日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

暴走する韓国と追従する日本のマスコミ


さて、今回は産経新聞の元支局長起訴問題とリンクする話題です。
まずは以下の3つの記事を。


韓国検察がネットの“リアルタイム摘発”を計画…朴槿恵大統領の意向を受け
ハンギョレ新聞 10月13日(月)12時0分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141013-00018504-hankyoreh-kr
先月「ネイバー」「カカオ」など呼び出し特定単語のモニタリング方針を提示検察「16日の国政監査で立場を明らかにする」“サイバー検閲”問題を巻き起こした検察が、「国論分裂および政府・公職者の誹謗」を主要な取り締まり対象に特定単語をリアルタイムでモニタリングすることにした事実が確認された。 検察は会議資料で、朴槿恵(パク・クネ)大統領が“大統領冒とく”に憤慨した閣僚会議での発言を強調し、今回の取り締まりが朴大統領を意識した措置であることを示した。
 12日、国会法制司法委員会所属のソ・ギホ正義党議員が入手後に公開した大検察庁最高検察)の「サイバー上虚偽事実流布事犯の厳正処断汎政府関連機関対策会議」という資料に重点捜査対象と方法が提示されている。 検察は重点捜査対象として、

△疑惑提起を装った根拠のない暴露性発言
△国家的大型事件発生時に事実を歪曲して政府政策に対する不信を助長する各種陰謀説、虚偽デマの流布
△公職者の人格と私生活に対する悪意的で不当な中傷・誹謗、
などを提示した。

(中略)
会議資料には「サイバー上で国論を分裂させる『でなければやめよ』式の暴露性発言が度を越していて…国民の不安が大きくなり手のほどこしようもなくなります」という朴大統領の閣僚会議での発言を強調して載せている。
パク・チウォン新政治民主連合議員が「大統領府の“秘線”である“萬挽会”(マンマンフェ)が人事と国政を動かしている」と発言したことで不拘束起訴されたのがサイバー虚偽事実流布処罰事例の一つとして提示された。
産経新聞』の加藤達也前ソウル支局長が朴大統領の「7時間の疑惑」を記事にして起訴されたのもこの会議の延長線上にあると解釈される。
(後略)


ご覧の通りの内容なのですが、要するにこれ政府によるネットの検閲強化なわけです。
そして注目すべきは捜査内容の具体的指針なのですが。これ、運用者の主観次第でどうとでも拡大解釈できる内容なのです。
そもそも「不信を助長する各種陰謀説」とか「悪意的で不当な中傷・誹謗」とか、「本人がそう思った」ならそれで成り立ってしまうのですから、最早なんでもありです。


そしてこれは、内容を見る限り一時期ウィキリークスやスノーデン問題などで話題となったアメリカによる盗聴問題とは、似ているように見えて明らかに性質が異なる事が解ります。
あちらが対テロなどの「行き過ぎた捜査」なのに対し、こちらはそもそも目的も意図も漠然とした、いくらでも拡大解釈や恣意的運用可能な政策だからです。


元々韓国という国は、以前から書いているように三権分立が機能しておらず、以前から政府による司法への介入も度々発生している状況ですし、いわゆる親日派財産没収法のように、憲法で定められた基本的人権や財産権も簡単に侵害される国です。そこへ来てこれですから何が起きるのかは言うまでも無いでしょう。


また産経新聞の元支局長起訴問題とリンクしており、これを口実に検閲や言論規制が強化され、そこに朴大統領の強い意向が反映されているというのも興味深いです。
要するに政府の人間が私怨やその場の感情ででやりたい放題できる環境が整ったという事です。


そして問題はこれだけでは収まりません。
最初の記事でも言及されている「サイバー検閲問題」に関する記事です。


韓国政府の嘆願掲示板に不正を訴えたらIPアドレスを警察に渡された
ハンギョレ新聞 2014.10.10 21:36
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/18486.html
それでも国民権益委員会なのか…2008年11月からの閲覧記録もなくす警察にEメール・自宅住所を渡す

 韓国の国民権益委員会が、2008年から今まで政府が運営している統合嘆願掲示板である「国民申聞鼓」に文を載せた請願人のIPアドレスを無断で収集・保管し、その一部を警察に提供していたことが明らかになった。

