日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

日本海呼称問題と竹島問題と日韓漁業協定問題の共通した根っこ


さて、本日はタイトルにある3つの問題に関連し、この3つ問題に対し韓国側が持つ共通した考え方について書いていきます。


韓国ではしばしば日本海呼称問題と竹島問題がセットで語られることがあるが、これには韓国人の多くが持つ共通した問題意識が根底にあり、「日本海という名称を使っているから日本は東海を日本の海と思い込み、独島(竹島)を自分達の領土だと言っているのだ」という奇妙な理屈が背景にある。


これは要するに、裏を返せば韓国人の多くが「日本海という名称を東海に変えれば、その全域が自分達の海になる」と想定している事になり、これが度重なる韓国漁船による日本側EEZ内での違法操業問題の原因の一つになっている。


こうした彼らの考え方の背景には、以前から書いている「元々日本は自分達が作ったのだ、過去には日本を支配していたのだ」という考え方や、地位が高い人間は他者に何でも要求できるという考え方や、主導的立場になれば相手に何をしても良いという独特の考え方が関係している。


※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:日本海竹島漁業協定問題



まずはこちらの記事から

「東海と独島分離して考えることはできない」
米州中央日報(韓国語) 2016/12/05
http://www.koreadaily.com/news/read.asp?art_id=4824842

北東アジア歴史財団国際表記大使
韓国の歴史・文化講演会で明らかに
「東海(トンヘ)を守れば最終的に独島(トクド)も一緒に守る事ができます。」

ワシントン地区で韓人(コリアン)連合会(会長=イム・ソジョン)と駐米大使館が次世代のアイデンティティー確立の為に共同で開催した韓国歴史・文化講演会で、イ・ウィサン(劉義相=写真)東北ア(北東アジア)歴史財団国際表記名称大使が述べた言葉である。

去る3日、アナンデールのウエストミンスター学校で行われた講演で、ユ大使は東海併記の重要性を力説して、日本の独島領有権に対する根拠を項目別に反論した。

彼は、「東海併記法案は独島を守る核心である。我々に独島は防御しないといけない境遇」としながら、「我々がもっと攻撃的な態度に乗り出して努力しなければならない」と述べた。ユ大使は、「日本のいかなる歴史資料を見ても独島は韓国の領土と表示されている」とし、「特に最近になって東海を一緒に書くwebサイトや多くの団体が増えている事が非常に鼓舞的だ」と付け加えた。

Gerry Krzic(オハイオ大学)平和奉仕団ディレクターは現代史の講演で、「韓国は戦後廃墟になった経済状況でも“漢江の奇跡”を成し遂げるほど底力がある国で、歌手のサイや少女時代を養成して輩出した文化強国だ」としながら、「次世代の韓人として誇りに思って良い」とし、韓人2世に韓国に対する自負心を植え付けた。

行事を主催したイム・ソジョン会長は、「1世に比べて2世は独島と東海関連のテーマに関心が少ない。アイデンティティーに対して悩みを持つ2世に韓国の歴史・文化講演会が大きく役立って欲しい」と述べた。

キム・ドンギ総領事も、「今回の機会を通じて韓国の歴史に対するより深い理解と、次世代の韓人としての自負心を持つように願う」と付け加えた。

関連記事
韓国、東海表記・独島領有権の海外広報を強化 中央日報 2015年06月04日http://japanese.joins.com/article/385/201385.html


(※3)2016年12月8日19:55丁度「わかり易い」記事が来ていたので追記

「独島守ろうとするなら米教科書東海表記正すのがまず」ホンイルソング米バージニア州前韓人会
独島新聞(韓国語) 2016.12.07
http://www.dokdotimes.com/news/articleView.html?idxno=17615

「独島(ドクト、日本名:竹島)を守るには東海は取り返さなければなりません。(米国で)日本の人々に独島はなぜ日本領土なのか訊ねると‘独島が日本海にあるから’と答えます。


この記事なのですが、まず彼らは以前から書いているように根拠の概念を重視しない価値観を有しているので、日本側がどんな根拠を持っているのかに一切関心が無く、だからこそ引用記事のような主張になっています。


