日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

【ゆっくり解説】外国人労働者とマスコミ報道の問題

さて、本日は何かと話題になっている「移民」について扱っていきます。


本日の投稿動画
www.nicovideo.jp

youtu.be



元記事
実は移民は問題解決にならない
http://ooguchib.blog.fc2.com/blog-entry-557.html


お品書き

・マスコミ報道の傾向

・移民万能論の落とし穴

少子化の影響

注意
・この動画は「マスコミ問題」を扱っています

・「マスコミ問題」であり右派・左派等の陣営論争は本題ではありません

・「特定の国との特別な関係」は問題の枝葉です、主問題は業界の体質です

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう。

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

・リクエストは原則受け付けていません

・引用ソースへのリンクが同時掲載のブログにあります

・毎週日曜日更新


※以下は動画のテキスト版です




レイム マリサ
ゆっくりしていってね


マリサ
さて、今回はマスコミ問題なので私が扱っていくぜ。


レイム
今回の件って、テレビや新聞でもよく取り上げられているいわゆる「外国人労働者」の問題に付いてでいいの?


マリサ
それなんだが、今回扱うのは外国人労働者や移民そのものがメインではなくて、マスコミの報道の仕方の問題や、マスコミが取り上げない論点について扱っていくぜ。


レイム
つまり、単純に移民批判とか外国人労働者問題を扱うわけではないって事?


マリサ
そういうことだぜ。
マスコミは移民という単語こそ使っていないが、「外国人労働者の定着」等と、実質的に移民と同様の内容で外国人労働者を扱っている場合が多くて、受け入れ促進の側面を強調し、制度上の懸念点にはあまり触れない傾向があるんだぜ。


レイム
なるほど、結構複雑なのね。


マリサ
そんなわけでそろそろ本編へ行くぜ。


マスコミ報道の傾向


レイム
で、まずは何から扱うの?


マリサ
最初は外国人労働者受け入れが必要な理由を書いている読売の記事からだぜ。

外国人・高齢者 活力維持へ重要 「育成就労」「特定技能」着実に…人口減抑制[読売新聞社提言<7>]
読売新聞 2024/04/26
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240425-OYT1T50222/

人口が減って生産年齢人口(15~64歳)が先細っていく中、社会の活力を維持するためには、労働力の確保が欠かせない。

 政府は今年、外国人技能実習制度に代わる新制度「育成就労」の創設を決めた。掲げたのは「人材の確保と育成」。帰国を前提としていた技能実習制度から大きな転換を図った。

 外国人労働者を中期的に受け入れる在留資格「特定技能1号」も、自動車運送業や鉄道などの4分野を追加して16分野に広げた。

 日本で暮らす外国人は増えており、約340万人に上る。労働者は2023年10月末時点で約204万人だ。政府は、育成就労と特定技能を「車の両輪」として、労働力を補っていく。他国も受け入れを進めており、獲得競争を勝ち抜くには「選ばれる国」にならなければならない。

 外国人の受け入れは、主に出入国在留管理庁が担っているが、労働者を巡る政策は多くの省庁にまたがる。農業や介護、建設など職種も幅広い。業種ごとに必要な人数や求める人材を呼び込むには、一元的に誘致していく必要がある。
(後略)


(要約)
少子高齢化で生産年齢人口が減少する中、政府は新制度「育成就労」を創設し、「特定技能」とあわせて外国人労働力の受け入れを強化している。制度の目的は人材の確保と育成であり、分野も拡大中。国際的な人材獲得競争を見据え、「選ばれる国」になることが求められる。多省庁にまたがる政策の一元化も必要とされている。


マリサ
少子高齢化で生産年齢人口が減少する中、政府は新制度「育成就労」を創設し、「特定技能」とあわせて外国人労働力の受け入れを強化している」「制度の目的は人材の確保と育成であり、分野も拡大中。国際的な人材獲得競争を見据え、「選ばれる国」になることが求められる。多省庁にまたがる政策の一元化も必要とされている」と書かれているな。


レイム
これなんだけど、確かにちょっと前に「人手不足倒産」とかも起きていたし、少子化での人手不足を補うための外国人受け入れは必要なんじゃない?


