日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

日韓でまるで異なる「恥」の捉え方


さて、今回は日韓問題ではそこそこ有名な「恥」の概念に対する日韓双方の捉え方の違いについて書いて行きます。


日本社会において恥には大きく分けて2つあり、「恥をかく」「恥をかかされる」と前者は自身の行いを「恥じる」という意味が強く、後者は他者によって行われるネガティブな要素としての意味が強い。


しかし韓国の場合には、多くの事例で恥とは後者の「恥をかかされる」とする意味が強く、たとえば日本における「恥をかく」に該当するような事柄であっても、韓国では「(相手に)恥をかかされた」と表現される場合が多い。


このため、韓国では問題点の指摘や意見の対立による相手の間違いを指摘する行為が、「恥をかかされた」と受け取られることが多く、場合によっては「意見対立=侮辱」と判断される事もあり、トラブルの原因となる事もある。



※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。



1:「恥」に対する受け取り方の違い


まずはこちらの記事から


【萬物相】韓国に恥をかかせる外国人観光客へのぼったくり
朝鮮日報 2016/09/16
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/09/13/2016091301580.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/09/13/2016091301580_2.html

インターネットアーカイブ
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(前略)
今年7月に10日間韓国を訪れたオーストラリア人観光客も、悪徳運転手の被害に遭った。この観光客は、仁川空港からソウル・鍾路にあるホテルまでコールバンを利用した。運転手はコールバンでは禁止されているメーターを取り付け、途中で11万ウォン(約1万円)の領収証を出した上、ホテル到着後にさらに12万5000ウォン(約1万2000円)の領収証を出した。適正な料金である8万5000ウォン(約8000円)の3倍近い23万5000ウォン(約2万2000円)を請求したのだ。オーストラリア人観光客は料金を支払った後、不審に思ってホテルの従業員に話した。ホテルから連絡を受けたソウル市は、料金所やホテルの監視カメラの映像を調べ、3日後に運転手を検挙した。運転手は違法なメーターを取り付けただけでなく、コールバンの運行に必要な貨物運送資格もなかったという。

ここまではよく聞くぼったくりのケースだが、ソウル市が料金の差額15万ウォン(約1万4000円)を運転手から回収し、オーストラリア人観光客に返そうとしたことで、違った展開を見せた。観光客は「このお金を受け取ろうとは思わない。障害を持つ子どものために寄付してくれればいい」と断った。これを受け、ソウル市は15万ウォンを社会福祉共同募金会に寄付した。

 タクシーやコールバンによる外国人に対するぼったくり行為は、幾ら取り締まっても氷山の一角にすぎない。市外割増料金を適用して支払いを強要したり、わざと回り道したりするのが、よくある手口だ。「0」を1個付け足し、約60万ウォン(約円)を請求したタクシー運転手もいた。今年に入り、ソウル市が取り締まった分だけで85件に達する。韓国人も、外国の空港からタクシーに乗って、このような目に遭ったら、その国に行きたくなくなるだろう。前述のオーストラリア人観光客がどんな気持ちで、差額の返金を断ったのだろうか。運転手を摘発して、金を返そうとした当局に感謝したのか。それとも、韓国の観光客に対する恥ずべき行為への警告だったのか。オーストラリア人観光客は私たちに二度恥をかかせたのだ。


この記事なのですが、韓国についてあまり知らない人は最後の「オーストラリア人観光客は私たちに二度恥をかかせたのだ。」に相当困惑するでしょうし、「何かの誤訳ではないのか?」と勘ぐる人もいるでしょう。


しかしこれは誤訳でも間違いでもなんでもなく、韓国では良く見られる一般的な表現であり、彼らの考えでは本当に「オーストラリア人に恥をかかされた」と受け取られているのです。


この件のについて私達なら、なぜオーストラリア人観光客が「障害を持つ子どものために寄付してくれればいい」といった態度を取ったのか、「不正を正したかっただけであり、金銭に強欲であると思われたくなかったのだろう」と考えます。


そして、たとえばこの事例を私達に当てはめ日本国内で発生した問題と考えた場合、「恥をかいた」との発想の場合には「悪質な日本人のせいで観光客に嫌な思いをさせてしまった」との発想になるでしょう。


また、「恥をかかされた」とする発想の場合には「不法行為をする運転手のために日本の評判に傷が付いてしまった」と考えるでしょう。


そして後者の場合には、オーストラリア人観光客の行為を「嫌味だ」と感じる人も中にはいるでしょうが、それでも問題の主体は「不法行為をした運転手」となるので、印象は悪くなるでしょうが発想として「オーストラリア人に恥をかかされた」とはまずなりません。


