日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国の「易地思之」外交


さて、本日は過去記事「戦後70年談話と韓国人の易地思之という概念」でも紹介した、「易地思之」に関連した内容となります。

初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由

注意
・このブロマガは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブロマガのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください


最近韓国はニュージーランド外交問題を起こしており、その件で韓国外相が「ニュージーランドに謝罪する意思はない」という態度や、「むしろ問題はニュージーランドにある」といった態度を取っている。


また、いわゆる「G7枠拡大問題」においても、元々これはトランプ大統領が「対中包囲網」を形成しようと持ち出した話なのだが、韓国側は「自分達が評価されたから」と主張しており、「本来の意図」をまるで無視している。


こうした事例は、元々韓国が「内政の都合を外交に持ち出している」事が原因なのだが、それと同時に「易地思之」の概念により「相手は自分の都合を考慮しなければならない」という考えが根底に存在している。
そしてこれは対日外交においても変わりがない。


※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。



1:ニュージーランドとの外交問題


まずはこちらの記事から

韓国外交部長官「大統領を心地悪くさせて恐縮…ニュージーランドに謝罪しない」
中央日報/中央日報日本語版2020.08.26 06:56
https://japanese.joins.com/JArticle/269562
スマートフォン
https://s.japanese.joins.com/JArticle/269562

康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が25日、ニュージーランド公館で起きた韓国外交官のセクハラ疑惑について「文在寅ムン・ジェイン)大統領が心地悪い位置にいらっしゃることになった点について恐縮している」と述べた。この日、国会外交統一委員会で「外交の恥さらし」に対する与党議員の叱責が続きながらだ。

康長官は前日に続いて「国民にご迷惑をおかけして申し訳ない」として頭を下げた。しかし、康長官はニュージーランド側に謝罪するかについては「他国に外交部長官が謝罪するのは国家の品格の問題」として「今この場で謝罪することはできない」と述べた。また、康長官は「(首脳間電話会談で)議題になってはならないものが議題になった部分があり、それについてはニュージーランドの責任が大きい」として「国内的に国民と大統領には申し訳ないが、ニュージーランドに対して責任を負うべきかどうかは別の問題」と明らかにした。今回の事件の告訴人を支援してきたニュージーランドの性暴行人権運動家、ルイス・ニコラス氏は24日、康長官が被害者に謝罪しなかったことに対して現地のメディアを通じて「非常に残念だ」という立場を明らかにした。

この日、外交通商委員会では文大統領とニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相間電話会談(先月28日)で韓国外交官のセクハラ問題が取り上げられたことについて与党議員の叱責が続いた。共に民主党の尹建永(ユン・ゴンヨン)議員は首脳間外交で外交官のセクハラ事件が取り上げられたのは韓国外交史において初めてのことだとして「外交の基本が議題調整だが、首脳間会談で議題管理をきちんとしなかった」と指摘した。これを受け、康長官は「首脳会談の議題を調整する過程でニュージーランド側からこの議題を扱うという話がなかった」として「ところが、結果的に文大統領が心地悪い位置にいらっしゃることになったことを申し訳なく思う」と明らかにした。


2017年にニュージーランドの韓国大使館で発生したセクハラ問題に関連し、韓国の外交部長官が「文在寅ムン・ジェイン)大統領が心地悪い位置にいらっしゃることになった点について恐縮している」「国民にご迷惑をおかけして申し訳ない」と釈明しました。


しかし肝心のニュージーランド人被害者に対する謝罪が一切なく、ニュージーランド側から抗議された件に対しても、


【独自】NZセクハラ被害者側「康京和外相、実に不愉快」 朝鮮日報 2020/08/26 (1/2ページ) (2/2ページ


「この場で謝罪はできない」、「もう少し事実関係を把握する必要がある。被害者の陳述の信ぴょう性もチェックしなければならない」と謝罪を拒否し、「被害が本当にあったのかの調査が必要」と言い出しました。


しかし記事にもあるように、元々この件では韓国側は加害者に対して「減給1カ月の懲戒処分を下した」という背景があり、明らかに韓国側は元々「問題があったことを把握していた」事が確実であるため、言っている事が矛盾しています。


そして最初の記事では「首脳会談の議題を調整する過程でニュージーランド側からこの議題を扱うという話がなかった」「ところが、結果的に文大統領が心地悪い位置にいらっしゃることになったことを申し訳なく思う」と、ニュージーランド側に責任転嫁をしています。


これはどういうことかというと


文大統領がNZ首相と電話会談、韓国外交官のセクハラ疑惑に言及 
朝鮮日報 2020/07/29 (リンク切れのためgoogoleキャッシュ)
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:yWPUAMO6PPEJ:www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/07/29/2020072980009.html+&cd=1&hl=ja&ct=clnk&gl=jp&client=firefox-b-d

googleキャッシュのインターネットアーカイブ
https://web.archive.org/web/20200826150448/http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:yWPUAMO6PPEJ:www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/07/29/2020072980009.html+&cd=1&hl=ja&ct=clnk&gl=jp&client=firefox-b-d


記事にもあるように、先月28日に行われたニュージーランド首相と文在寅大統領との首脳会談において、このセクハラ問題について言及があり、「韓国人外交官A氏が2017年末、駐ニュージーランド韓国大使館で勤務していた時、男性職員に対してセクハラをした疑いがあるのにもかかわらず、その後ニュージーランド警察の調査がなされていない」件についての話がニュージーランド首相側からあったようなのです。


