日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

旭日旗問題と多文化主義の欠陥


さて、本日は一連の韓国よる旭日旗問題に関して、私自身の抗議の意味とこの件で抗議をしている人達に対して何らかの支援になればといった意図の記事を書きます。


先日、日本の川崎フロンターレのサポーターが、韓国との試合中に旭日旗を掲げたとして、アジアサッカー連盟から処分を受けたが、この問題は以前から書いているように2011年に開催されたアジアカップでの韓国選手の行いに批判が集まった事を発端とし、これには更に韓国独特の価値観も関係しているためいわゆる「差別問題」とは性質が異なる。


また彼らの考え方では、「ウリ=正しい=上位の序列=優れている=正義」「ナム=間違い=下位の序列=劣っている=悪」といった考え方があり、この二元論を前提に特殊な判断基準を持っており、「何が正しいかは(実態がどうかではなく)上位の側が決定する」といった独特な考え方が根底に存在している。


つまりこの問題は、世間で認識されているような単純な差別問題や憎悪表現問題ではなく、日本と韓国の価値観や文化・習慣の違いから来る問題となるわけだが、多文化主義的な考え方ではこうした問題を判別しておらず、物事を一元的に同一価値観で判断するため問題が発生している。



※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:旭日旗問題


まずは以下の記事と問題のおさらいから。


AFC、「戦犯旗、韓国人の尊厳性害する行為」
ベストイレブン(韓国語) 2017-05-05
http://www.besteleven.com/?sec=b11&pid=detail&iBoard=8&iIDX=99152

川崎フロンターレが戦犯旗搬入と関連した懲戒について不満を表し、AFCは韓国人の尊厳性を害する行為として懲戒は正当だという反応を見せたことが分かった。

AFCは今月4日、川崎フロンターレに罰金1万5,000ドル(1,700万ウォン)を課して執行猶予期間1年を置いて同じことがあればAFC主管大会で一試合無観客という懲戒を下した。川崎は先月25日、水原(スウォン)ワールドカップ競技場で起きた2017AFCチャンピオンズリーグG組5ラウンド水原サムスン戦で一部ファンたちが戦犯旗をスタンドに掲げて試合前後に騒動を起こしたという理由でこのような懲戒を受けた。これに川崎は遠まわしに不満に充ちた声をあげた。

川崎の藁科義弘社長は「旭日旗(戦犯旗)は政治的あるいは人種差別的メッセージは全くないと明らかにしたにもかかわらずAFCから正しい評価を得ることができなくて申し訳ない。ずっと努力し、今後は理解が得られるように努力する」と話した。川崎だけでなく日本サッカー界は懲戒の根拠に納得できないという雰囲気だ。

AFCはこの様な主張を一蹴した。日本メディアISMによれば、AFC懲戒委員会は「国籍と政治的見解に対する差別的シンボル行為」と規定した。AFCは「戦犯旗(旭日旗)を掲げる行動は、ホームチームのサポーター、韓国人や韓国にルーツを持つ人々の尊厳性を害する行為で、政治的見解および国籍にともなう侮蔑、差別、名誉毀損行為」と該当懲戒に対する理由を説明した。要するに戦犯旗だけでなく、旗を活用したどのような方法でも相手を刺激するメッセージを与える場合、今後、どのチームでも懲戒を下すと解釈される。

一方、川崎フロンターレAFCに政治的メッセージがなかった点を今後も着実に説明するとし、ホームのファンに国際試合で問題になる場合があるので、戦犯旗を試合場に搬入することは自制して欲しいというメッセージを残した。


関連記事
ACLでの旭日旗「差別規定に違反」 J1川崎に罰金 朝日新聞 2017年5月4日
川崎の旭日旗問題 執行猶予つきで無観客試合の処分 NHK 2017年5月4日


まずこの問題なのですが、詳しくは以前書いた「『旭日旗問題』に見る韓国人独特の考え方
」を読んでもらうとして、発端は2011年1月に行われたサッカーアジアカップにおいて、韓国の奇誠庸選手が行ったいわゆる「猿パフォーマンス」です。


この問題、当初から「日本人を猿に見立てて挑発した」という事で問題となっていたのですが、後に奇誠庸選手が「会場に旭日旗があったから」と釈明し、以後韓国は国を挙げて「旭日旗は戦犯旗」「日本人によるアジア人蔑視の象徴だ」と訴えるようになります。


