日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

「韓国人の気持ち」がわかる人?


さて、本日は時々日本で「韓国人の気持ちを考えろ」といった事を言い出す人がいますが、本当にその人達は「韓国人の気持ちを理解しているのか」について書いて行きます。

初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由

注意
・このブロマガは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブロマガのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください


日韓問題でよく見かける言葉として、韓国に対する批判に対し「そうは言うが韓国人の気持ちになって考えてみるべきだ」と答える人がいるが、実際のところそういった人は単に日本人の価値観を規準にして「そう思い込んでいる」だけに過ぎない場合が多い。


例えば最近韓国では「日本製品の不買」や「戦犯企業への糾弾」が流行っているが、厳密に調べてみると彼らは彼らの主張する定義に当てはまる企業を叩いているのではなく、「叩いてもよさそうな相手」を叩いているだけで、本気で「戦犯企業」を糾弾しているわけではない事が解る。

この事から、彼らが実際に「過去を糾弾しているわけではない」と解るが、これがどういう事かといえば、彼らは「歴史問題」を語っているのではなく「今の感情」を語っているだけであり、この事を理解して「韓国人の気持ち」を語る日本人は殆どいない。


※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。



1:「韓国人の気持ちを考えろ」という意見


まずはこちらの記事から

「文大統領の気持ちはわかる」橋下氏、日本国内の"韓国批判"の論調に苦言
Abema TIMS 2019.02.03
https://abematimes.com/posts/5653170

 韓国海軍艦艇による自衛隊機へのレーダー照射問題に端を発する日本国内での"韓国批判"の論調について、橋下氏が苦言を呈した。


 31日放送のAbemaTV『NewsBAR橋下』に出演した千原せいじが、まず「他の番組で、"韓国との付き合い、やめてもいいんちゃう?"と言った。そしたらネットで盛り上がったみたいで、俺の仕事に興味がない奥さんが、珍しく"そんなコト、言わんほうがええんちゃう?"と言ってきた。でも、みんな勘違いしていて、相手が韓国だから言っていると思っている。俺の考え方は、銃口を向けるということは、どんな国でもやったらアカンことやろと」と違和感を口にすると、橋下氏も同意。「中国とも同じような話があったが、今回の韓国に対してのようには盛り上がっていなかったと思う。つまり、中国は非常に強いジャイアンで、韓国の方はのび太のように日本全体が思っているのではないかとう感覚がある。これはちょっと違うと思う。言うんだったら両方に言わないと行けない」と指摘した。

 さらに「僕に対して"韓国を擁護するのか"、という批判があるけれど、僕が韓国人の政治家だったとしたら、文大統領と同じことしていると思う。もし日本がまだ民主主義ではなかった時代に、貴族階級が勝手に契約を結んで植民地にされた、という歴史があったら、絶対に認めたくないと思う。日本側は合法的に日韓併合条約を結んだと言うけれども、韓国の国民としては選挙で選んでない、一部の階級が日本と契約をしたということだから。それが1919年の3.1独立運動になり、政府ができ、という感覚だと思う。日本だって、1945年に4か国に分割されそうになった。もしそうなっていたら、僕はまず統一することに命をかけると思う。世界がどう言おうが、同じ民族として一緒になろうとすると思う。"戦後レジームからの脱却だ"と安倍さんも言うけれど、それだって文大統領と言っていることと同じだと思う。逆の立場だったら、徹底して強気で行くと思う。その上で、"それはわかる。だけどな"、というのが僕の立場。そういう思いをわかった上で、"俺たちのおじいちゃんよりも上の世代の時の話だから、もう次の世代に引きずるのはやめようよ"、という話をするべきだと思う。最初から"植民地は合法だった!何を言ってんねん!"みたいに日本が言うのは違うと思う」と訴えた。


上記では、AbemaTVにおいて橋下氏が「韓国との付き合い、やめてもいいんちゃう?」と発言した千原せいじ氏に対して、「植民地にされた韓国人の気持ちを考えるべきだ」といった反論をしています。