マリサ
まあ、それそのものを頭から否定するつもりはないぜ。
そして次は外国人との共生を訴える毎日新聞の記事だぜ。

政府の外国人政策 「ともに暮らす」を第一に
毎日新聞 2025/8/22
https://mainichi.jp/articles/20250822/ddm/005/070/025000c

規制を強化するばかりでは、外国人の権利が制約されかねない。地域社会の一員として暮らせる環境を、まず整えるべきだ。

 政府が省庁横断の「外国人との秩序ある共生社会推進室」を設置した。共生をうたうが、実際は規制をさらに強めるための組織だ。

 これに先立ち、治安対策の一環として「不法滞在者ゼロプラン」がまとめられた。在留審査の際に、社会保険料などの未納を考慮する方針も示されている。

 外国人の増加とともに、ルールを守らない事例が起きており、「国民が不安や不公平さを感じている」と政府は強調する。
(中略)
出入国や在留の管理は必要だが、人権が不当に侵害されることがあってはならない。

 懸念されるのは排外的な風潮の広がりだ。参院選では、外国人に対して厳しい政策を打ち出す政党が相次いだ。

 地域であつれきが生まれる背景には、外国人が社会に溶け込めていない現状がある。行政による支援は不十分だ。

 社会生活には日本語の習得が不可欠だが、民間団体やボランティアに頼っているケースが多い。学ぶ場や教師を公費で確保する必要がある。社会の決まりごとやマナーを理解してもらう機会を提供することも重要だ。

 全国知事会は、国が責任を持って共生社会の実現に取り組む体制の整備を提言している。

 政府は労働力不足を補う目的で場当たり的に外国人を受け入れる一方、移民としては扱ってこなかった。橋本直子・国際基督教大准教授は「長年、ごまかし続けてきた姿勢を改め、しっかりした制度をつくる時だ」と指摘する。


(要約)
政府は外国人との共生を掲げつつ、実際は規制強化に重点を置いており、人権侵害や排外的風潮が懸念される。外国人が地域に溶け込めない背景には、日本語教育や行政支援の不足がある。労働力確保だけでなく、共生社会の実現に向けた制度整備と、公的な支援体制の構築が求められている。

マリサ
「政府は外国人との共生を掲げつつ、実際は規制強化に重点を置いており、人権侵害や排外的風潮が懸念される」「外国人が地域に溶け込めない背景には、日本語教育や行政支援の不足がある。労働力確保だけでなく、共生社会の実現に向けた制度整備と、公的な支援体制の構築が求められている」と書かれているな。


レイム
これに関しても、受け入れるなら受け入れ制度の改善という話だし、別に変ではないのでは?


マリサ
こういうのって、「一次的に受け入れる(技能実習生等)」か、それとも「永続的に受け入れるか(移民)」で変わってくるんだが、毎日とかは後者っぽいんだよな。
そして次は朝日新聞の記事でこれもさっきの毎日の論調と似ているぜ。


日本で働く「29人に1人」が外国人 割合急増、産業維持へ不可欠
朝日新聞 2025年8月19日
https://www.asahi.com/articles/AST8G2VZNT8GOXIE033M.html

(前略)
国立社会保障・人口問題研究所の推計では、生産年齢人口は、2025年の7310万人から40年に6213万人、70年には4535万人まで激減する見通し。現状の生産活動を維持するには、日本人労働者だけでは賄えない状況だ。

 政府は24年3月、一定の知識や技術が必要な「特定技能」の受け入れ枠について、24年度から5年間の上限を、これまでの2.4倍にあたる82万人に拡大することを決定。対象分野に、自動車運送業や鉄道など4分野も追加し、計16分野に広げた。

 また、途上国への技術移転による国際貢献を目的としていた「技能実習」制度を廃止し、27年4月から人材の育成と確保を目指す「育成就労」制度を始める。在留期間は原則3年だが、在留期間の上限が5年の特定技能1号や、家族を帯同でき、永住も視野に入れた特定技能2号へと段階的に移行できるよう一体的な運用をめざしている。