それは「不法行為をした運転手の問題」が日本社会の問題として認識されるからです。


しかし韓国の場合には大きく異なります。
まず、以前から書いているように彼らには根拠を必要としない主観的・絶対的正しさという概念が存在しており、何をするにしてもまず「自分は正しい」とする発想を思考の出発点としています。


上記に加えて独特の「ウリとナム※」の概念も関係しており、今回の場合ならばまずコールバンの運転手は彼らの中で「ナム」として切り捨てられ、自分達とは全く関係のない存在と認識されています、つまり責任の所在の範囲からウリがはずされているのです。


※ウリとナムとは、韓国独特の考え方であり、ウリとは日本人の使う「我々・私達」よりも自他の境界が曖昧になった独特の概念、ナムはウリ以外の相手のこと、ただしこのウリとナムの範囲はそのときの状況で頻繁に変動する。詳しくはリンク先を参照


そのうえで、オーストラリア人観光客が被害を訴え、また被害金額の返金を希望しなかったことが、上記記事で「韓国の観光客に対する恥ずべき行為への警告だったのか」と書かれているように、「他人(ナム)の行為なのに自分達=韓国社会(ウリ)へのあてつけをしている」ように見えているのです。


つまり、常に「正しい」はずのウリの範囲から自動的に批判されるべき人物が除外されているので、「社会(公共)の問題」としての意識が存在しておらず、ぼったくり被害を社会の問題として考える意識もなく、どうやっても(韓国という共同体としての)不法行為をした人物とする方向に向かないのです。


だから「自分達とは全く関係の無い相手の事で侮辱を受けた」との発想になり、「オーストラリア人に恥をかかされた」とする発想になるわけです。


要するに、「恥をかく」とは何らかの形で直接的であれ間接的であれ、「自分達の過ち」を認める行為の延長線上にあるのですが、「常に自分は正しい」とする発想が思考の根幹にある韓国社会の発想では、理論上「自分達(ウリ)の過ち」は存在していないので、どんな事でも大抵「恥をかかされた」になるのです。


ですから、この記事は厳密には「違法なコールバン運転手とオーストラリア人観光客、この両者に自分達(ウリ)が恥をかかされた」「特にオーストラリア人観光客はぼったくりの被害届と事後処理で二度恥をかかせた」という内容なのです。


またこうした発想の延長線上として、「韓国独特のメディア記事」があります。
韓国メディアの記事を読んでいると、韓国社会の問題を扱っているはずなのに、内容が外国の問題7~8割、韓国内の問題の指摘2~3割という比率になっている記事を度々見かけます。


例えば以下の記事がそれに該当します。


【コラム】ハウス・オブ・デット 朝鮮日報 2016/09/16


通常、日本の記事などでも国内問題を扱う際に外国の同様の問題の事例を扱うことがありますが、あくまでそれは参考程度であり、記事内の比率としては外国の問題の紹介は2~3割になるのが普通です。


しかし上記に書いたように、韓国では問題が発生したらそれは「(自分達とは関係のない)ナムが原因」となるので、直接的にウリにも関係した問題を指摘すると「恥をかかされた」「侮辱された」となってしまい苦情が来ます。


ですから、外国の問題の比率を多く紹介する事で「他者の劣等性を指摘」し、問題はあるが相手のほうが問題だとする事で、相手の問題ほどではないが「ウリにも一応問題があるのだ」とするわけです。


似たような事例として、近年韓国では韓国の経済危機を報じるときに、ほぼ必ず枕詞として「日本を反面教師にしよう」「日本のようになるな」とする内容が出てくるのですが、これも発想は同じで「日本のほうが劣等だ」とすることで「ウリに恥をかかせないように」するわけです。


こうした発想の違いがあるため、韓国メディアが報じる問題提起は大抵がどこか他人事であり、「ナムを批判する」という前提で行われている場合が多いです。



[社説]3人目のコレラ患者発生、保健当局初期対応にまたも穴 東亜日報 September. 01, 2016
(※1)
ニューヨークで最大規模の韓国人売春摘発...「国の恥さらし」 NAVER/KBS(韓国語) 2016-04-15


一見すると個人主義に基く発想に見えますが、実際はウリとナムという独特の価値観に根ざした発想からくる考え方であり、問題を集団から切り離しているからこその表現で、「(ウリが)恥をかかされた」と批判されないための発想に基いている事がわかります。