この「韓国人の気持ちを考えるべき」というフレーズ、実際のところ韓国への批判に対してよく使われる言葉で、特に一方的に韓国側に落ち度がある場合や、韓国側の主張に矛盾や間違いが指摘された場合によく見かけます。


そしてこれなのですが、まず根本的な問題として「批判や反論に感情論で答えているだけ」であって、実際には批判や反論の答えになっていません。


この事例の場合にも、元々この話は一連のレーダー照射問題における矛盾だらけの韓国側の主張や、徴用工裁判における韓国側の条約違反に対して出てきた言葉ですが、それに対して「植民地化された人の気持ちも考えろ」は、一見すると反論のように見えますが、実際にはただ問題から論点をすり替えているだけです。


彼らの気持ちがどうであろうと、ルール違反をしている事実や明らかに矛盾する主張を繰り返した挙句、問題の論点をすり替えた事実は「変わらない」からです。


そしてこうした主張は日韓問題では頻繁に見られ、実際私も例えば慰安婦問題における「慰安婦の定義の問題」や、「強制連行されてきたという話はどうなったか」という問題提起に対して、何度もこのフレーズを見た事があります。


参考動画


youtube
https://youtu.be/095qK7m6P0Y

参考記事
盧武鉉大統領への文書…民団中央が提出 民団新聞 2006.4.26


この言葉は要するに、問題の論点をすり替え本質からはずれ、本来の問題提起を誤魔化そうとする意図しかないという事になります。


そしてこの件の問題はそれだけではなく、本題は他にあります。


2:『歴史』を語っているわけではない


この問題の本質とは、「そもそも韓国人は歴史問題を語っているわけではない」という事です。


「いくらなんでもそんなバカな」と考える人もいるでしょうが、実際彼らの言動を見ているとそうとしか解釈できない事例が多数あるのです。
例えば以下の事例


日本戦犯企業からの製品購入 条例化で制限へ=韓国・ソウル市議会 聨合ニュース 2019.01.29



現在韓国のソウル市では、「戦犯企業からの製品購入を制限しよう」という法案が通ろうとしているのですが、この問題に関して批判的なのは「問題が他のことに飛び火しかねない」と恐れている財閥と、財閥の意向を強く受けた中央日報くらいです。


韓経:ソウル市条例案「日本企業製品買うな」 その理由が「戦争準備のための軍備拡張に…」 中央日報 2019年02月06日



もしこの活動が広がった場合、日本企業からの基礎部品や素材、工作機械を輸入して製品を作っているサムスンなどの大手財閥は大打撃をうけるため、サムスン系の中央日報が大反対
しているわけですが、問題はそれよりもこの「戦犯企業」というものの定義です。


彼らは戦犯企業を「日本の戦争遂行に力を貸した企業」と定義しており、例えば以下のように


「歴史無知」「戦犯企業トヨタ間接広告」…韓国女性アイドルが涙で謝罪 朝鮮日報 2016/05/17


トヨタとホンダが「戦犯企業」と名指しされ糾弾されている記事なのですが、その理由がまさに「戦争に協力したから」であり、ホンダに至ってはかつて本田総一郎氏が自動車部品製造を行っていた東海精機重工業株式会社(後にトヨタに売却され、その資金でホンダを創業)が、戦闘機を作っていた中島飛行機の部品の製造下請けをしていたからという理由です。