(要約)
日本の生産年齢人口は今後急減が見込まれ、労働力維持には外国人労働者の存在が不可欠となっている。政府は「特定技能」の受け入れ枠を5年間で82万人に拡大し、対象分野も16に増加。また、技能実習制度を廃止し、2027年から「育成就労」制度を開始予定で、人材育成と確保を重視。特定技能との連携により、段階的な定着も可能な仕組みづくりを進めている。

マリサ
「日本の生産年齢人口は今後急減が見込まれ、労働力維持には外国人労働者の存在が不可欠となっている」「政府は「特定技能」の受け入れ枠を5年間で82万人に拡大し、対象分野も16に増加。また、技能実習制度を廃止し、2027年から「育成就労」制度を開始予定で、人材育成と確保を重視。特定技能との連携により、段階的な定着も可能な仕組みづくりを進めている」と書かれているな。


レイム
朝日の記事に関しても、「定着」と書かれているから、移民とは言及していないけど、事実上移民的な性質をもつ制度拡大に近く見えるわね。


マリサ
でもな、実はこういう形の受け入れって日本よりも先に外国人労働者を受け入れた国で、色々と問題が起きているんだぜ。


移民の落とし穴


レイム
それってどういう事?


マリサ
まず最初に前提として、これからカナダとオーストラリアの事例を扱うが、制度の違いがあるため単純な比較はできないという点に注意だぜ。
重要なのは「外国人労働者依存型のモデルにはリスクがある」ってことだぜ。
そのうえで、これは「移民を増やしたけど労働力不足が解決しなかった」という結果が出たカナダの事例なんだが


移民を増やしてもカナダの労働力不足が解決しない理由
C.D.HOWE研究所(英語) 2025年3月21日
https://cdhowe.org/publication/why-more-immigration-didnt-solve-canadas-labour-shortages/

2015年から2023年にかけて、連邦政府は主に一時移民の大幅な増加を通じて、移民レベルを5倍に増加させました。2024年末までに、カナダの非永住者は300万人に達し、これは全人口の7.3%を占めることになります。これは2015年のわずか1.4%から大幅に増加しています。

この前例のない政策転換の主要目的は、カナダの完全雇用経済における労働力不足を軽減することでした。果たして、その効果はあったのでしょうか?

経済においては、あらゆるものが相互に関連しています。移民労働者のプール拡大は、労働力供給の増加によって雇用主の求人への充足に確かに貢献しました。しかし、この労働者の増加は消費と投資をも促進し、労働力需要を押し上げました。つまり、移民の増加は新規移民を雇用した企業の労働力不足を緩和した一方で、それが可能にした経済活動全体の増加は、他のセクターにおける競争を激化させることにもなりました。
(中略)
C.D.ハウ研究所における私の最近の研究では、景気循環、リモートワークの拡大、そして移民の増加が労働力不足の程度に及ぼす個別の影響を解明することを目指しました。

カナダ統計局のデータをより詳細に分析した結果、上記の簡単な比較が示唆する結果が裏付けられました。2019年から2023年にかけて、オンタリオ州からブリティッシュコロンビア州西部までの5州の平均移民率は、ケベック州からニューファンドランド・ラブラドール州東部までの5州の2倍増加しましたが、平均求人率の増加幅は東部よりも西部の方が大きかったのです。移民の増加が経済全体の労働力不足を軽減したという証拠はなく、むしろ深刻化している可能性が高いと言えるでしょう。

移民の増加が経済全体の労働力不足を軽減するという「常識的な」推論は誤りです。単一の雇用主にとってうまくいくことが、必ずしも経済全体に当てはまるとは限りません。

少なくとも2つの大きな含意があります。

第一に、政府が最近、永住および一時的移民をより緩やかな水準に削減することを決定したことで、労働力不足がさらに深刻化するのではないかと懸念する必要はありません。第二に、政府の移民政策転換に対する全国的な経済団体の反対がどれほど誠実なものであっても、実際には賢明ではありません。公的機関として、彼らは移民について、構成員にもたらされる目先の私的利益に狭く焦点を当てた視点ではなく、より広い視野を持つべきです。移民は私的財ではなく、地球規模で変革をもたらす現象です。その費用と便益のより良い分担が必要です。
(後略)