2:「恥」は「侮辱」


上記で書いたように、韓国における恥とは自身や自身が所属する社会の行いを「恥じる」のではなく、他者から問題点や間違いなどを指摘され「(自分達に落ち度は無いのに)恥をかかされた」とする、侮辱としての意味合いが強いことがわかります。


これは日韓の間の問題でも同じであり、例えば竹島問題において韓国は良く「日本による独島(竹島)挑発」といった単語を使います。


「独島挑発」にG7を引き込む日本 東亜日報 April. 08, 2016
【時論】日本の全方向「独島挑発」を憂慮する(1) (2) 韓国経済新聞/中央日報 2015年04月10日


これなのですが、日本政府が行うのは大半が韓国が行った国際社会への竹島問題に関連した広報への反論が大半であり、「挑発」というのならばまず韓国の行いが日本への挑発と定義が出来ます。


また、日本政府が行っているのはあくまで「反論」ですので、要するに定義としてはある種の議論や論争となるのですが、彼らにとってはこれは単なる挑発なのです。


なぜかといえば、彼らは「自分達(ウリ)は常に正しい」との前提に立っているので、それに反する行為や間違いの指摘をする事は、要するに落ち度の無い韓国(ウリ)に恥をかかせる=侮辱する行為と認識されているのです。


つまり、彼らの考えに否定的な意見を持つのは、それが何であれ韓国の正しさを否定し恥をかかせる行為であり、内容がどうであれそれは落ち度の存在しない韓国人に対する侮辱と認識されるので、結果「挑発行為」との表現になるわけです。


こうした発想があるので、例えば韓国側の間違いを日本人が指摘すればそれは彼らにとって「韓国人に恥をかかせた=侮辱した」とする反応が返ってくる場合が多いです。


たとえば以下の記事の事例の場合


韓国の『未生』が日本『HOPE』に“転生”…弱者の英雄列伝が人気集める(4) 中央日報 2016年09月16日


記事では韓国でヒットしたwebマンガを実写化したドラマの日本版について、「7月24日に放送され始めた『未生』の日本版ドラマ『Hope』は現在も放送中だ。平均視聴率が10%に迫っているこのドラマは視聴者たちから激励と賛辞を受けている」としています。


が、実際にはこのHopeというドラマは、出だしから日曜9時の番組とは思えないほどの低視聴率が続いており、第一話は6.5%第二話は少し上がって7.1%、その後は視聴率が下がり続け最新8話の視聴率は4.9%まで落ちています。


中島裕翔主演フジ「HOPE」上昇開始7・1% 日刊スポーツ 2016年7月25日
Hey!Say!JUMP・中島裕翔『HOPE』、打ち切り目前6.0%! SMAP中居『リオ五輪』裏で最低値 サイゾーウーマン 2016.08.15
中島裕翔主演フジ「HOPE」現状維持の4・9% 日刊スポーツ 2016年9月12日


要するに、中央日報が書くような「平均視聴率が10%に迫っているこのドラマは視聴者たちから激励と賛辞を受けている」といった状況は明らかに事実と異なることがわかります。


この場合どうなるかといえば、まず彼らの反応としては中央日報を「ナム」としてウリの範囲から切り捨て批判し、同時にこの事実を指摘した私も「韓国に恥をかかせた」と認識されます。


そして韓国人の一般的な反応として、「中央日報と日韓問題(初心者向け)という日本の右翼ブログが韓国に恥をかかせ侮辱した」などの反応になるわけです。


常に自分は正しいとの前提があるので、問題が起きても自身が含まれる社会の恥とする発想は無いので、このような反応になるのです。


3:異なる意見は許容されない


今回書いたように、韓国では恥とはかくものではなく「かかされるもの」とする考え方が一般的であり、また自身に関わる事で異なる意見や否定的な意見が出てきた場合、それが何であれ「恥をかかされた=侮辱された」と認識される場合が多いです。


韓国関連の問題を指摘しただけで「右翼だ」「韓国人を馬鹿にしている」等とレッテルを貼られるのも本質的にはこれに起因しており、「正しいウリ」に否定的な意見をしたり間違いを指摘した時点で、彼らの中では恥をかかされた=侮辱されたとなるので、相手に問題がある事をアピールするためにこのようなレッテル貼りになるわけです。


たとえば最近韓国では、以前も紹介したように「2010年の韓日歴史共同委員会は、任那日本府説に根拠はないという結論を出した。」との内容が既成事実化していますが、実際には歴史共同研究で日本側が提案したのは「日本という国号は当時使われていなかったので別の表現にしたほうがいい」というだけです。


1000年以上も忘れられていた任那日本府、なぜ復活したのか 朝鮮日報 2016/09/15
日韓歴史研究報告書の要旨 47NEWS/共同通信 2010/03/23