これだけで「戦犯企業」と呼ばれ韓国では糾弾の対象となるので、これだけでもかなり極端なこじつけなわけですが、問題はそれだけではありません。


実は数年前に日本の「東レ」が韓国に対して1000億円規模の投資を行い新工場を設立、その功績で去年東レの社長は韓国から表彰されました。


東レ・日覚社長、韓国産業発展の功労で金塔産業勲章を受賞 中央日報 2018年11月06日


これの何がおかしいのかというと、ホンダが「戦犯企業」として糾弾されるのならば、本来東レも戦犯企業のはずだからです。


元々東レは戦前「東京レーヨン」という社名で、第二次大戦当時日本軍の戦闘機のナイロン被覆電線はこの東京レーヨンのものが使われていました。


ホンダと東海精密重工の関係よりももっと直接的に日本軍と関わっていたのですから、本来韓国で「戦犯企業」として糾弾されていないとおかしいはずなのですが、見てのようにホンダは糾弾され東レは逆に表彰されています。


もし、韓国人達が本当に「歴史問題」を糾弾しており、「戦犯企業は歴史を反省していない」と考えているのならば、なぜ東レはこのような扱いなのか、「韓国人の気持ちを考えろ」と主張する人達はこの矛盾に答える事ができるのでしょうか。


ちなみに、「東レは韓国経済に貢献したから」という主張は成り立ちません。


なぜなら、新日鉄住金や三菱は東レとは比べ物にならないくらい韓国経済に貢献しており、韓国の最大の製鋼メーカー「ポスコ」は現在の新日鉄住金の元となった企業が技術援助して成功した企業ですし、同じく韓国最大の自動車メーカーである現代は三菱自動車の技術援助を受けて大きくなった会社です。


もし、本当に韓国人達が「歴史問題」を真剣に考えているなら大きな矛盾となります。


3:「歴史問題」を語っているわけではない


今回書いたように、もし韓国人達が「日本を歴史問題で糾弾している」のならば、上記のような矛盾が発生するのはかなりおかしな話です。


また他にも、韓国では慰安婦の定義が「軍や政府の命令で軍人や官憲が組織的かつ直接的に行った奴隷狩り」としており、以下のような証言があります。

ソン・ハンジュン京畿道議会議長「ナヌムの家を人権と平和教育の場にしたい」
イーデイリー/NAVER(韓国語) 2018-09-19
https://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=100&oid=018&aid=0004206138

(一部抜粋)
同席したカン・イルチュルさんとキム・オクソンさんは、「当時、慰安所は11歳から15歳の幼い少女が連行されて殺害される死刑所だった」とし、「悲惨な歴史が繰り返されないよう、後世が誤っている点を正して欲しい」と求めた。


[モーニングスブス]「慰安婦被害「約20万人の話…中国より遅れた理由は?
SBSニュース(韓国語)  2018.08.17
https://news.sbs.co.kr/news/endPage.do?news_id=N1004893697

(一部抜粋)
リン・アイラン/「慰安婦」被害者:日本軍は攻め込むやいなや我が家を壊した。お母さんは日本軍に捕まって死んだ。手足を縛って川に投げてしまった。


あえて日本が「拉致問題」を話すのか?[記者手帳]強制徴用と「慰安婦「罪謝罪が先だ
現場メディアミンプラス(韓国語)
http://www.minplus.or.kr/news/articleView.html?idxno=5584

(一部抜粋)
日帝は高宗(コジョン)皇帝の息子、英親王と娘、徳恵公主拉致に始まりに数十年間で20万人余りを日本軍性奴隷に引っ張っていって苦痛と死を強要した。当時、日帝は深夜に農家を襲撃し女性たちを捕まえて行ったし、真昼に自動車で田畑で仕事をしたり道端にいた女性、井戸の周りで洗濯をした女性を荷物のようにのせて逃げた。


殺害予告を受けても『慰安婦絵本』の出版に唯一協力した日本の出版社
インサイト(韓国語) 2018.04.30
http://www.insight.co.kr/news/152713

(一部抜粋)
一方、日本軍慰安婦被害者の故シム・ダルヨンさんは1927年に慶北(キョンブク)漆谷(チョルゴク)で生まれ、1940年に13歳で日本軍に連行された。
姉と一緒にに山菜を採りに行って日本軍に捕まったシムさんは、台湾の慰安所に連行されて性搾取と暴行を受けた。