 9日、国会政務委員会所属カン・キジョン新政治民主連合議員が国民権益委から受け取った資料によると、権益委は李明博(イ・ミョンバク)政権時期である2008年11月から国民申聞鼓に文を載せた請願人の約450万人(重複除外)全員のIPアドレスを収集保管し、そのうちの72件を警察の捜査協力要求により提供していた。
(中略)
  権益委が請願人のIPを自動収集した法的根拠も明確でない。 権益委は国民申聞鼓ホームページに掲示された「行政機関情報システム接近権限管理規定」の第21条(利用内訳記録)、第22条(利用記録の保管)をIP収集の法的背景と主張した。 しかし、カン議員室は「この規定は個人情報を管理する業務担当者の行為を規定したもので、請願人のIPを収集・保管する根拠にはなりえない」と指摘した。

 カン・キジョン議員は「個人情報保護法上、請願人の個人情報を安全に保管し管理しなければならない義務などに違反した事実の有無を調査して、請願人情報に接続した記録が残るようにシステムを改編しなければならない」と話した。 権益委側は「請願人のIP情報収集・保管と関連した法的根拠条項はないが、ホームページ上で請願人にIP情報を収集する旨を事前告示しているので無断収集ではない」と主張したとカン議員室側は伝えた。



要するに、政府系のHPに書き込まれた政府に批判的な人物の個人情報を、何の法的根拠も無いまま収拾し警察に情報提供していたと、そういうわけです。
そしてこれは更に問題を引き起こします。


大統領発言を引き金に韓国から亡命する人々が急増中
政府の検閲を恐れ、カカオトークから次々ドイツのテレグラムへ移籍
JBPRESS 2014.10.10(金)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41925
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41925?page=2
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41925?page=3
数日前から「●●様がテレグラムに加入しました」というメッセージが頻繁に私の携帯電話に届くようになった。「テレグラム」とは、ドイツ生まれのモバイルメッセンジャーの名称である。生まれはドイツだが、開発したのはロシア人だという。

モバイルメッセンジャー市場で93%の圧倒的王者だが・・・

 韓国では、これまで「カカオトーク」がモバイルメッセンジャー市場で93%のシェアを占める不動の1位。カカオ社はそのパワーを利用して検索サイト第2位のダウムを吸収合併し、ダウムカカオとして10月1日に発足したばかりだ。
筆者も韓国の友人、知人、仕事関係者問わず「カチン(カカオ友達)」として登録されており、公私ともにフル活用である。だが、そんなカチンたちが1人抜け、2人抜けとテレグラムに移動してしまっているのだ。

なぜ、こうなったのか。理由は大統領の発言にあったようだ。
先月16日、朴槿惠(パク・クネ)大統領は国務会議で「国民の代表である大統領に対しての冒涜発言が度を過ぎている。これは国民に対する冒涜でもあり、国家のステータスを陥れ、さらには外交関係にまで影響を及ぼしかねない」と、発言した。
2日後の9月18日は、大検察庁が「サイバー上での虚偽事実の流布への対応策」を設けたと発表した。

検察側は、専担の捜査チームを組織してオンラインモニタリングを実施し、虚偽事実流布の事犯を見つけ出すと発表した。
この発表は、モバイルメッセンジャーを使っている人たちを震え上がらせた。なぜなら、プライベートなメッセージが監視下に置かれると思われたからだ。
韓国ではカカオトークユーザーが多いので、ダウムカカオの検察側に対する取り組みはどうなのかに注目が集まった。

ダウムカカオ社のCEO(最高経営責任者)は、「検察が呼べば行かないわけにはいかない」「どんなサービスも国の正当な法の執行の下にある」などと、およそ期待外れの対応をした。
こうなると、不安は加速度を増し、もうカカオトークから抜け出したくなった。そういった人たちが人たちが行き着いたのが「テレグラム」であったのだ。
(以下は転載元の本文参照)



つまり、最初に引用した2つの記事に関連し、政府によるネット上の発言の監視強化が行われたうえに、政府や警察による個人情報の違法収集も発覚、韓国で人気のスマートフォン向け無料通話アプリから次々と韓国人が「逃げ出している」という記事です。


ここで以前からこのブロマガで書いてきた韓国の現状を考えてみてください。
韓国という国は、国民情緒とか民族情緒と呼ばれる酷く曖昧なものが憲法や法よりも優越され、こういった不確かな物で法の適用や国政までも簡単に歪められる、一度暴走したら個人の意思では制御不能となる、ある意味独裁よりも危険な状況にある国です。
そしてこれら一連の記事を見る限り、韓国は明らかに暴走しつつあります。


