さて、本日は今年に入り更に先鋭化してきた韓国の民族主義について書いていきます。
初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。
ブロマガ『日韓問題（初心者向け）』を始めた理由
注意
・このブロマガは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています
・当ブロマガのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです
・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう
・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
現在韓国の一部自治体で、自治体が使う日本製品に「戦犯企業が生産した製品」というステッカーを貼るという法案が提出され、日本でも話題になっているが、これは去年から続く３・１独立運動に起因する民族主義の高まりと非常に密接な関係にある。
元々韓国では子供への民族主義教育が活発ではあったが、文在寅政権になりその流れが更に加速、政権の支持率のために文政権は民族主義を積極的に利用しており、その中でも特に子供が利用される場合が多い。
また、この文政権の活動は実際には『歴史問題』や『過去』とは殆ど関係がなく、単に民族主義を煽る事で政権の基盤固めを行い、また便宜上の保守（国粋）系を親日認定する事で政敵を追い落とす等便利に使われている。
※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブやウェブ魚拓（別サイト）へのリンクです。
１：過激化する民族主義
まずはこちらの記事から
「日本の戦犯企業の製品です」ステッカー義務づけ条例案 韓国
NHK 2019年3月20日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190320/k10011855331000.html
韓国の首都ソウル近郊のキョンギ（京畿）道の議会で、300社近い日本企業が作った小中学校や高校の備品の一部に「日本の戦犯企業が生産した製品です」と書かれたステッカーの添付を義務づける条例案が超党派の議員によって提出されました。条例案は来週上程されて審議が行われる予定ですが、「排他的な民族主義だ」という批判も出ています。
この条例案は、定数およそ140のキョンギ道議会に超党派の議員27人が今月15日付けで提出しました。
条例案では、道内にある小中学校と高校およそ4700校の備品のうち、かつて植民地支配に関わったとする300社近い日本企業の20万ウォン（およそ２万円）を超える製品に、ステッカーの添付を義務づけるとしています。
デザインが公開されたステッカーは縦横８センチで「これは日本の戦犯企業が生産した製品です。キョンギ道教育庁」などと書かれています。
条例案は来週29日に上程され審議が行われる予定で、提出した議員の１人は韓国メディアの取材に、「わが民族を搾取しても謝罪がない戦犯企業を教育しようという趣旨だ」と話しています。
しかし専門家や地元の関係者からは「否定的なレッテルを貼るやり方は間違っている」「排他的な民族主義だ」といった批判も出ています。
関連記事
韓国「戦犯企業製品と明記を」 共同通信 2019/3/20
この件、日本でもそこそこニュースになっているので知っている人も多いですが、もともとは去年韓国で「戦犯企業の製品を排除しよう」という活動があり、それが「WTOに違反行為として通報されるおそれがあるのではないか」と問題化、紆余曲折の末に上記のような法案となったという背景があります。
なので最近始まった動きというわけでは無いのですが、以前から書いているように、彼らの「戦犯」の定義ならば東レも当てはまるはず※にも関わらず、韓国に大規模工場を持つ東レは一切話題にされていなかったりと、彼らの歴史観がいかに杜撰かがよくわかる事例です。
※東レはかつて東洋レーヨンという社名であり、戦時中は軍にナイロン被覆電線を納入するなどしていました。
本田総一郎氏が戦中所有していた東海精機重工業が軍に部品を納入していたという理由で戦犯企業認定を受けているホンダと違い、なぜか東レは韓国で戦犯企業認定を受けていません。
レーヨンで生まれ、ナイロンで育った東レ
永安直人
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fiber/63/5/63_5_P_131/_pdf
（一部抜粋）
3．ナイロンの研究・開発その最中の昭和 13 年カローザスがナイロン 66 を発明し、duPont社が事業化を発表すると、東レはナイロンの研究を開始し、昭和 13 年に三井物産経由で入手したサンプルと特許公報を分析、追試して翌 14 年にナイロン 66 の重合・製糸に成功すると共に、独 IGファルベンに続き、昭和 16年カローザスが重合しないとしていたε－カプロラクタムからナイロン 6 を重合・製糸し、昭和 17年には独自技術でナイロン 6・テグス“アミラン”を発売するに至った。この研究開発力こそが現在の東レを作り上げた原動力であったと考えている。その後、昭和 17 年中間工業化設備を完成するが、戦時下での原材料、資金の調達難の中、海軍より電線被覆材としてナイロン 6 樹脂生産の示達を受け、8tの納入をする中で敗戦を迎えることになった。