ここには韓国独特の、「他者の劣等性を指摘できれば自己の優越性が証明される」という価値観が関係しており、またこの考え方から韓国では、「自己の劣等性を指摘されたら相手の劣等性で上書きする」という独特の反応を見せます。


今回の事例ならば、奇誠庸選手の行いによって日本人から「韓国人の落ち度(劣等性)」を指摘されたため、逆に「日本人の落ち度(劣等性)」を指摘し返す事で韓国の問題を日本の問題で上書きしようとした、といった経緯となります。


またもう一つ、上記引用記事でも書かれていますが、韓国では旭日旗の事を「戦犯旗」と呼びます。
これにも韓国独特の考え方が関係しています。


韓国には「被害者が一番偉い」という独特の考え方が存在しており、被害者になって加害者の劣等性を指摘できれば比較的簡単に上位の序列になれるという考え方があります。


韓経:【コラム】被害者フレームにはまった大韓民国 中央日報 2017年04月28日


要するに、被害者となって「加害者を糾弾できる」という状況になると、彼らの価値観では「偉い」のです。


また韓国は徹底した序列社会で対等の概念が希薄である事から、常にどちらが上か下かを意識する社会であり、被害者として加害者の劣等性を訴える事のできる立場になるという事は、つまり「上位の序列の存在が下位の序列の存在に立場をわからせる」といった意味でもあります。


この事を総合すると、韓国において旭日旗を戦犯旗と呼び糾弾する事は、「日本は加害者であるのだから劣等な下位の序列であり、韓国は被害者なのだから優れた上位の序列である」とアピールしているという事になります。


こうした考え方は何も旭日旗問題だけに見られることではなく、たとえば去年アメリカのオバマ大統領が広島を訪問した際には、韓国紙は日本の態度を「被害者コスプレだ」とか「加害者が被害者に成り代わろうとしている」と猛抗議していました。


韓国メディア、オバマ大統領の広島行きに憂慮 中央日報 2016年05月11日
【萬物相】「被害国・日本」のイメージを強化したオバマ氏広島訪問 朝鮮日報 2016/05/30


つまり韓国的価値観においては、被害者と加害者の関係が日本人の想定するものとは全く異なっており、韓国において被害者であるという事には非常に大きな意味とメリットがある事から、日本を「加害者として固定する」事に拘るわけです。


だからこそ、オバマ大統領の広島訪問や爆心地の平和記念公園での式典などが、韓国人には「日本が加害者の立場から抜けだそうとしている(=序列を上げようとしている)」ように見え、韓国の「被害者としての立場を揺るがす行為」と反発したわけです。


少し話題が逸れてしまいましたが、ようするに韓国が旭日旗を戦犯旗と呼んで反発する理由には、韓国側の落ち度を日本の落ち度で上書きし自己の優越性を維持しようとする反応と、被害者と加害者の関係を固定化する事で日本との間の上下関係をはっきりさせるといった意味があるわけです。


2:韓国は「イメージの上書き文化」の国


旭日旗問題とは、本質的には「基本として」上記で書いたような背景があるわけですが、彼らが積極的に「戦犯旗を使って差別を助長している」等の主張をするのにはもう一つ別の要素があります。


それは最初のほうで書いた「イメージの上書き」に関係している事なのですが、韓国では「正しい」と「間違い」に独特の解釈があり、この部分に日本人と大きな意識の差があります。


韓国社会には、自他の境界が曖昧な「ウリとナム」と呼ばれる独特な概念がある事は以前から書いてきましたが、この概念が韓国では先ほど書いた「優劣」や「正しい」「間違い」と密接に関連付けられています。


その結果、「ウリ=正しい=上位の序列=優れている=正義」「ナム=間違い=下位の序列=劣っている=悪」という二元論が韓国社会における一般的な評価基準となっており、彼らはこの特殊な二元論的思考で物事を判断する傾向にあります。


また彼らは「ウリ(自分達)は絶対的に正しい」という大前提を元に思考する傾向にあり、同時に「何故正しいのか」は「相手(ナム)が劣等だから」という事を基準にしています。
他者(ナム)の劣等性を指摘できれば自己の優越性が証明される独特の価値観があるからです。