そういった国が、ネット上の監視体制を強化し、政府や警察が個人のプライベート情報に簡単に踏み込み、時に漠然とした恣意的判断で摘発の対象にできるようになる政策を、産経の元支局長起訴問題を口実として次々と行っているわけです。
つまり、産経新聞の元局長起訴問題というのは、それ単体の問題では無く、今回取り上げた韓国における政府による言論規制の強化問題という、より大きな問題のパーツの一つに過ぎないわけです。


さて、ここまでは韓国内のお話、産経の元支局長の問題はあるにはありますが、日本にはさほど影響の無い問題のように見えます。
しかし、実はこれは韓国内の問題では済まされない、もっと深刻な問題を含んでいます。


ここで重要となるのは、政府による個人情報の収集やその利用というのは、別に今回言及したカカオトークや政府系掲示板に限定された問題ではないという事です。
勘のいい人は気付いたと思いますが、今年6月に発覚した以下の記事を思い出してください。


韓国国情院がLINE傍受
FACTA 2014年7月号
http://facta.co.jp/article/201407039.html
5月下旬、官邸内に衝撃が広がった。韓国の国家情報院(旧KCIA)が、無料通話・メールアプリ「LINE」を傍受し、収拾したデータを欧州に保管、分析していることが明らかになったからだ。韓国政府のサイバーセキュリティ関係者が、日本の内閣情報セキュリティセンター(NISC)との協議の場であっさり認めた。

システムに直接侵入するのではなく、通信回線とサーバーの間でワイヤタッピング(傍受)するから、「通信の秘密」を守る法律がない韓国側は悪びれない。だが、LINEの登録ユーザー4億人余のうち日本人は5千万人。その通話データなどが韓国にすべて送られ、丸裸にされているのだ。
(後略)


そう、最初に引用したの記事でも少し触れていますが、NAVER子会社のLINEも当然この監視体制の範囲内なのです。
元々LINEの親会社であるNAVERという会社は、政府の方針に非常に「忠実」な会社であり、私も日韓翻訳掲示板に出入りしていた頃、その忠実さを良く目の当たりにしました。
どれくらい忠実だったかといえば、政府から何も言われなくとも、政府の方針に反する情報や歴史観の書き込みを率先して検閲し削除するという行為を繰り返していたといえば、どれ程のものかは解るでしょう。


そしてもう一つ思い出してください。
元々起訴された産経新聞の元支局長の記事というのは、産経の韓国向けニュースで書かれたものでは無く、産経新聞系列のzakzakにおいての日本本国内向けの記事として書かれたものです。
にも拘らず、内容がほぼ同じで「韓国向け」に書かれた朝鮮日報の記事は実質お咎め無し、日本向けに書かれた産経の記事は摘発対象。
法の下の平等も何もあったものではありません。


2014年10月16日21時10分訂正
てっきり問題の記事は産経系列のzakzakに掲載された物とばかり思い込んでいたのですが、ご指摘の通り産経のサイトにも存在しました。
ご指摘ありがとう御座います。


もちろん、韓国政府が暴走しているからと、その暴走範囲がそのまま日本に適用されるわけではないですし、韓国政府がこの方針に基き日本に「容疑者」の引渡しを要求してきたとしても、日本政府はそれに従う義務がありません。
だから、直接的な被害を日本人が被る事は基本的に無いのですが…


ただし、問題が2つあります。
まず、LINEを通じて韓国の情報機関は特定の日本人がどんな話題を話しているかとか、その人間の傾向などを簡単にデータベース化できますし、LINEを通じて「紐付き」になった人間を通じて政府や企業の情報などもいくらでも収集することができます。
要するにこれは政府による「盗聴」ですから、そしてそれらを「国家の安全保障上の理由」としていくらでも正当化できるわけです。


またもう一つ。
たとえば韓国政府にとって都合の悪い事をネット上で書いている人がいたとしましょう、その人がLINEなどを使っていれば、韓国政府はその人物の個人情報を簡単に特定する事が出来るわけですから、その人物が韓国に入国したと当時に「国家安全保障上の理由」から逮捕拘束することも理屈の上では可能となります、現在韓国が行っているのはそういうレベルの事です。
勿論、「情報の利用方法」は他にもいくらでもあります。



そして更に問題は続きます。
最近日本のメディアの記事を見ていると、産経新聞の元支局長起訴に対してはどこも大筋で否定的な見解なのですが、それと同時に韓国政府の言分である「虚偽の情報で大統領を貶めた」という部分を非常に強調し、「どっちもどっち論」にもって行こうとする論調がいくつか見て取れます。