(要約)
カナダ政府は労働力不足の解決を狙い移民を大幅に増やしたが、問題は解決しなかった。C.D.HOWE研究所によると、移民の増加は労働力の供給を増やすと同時に、消費や投資を促し労働需要も押し上げた。結果、移民増加率の高い州ほど求人率も上昇し、人手不足を悪化させた可能性が指摘されている。企業単体の利益が、必ずしも経済全体の利益と一致するわけではないと結論づけている。

マリサ
「カナダ政府は労働力不足の解決を狙い移民を大幅に増やしたが、問題は解決しなかった。C.D.HOWE研究所によると、移民の増加は労働力の供給を増やすと同時に、消費や投資を促し労働需要も押し上げた」「結果、移民増加率の高い州ほど求人率も上昇し、人手不足を悪化させた可能性が指摘されている。企業単体の利益が、必ずしも経済全体の利益と一致するわけではないと結論づけている」と書かれているぜ。


レイム
これはどういう事?


マリサ
つまりな、労働者不足を改善するために外国人労働者の受け入れを増やしたら、消費や投資も増えて結果的に同様の雇用需要も増えてしまって、個別の企業にとっては恩恵があったけど、移民拡大だけでは労働力不足を解決できたとは言えなかったと指摘しているんだぜ。


レイム
まあ、それはそれで問題ではあるけど、投資と消費が増えたなら、その分だけ経済は活性化するわけだし、「雇用不足が減らない」って問題があるにせよ、良い部分もあるのでは?


マリサ
そこがもう一つの問題でな。
問題は「増えた雇用」の中身なんだぜ。
次にオーストラリアの事例を見ると、増えた雇用が引き起こした問題が書かれていて


市場の失敗に対する短期的な解決策か救済策か? 移民政策はスキルの明確な供給源となるか
WILEY(英語) 2023年9月5日
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/irj.12412

(一部抜粋)
本稿は、移民政策を労働市場制度を補完するもの、あるいは弱体化させるものとするこの性格付けを精査することを目的とし、以下の研究問いを扱う:雇用関係のアクターは、技能供給における移民政策、訓練制度、労働市場制度の役割をどのように理解しているか。
(中略)
ホスピタリティ業界における低賃金、長時間労働、劣悪な労働条件は、雇用主が移民政策を利用する重要な理由であった。ある組合幹部によれば、“スポンサーシップ制度下の労働者は雇用主に極めて従属的であり(中略)、ビザを失いたくないがために、言われたことを何でも受け入れてしまう”とされている。
(中略)
建設業界においては、移民政策は市場化され、断片化し、資金不足に陥った訓練制度を補う救済策(remedy)という、別の明確な役割を担っている。したがって、移民政策自体がこれらの問題の原因ではなく、むしろ広範な市場の失敗に対する救済として機能している。
(中略)
移民政策は、既存の労働市場制度を補完することもあれば、弱体化させることもある。… 本研究の結果は、移民政策が従来の議論で想定されてこなかった第3の機能を示している。すなわち、広範な制度の不備に対する短期的な救済手段として機能しうるという点である。… しかし、この解決策に長期的に過度に依存することは、訓練制度や他の制度を改善する努力を妨げる可能性がある
(後略)



(要約)
移民政策は、既存の労働市場制度を補完することも、弱体化させることもありうる。本研究の結果は、移民政策が広範な制度的欠陥に対して、短期的な補完策として機能する可能性を示している。
しかし、これが恒久的な解決策となってしまうと、移民政策への依存は悪循環を招くおそれがある。訓練制度の欠陥を是正するために移民政策を活用することは、短期的には有効な修正策となり得るが、長期的にこの解決策に依存しすぎると、訓練制度やその他制度の改善を妨げる抑止要因となる可能性がある。

マリサ
「移民政策は、既存の労働市場制度を補完することも、弱体化させることもありうる。本研究の結果は、移民政策が広範な制度的欠陥に対して、短期的な補完策として機能する可能性を示している」


マリサ
「しかし、これが恒久的な解決策となってしまうと、移民政策への依存は悪循環を招くおそれがある。訓練制度の欠陥を是正するために移民政策を活用することは、短期的には有効な修正策となり得るが、長期的にこの解決策に依存しすぎると、訓練制度やその他制度の改善を妨げる抑止要因となる可能性がある」と書かれているぜ。


レイム
これはどういう事?