そしてこのことは、この6年間何度も何度も各方面から韓国側に指摘されているにも関わらず、韓国側では「任那日本府説に根拠はないという結論を出した。」が完全に既成事実化しています。


これの場合には少し特殊で、韓国では「日本は百済が作った、百済の渡来人が来るまで日本は何の文化も無い石器時代だった」という事になっているため、古代日本人が朝鮮半島の一部を支配していたとする任那日本府説を認めるわけにはいきません。


ですからこの事例で韓国の学会をナムとして切り捨てることができず、ウリとして扱わないといけないため、間違いを指摘する行為そのものが「韓国に恥をかかせるための行為」と定義され、韓国側で完全に無視されているため延々とこの内容が既成事実化されるわけです。


また、「恥=侮辱」が彼らの社会で完全に成り立つという事は、裏を返せば以前「韓国の侮辱文化」で書いた事を当てはめ、ウリの間違いを指摘すること=ウリに恥をかかせること=ウリを侮辱する事=自身がウリよりも上位である事とする認識が成り立ちます。


つまり韓国社会において相手の間違いや問題点を指摘するという事は、自分は上位の存在なのだとアピールしている事と同じです。


その結果、指摘された内容よりも行為そのものが重要視される傾向にあり、同じ問題を扱っていても日韓の間で認識に大幅な齟齬がでるという問題があります。


日本側は単に議論として問題点や間違いを指摘しているつもりであっても、韓国側からはそれが全く別の「韓国人を侮辱し恥をかかせ、自分達のほうが上だとアピールしている」と認識される場合が多いのです。


当然これでは話がまるで噛み合いません。
私が今から8年か9年前に「韓国側との議論は無駄である」との結論に至った経緯にも、これだけではないですがこの件が大きく関わっています。


「恥」という単語ひとつとっても、日本と韓国でここまで捉え方に違いがあるのです。



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(※1)
ニューヨークで最大規模の韓国人売春摘発...「国の恥さらし」
NAVER/KBS(韓国語) 2016-04-15
http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=shm&sid1=102&oid=056&aid=0010307380

アメリカのニューヨーク・マンハッタンの韓人(コリアン)タウンで、大規模な売春店を運営していた韓国人が摘発された。マンハッタンで摘発された韓人売春組織の中では最大規模である。

アメリカ国土安保部など5つの政府機関で構成された合同取り締まり班は13日(現地時間)、アメリカ・ニューヨークで売春店を所有・運営したり、これらをオンラインで広報していた12人をマネーロンダリング容疑で起訴したと発表した。合同取り締まり班が発表した報道資料には、容疑者のうち10人が韓国式の名前で表記された。

これらはニューヨーク市一円で少なくとも10ヶ所の売春店を運営して、ここで2011年から今年までに稼いだ不法な収入140万ドル(約1億5,220万円)を、マネーロンダリングした疑いを受けていると合同取り締まり班は明らかにした。

検察によれば、容疑者はニューヨーク市一円で互いに異なる売春店を個別に所有・運営しながら、顧客情報と名簿を共有していた。これらはまた、webサイトを通じて売春女性の広告を出していたと検察は明らかにした。

特に売春で稼いだ金銭の相当額が、このようなwebサイトに広告料として支給されていた事が分かった。

検察は最小9万ドル(約978万円)、最大で32万6,000ドル(約3,543万円)の広告料が容疑者の銀行口座に広告用のwebサイトに送金されていた事を確認した。

容疑者のうち韓国に逃走した1人はソウルで捕まった。逮捕の過程でソウル地方警察庁の協力を受けた事が分かった。

売春女性は大部分が、メキシコやカナダを経由してアメリカの地を踏んだ若い韓国女性だった。これらは韓国でブローカーに1人当り1万ドルを支払い、遠征売春に参加した事が分かった。アメリカ当局はこれらを全員追放する予定である。

合同取り締まり班は異例的に、マンハッタンの韓人タウン近郊のある店舗で押収捜索と容疑者を逮捕する過程を韓国のメディアに公開した。

10数名の取り締まり班員は押収捜索・逮捕令状の発給を受け、韓人が運営しているとみられる『Aスパ』という相互の店に出動した。

これらは約3時間の押収捜索の後で容疑者1人を連行して、押収品を2つの段ボールに分け
て車で搬送した。

今回の取り締まりに乗り出した機関は検察と国土安保部の他にも、国税庁(IRS)、国務省ニューヨーク支部、国土安保部捜査隊、郵便物検疫所(USPIS)などである。