(画像はb…もとい李氏朝鮮時代に歴代の朝鮮の王が清国の官僚を三跪九叩頭の礼で迎えていた迎恩門)
さて、今回の内容なのですが、よく韓国人は日本人に対して「歴史を忘れた民族に未来はない」と指摘します。
今年もK-POPグループのメンバーがこの言葉を日本に向けて使っていました。
しかし実態はどうなのかといえば、実はこれが最も当てはまるのは韓国自身であり、まさに今現在の朝鮮半島情勢が、百年以上前の日清戦争や日露戦争前の状況と殆ど同じになりつつあるのですが、その原因として韓国が当時の李氏朝鮮や大韓帝国の行いから何も学ぼうとせず、当時と全く同じ事をし始めているからです。
なぜそうなるのかといえば、彼らは歴史を主観的に善悪二元論で解釈し、都合の悪い歴史的出来事は全てタブー視して見なかった事にしてしまい、「自分達には何の落ち度もなかったか、もしくは落ち度があってもそれは他者の落ち度に比べたら些細な事」と自己正当化してしまうため、過ちから学ぼうにもその過ちをそもそも認める事ができないのです。
特に現在の韓国は、李氏朝鮮が清の属国であったと言う事実を一切認めていません。
当然その歴史的背景から起きた様々な出来事もまるで認めていません。
日本と清が戦った日清戦争に関しても、「日本が朝鮮への侵略の意図として始めた侵略戦争」と教えており、本来の開戦理由を一切知りませんし知ろうともしません、完全にタブー視しています。
それを認めてしまうと、韓国人の中の善悪二元論としての「正しい歴史」が崩れてしまうからです。
まずは以下を
日清戦争における日本と清の宣戦布告文(一部抜粋)
日本
宣戦の詔勅
朝鮮ハ帝国カ其ノ始ニ啓誘シテ列国ノ伍伴ニ就カシメタル独立ノ一国タリ 而シテ 清国ハ毎ニ自ラ朝鮮ヲ以テ属邦ト称シ陰ニ陽ニ其ノ内政ニ干渉シ其ノ内乱アルニ於 テ口ヲ属邦ノ拯難ニ籍キ兵ヲ朝鮮ニ出シタリ
(現代語訳)
朝鮮は帝国がそのはじめより、導き誘って諸国の仲間となした一独立国である。 しかし清国はことあるごとに、自ら朝鮮を属国であると主張し、陰に陽に朝鮮 に内政干渉し、そこに内乱が起こるや、属国の危機を救うという口実で朝鮮に対し 出兵した
清
宣戦の詔勅
朝鮮ハ我大清ノ藩屏タルコト二百余年、歳ニ職貢ヲ修メルハ中外共ニ知ル所タリ近ク十数年、該国時ニ内乱多ク朝廷ハ小ヲ宇ムヲ懐ト為シ、畳次兵ヲ派シテ前往勘定セシメ竝ニ員ヲ派シテ該国都城ニ駐紮セシメテ時ニ随ツテ保護セリ
(現代語訳)
朝鮮は我々大清の属領たること二百年あまり、年々朝貢をしていると内外に知れ渡って十数年。内乱が多いので、兵を派兵して平定し、また都城に駐屯させて保護している
元々日清戦争の発端は、甲午農民戦争(1894年)と呼ばれる当時朝鮮で起きた反乱にあるのですが、これが起きた原因は閔妃とその一族による悪政とそれに伴う重税にありました。
そして、この反乱鎮圧のために李朝は清に援軍を要請、清と日本が取り交わした天津条約 (1885年4月)により日本と清両国の軍が出兵します。
そしてその後に問題が起きます。
日本は朝鮮が開国した時点で独立国であるとの認識であり、出兵の原因が解決したのならば即時軍は撤退させるべきとの考えだったのですが、清としては朝鮮は清の属国であるのだからそのまま駐留しても問題が無いとの考えでした。
結果撤退するしないで日清両国の軍が朝鮮で対峙することとなり、これが日清戦争の原因となります。
日清両国の宣戦布告文は、この背景を端的にあらわす内容なのです。
しかし現在の韓国は、この事実をタブー視して見なかった事にしているため、「かつて朝鮮は清の属国であった」という事実を、先ほども書いたように一切認めていません。
「朝鮮は清の属国?」...政府日に修正要求
NAVER/ヘラルド経済(韓国語) 2011-10-25