マリサ
このオーストラリアの事例からわかるのは、一応短期的にはいろいろな問題が解決したが、技能のいらない仕事ばかりが増えて、低賃金の外国人ばかり需要ができて、結局ネイティブの雇用まで低賃金化してしまったうえに、それがなおさら外国人労働者に依存しないといけない状況を生み、「訓練制度やその他制度の改善を妨げる抑止要因となる可能性がある」って事だぜ。


レイム
ああ、要するに雇用は増えたけど低賃金であまり技能のいらない雇用ばかりがどんどん増えて、結果的にその国の人まで影響を受けだしたけど、外国人労働者に依存し過ぎた結果、そこから抜け出しにくくなったと。


マリサ
そういうことだぜ。
つまり、マスコミでは、まるで外国人労働者を受け入れて「定住」させることが問題解決になるかのような論調が目立つが、実際のところ、「外国人を入れておけば何とかなる」という安易な発想が広まると、企業側が人材育成をおろそかにし、本来必要な人を育てる仕組みが失われてしまう恐れがあるって事だぜ。


マリサ
ちなみに、政府は2027年4月1日から機能実習生制度を廃止して「育成就労制度」にを開始、「外国人材を介護、建設、農業などの分野で労働力として迎え、原則3年で専門の技能があると認められる「特定技能」の水準にまで育成する」って方針らしいが、現場でほしい人材とマッチするのかどうか疑問だぜ。

参考記事
専門技能を持つ外国人材育成「育成就労制度」2027年4月開始へ
NHK 2025年9月26日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250926/k10014933121000.html

レイム
なるほど、例外はあるにせよ、元々が「技能はいらないから低賃金で働いてくれる人材がほしい」という需要が、オーストラリアやカナダの外国人労働者の受け入れ動機の一つであった可能性が高いわけで、「外国人労働者ありき」だと、同じような需要で外国人を必要としている場合の多い日本も、同じ轍を踏む可能性が高いわけね。


マリサ
そういうことだぜ。
外国人労働者が望まれているのはどんな業種か」が重要で、確かに建設や介護関連では技能の必要な職種もあるが、そういう場所でも技能の必要ない業務はあるし、単純作業の業種でも需要はあるからな、同じ問題が起きる土壌はあるんだぜ。



少子化の影響


レイム
というか、「少子化の影響」ってどういう意味?
日本は少子化で労働者不足だから外国人受け入れをしているわけでは?


マリサ
その件なんだが、重要なのは「送り出し先」でも少子化が起き始めているって事だぜ。
日本にやってくる技能実習生の国籍国上位5か国はこうなっているぜ。

国別情報
エヌー・ビー・シー協同組合 
https://www.nbc.or.jp/tit/about/countries/

1位 ベトナム 200,957名(57.6%)
2位 中国    54,284名(15.6%)
3位 インドネシア 30,268名(8.67%)
4位 フィリピン 26,920名(7.71%)
5位 ミャンマー 13,769名(3.95%)

マリサ
でな、まず一番多いベトナムなんだが、ここはかなり急速に少子化が進んでいて

ベトナム、高齢化で経済成長が脅かされるとして二人っ子政策を廃止
AP通信(英語) 2025年6月5日
https://apnews.com/article/vietnam-population-two-child-policy-bdcf2b08404d5fcada05d4f3ccc6fa5e

(一部抜粋)
ベトナムでは、出生数が過去最少となっています。2021年の出生率は女性1人あたり2.11人で、人口が長期的に減少しないために必要な人口置換率をわずかに上回りました。その後、出生率は着実に低下し、2022年には2.01、2023年には1.96、2024年には1.91となりました。