そのため、日本人で韓国側の主張と日本側の主張双方を客観的に読み比べた経験のある人ならば、韓国側のこの自身満々っぷりが非常に奇妙にみえるのですが、そうした事情をあまり知らない人でも「なんで?」と奇妙に感じる部分がある事に気付くでしょう。


「東海併記法案は独島を守る核心である」の部分です。


本文でこの2つにどう関連があるのかに言及されていませんし、その後はいきなり経済発展の話に飛んだりK-POPの話に飛んだりしているので余計に意味が解らないのではないでしょうか。


どうしてそうなっているのかなのですが、これには韓国人にしかわからない理由があり、彼らの中では「日本が朝鮮半島を侵略する過程で、韓国(朝鮮)の海を日本の海(日本海)に変えてしまい、そうして独島(竹島)を奪った」というストーリーが存在しているからです。


要するに日本海呼称問題とは、韓国人の中で「日本に奪われた」事になっている「韓国の海を取り戻す運動」という考え方が根元にあり、だから同じく「日本に奪われた事」になっている竹島問題とセットなのです。


参照記事
突っ込みどころだらけの日本海呼称問題


一応、韓国人の中にも「海の名前が変われば自分達のものになるという理屈はおかしい」と考える人はいるにはいますが、そういった人は超少数派であり、また根拠の概念が希薄な韓国社会では、こうした「異なる意見」が一切許容されません。


【社説】自分と違う意見を力で踏みにじる人たち 朝鮮日報 2016/12/05


要するに、根拠の提示によって決着がつかないので「それ以外の手段」で排除されるわけです。


また、韓国ではこのような背景から過去には「公海に特定の国の名前をつけるのはおかしい」との理由で日本海の名称にクレームを入れていたのですが、それと同時に「名称を韓国海にしよう」という意見も頻繁に見られます。


東海を「韓国海」に、文化財庁庁長が主張 聨合ニュース 2007/05/06


これは要するに、元々「自分達の海だ」という考え方が強いからであり、流石に韓国政府は国際社会に向けて過去の発言との整合性を無視した主張はできないので、公的にはあまりこうした主張はしませんが、この「韓国海」という名称は韓国内で根強い支持があります。


そしてこのような背景から、韓国では「自分達の海で魚を獲って何が悪い」とする考えが強く、「独島も東海も日本に奪われたのだから取り返さなければ」という意識が強くあるので、頻繁に日本側EEZでの密漁を行い、またそうした行為を韓国の海洋警察が「手助け」したりするわけです。



韓国漁船を日本当局が拿捕 漁獲量過少申告の疑い 朝鮮日報 2015/04/26
韓国漁船2隻、日本側EEZで違法操業…相次ぎ拿捕 中央日報 2016年11月29日
韓国密漁わがもの顔!日本海のズワイガニ危ない! J-CAST 2011/1/27


関連記事
非常に「韓国的」な主観的思考


重要なのは、韓国では法というものは「自分達のその時の感情」よりも優越するものではないという事です。


これがあるので、国際法がどうのとか、排他的経済水域がどうのとか、そういったことは彼らには関係が無いのです、彼らにとって重要なのは「日本の植民地支配で奪われたものを取り戻す」という感情なのです。


2:独特の序列文化からくる考え方


上記のように、彼らはその独特の価値観によって日本海呼称問題や竹島問題、また日韓の漁業協定問題を解釈しているわけですが、それ以外にももう一つ彼らの考え方に影響を与えているものがあります。


それは、韓国社会は「どちらが上か下か」を最も重要視する序列社会であり、また「責任は負うものではなく負わせるもの」という考え方を背景とした「要求文化」とも呼べる考え方です。


どういう事かといえば、韓国では序列の高い人間はどうやって序列が高い事を周囲に知らしめるかといえば、最も典型的な手段は「他者に自分の要求を通させる事」であったり、「地位を利用して主導的立場をとる事」などです。


