日韓問題(初心者向け)

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韓国は個人主義?全体主義?


さて、本日なのですが前々回の「韓国の「仮想」集合意識と朴大統領」が中途半端な内容となってしまっていたので、改めてこの件について私の考えを書いてみます。


韓国社会への評価として、個人主義社会なのか全体主義社会なのか、状況や人によって評価にかなりばらつきがあり、実はこの件は「恨(ハン)」の概念と同じくらい評価が定まっていない。


こうなる原因として、韓国人個々は「易地思之」の事例のように個人主義的な態度を取るが、社会の常識として「一つの正しさ」を絶対視する傾向にある事から、「皆が同じ考えを持たなければいけない」という同調圧力も強く、全体主義的な要素もある。


そしてこの二つの相反する要素を成立させるために、現在の韓国では民族主義が利用され、個々の「正しさ」を「民族の正しさ」に補正(矯正)することで「一つの正しさ」を成立させており、個人主義全体主義が共存する特殊な社会を形成している。



1:個人主義全体主義が共存する社会


まずはこちらの記事から


【萬物相】息をするようにうそをつく韓国人
朝鮮日報 2016/11/27
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/11/25/2016112501086.html
https://web.archive.org/web/20161127022608/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/11/25/2016112501086.html

 10年余り前、ある警察官が検察に呼ばれた。暴行事件を見逃してやってカネを受け取った疑いがあったからだ。当初は、きっぱりしらを切った。「私はその日、非番でした。後輩が勤務していたのに、その友人がそんなことをやるだろうとは思いませんでしたね」。調べてみると、非番なのは間違いなかったが、当日勤務していたことが判明した。再び検察にやって来た彼の様子は、全く違っていた。検事室のドアを開けるなり、膝を突いた。「検事さん、申し訳ありません!」。検察の取調室で見られるうその風景は、今も変わっていない。同じ席で7回も供述を変えた被疑者もいるという。

 数日前、日本の雑誌に「韓国は息をするようにうそをつく国」という記事が載った。不快な記事ではあるが、韓国の警察庁の統計を引用して「偽証・詐欺・虚偽告訴の罪で起訴される人間は、人口比例で日本の165倍」と突き付けられると、返す言葉がない。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)氏の国政介入事件でも、関係者は地位の上下を問わずうそのパレードを繰り広げている。崔被告は、娘の小学校時代の同級生の父親が経営する会社に対して現代自動車への納品をあっせんしてやり、金品を受け取っていたことが判明した。それでも崔被告は「会社自体を知らない」としらを切ったという。
(中略)
 「一つのうそがばれないようにするためには、別の20のうそをつかなければならない」という言葉がある。韓国社会にことのほかうそが多いのは、うそが露見したときの負担よりも、うそで得られる利益の方が大きいからだ-という解釈がある。韓国は、法廷でのうそは偽証罪で処罰するが、捜査機関でうそをつくことは、防御権の観点から容認している。米国は、参考人・被疑者が捜査機関で無罪を主張するためうそをついた場合には処罰している。黙秘権は保証するが、ひとたび口を開いたなら真実を語れ、ということだ。

 朝鮮王朝時代、オランダの船員ハメルは『朝鮮幽囚記』に「朝鮮人はうそをつく傾向が強い」と記した。誇張ということもあり得る。しかし崔順実事件を見ていると、韓国人には本当に「うそのDNA」があるのではないか、という恥ずかしい気持ちを抱いてしまうのも事実だ。正直さが国を変える、うそをつくな、と教えた島山・安昌浩(アン・チャンホ)が見たら、大地をたたいて嘆き悲しむことだろう。



この記事にもあるように、韓国では嘘をつくまでのハードルが非常に低く、紹介されている事例以外でも、例えばセウォル号事故の時には「被害者を装うメール」が頻発したり、政府の公式発表として100名近い潜水士を動員しているといった嘘がつかれたりしていました。


またつい最近も崔順実問題に関連し、記者でもなんでもないただの一般人が記者を装って、関連する疑惑が取り沙汰されている病院の院長に取材を申し込むという事件が発生しており、韓国ではとにかく事あるごとに必要もないのにつかれる嘘の事例が非常に多いです。


国政介入:自称「記者」、疑惑の病院に突撃取材 朝鮮日報 2016/11/25


こうした背景から、最初の記事にもあるように詐欺事件なども頻発しており、その結果「韓国人を最も信用しないのは韓国人」という背景があり、基本的に韓国人は中国人と同じように身内以外のことは信用しません。


【コラム】韓国の先進国入りを妨げる不信の壁(1) (2) 中央日報 2015年12月04日


上記記事では、「全国の満19~59歳の成人男女2000人を対象に社会的信頼についての認識調査をした結果、回答者の21%だけが他人を信頼すると答えた」となっており、こうした背景から韓国では個人主義の傾向が強くなっているわけです。


また韓国では、皆が皆「(個人主義的に)自分は絶対に正しい」と考えているがために、正しさが行使されていないことに対するストレスを感じる人が多いという背景あります。


【萬物相】憤怒調節障害 朝鮮日報 2014/12/28

韓国の成人の半分が憤怒調節障害、どのように怒りを堪えるか 中央日報 2015年04月05日
自分の力ではどうにもならないことに激怒、無意味な抗議をする韓国人 (1/2ページ) (2/2ページ) 朝鮮日報 2015/10/11


要するに相互不信社会であるからこその個人主義であり、ここまでなら中国人とあまり変わらないのですが、韓国の場合中国共産党のように個人主義を抑制するための独裁による全体主義政治などは現在行われていません。