2017年5月7日9時40分追記
説明が中途半端でしたので少々追記します。


韓国の場合、彼らの価値観で『正しい』という認識になった場合、問題の改善や掘り下げでは無く「イメージの上書き」をするのは一般的な手法であり、このような対応は私達も実はよくみかけています。


例えば数年前まで日本でも行われ、最近も「日本で復活させよう」と動いている韓流の場合、以前「韓国が韓流ごり押しをした背景」で書いたように、韓国に対するマイナスイメージが増えた事に対して、「問題を改善しよう」ではなく「政府主導で良いイメージになるよう上書きしよう」とした結果です。


また現在も頻繁に見かける「韓国起源説」の場合も、自国の文化を掘り下げて魅力を世界に伝えようという発想ではなく、既に認知され評価されている他国の文化を「元は自分達の文化だったのだ」というイメージの上書き行為の結果です。


このような発想は、韓国が「経済的に裕福になった」とか「国際的な発言力が増えた」事により、「国の序列が上がった」と考え、それに見合った「正しい」評価を受けようといった発想からきています。


「ウリ=正しい=上位の序列=優れている=正義」だからであり、マイナスイメージがあったり評価が低かったりするのは、「劣等な存在」と定義されるからです。


裏を返せば、自分達の「地位が上がった」と彼らが感じた場合、自分達と対立する相手(=ナム)のイメージをどれだけ悪く出来るのかが彼らのなかで重要となります。
なぜなら、ナムの劣等性を指摘する事は、彼らの価値観ではウリの優越性や正しさの証明に直結しているからです。


追記終わり。


そしてこうした発想は韓国内でも同じであり、社会にどのような影響を及ぼすのかは、韓国の政治を観察してみると解り易いです。


現在韓国では大統領選の真っ最中ですが、現在支持率1位の文在寅氏は「積弊清算」という言葉を頻繁に口にしており、これは要するに過去の2人の保守系の大統領(李明博朴槿恵)の影響は全て腐敗した既得権の象徴として排除すべきとしているという意味です。


また、文氏の所属する共に民主党の議員の中には、「極右保守勢力を完全に壊滅する」と主張している人々もおり、前政権や保守系を「悪」と設定し完全排除を訴えていることがわかります。


【社説】文在寅氏は復讐するために韓国大統領の座を狙うのか 朝鮮日報 2017/05/02 (1/2ページ) (2/2ページ


では保守系はどうだったかといえば、以下のように朴大統領も過去に似たような事を行っていたことが判明しています。


朴槿恵前大統領、左派根絶は「肉を噛みちぎるまで」 ハンギョレ新聞 2017.05.05


要するに韓国においては、その時に最も序列が上位の存在が何が正しいのかをイメージの上書きによって決定しているため、政権が入れ替わるたびに「(社会的に)善と悪も入れ替わる」という不思議な現象が発生していることがわかります。


またこのことに関係しているのですが、最近韓国のテレビ局であるSBSが文在寅氏の疑惑として「海洋水産部が部のポストや機構を増やそうと、セウォル号の引き揚げをわざと遅らせ、次期政権最有力の文氏が選挙を有利に進められるよう取引しようとした可能性がある」と報じました。


韓国大統領選まで5日 テレビ報道巡り攻防激化 聨合ニュース 2017/05/04


この件なのですが、そもそもセウォル号引き上げの遅れは去年まだ大統領候補支持率1位として潘基文氏の名前が挙がっていたころから指摘されていたことなうえに、当時は「朴大統領が疑惑隠蔽のために引き上げを遅らせている」という風説まで流れていた事もあり、明らかに荒唐無稽です。


そしてこの事が問題となると、SBS側は番組内で5分半の時間を取って謝罪放送をしたのですが、その後更にSBSの社長が謝罪会見を行い、更に海洋水産部長官までもが「次の権力者を意識して」釈明を行ったのだそうです。


【社説】文陣営にセウォル号ブーメラン、情けない「騒動」の顛末 朝鮮日報 2017/05/05 (1/2ページ) (2/2ページ


これも要するに、「正しさは序列の上位者がイメージの上書きによって決定する」という韓国社会の習慣があるからです。


もし、デマを報じてそれを理由に大統領になった文氏ににらまれたら、保守系と同じように「悪」と認定されて何をされるか解らないからです。
裏を返せばSBS側には、スクープが事実なら大統領に対して「道徳的に優位に立てる」という算段でもあったのでしょう。