いわゆる一連の崔順実問題などでも、渦中の人物である崔順実や朴大統領およびその側近達は、自身の地位や立場を利用して「要求を強引に通させる」という事を行っていましたし、韓国の歴代大統領とその身内の汚職問題も本質は全く同じ構図です。
(崔順実問題は特殊な事例ではなく、韓国社会の縮図なのです)


そしてこれは、裏を返せば自分達の要求を通せたり、或いは主導的立場を得ることが出来れば、それは韓国において「=自分の地位が高い事の証明になる=下位の相手には何をしても良い」という事でもあります。
だから韓国ではとにかく誰もが他者に対して頻繁に「要求」を行います。


また、韓国のことをよく観察しているとわかるのですが、韓国が他国や国際社会から批判されたとき、またそうでなくとも韓国的価値観で「劣等性の指摘」と解釈される行為をされた場合も、彼らは弁明よりも他者への劣等性の指摘と同時に相手へ「こうするべきだ、こう考えるべきだ」と要求をしている場合が多いです。


こうした価値観から、韓国では「国際的に責任のある立場」に韓国人が就任すると、「責任ある立場」とは考えず、「他者に何でも要求できる立場になった」と考える傾向にあり、潘基文氏が国連事務総長に就任したときには「韓国人が世界大統領になれた」と賞賛していました。


また、最近も国際海事機関事務局長選挙に関連して、韓国が林基沢氏を擁立し「海の国連総長に韓国人を就任させる」とアピールを行っていました。


韓国政府、「海の国連総長」目指して外交戦 朝鮮日報 2015/06/11



これも要するに、「身内への利益誘導が当たり前」の韓国的習慣と同時に、「地位のある立場に就ければ自分達の要求を通し易くなる」という考え方が働いているからであり、記事でも「海運・造船に絶対的影響力」と書いています。
地位には責任が伴うという発想が無いのです。


似たような事例として、韓国ではFTA自由貿易協定)の締結国のことを「経済領土」と呼んでいます。
これも根本は同じで、彼らの中では「韓国が主導して締結したのだから、相手は韓国の望みを受け入れるはずだ」という考え方が働いているのです。


【社説】韓国にとってTPP抜きの経済・安保戦略とは何なのか 朝鮮日報 2015/10/07 (1/2ページ) (2/2ページ


(※1)
経済領土73%vs17%…韓国、日本に先んじているが 毎日経済(韓国語)  2014-12-31


こうした考え方は今回のテーマである日本海呼称問題、竹島問題、漁業協定問題などでも同じです。


要するに、日本海を東海という名称に変えることができれば、それでその海域が「自分達の海」となると同時に、主導的立場を得られて「韓国の方が日本より立場が上になり、日本に様々な要求が出来るようになる」と考えているのです。


最初のほうでも書いたように、韓国社会では根拠の概念が希薄であるので、こうした問題で「日本側が何を問題とし、また何を根拠に韓国側を批判しているのか」に殆ど興味がありません。


その代わりに彼らは彼ら独特の価値観によって問題を解釈しているので、最初の記事のように日本海呼称問題と竹島問題がセットになっていたり、度重なる日本側EEZで違法操業問題などを、日本側が問題だと考えていたりするわけです。


問題の根っこは全てこの「独特の序列に基く価値観」からくる現象に集約されるといって良いでしょう。


3:問題の足を引っ張る人々


今回書いたように、日本と韓国ではその価値観の違いから問題に対する意識や考え方もまるで異なっており、特に今回のテーマである日本海呼称問題・竹島問題・漁業協定問題では、韓国側の考え方は日本人の常識で考えていたら発想すら出てこないでしょう。


そして本文でも書いているように、彼らは根拠の概念を重視しない社会であるので、日本側がどんな主張をしているのか、どんな根拠に基いているのか、そういったことにほぼ無頓着であり、根本的に関心すらありません。
なぜなら「自分達は常に正しい」からです。


ただ、だからといってそれで済ませることが出来るわけもなく、国際社会に向けて韓国が頻繁にアピール活動を行っている以上、日本側も韓国と国際社会双方に「自分達はこのような考え方なのだ」と主張していかないといけません。