「証言の信憑性」はさておき、要するに日本人は朝鮮人を人間として扱わず、有無を言わさず「奴隷狩り」をしていた事となるわけですが、ここで最近の徴用工問題での証言を見てみると、明らかな矛盾が出てきます。

「強制徴用訴訟の唯一の生存者、命かけて裁判を眺めている」
2018年10月30日11時33分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
https://japanese.joins.com/article/590/246590.html

(一部抜粋)
イさんは日本で技術を習うことができるという言葉を聞いて17歳の年齢で報国隊に志願した。報国隊とは日帝朝鮮人労働力を搾取するために設置された組織だった。


韓国最高裁、「三菱は強制徴用被害者に慰謝料を支給せよ」
ハンギョレ新聞 2018-11-30
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/32245.html

(一部抜粋)
 ヤン氏ら女子勤労挺身隊動員の被害者たちは、国民学校卒業前後だった14~15歳の頃、校長などに騙されて、1944年5~6月から旧三菱重工業の名古屋航空機製作所工場などで飛行機部品の塗装作業やパイプに布地を縫い付けるなどの厳しい労働を強いられた。


徴用工裁判での被害者とされる人々は、「騙されて」連れて行かれたとしているわけですが、慰安婦の件では有無を言わさず強引に連れ去っていたにも関わらず、なぜこちらの件では「騙す」という回りくどい事をしているのでしょうか。


慰安婦とされる人々の証言通りならば、有無言わさず強引に連れ去っていけばいいはずですから、これも大きな矛盾です。


先ほどの東レの件も含め、なぜこんな矛盾が次々と起きるのか、「韓国人の気持ちになって考えるべき、理屈ではない」と主張する橋下氏らの考え方では決して矛盾を説明できません。
なぜかといえば、韓国人達は歴史を語っているわけでは無いからです。


以前も動画や記事で何度か言及していますが、彼らにとって最も重要なのは「今の感情」であり、この感情には「過去との整合性」が一切重視されません。
あくまで「今の段階での感情」で物事を判断します。


ですから、例えば新日鉄住金や三菱は「過去に」韓国経済に貢献したが、現在はそれほど貢献していないので、「感情的に叩きやすい」のです。
逆に東レは『現在』の韓国経済に大きく貢献しているので「叩かない」わけです。


慰安婦問題と徴用工問題での証言の違いも基本は同じです。
この2つとも韓国人がその独特の「被害者が偉い」という価値観の発露に必要なだけであって、双方の発言の整合性というものに彼らは関心を持ちません。

※被害者が偉い
序列社会の韓国において、何が正しく何が間違っているのかは多くの場合で「序列」によって決定されるが。これには例外があり、「自身が被害者である」と訴え「加害者の劣等性の指摘」を行いそれが社会に認められた場合、一気に序列を飛び越えて「序列の上位者」の地位を得る事ができる。

韓国では被害者が一番偉い


youtube
https://youtu.be/Zsx4Y2rkW7E

※蔑視ありきの自民族中心主義
韓国の自民族中心主義(エスノセントリズム)は非常に特殊であり、通常の自民族中心主義が自己の優越性の肥大化から異民族や異人種を蔑視するようになるのに対し、彼らの価値観では「他者を蔑視する事で自己の優越性を証明する」通常とは逆のプロセスになっている。

韓国人が日本人から嫌われる根本的原因


ですから、その「今現在の日本の劣等性」を確認するために利用しているのであって、歴史問題を語っているわけではないので、証言の整合性などは一切気にならないというわけです。


そのため「(歴史問題などで)韓国人の気持ちを考えるべき」という意見は、はっきり書けば見当違いであり、本来は「韓国人の”今”の気持ち」の発露、つまり今現在韓国人達が「劣等性の指摘相手を探している=自身の道徳的優位性を確認したがっている」というのが正解なのです。


これならば東レの件も慰安婦問題や徴用工問題の件にも一切矛盾が発生しません。



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