日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

日本と韓国に存在する共通した病巣


さて、本日は日韓の価値観の問題では無く、イデオロギーの対立構造がもたらす弊害についてとなります。


日本と韓国には共通した問題点が存在し、それはいわゆる知識人やメディアなどで持論を展開するような人々が、イデオロギー対立による二極構造に執着し、この構造に基く敵味方二元論にありとあらゆる事柄を当てはめようとする事。


その結果、本来は価値観やあり方の違いから来る対立までも思想対立に当てはめ、「(思想上の)味方を批判するものは皆(思想上の)敵だ」としてしまっているがために、問題の解決へと向かうような議論が何も出来ず、無駄に状況を悪化させ続けている。


※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:韓国にある病巣


まずは最近見かけた非常に興味深い記事を


【コラム】北は進歩陣営にとって目の上のこぶ
朝鮮日報  2016/03/01
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/03/01/2016030100649.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/03/01/2016030100649_2.html

http://web.archive.org/web/20160302111626/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/03/01/2016030100649.html
http://web.archive.org/web/20160302111633/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/03/01/2016030100649_2.html

(前略)
「植民地半封建社会論」や「植民地半資本主義論」は、韓国が日本と米国の植民地状態に置かれているため、正常な発展が歪曲(わいきょく)されるか阻害されているといった見方だ。この仮定によると、韓国は「米国の植民地」である一方、北朝鮮は韓国が模範としなければならない「民主基地」となってしまう。韓国の進歩運動の歴史で最も悲劇的な点は、こうした見方があまりにも長い間主流としての地位を占めてきたということだ。

大学在学中に4・19革命(1960年4月19日、不正選挙に反発した民衆デモにより、李承晩〈イ・スンマン〉大統領=当時=が下野した事件)と5・16(1961年5月16日に朴正熙〈パク・チョンヒ〉陸軍少将=当時=らによって行われたクーデター)を経験した故・申栄福氏は、自分の大学時代を「革命と反革命の時代」と要約した。政治的民主主義と経済発展が遠い未来のことのように思えたこの時代には、少なからず知識人が毛沢東主義主体思想に感化された。しかし、過去の対立構図がいち早く変化し解体される間も、進歩陣営内部では反米・親北的な見方に対する根本的矯正が事実上行われなかった。韓国が民主政権の交代に成功し、所得2万ドル(現在のレートで約230万円)への成長を遂げる中、北朝鮮は3代世襲の封建王朝として転落。最大で数百万人が餓死の危機へと追いやられた。

 にもかかわらず、一部の知識人のフレームは1980年代か、あるいはそれ以前にとどまっている。社会構造の変化に誰よりも敏感で躍動的に対応しなければならない進歩陣営が、むしろ時代に鈍感で手ぬるい存在になってしまったのだ。今韓国の進歩陣営にとって北朝鮮は「福」ではなくむしろ「こぶ」に近い。そのこぶを切り捨てない限り、韓国における進歩は永遠に後退するか足踏みを続ける羽目になってしまう。北朝鮮の核開発やミサイル打ち上げといった話題は、韓国の進歩陣営がこぶ取りじいさんとなれるかどうかを見定める道具となるだろう。


この記事を読んで最初に感じた事は「ああ、やはり韓国でもこれは問題になっているのだな」という事と、「この問題を全国紙でまともに取り上げられる韓国はうらやましいな」でした。


韓国の場合、以前から書いているように現状既に右派と左派の思想対立という構造が存在せず、右派は国粋主義寄りの民族主義であり、左派は北朝鮮寄りの民族主義であり、双方は北朝鮮と韓国の建国の正当性を巡って争っているのが実情です。


現在韓国で行われている実質的な「親日狩り」にしても、その本質は国是として政府が作り出した抗日神話を親北派が逆手に取り、自分達の政敵を次々と「親日派の子孫」に仕立て上げる事で追い落とし、政治的に北朝鮮に有利な状況を作り出したいがための活動です。


そして記事にもあるように、既に経済的にも政治的にも結果論としてですが「どちらの政策が正解だったか」が判明し、北朝鮮は「あの有様」なわけですが、韓国内の左派という名の親北派の人々は過去のイデオロギー対立に固執して「北の正当性」ありきでしか思考ができなくなっています。


これは要するに、思想対立ありきで敵と味方が「固定化」されてしまっており、あらゆる事柄をこの二極構造に強引に当てはめてそこから先に一歩も進めなくなっているからです。
慰安婦問題なども本質部分はこれであり、今現在韓国で騒いでいるのは親北派とその影響を強く受けた世代が中心です。


2:日本にある病巣


日本の場合はどうでしょうか、勿論日本にも「隠れ親北派」は存在していますし、政治家や知識人、日本のメディア、特にテレビ局はその多くが朝鮮総連を通じて北朝鮮との間接的なつながりを維持していますから、日本でも一見すると北朝鮮の問題が中心に見えます。


勿論こうした隠れ親北派もそれはそれで問題なのですが、今回の問題の本質はそこではなく、もっと本質的な部分で「イデオロギー対立に固執し続けていること」です。
それが日本社会にどのような弊害をもたらしているか、具体例を挙げていきましょう。


例えば最近、韓国で「高麗時代の石塔が日本から返還された」とのニュースが報じられたのですが、そのニュースでは「日本が植民地時代に無断で持ち去った」とされています。


無断で日本に持ち出された高麗初期の石塔、80年ぶりに韓国へ 朝鮮日報 2016/03/01
高麗時代と推定される三重石塔 日本から韓国に戻る 聯合ニュース 2016/03/01