韓国政府、「究極的には東海の単独表記が目標」 聨合ニュース 2011/08/12
韓国に対する正しい認識促す 市民団体16年で462件 朝鮮日報 2015/02/18


要するに、たとえあまり意味が無くとも、意思表示として「こちらがどんな考えを持っているのか」を韓国の世間一般にも日本側は伝えないといけないのですが、ここでも韓国人達から「良心的日本人(例1 例2)」と呼ばれている、私が便宜上「日韓友好論者」と定義している人々が問題になります。


彼らは往々にして韓国側の言い分を何でも安易に受け入れてしまううえに、度々「韓国人にとって都合のいい日本像」を韓国人に伝えミスリードを行い日韓関係を無駄に悪化させます。


それは今回テーマにした事例でも行われており、2007年に朝日新聞の記者が韓国大手紙に寄稿し「日本が衰退した事で右傾化が進み、逆に発展著しい韓国に嫉妬していた、だから日本海呼称や竹島領有に拘るのだ」とミスリードを行っているのです。


(※2)
[weekly chosun]麗水万博、潘基文 … 日本は韓国の成功に嫉妬  weekly chosun/朝鮮日報(韓国語) 2007.11.30 


当たり前のことですが、問題は根本的に韓国側の主張に根拠が無く根本部分が間違っているうえに、その動機は今回書いたように現在の国際法解釈から逸脱した、韓国独特の序列意識から来るものであり、到底日本には受け入れがたいものであるからです。


にもかかわらず、朝日の記者は韓国人に対してこんなデタラメを吹聴し、本来「韓国的価値観は韓国でしか通用しないのだ」と釘を刺さないといけないところを、逆に日本の劣等性を指摘することで韓国人の「蔑視ありきの自民族中心主義」を刺激しているのです。


そして、以前から書いているように韓国は年々民族主義が先鋭化しており、また若い世代ほどこの蔑視ありきの自民族中心主義教育の影響が強い事から、日本側がこうしたミスリードを行うと無条件に「信じ切ってしまう」傾向が強いのです。


要するに、元々価値観の違いから同じ問題でも認識がまるで異なるところへ、日韓友好論者が余計なことをすることで更に問題を悪化させ解決不能にしているという背景もあるわけです。
これではどうにもなりません。


だからこそ日韓友好論者は最も批判されるべき人々なのです。



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(※1)
経済領土73%vs17%…韓国、日本に先んじているが
毎日経済(韓国語)  2014-12-31
http://vip.mk.co.kr/news/view/21/20/1237112.html

韓・中自由貿易協定(FTA)発効で韓国の経済領土は国内総生産(GDP)基準で全世界の73%に拡大した。経済領土が17.1%に過ぎない日本に比べてまだ先んじている。しかし、日本は環太平洋経済パートナー協定(TPP)を通じて反撃を狙っており、この順位はいつひっくり返されるか分からない。

韓国は去る2004年、韓・チリFTAを始まりに米国、EU、ヨーロッパ自由貿易聨合(EFTA)、東南アジア国家聨合(ASEAN)、インド、シンガポール、トルコ、ペルーなどと合計9つのFTAを締結・発効した。現在、我が国とFTAが発効中の国家は合計46カ国だ。世界的にも自由貿易に最も積極的な国家の一つだ。経済領土規模でチリとペルーに続き世界3位に上がっている。国内総生産(GDP)に占める輸出比率が54%(2013年基準)である輸出中心国家の性格上避けられない選択だ。

しかし、日本はこれまで自由貿易に相対的に消極的な態度を見せてきた。日本は国家GDPに占める内需比率が70.4%(2013年基準)で絶対的だ。トヨタソニーパナソニックなど代表的な製造業はすでに海外現地生産体制を構築しているから自由貿易を通じた輸出増大効果もあまり期待できない。その結果、日本のFTAまたは経済パートナー協定(EPA)等を通して確保した経済領土は全世界GDPの17.1%に過ぎない。