http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=102&oid=016&aid=0000400219
■ 『朝貢』を従属関係と記述
■ 慰安婦・明成皇后など削除
■ 来年4月から使用予定
■ 民間団体も積極参加
25日の独島の日を迎え、『独島領有権主張』など日本の各種の歴史歪曲に対して国民の関心と警戒が高くなっている中、『朝鮮は清の属国』と表現するなど捏造記述された日本の中学校歴史教科書使用に対し、政府と市民団体が大々的な『民・官合同阻止運動』に乗り出した。
既に去る8月に該当の教科書に関した日本の各地域の教育委員会の採択は終わったが、来年4月に該当の教科書が各学校で使われる前までに教科書を修正するというのが政府と市民団体の計画だ。
政府の関係者はこの日、ヘラルド経済との電話で、「政府は6月、太平洋戦争をアジア解放戦争と美化、朝鮮と清の朝貢体系を従属関係と記述、 慰安婦関連記述の省略、古代史部分の中で韓半島を通じて文化を受け入れた内容を削除、壬辰の乱の関連内容のうち『侵略』の単語の不使用など、19種類の教科書にある126項目の修正を求める“修正要求書”を送った」とし、「独島領有権を主張する12種類の教科書から40項目、歴史歪曲事項では7種類の教科書から86項目に対しても修正を要求をした」と明らかにした。
(中略)
特にこれらの教科書にはこのような主張の他にも、『清は朝鮮を属国と見なした』、『清は朝鮮の要求によって属国を保護するという理由で出兵した』などと、清と朝鮮の関係を巧にみ歪曲している事が分かった。
これに対して北東アジア歴史財団の関係者は、「このような内容を記述する事で、“朝鮮は元々清の属国であり、日本が日清戦争で勝利することで初めて朝鮮が自主国となった”と誤った認識を広める事が出来る」と指摘した。
このようにして彼らは、都合の悪い歴史的事実を「見なかった事」にしてしまうがために、当時なぜそうなったのかとか、何が間違っていたのかとか、そうした事を何一つ教訓とする事ができず、「全て相手が悪い、自分たちは被害者である」との結論に至ってしまうのです。
そもそも日清戦争や日露戦争が起きた原因は、彼らが自らの力で問題を解決しようとせず、「他者に助けてもらう事」を当たり前とする事大主義を当然としすぎていたからです。
自国の内乱に安易に他国の軍を呼び込むのもそうですが、呼び込んだ軍が撤退するかどうかも自ら決めようとせず、その判断すらも相手国に任せた結果がこの有様なのです。
しかし清の属国であった事すら認めない現在の韓国は、当然そうした背景から何かを学ぶ事はできません。
また、この背景から現在の韓国は以下の独立門と呼ばれる門が、日清戦争によって得られた「清からの独立」を祝うため、迎恩門を取り壊してその横に建てられた門であるということすら殆ど知られていません。
(ちなみに、私の知る限りでは殆どの韓国人が「日本からの独立を祝う門」と思い込んでいました)
(画像は韓国にある独立門)
以上のように、過去を都合よく美化してしまいそこから何も学び取る事ができない韓国は、現在当時と全く同じ事をし始めています。
今韓国が中国へと傾斜して行っている背景の中には、日本や北朝鮮との関係を中国が間を取り持つ事で何とかしてくれるという希望的観測があります。
ようするに、自らが引き起こした問題を自力で何とかしようとせず、中国にこじれた問題の解決をしてもらおうとしているのです。
日本の了解も何も無いまま、中韓で勝手に決めてしまった日中韓首脳会談や、北朝鮮そっちのけの状態で韓国人が沸き立つ南北統一議論などがその典型例です。
また、中国の抗日パレードに参加した事が、今更ながらアメリカの不評を買っていると知った韓国は、以下のような反応をし始めています。
【コラム】韓中関係、傾けば崩れる