出生率が低いアジア諸国ベトナムだけではありません。しかし、日本、韓国、シンガポールとは異なり、ベトナムは依然として発展途上国です。

ベトナムの首都ハノイマーケティング・マネージャーとして働くグエン・トゥー・リンさん(37)は、6歳の息子に可能な限り最高の教育と養育を受けさせたいと考えたため、夫と共に子どもを一人だけにすることに決めたと語った。
(中略)
ベトナム出生率は一様に低下しているわけではない。同国最大の都市であり経済の中心地でもあるホーチミン市では、2024年の出生率は女性1人あたりわずか1.39人で、全国平均を大きく下回っている。同時に、市人口の約12%が60歳以上であり、福祉サービスへの負担が高まっている。こうした状況を受け、地方当局は昨年12月、35歳になる前に2人の子供を産んだ女性に約120ドルの支援金を支給し始めた。



(要約)
ベトナムでは出生率の低下が続き、2024年には全国平均で1.91、ホーチミン市では1.39にまで落ち込んだ。高齢化と少子化による経済成長への悪影響が懸念され、政府は長年続いた二人っ子政策を廃止。地方では出産奨励策として支援金も導入されている。発展途上国であるベトナムにとって、労働力減少と社会保障負担の増加は大きな課題となっている。


マリサ
AP通信の記事によると「ベトナムでは出生率の低下が続き、2024年には全国平均で1.91、ホーチミン市では1.39にまで落ち込んだ」「高齢化と少子化による経済成長への悪影響が懸念され、政府は長年続いた二人っ子政策を廃止。地方では出産奨励策として支援金も導入されている。発展途上国であるベトナムにとって、労働力減少と社会保障負担の増加は大きな課題となっている」と書かれているぜ。


レイム
ベトナムってそんなに少子化が進んでいたの?
日本に来ている人多いからそんな事は無いかとばかり思っていたけど。


マリサ
で、で、2位の中国の合計特殊出生率が 1.00となっているのは有名な話だが、次に多いインドネシアも、まだ合計特殊出生率は2を超えているが、見てのように年々この数字は減ってきているぜ。

インドネシア出生率(1950-2025年)
Macrotrends(英語)
https://www.macrotrends.net/global-metrics/countries/idn/indonesia/fertility-rate

インドネシアの2025年の出生率は2.19で、 2024年より0.73%減少します。
インドネシアの2024年の出生率は2.20で、 2023年から3.62%増加した。
インドネシアの2023年の出生率は2.13で、 2022年よ​​り1.02%減少した。
インドネシアの2022年の出生率は2.15で、 2021年より0.78%減少した。

マリサ
そして次に多いフィリピンの場合も、フィリピン政府の人口開発委員会の発表によると

世界人口が80億人を超える節目を迎える中、フィリピンでは出生率が低下
フィリピン政府人口開発委員会(英語) November 16, 2022
https://cpd.gov.ph/as-world-marks-8-billion-population-milestone-fertility-rate-drops-in-the-philippines/

ロックダウンや隔離措置により家族計画サービスへのアクセスが制限されたことでフィリピン人女性の出生率が上昇すると予想されていたことや、11月15日には世界の人口が80億人に達すると予測されていたにもかかわらず、フィリピンでは近年まれに見る人口統計を記録し、出生率は女性1人当たり2人未満にまで急落しました。

これは、フィリピン統計局(PSA)が11月11日(金)に開催した国家健康人口調査(NDHS)2022年普及フォーラムで明らかになったもので、15歳から49歳のフィリピン女性の合計特殊出生率(TFR)が2017年の2.7人から1.9人に低下したことが発表されました。

NDHSはこの数字により、フィリピンは既に人口維持に必要な数の子どもを産むことができる2.1人の置換出生率水準に達していると明らかにしました。

この調査ではまた、フィリピンのTFRは1970年代(女性1人あたり6人)以降、低下傾向にあることが明らかになりました。しかし、2017年から2022年にかけての低下は、過去最大の記録となりました。

同調査では、現在結婚している女性の2人に1人が、これ以上子供を望まなくなったと回答し、17%が次の出産を2年以上延期したいと考えていることが明らかになりました。
(後略)