これまで、このように大きな差を見せた韓国・日本両国のFTAに対する認識は日本政府が2012年TPP加入を宣言して変わった。日本が2013年、本交渉に入ることによってTPPは事実上、米日間の自由貿易協定同様になってしまった。米国の自動車、牛肉、豚肉など米・日間の核心品目開放可否と幅をめぐる見解の相違でまだ最終妥結していないが、日本のTPP加入交渉は大詰めに達している。加入に成功すれば経済領土で韓国の後をぴたっと追いかけてくることになる。

TPPは米国と日本、ニュージーランドシンガポール、チリ、ブルネイ、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシア、メキシコ、カナダなど12カ国が参加する高い開放水準の多者間FTAだ。これら12カ国のGDPを合わせれば全世界GDPの37%に達する。貿易比率は全世界の25%水準だ。

韓国も一歩遅れてTPP参加に積極的な姿勢に変わった。ハン・ドクス韓国貿易協会会長は「12カ国TPP交渉参加国の貿易規模は9兆ドルを越えるが、このうち我が国の部品など中間材需要が2兆ドルを越える」と話した。

しかし、多者間貿易協定のTPPに参加するためには複雑な過程を経なければならない。先に12の既存会員国と‘予備両者協議’を持って韓国の参加に対する各国の意見を聞いた後、公式的な‘参加宣言’をしなければならない。その後、また既存参加国と‘公式両者協議’を通じて参加条件に対する交渉を行い、すべての国家から韓国の参加の承認を得なければならない。

(※2)
[weekly chosun]麗水万博、潘基文 … 日本は韓国の成功に嫉妬
weekly chosun/朝鮮日報(韓国語) 2007.11.30
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2007/11/30/2007113001013.html

(一部抜粋)
これには、麗水万博テーマが「海洋」であることも影響を及ぼしたようだ。「万博で日本海(東海の日本式表現)を『東海』と呼んで、竹島(独島の日本式表現)の領有権を主張する展示が続いたらどうするか?」 日本政府の中には、そう心配する声もあったようだ。しかし独島の領有権問題は戦後ずっと続いている問題であり、両国は1998年10月に過去を総括して未来志向を明示した「韓日共同宣言」を出している。
(中略)
このような背景には、日本政界の右傾化が考慮されなければならない。福田政権発足でこうした傾向に歯止めがかかったとは思うが、今の政界には「過去の戦争責任に対していつまでも謝罪する必要は無い」と叫ぶ人相当増えている。政治家の発言を無視できないのは日本も韓国も同じだろう。

より深刻なのは、官僚たちにこの空気がかなり伝染しているということだ。前述した外務省高官らの対話もそうだし、2006年4月に独島周辺での日本の測量調査をめぐって韓日関係が緊張したときもそうだった。当時、首相官邸記者団に属していた私の周りには、「韓国側が日本の測量船を沈没させるのではないか」という情報もあった。そうした中、日本政府高官から信じられない言葉を聞いた。「沈没させるつもりなら沈没させたほうが良い。全世界が韓国の間違った行為を知ることになるから良いではないか。」

日本は1990年代のバブル崩壊で、世界での地位が低下した。日本国内には、「我々もヨーロッパのオランダやポルトガルのように落日を受け入れて(国運が傾いたという意味)、それに相応しい生活を楽しめば良いではないか」という声もある。しかし多数の世論は、「もう一度過去の勢力を取り戻そう」という声を支持しているように見える。

もちろん「過去の勢力」というのは、盧武鉉大統領が心配する「大日本帝国時代」のものではない。日本人は、1970年代に経験した高度成長時代の再現を望んでいるのだ。日本人たちは「老後に年金がきちんと支払われるか」という漠然たる不安感を抱いている。不安を解消するために再び朝鮮半島を占領するつもりは全然ないが、引き続きアジアの最大経済大国でありたいという考えも持っている。そうした不安感が、隣で着実な経済成長を続ける韓国・中国への嫉妬に変化しているのだと思う。
(中略)
牧野義弘| 1965年愛知(愛知)県生まれ。 早稲田大学(早稻田)大法学部卒業。 1991年朝日新聞入社、1995年に政治部、1999年9月〜2000年9月、延世大留学、2007年1月からソウル特派員。