しかし記事を読むとおかしな事に気付きます。
そもそもこの石塔、元々朝鮮のどこにあったのか、いつ頃日本に渡ったのか、その辺りの事情が韓国側で何もわかっていないのです。


日本人の一般的な価値観からすると、「これでなぜ日本が無断で持ち去った事」になるのか全くの意味不明であり、「日本が奪った」とする韓国側の言分に反論をしたくもなります。
仮定の話は仮定の話でしかないのですから、それを事実認定されたら普通はそうなります。


しかし韓国社会における一般的な価値観では、以前も書きましたが自らの正当性は他者の劣等性で証明されるという独特の価値観や、「(自分達が理想とする)かくあるべき論」が何よりも優先される傾向があるため、客観性や根拠が重要視されず仮定の話が一足飛びに事実認定される事があり、日本人の常識からすると奇妙極まりないですがこれが彼らの社会の常識です。


参照
韓国では「仮定の話」が「事実」として成り立つ
http://ch.nicovideo.jp/ooguchib/blomaga/ar967911
韓国人が日本人から嫌われる根本的原因
http://ch.nicovideo.jp/ooguchib/blomaga/ar547023


2016年3月5日22時19分追記
初見の方に説明不足で不親切でしたので、参照記事を追記しました。


ここからが本題です。
では、この件で韓国の主張を批判したり問題視したりしたら、それは右派やネトウヨや差別主義者になるのでしょうか?
またこの韓国の行いを肯定したり「見なかった事」にすれば左派やリベラルになるのでしょうか?


或いは、右派やそれに類する思想から来る差別意識がなければ、この問題で韓国に否定的な意見を持つ事は無いのでしょうか?


当たり前の事ですが本来ならばなるわけがありません。
これは要するに日韓の価値観や常識の違いから来る対立の問題であり、常識的に考えれば思想の左右の問題やそこに連なる差別問題などが入り込む余地などありません。


しかし現実には、現在の日本においてこうした問題で韓国を批判したり抗議をしたりすると、ネトウヨや差別主義者扱いされるという事例が多数あります。
「そういう空気」があるのです。


この問題は、同じく本来ならばイデオロギーなど何の関係もない「韓国起源説」の問題でもよく見られるパターンです。


これも要するに、「過去に存在した」イデオロギー対立で構築された二極構造「ありき」で敵味方を作り出していることの弊害です。
例えば左派(革新でもリベラルでも中道でもなんでもいいです)は進歩的で外国人を受け入れ、右派は閉鎖的で外国人を拒絶する等のステレオタイプがその根底です。


結果的に条件反射でこの構図にあらゆる問題を当てはめてしまうので、「日本人の常識から見たらおかしい」という「解りやすいはず」の問題が差別問題に摩り替わります。


一歩引いて考えればまるで違う事が解りそうなものまで思想対立に見えてしまっているのです。


この病巣のために、日本のおける日韓問題の主流が歪みに歪み、実体として存在するはずの「価値観の対立」がまるで見えなくなり、複雑化しようのない問題がどんどん複雑化していっています。


3:「病巣」から抜け出さなければ問題は増え続ける


今回は「解りやすさ」を重視していわゆる便宜上の「左派」を例に出しましたが、実際には右派とか保守と呼ばれる人々の間でもこの風潮は存在しています。


右派系とか保守系とか呼ばれている知識人やメディアなどの主張を見ていても、特に日韓問題では「それはほんとにイデオロギーで考えないといけない事なのか?」という内容が日韓双方で見られます。
当然ですがネット上の書き込み等でも同じ事が言えます。


今回最初に紹介した朝鮮日報の記事のように、いわゆる便宜上の「右派あるいは左派」のなかには、薄々この問題に気付き始めた人も出てきてはいますが主流にはなりえていません、特に日本の場合は、この問題を口に出しただけでどんなレッテル貼りをされるか解ったものではないからです。


結局のところ、今回書いた事は「時代が変わったのだから考え方も時代に適応させましょう」というだけの事なのですが、現実にはそれができておらず安易に思想対立の構図に持ちこもうとする人が大勢いるのです。


そんな事をしているから、いつまで経っても「価値観の対立」という現実の構図に気付く事ができず、見当違いの議論の末に矛盾が生じ、その矛盾を成り立たせるために更なる矛盾を作り出し、無意味で不毛な論争を続けている、私には現状がそのようにしか見えません。


日本人と韓国人は価値観の根底部分がまるで違います、それはイデオロギーの対立という構図を頭から外し、そのうえで韓国を一歩引いて観察してみれば本来は誰にでも解る事です。
これは難しい事でもなんでもありませんし、そのように見れば「右派左派」「差別問題」「反日」などは、問題の本質に何の関係もない、ただの枝葉である事が簡単に解ります。


これをしない限り、日韓の間にある問題は今後も深刻さを増していくことになります、そして価値観の違いですので完全な解決は不可能ですが、少なくとも違いが存在している事を正確に知る事ができれば、双方が適切な距離を取る事で問題を予防したり、新たな問題を作り出すことを抑制する事も可能なのです。



お知らせ。
以前「笑韓ネタを2つやる」と告知していたのですが、もう一つのほうは一発ネタ過ぎて記事にすることが難しかったのでボツにしました。
この先、もしかしたら他のいくつかのネタと併せて記事にする可能性もなくなはいのですが、今のところ予定は未定です。



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