(要約)
フィリピンでは、合計特殊出生率が2017年の2.7から2022年には1.9へと急落し、人口維持に必要な水準を下回った。これは過去最大の減少であり、ロックダウンによる家族計画サービスへのアクセス制限にもかかわらず実現した。既婚女性の多くが子どもをこれ以上望まず、出産を延期する傾向も強まっている。世界人口が80億人を超える中、フィリピンも少子化の流れに加わりつつある。


マリサ
「フィリピンでは、合計特殊出生率が2017年の2.7から2022年には1.9へと急落し、人口維持に必要な水準を下回った。これは過去最大の減少であり、ロックダウンによる家族計画サービスへのアクセス制限にもかかわらず実現した」「既婚女性の多くが子どもをこれ以上望まず、出産を延期する傾向も強まっている。世界人口が80億人を超える中、フィリピンも少子化の流れに加わりつつある」と、2を割り込んでいるんだぜ。


レイム
という事は、少子化に向かっていないのは5位のミャンマーだけって事?


マリサ
そのミャンマーも時間の問題と言われているぜ。
しかもIMFの2025年の報告によると、この少子化傾向は世界的なもので、「2050年には人口安定の基準である2.1を下回ると予測されている」そうだぜ。

今世紀後半の世界人口減少は人類の進歩を脅かすかもしれないし、より良い生活につながるかもしれない
IMF(英語) June 2025
https://www.imf.org/en/Publications/fandd/issues/2025/06/the-debate-over-falling-fertility-david-bloom

レイム
ちょっと待って、という事は移民にせよ外国人労働者受け入れにせよ、いずれそもそもの受け入れ自体が不可能になるって事?


マリサ
そうだぜ。
マスコミとかでは「移民に受け入れられる国になる事」とかを宣伝しているが、それって短期的な対症療法でしかないって事だぜ。


マリサ
しかも、このファミリーズ・アンド・ソサエティーズというヨーロッパの家族・人口・社会に関する研究プロジェクトによると


移民の子孫の出生率に関する国別事例研究
Families and Societies(英語)  2015年9月
https://gemini.google.com/app/a96742412476a2c3?hl=ja
(一部抜粋)
本報告書は、移民の子孫の出生パターンを**「ネイティブ」の人口**と比較する、6つの事例研究で構成されている。分析に含まれる国は、ドイツ、スウェーデン、イギリス、フランス、スペイン、スイスである。
(中略)
分析の結果、移民の子孫は「ネイティブ」よりも第一子出生率が低いことが示された。これはエスニック・マイノリティの間で出産が遅れていることを示唆している。唯一の例外はトルコ系の女性で、いくつかの国で高い第一子出生率を示している。
(中略)
多くは第三子出生率が著しく高いことが示された。スウェーデンのトルコ系、中東・北アフリカ系、イギリスの南アジア系、フランスとスペインの北アフリカ系の女性で、高い第三子出生率が観察されている。
(中略)
第2世代は(ネイティブと1.5世代の)中間に位置する。
(中略)
高学歴のトルコ系移民の第2世代では、非移民のドイツ人に適応が見られるようである。この2つのグループ間では、第一子出生リスクに有意な差は見られない。

全体として、文化的・規範的な要因の重要性を支持し、教育や雇用に関連する要因も役割を果たす可能性があることを示唆している...。
(中略)
本特別論文集の各論文は、移民の子孫の出産パターンにおける著しい多様性を報告している。
(中略)
一部のグループはネイティブと類似した出生率、一部はより低い出生率、そして一部は著しく高い出生率を示している。
(中略)
我々は、主流社会、マイノリティのサブカルチャー、マイノリティとしての地位に関連する要因がすべて、移民の子孫の出生行動を形作っており、その影響は子孫のグループによって異なると結論づける。
(中略)
したがって、幼少期に受け入れ国に到着し、その受入社会の影響下で長年過ごす移民は、ネイティブとより類似した出生行動を示す可能性がある。