(※3)
「独島守ろうとするなら米教科書東海表記正すのがまず」ホンイルソング米バージニア州前韓人会
独島新聞(韓国語) 2016.12.07
http://www.dokdotimes.com/news/articleView.html?idxno=17615

「独島(ドクト、日本名:竹島)を守るには東海は取り返さなければなりません。(米国で)日本の人々に独島はなぜ日本領土なのか訊ねると‘独島が日本海にあるから’と答えます。単純ですが明らかです。反面、私たちは独島が私たちの土地せあることを証明するために歴史を遡らなければなりません。複雑です。米国の人々の立場で見れば私たちの説得力が弱く見える余地があります。それで東海をどのように表記するかが大変重要です。」

ホン・イルソン(53)米国バージニア州元韓人会長の話は明瞭だ。‘東海’表記されなければならない理由を明快に説明した。6日、ソウル汝矣島(ヨイド)でホン元会長に会った。中学を終えて両親について米国に渡った彼は米国で市民運動に出ることになった経緯を物静かに説明した。

(中略)
-独島など歴史問題に関心を持つようになった契機は。

-米国教科書の表記を変えるのは容易ではなかったようだ。
「国際水路機構(IHO)と接触して東海表記のために努力した。しかし、表記変更には国家の立場を変えることが核心だった。米国の立場は変わらない。韓国と日本両国が合意した内容により単独表記にするということだ。
反面IHOは紛争地域に表記問題が生ずれば、二国の表記を併記してもかまわないという立場だ。それで私たちは米国公立教科書に東海と日本海を併記することをスタート地点にした。韓国人社会の草の根運動がここから始まった。米国政府に対する公式要求よりは州議会や連邦議会などを対象にした世論戦を広げ始めた。初めは議員一人一人にファックスを送り、私たちの見解に賛同する議員が増えて弾力がつき始めた。

-進行過程をもう少し説明して欲しい。
「独島問題ではっきりしないバージニア州議員らを直接説得した。同胞社会の青年たちと一緒に議員を一人一人訪ねて東海と日本海併記を説得した。4年間の努力のすえ、東海併記がバージニア州議会で通過した。州知事の承認を得ることも簡単ではなかった。250年の歴史があるバージニア州は米国連邦政府より歴史が長い。バージニア州が教科書表記を変えたのは東海併記が初めてだ。」

-当時、同胞社会の呼応はあったのか。
「当時、韓国内では大喜びしたが、私たちはそうではなかった。今から始めという気がしたからだ。1州で通過するまで4年という時間がかかった。米国50州で東海表記案件がすべて通過するにはまだ行く道が遠い。今も米国の各州韓人会が中心になって東海表記推進委員会を組織している。」

-‘日本軍慰安婦決議案’採択運動にも参加したと聞いた。
「日本軍慰安婦決議案採択運動は東海表記を解決するためのスタートだった。独島は韓国と日本の歴史的関係から始まる。日本は植民支配期、独島が日本領土と主張して歴史を歪曲した。そのような日本に対応するためには他の歴史的問題も解決しなければなければならないと考えた。当時、一部の在米日本人も日本軍慰安婦決議案採択運動に参加した。この過程で良心的な米国内国会議員と地方議員の助けが非常に大きな力になった。」

-これからの計画は何か。
「大きく三種類の方向で計画中だ。独島と軍隊慰安婦文化財返還問題で前2者の関連活動はすでに進行中だ。文化財返還問題は文化財検索韓民族ネットワークを発足して活動中だ。東海を取り戻すにはこれから10年かかるか、100年かかるか分からない。重要なのは教育だと思う。イスラエルは歴史の重要性を知って実践した。それで2000年余りという時間が過ぎても国を探すことができた。歴史を忘れる瞬間、持っていたものまで失うことになる。それでこそ次世代でも今、私たちがしたことを続けることができる。」
(後略)