旭日旗問題でも本質は同じです。
彼らは「日本の劣等性」を指摘する事で韓国的価値観における「序列上位者」となっているので、最初に書いた旭日旗問題発生の経緯などはイメージの上書きによって「日本が軍国主義化しているからこそアジア蔑視の意味で使っている」と作り変えることが出来、「日本の悪徳の象徴」として旭日旗問題を指摘できると考えているのです。


そして彼らの価値観では、こうすることでより自分達の「優越性」や「正しさ」をアピールすることが出来ると考えているというわけです。


3:多文化主義の欠陥


今回書いたように、日本と韓国ではその前提となる判断基準が全く異なっており、この問題は視点を変えると日本と韓国の「価値観の対立」であるという事になります。


そして重要なのは、そもそも日本の歴史における「旭日とは何か」という事です。


歴史的にみていくと、旭日旗は日の丸をベースにしている事は明白なのですが、日の丸からの変化がどうやって起きたのかを辿ると、肥前や肥後、筑後などで中世辺りから多く見られる家紋「日足(ひあし)紋」に行き着きます。


参照
家紋World





画像は「八日足紋」



またこの紋は太陽光が雲ひとつ無い空で四方八方に伸びている事から「慶事」を意味し、縁起物としてめでたさ、景気の良さを意味する意匠として重視されてきた背景があります。
旭日旗の起源はこの日足紋にあるわけです。


そのため、紅白の光線を更に意匠化した紅白幕や(紅白の意味についてはまた別の歴史があるのでここでは省略します)、漁業における大漁旗としても利用され、明治時代以降は縁起物=勝利というイメージから日本陸軍の軍旗に採用され、その後紆余曲折を経て海軍旗→海上自衛隊の旗として利用されていったという経緯があります。


つまり、旭日旗は日本の文化的背景と深く関わってきたものであり、サッカーの試合では「縁起物」「勝利の象徴」として、「軍の旗とは別の経緯で」使われるようになったのが明白であり、韓国側の主張は歴史的経緯から見ても一方的な言いがかりという事になります。


また、韓国側が「軍国主義の象徴」といくら訴えても、それならばなぜ2011年以前は公的に問題としていなかったのかという矛盾が出てきますし、今回書いたように発想として韓国独特の価値観が影響を与えている事は明白です。


そもそも韓国側が旭日旗を許せないのは、彼ら独特の価値観によって「日本に対して道徳的優位性」を維持し続けたいからこそ、そのための成果が欲しいからです。
そしてこうした現象は今回書いたように韓国社会の内部においても観察することが出来ます。


しかし、多文化主義的な視点ではこうした文化の対立といった視点が完全に抜け落ちており、あたかも双方が同一の価値基準の下で問題提起をしているという事となっていることから、今回のように実際には片一方の価値基準を一方的にもう片方に押し付け、片側の文化的背景を全否定するという状況になりがちです。


今回の旭日旗問題ならば、事実上韓国的価値観を日本に無理やり押し付け、日本の文化的背景としての旭日旗の歴史を全否定している事になります。


これが多文化主義の欠陥です。
個別の国や民族・人種の価値観に根ざした文化的背景を「最初から考慮していない」ため、旭日旗問題のようなその国の文化的背景に根ざした問題の対立には対応できず、エラーを起こすのです。


結果、エラーを強引に修正するために片一方の文化を「差別」や「侮辱」「憎悪表現」といったレッテル貼りで全否定することで一方的な譲歩を迫り辻褄を合わせ、そうする事で「対立を解決した事にしてしまう」というわけです。



お知らせ。
このニコニコのブロマガの仕様上、コメントが新たにあった事は解るのですが「どの記事にコメントがされたのか」を確認することが困難です。
そこで、もし過去記事に質問等私が何らかの回答を必要とするコメントをされた方は、お手数ですが最新の記事かtwitter@ooguchib」のアカウントのほうへその旨を書いていただけると助かります。



人気ブログランキングに参加中です、もしよかったらクリックをお願いします。


クリックで人気ブログランキングへ


以下は当ブロマガのお勧め記事マイリストです、もしよかったらこちらもどうぞ。