そのうえで、日本のメディアが殆ど伝えていない韓国内の事情が存在します。
実際問題、こうした韓国内の動きは文在寅政権や与党が扇動しており、その中心にいるのは以前も記事や動画にした事のある「親日派財産没収法」のリスト作成に深く関わっている全国教職員労働組合（全教組）です。
校内の日本製品に「戦犯ステッカー」貼付義務付け、京畿道議会が条例案 朝鮮日報 2019/03/20 （1/3ページ） （2/3ページ） （3/3ページ）
関連記事
韓国の親日派財産没収法のとんでもなさとその背景
動画
youtube版
https://youtu.be/2gguS09EY64
ここは韓国の典型的な「親北朝鮮」の組織であり、他にも小中高校と大学の校歌に対して、「親日派の作った歌だ」とレッテル貼りをする活動を続けており、この活動は学生達から広く支持されています。
【寄稿】校歌は校歌、「親日校歌」などない 朝鮮日報 2019/03/16
全教組ソウル支部「学校内の親日残滓を清算しよう」提案 ハンギョレ新聞 2019-02-15
こうして現在の韓国では、現政権の支持母体となっている団体が主導して、民族主義的な活動が活発になってきており、それを文大統領が今年の今月1日に行った演説が後押しして過激化しているのが現状です。
文大統領 「親日」に言及しながら独立有功者たたえる 聨合ニュース 2019.03.04
つまり政府主導の扇動で、現在の韓国は民族主義が過激化し、その過激化の背景には韓国の教育機関が深く関わっているという事です。
この事から、韓国では若い世代ほど過激な民族主義の影響をうけているということになります。
日本のメディアでは伝えられていないこうした背景がこの件にはあるわけです。
２：韓国内の政争
また他にも日本のメディアが伝えない背景がこの件には存在しています。
日本のメディアの報道では、単に問題があるから批判している人がいるように伝えられていますが、実態は状況が大きく違います。
この件、以前も書きましたが韓国内の政争と密接な関係があり、文政権やその支持団体は「これまでの韓国の否定」つまり韓国でかつて主流だった保守系の完全排除を目的としてこの活動を行っており、文大統領の演説でも、「保守系は親日派の子孫だ」とあからさまな扇動を行っていました。
「文大統領の三一節演説はイデオロギー対立を煽る官製民族主義」 朝鮮日報 2019/03/18
【時視各角】韓国を代表する政治学者の「官製民族主義」警告 中央日報 2019年03月18日
結果、親日=悪と教育されている韓国で社会的に『殺される』可能性が出てきた保守系が反発し、文政権の行っている「親日狩り」を批判しているというわけです。
また、実際問題韓国において日本を口実にした民族主義の扇動自体は別に文政権に始まった事ではなく、そもそも韓国における「正しい歴史」からして、元々朴槿恵元大統領の父親である朴正煕元大統領が、安定した統治の一環として創作した代物です。
つまり、かつて便利に使われた韓国の反日民族主義が今になって韓国の保守系にブーメランとなって返ってきたわけです。
そして更に興味深いのは、こうした背景からもともと反日民族主義を利用した扇動は保守系が行ってきたという事情があり、その犠牲者の弁護をかつて弁護士だった親北左派系の文在寅氏が行っていた事です。
韓国野党議員「文大統領、過去に親日派遺族の訴訟担当し勝訴」 中央日報 2019年03月15日
韓国政界に「時ならぬ親日」攻防 朝鮮日報 2019/03/16
その後親北左派系が政権を取ると彼らも同じ手法で「人気取り（親日派財産没収法）」をした結果、「文大統領の親日議論」というおかしなことになったわけです。
結局のところ、問題の本質は韓国がその時の政治の都合で歴史を好き勝手に改竄して「色分け」をした結果様々な矛盾が発生し、その矛盾を無視し続けたツケが今になって押し寄せてきているだけなのですが、実際問題この問題を追及していくと双方にとって都合の悪い事実が山のように出てくるでしょう。
ただしそれで彼らが反省する事は無いです。
慰安婦問題や竹島問題などを観察しているとわかりますが、彼らは矛盾が起きると更なる追加設定を行い矛盾を矛盾で覆い隠す傾向にあります。
そして過去との整合性のない歴史を子供達に教え、その子供達は前の世代より更に先鋭化した民族主義者になっていく、2000年代以降の韓国はこの繰り返しです。
なので若い世代ほど歴史問題には頑なです、矛盾を指摘されると自分の信じていたものが何もかも崩れ去ってしまうので、客観的事実を直視できないわけです。
日本ではこうした韓国の実態が伝えられる事はほとんどありませんが、最初の戦犯ステッカー問題にしても結局のところは、今回書いたように日本が場当たり的な政争の口実に利用されているだけなのです。
いわゆる「歴史問題」と呼ばれるものは、蓋を開けてみればこんな状態というわけです。
もっと書けば、韓国は「伝統的な政争」を行っているだけであり、本当の意味で「過去」に拘っているわけではないとも表現できます。
韓国で若い世代を中心に年々先鋭化していく「民族主義」も、過去が原因ではなく現在が原因というわけです。
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