(要約)
ヨーロッパの6カ国を対象に、移民の子孫の出生パターンを分析したところ、多くのグループで出生率が親世代(第1世代移民)よりも低下し、ネイティブのパターンに近づく傾向が示された。特にドイツのトルコ系移民では、第2世代が出生リスクにおいてネイティブと第1世代の中間に位置し、高学歴者ではネイティブとほぼ同じ水準に収束しており、「適応(同化)」の進行を裏付けている。文化的要因や社会経済的地位が出生行動に影響を与えることも指摘されている。

マリサ
「ヨーロッパの6カ国を対象に、移民の子孫の出生パターンを分析したところ、多くのグループで出生率が親世代(第1世代移民)よりも低下し、ネイティブのパターンに近づく傾向が示された」「特にドイツのトルコ系移民では、第2世代が出生リスクにおいてネイティブと第1世代の中間に位置し、高学歴者ではネイティブとほぼ同じ水準に収束しており、「適応(同化)」の進行を裏付けている。文化的要因や社会経済的地位が出生行動に影響を与えることも指摘されている」と書かれているぜ。


レイム
これってつまり、移民の二世、三世も、現地の人と同じパターンで少子化し始めているって事?


マリサ
そうだぜ。
少子化は社会的、文化的、経済的背景が影響しているようで、移民の福祉や環境を改善すると、結局少子化に向かうそうなんだぜ。


レイム
朝日や毎日の記事だと、外国人労働者の定着と、そのための環境改善を訴えているけど、それをやると高齢化問題が将来的に悪化するのでは?


マリサ
その可能性は高いぜ。


今回のまとめ

・マスコミ報道は外国人労働者受け入れに積極的

・実際には移民が問題解決にならない事例がある

・世界的少子化が外国人受け入れの持続性を困難に


マリサ
ここで問題なのがマスコミでは「外国人に受け入れられる国になろう」「外国人の定住」みたいな論調を見かけるが、それをやればやるほど、環境をよくすればするほど、受け入れた外国人の少子化を促すって事でもあるんだぜ。


レイム
ちょっと待って、そうなると「環境をよくしても少子化が起きない方法を模索する」って事になるけど、その前提は日本人にも当てはまるから、「外国人労働者の定着」なんて目指さず、外国人受け入れは短期間に限定して、少子化対策にリソースを割いたほうが現実的では?


マリサ
結論はそうなるぜ。
マスコミはそういう問題をまるで扱わず、「外国人労働者の受け入れと定着」という、問題の原因を無視した本末転倒な主張がまかり通っているって事になるぜ。


レイム
なるほどね。


マリサ
そんなわけで今回の本編はここで終わるぜ。


レイム マリサ
ご視聴ありがとうございました。



大口
おつかれ~。
今回もちょっとオマケを。


マリサ
今回はなんだ?


大口
実は、赤い色の魚って淡水と海水で赤くなる理由に違いがあるって知ってる?


レイム
どういう事?


大口
淡水の場合は、鮭みたいに繁殖期にオスが赤くなったり、或いは警戒色とかや食べているものの色素が原因で赤くなる種がいるのだけど、海水魚はこのユカタハタみたいに、全身真っ赤な種が結構いるのね。



ユカタハタ


大口
で、その原因は「光の性質」にあるんですよ。


マリサ
どういう事だ?


大口
光って電磁波の一種で、この表の真ん中あたりにある拡大されている部分が可視光で、波長が短ければ(エネルギーが高い)青方向に、波長が長ければ(エネルギーが低い)赤方向の色になるのね。



大口
で、水は電磁波のエネルギーを吸収する性質があるので、水深が深い所に行けば行くほどうエネルギーの低い、赤い波長の長い可視光が水に吸収されてしまうので、結果的に赤色の魚は保護色になるんですよ。


レイム
普通に考えれば、赤って目立ちそうなものだけど、水深が深いと赤色の波長の光は吸収されて見えなくなってしまうって事ね。


マリサ
なるほどな。
という事は、深海は赤色の魚が多いって事か?


大口
水深数十から数百メートルくらいまでは、比較的多いと言われているけど、それ以上深いと青系統の光も殆ど届かなくなるので、赤い魚はいなくなるそうな。


レイム
なるほど。

マリサ
そんなわけで今回はここで終わるぜ。


レイム マリサ 大口
またらいしゅ~



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