2015年09月10日16時56分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/579/205579.html
(前略)
◆米国との同盟、より重要に
代わりに同盟国である米国とは疎遠になる雰囲気だ。米国が最優先視している日本とは過去の歴史紛争をかもして隙間ができた。中国が史上最大の「軍事ショー」を行った時に天安門望楼の上にいた米国の友好国首脳は朴大統領だけだった。ジョン・ケリー米国務長官は「十分に理解する」と言ったけれども、胸の内は分からない。
今の韓国の姿は旧韓末水準ではない。だが周辺4強を無視できる水準でもない。外交的レバレッジ(テコ)を起こせる程度にはなるが、片側に偏った瞬間に崩れるかもしれない。
2007年初め、韓米自由貿易協定(FTA)交渉が真っ最中だった時のことだ。当時「狂牛病の牛」「投資家国家訴訟(ISD)」などをめぐる議論が大きかった。もどかしい思いをしていたある高官は記者に「韓米FTAは無条件に結ばなければならない。小さな利益を問い詰めて水の泡にしてはいけない。米国とのFTAは、韓国が中国に引きずられて行くのを防げる唯一のレバレッジ」と内心を打ち明けた。中国に言いなりになっていたらどうなるか分からないので、米国を利用して国益を守らなければならないという話だった。
その官僚は引退した。彼が主張した概念も韓国政府から引退したのかも知れない。それが心配だ。
[社説]朴大統領は急がず、長い目で統一外交を進めるべきだ
東亜日報 SEPTEMBER 10, 2015
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2015091011628
(一部抜粋)
今、同盟国の米国では、韓国の中国への傾倒を注意深く見守っている。中国が統一のネックにならないよう、協力を求める必要はあるが、米国ともまだ行っていない深みのある統一議論を中国と先に行うことを懸念する専門家らも少なくない。中国が血盟の北朝鮮を切り捨て、韓国を選ぶ方向に、戦略的転換をしたとも受け止められない。国内では、具体的な統一論を巡って共感が出来上がっておらず、当事者の北朝鮮とも全く議論されていないのが現状だ。すぐに、北朝鮮は、「統一はわが民族同士の力で実現すべき民族的重大事だ」と、朴大統領の発言を批判している。大統領の北東アジア主導に、息切れを覚えるほどだ。
この2つの記事からは、いまさら中国傾斜に危機感を募らせ始めた韓国国内メディアという背景が見えてくるのですが、もう一つ、「問題解決を全て他者に依存している他力本願さ」も見えてきます。
結局やっている事は、何も自ら決断せず、何も自ら選択せずの日清戦争の頃と何も変っていないのです。
最後に。
現在の韓国はこのような状態です。
そして日本は、勿論これは日本の国益という観点からであり、正義感や無償の援助ではありませんが、結果的に日清戦争当時朝鮮の独立を守り助けました。
そして朝鮮は、問題解決を全て日本や清に丸投げし、自分達では何もしていませんでした。
やっていたのは、「他国に何とかしてもらうための根回し」のみです。
その結果の延長が今の日韓の情勢です。
そして現在も韓国は、全く同じ事をして自国で解決しなければいけない問題に他国を引き込んでいます。
当然のことですが、日本は決して今の韓国を助けてはいけません。
助けたら百数十年前と全く同じです、いずれその事は日本にとってまた大きな不利益となります。
歴史を直視できず、都合の良い「かくあるべき歴史」しか見ない韓国が、過去から何も学べず全く同じ事をしているからと、日本がそれに引っ張られる道理は一切ありません。
今回は選択を間違わないようにしましょう。
幸いにも、日本は歴史から学べる土壌があるのですから。