しかし韓国では、そうであるにも関わらず社会が全体主義的な要素を持っています。


例えば世宗大学の朴裕河教授のように、韓国で一般的に信じられている「軍命令で軍人が行った女性の拉致」を慰安婦問題とする定義を否定した結果、世間から大バッシングを受け公権力による摘発を受けた事例があります。


また、李栄薫教授や安秉直教授のように、摘発などはされていませんが慰安婦団体(挺対協)から土下座を強要されたり、脅迫や襲撃を受けたり、呉善花教授のように政府による実質的な入国拒否を受けたような事例もあります。


また他にも、以前紹介したように韓国による日本海呼称問題のおかしさを指摘した韓国在住のイギリス人が大量の脅迫文を受け取った事例など、韓国では「一つの正しさ」を否定されると社会的に立ち行かなくなるような状況に陥る事があるほど、全体主義的な傾向が強いです。


このように韓国では、個々の事例を見ると中国のような個人主義的な傾向が強いのですが、中国のように政府がその個人主義を独裁によって全体主義へと矯正しているわけではなく、社会が全体主義的な考え方を要求しているわけです。


要するに韓国では、「一つの正しさ」以外の”意見”は社会的に一切許容されず、画一的な考え方を持つことを社会が要求しているわけです。


書き方を変えると、画一的で普遍的な「正しさ」が存在するという社会的な共通認識があるので、それ以外の考え方は「間違い」とか「劣等な考え方」と判断されるという事です。


2:民族主義で成り立つ全体主義


このように、韓国では個々の事例では個人主義のような振る舞いがあるわけですが、社会全体としては「一つの普遍的な正しさ」というものがある事になっているので、全員がその「正しさ」を受け入れなければいけないという同調圧力が働きます。


そして社会にこの同調圧力を加えるために利用されているのが民族主義であり、最近の韓国の事例を見るとどのようにして民族主義全体主義的要素を支えているのかが解ります。


現在の韓国では、崔順実問題の裏でいわゆる「国定教科書問題」が発生しており、中学と高校の教科書を民間の選択式から国定に戻そうとの動きが、与党などを中心に始まっており親北的な野党との間で激しく対立しています。


そして、韓国内で「何でも崔順実問題にこじつける」という現象が発生しているため、この国定教科書問題も野党の「共に民主党」などが、崔順実の影響だと大騒ぎしているわけですが、そもそもこの問題は教科書が「親北的過ぎる」という事から始まったもので崔順実問題は関係がありません。


要するに、実態としては与野党北朝鮮の扱いを巡る対立の延長線上の問題となるわけなのですが、ここで興味深いのが与党は自分達の正しさを証明するために、反日要素のある民族主義的表現を強調しているのです。


韓国国定教科書 慰安婦・独島めぐる記述を強化 聨合ニュース 2016/11/28


上記記事では、日本海呼称問題や竹島問題、慰安婦問題などの記述の強化(慰安婦問題は要するに軍命令によって行われた軍人による女性の拉致という、挺対協の主張を全面的に肯定したもの)が行われており、一見すると反日要素ですが実際には民族主義要素のほうが強いです。


こうする事で与党側は「民族の正しさ」を強調し、(イデオロギー的な)個々の「正しさ」を全体の正しさに変換して正当性を主張しているわけです。
(建国日云々に関しては全く関係ないわけではないですが、説明すると長くなるうえに脱線するので割愛します、要するに上海臨時政府は北朝鮮の建国も正当化できるという事です)


また与党やいわゆる親北系(便宜上の左派・リベラル)の側も、こうした民族主義を「一つの正しさ」として利用しており、例えばTHAADやGSOMIA(日韓軍事情報協定)に関して、「日米への従属を促し民族の独立性を傷つけるものだ」と反対しています。


慰安婦・THAAD・韓日軍事情報協定で速度戦、すべて「朴大統領の独断」 ハンギョレ新聞  2016.11.24
「朴槿恵は父親の祖国である日本のために死ぬ覚悟を決めたようだ」城南市長が強く批判 ハンギョレ新聞  2016.11.24


今回紹介した事例では「正しさ」が統一されず双方対立していますが、重要なのはどちらの陣営も自分達の「正しさ」を「一つの正しさ」にするために、民族主義を利用して同調圧力を作ろうとしているという事です。


要するに社会的な相互不信に根ざした個人主義的な韓国人の考え方を、民族主義で一つにまとめようとしているわけであり、現在の韓国ではこれによって「全体主義的な結束を作り出す手段としている」という背景が見えてきます。


3:朝鮮半島は特殊な社会


今回書いたように、韓国では個人主義全体主義民族主義を介してある種の共存をしています。


そのため、これはあくまで私個人の解釈でしかないですが、厳密には韓国は一般的な解釈としての個人主義でも全体主義でもないように見えます。


そもそも、一般的な韓国人は個々に「自分は絶対的正しさを有している」と考えており、しかもその正しさが普遍性を持ち全ての人々が許容できる正しさであると考え、韓国社会全体がそう想定する事で仮想的な集合意識を形成しています。


実態としては民族主義を介して擬似的な共通認識を持つ事によって「そう思えている」だけなのですが、現に韓国社会はそれで成り立っており、これを私達が一般的に定義する個人主義全体主義に当てはめるのは無理があるのではないでしょうか。


このある意味で「独自の全体主義」ともとれる社会を形成しているのが韓国であり、主体思想を持つ北朝鮮も恐らく根本部分は同じでしょう。


要するに彼らは、「皆が(自分の想定する)絶対普遍の正しさを持っている」というある種の「幻想」を前提として成立している、仮想的全体主義社会なのです。



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