これは要するに韓国政府の方針を事実上追認するようなものです。
前回書いたように、この問題の要点はそもそも起訴理由が意味不明である事と、法治主義の基本である「法の下の平等」がまるで成り立っていないことです。


しかしそのことには一切触れず、韓国政府が行っている論点逸らしを容認するような記事を書き続ける。
それが日本のマスコミの姿です。
そして更に、今まで書いてきたように産経の問題は枝葉に過ぎず、問題全体としては明らかに韓国政府による言論規制の強化や個人情報の収集であるにも関わらず、その事に触れるメディアもほぼありません。
挙句に朝日などはこんな記事を書く有様です。


5億人突破のLINE、実際の利用者は1.7億人
朝日新聞デジタル 10月10日(金)0時24分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141010-00000001-asahi-bus_all
スマートフォンでメッセージをやりとりする無料対話アプリのLINE(ライン、東京・渋谷)は9日、世界全体の登録者数が現時点で5億6千万人に達したと発表した。アジアなど海外中心に伸び、サービス開始から3年余りで5億人の大台を突破した。交流サイト最大手の米フェイスブックを上回るペースだ。

 LINEは韓国IT大手ネイバーの完全子会社で、2011年6月にサービスを始めた。5億人を突破したのは8月10日で、3億人から4億人に増えたときと同じ約4カ月で1億人を上積みした。

 感情を絵柄で表す「スタンプ」が若者に受けた。最近はアジアや南米など海外で増えている。今や9割以上が日本以外で、スペインなどでも急増している。

 登録者数は、アプリをダウンロードしユーザーとして登録した人の数で、実際には利用していないという人も多い。今回、LINEを実際にどれだけの人が日常的に利用しているかを示す「月間利用者数」も初めて公表した。現時点で1億7千万人にとどまり、5億人を超えるフェイスブック傘下の米ワッツアップや4億人超の中国ウィーチャットを大きく下回る。無料で登録者は増えたが、実際の利用者は追いつかない。ただ、フェイスブックは開設から4年弱で月間利用者数が6千万人弱だったといい、LINEの成長ペースは速い。



朝日新聞というのは韓国政府の広報紙か何かなのでしょうか、最早呆れてものが言えません。
一連の情報を把握し問題に感じていたら、当たり前の事ですがこの時期にこんな記事はまず書けません、韓国の関連した企業に個人情報を渡す事の危険性を訴えるならまだわかりますが。


最後に、最初のほうで紹介したハンギョレ新聞という韓国の新聞社は、韓国の典型的な左派系(親北朝鮮系)新聞で朝日新聞とも非常に密接な関係にあります。
当たり前の事ですが、ハンギョレが把握している事を朝日が把握していないと言うのはまずありえませんから、朝日は全て解っていてこんな事をやっている事になります。


そして韓国側にもまた別の問題があります。
元々韓国というのは戦時体制の国であり、李承晩の我侭もあり北朝鮮との停戦協定すら結んでいません。
北と停戦協定を結んでいるのはあくまで韓国に駐留する米軍を中心とした国連軍のみです。
要するに韓国は現在進行形で戦争中の国なのです。


戦争中の国である以上、ある程度言論に規制がかかるのは仕方が無いことなのですが、それは本来あくまで対北朝鮮を想定したもののはずです。
そして、産経新聞というのは冷戦構造の経緯などから、日本において最も北朝鮮から遠いメディアです、挙句朝日新聞は、以前NHK番組改編問題を少し取り上げた時に書いたように、今でも北朝鮮やその傘下の朝鮮総連と密接な関係にあり、日本において最も「北朝鮮に近い」新聞社です。


にも拘らず、韓国政府は北朝鮮から最も「遠い」産経新聞を敵視し今回のような事件を起こしたうえに、北朝鮮に最も近い朝日新聞に対しては非常に融和的で、日本政府に対して朝日批判を止めるよう公言する有様です。
こういった意味でも、現在の韓国は暴走しているわけです。



ちなみに余談になりますが、今回の件「まさか自分は関係ないだろう」とは考えないほうが良いです。
情報の利用の仕方などそれこそいくらでもあります、場合によっては脅迫だって可能です。LINEの情報を収集しているとされている韓国の国家情報院は、過去KCIAと呼ばれた組織なのですが、そこが過去どんな事をしてきた組織なのか、調べてみると良いでしょう。