗っていた北韓の船員3人と1人の遺体が、我が軍と海警(海洋警察)に発見されて北側に引き渡されました。

日本がこのような状況を無視して敏感な反応を見せるのは、『徴用判決』などに対する不満とともに別の名分を探している事もありえるという分析です。

今年に入って韓半島朝鮮半島)の安保環境が変わっているが、日本政府は新たな防衛計画を作り、来年は史上最高額である約53兆1400億円※の防衛費を編成するなど、軍事大国化を加速しています。

YTNのキム・ムンギョンでした。


2018年12月27日23時40分訂正
※ウォンの間違いでした、申し訳ありません。