背景としては、セクハラがあった後、韓国側は問題の外交官を「外交特権」を理由にしてニュージーランド側の抗議にもかかわらず勝手に引き上げさせ、その後減給1カ月の懲戒処分だけで済ませてフィリピン領事として勤務させていたそうなのです。


そのことで抗議された件に対して、韓国外相が「首脳会談の議題を調整する過程でニュージーランド側からこの議題を扱うという話がなかった」「ところが、結果的に文大統領が心地悪い位置にいらっしゃることになったことを申し訳なく思う」と「むしろニュージーランド側に問題がある」と劣等性の指摘をしているわけです。


つまり、明らかにこの職員に問題があり、韓国側も問題を把握していたにも関わらず、「劣等性の指摘」によって問題をニュージーランド側に転嫁し、もみ消そうとしているというわけです。

※蔑視ありきの自民族中心主義

韓国の自民族中心主義(エスノセントリズム)は非常に特殊であり、通常の自民族中心主義が自己の優越性の肥大化から異民族や異人種を蔑視するようになるのに対し、彼らの価値観では「他者を蔑視する事で自己の優越性を証明する」通常とは逆のプロセスになっている。

韓国人が日本人から嫌われる根本的原因


youtube
https://youtu.be/StPglNFdHxE

関連記事
韓国社会では「記憶の改変」が起きているわけではない?



そしてこれは「今回が特殊」なのではなく、同様の事は2018年末の「韓国海軍レーダー照射事件」でも発生しており、またさらに


文在寅政権幹部の告発事件137件…120件余りは起訴するかも決まらず 朝鮮日報 2020/08/25


韓国内においても、文政権関係者による犯罪疑惑が「次々ともみ消されている」という状況にあり、韓国ではこれが「普段から発生している事例」であることがわかります。


そしてこの件は、韓国が「内政の事情を他国に押し付けている」という問題があり、こちらの記事にもあるように


「ニュージーランド側に謝罪できない…国格および主権の問題」=康京和長官 wowKorea 2020/08/25


韓国野党議員からの「ニュージーランドに謝罪する意向があるのか」という質問に対し、「相手国に対する謝罪は、容易に決定する問題ではない」「国格と主権を守りながら進めて行く必要がある」と答えています。


これはどういうことかというと、以前から書いているように韓国は徹底した序列社会であり、対等の概念が希薄で常に「どちらが上か下か」を気にする社会です。


そのため、「経済的に韓国より下」のニュージーランドに謝罪することができないというわけです。


過去動画の「韓国社会における「謝罪」の意味」でも書いたように、韓国における謝罪とは「問題を終わらせるためのケジメ」ではなく、「序列の決定作業」であるからです。


そしてこの件には、この韓国独特の価値観以外にもう一つ、これも以前紹介した「易地思之」の概念が関わっています。


実際問題、韓国歴代政権の外交姿勢というのは、常に「易地思之」が関わっています。

※易地思之

韓国独特の概念であり、「相手の気持ちを理解しましょう」という意味だが、「常に自分は正しい」という前提で思考する場合が多い韓国では「相手はこちらの気持ちを知り受け入れろ」という意味で使われる。

戦後70年談話と韓国人の易地思之という概念


youtube
https://youtu.be/rRJUDbGJhbk


今回のセクハラ問題においても同じで、韓国側は


宋永吉議員、外交官セクハラに「我々は男性同士でお尻たたく」 朝鮮日報 2020/08/19


韓国国会外交統一委員長が「われわれは、同じ男性同士でお腹もたたき合うしお尻もたたき合うもの」「文化の違いだ」として、セクハラではないと否定しています。


つまり、「こういう事だから韓国の事情を考慮すべき」という態度なのです。

2:G7枠拡大問題


そしてこの「易地思之」に基づく外交方針は、いわゆる「G7枠拡大問題」でも見て取れます。


元々この件は、アメリカのトランプ大統領が「中国包囲網」の強化を目的として言い出したことなので、この「枠拡大」に賛成するという事は同時に「中国包囲網に参加する」と同じ意味のはずです。


しかし韓国側は


ドイツに向かったカン外交部長官、「G7拡大反対」説得に乗り出したか ハンギョレ新聞 2020-08-10


枠拡大に反対しているドイツに赴いて「韓国のG7参加に賛同するよう要請」をしたり、


ドイツ外相 韓国のG7参加に歓迎表明 聯合ニュース 2020.08.11


ドイツは「韓国の”オブザーバー参加”に歓迎を表明」しただけであるにも関わらず、あたかも枠拡大に賛成したかのように報じたり


韓国外相「コロナ対応でG7に寄与できる」 独訪問終え帰国 聯合ニュース 2020.08.11


ドイツから帰国後に韓国外相が報道陣から「(韓国が)G7に寄与できることは何か」について質問されると、「新型コロナウイルス感染症が今年の世界最大の話題になっているだけに、(韓国は)その問題に関し十分寄与できる能力と力量を持っている」と発言し、G7枠拡大議論そのものが「対中包囲網前提の話」であることを完全に無視しています。


またオーストラリアとも電話で首脳会談を行い


文大統領が豪首相と電話会談「韓国と豪州のG7参加、グローバルな懸案の対応に寄与」 朝鮮日報 2020/08/15


G7枠拡大について話していますが、オーストラリアはそもそも既に日本と共にアメリカ主導の対中包囲網に参加している事が無視されています。
そして最近韓国政府は様々な国と電話等で外相会談や首脳会談をしており、そのたびに「G7枠拡大」の話をし続けています。


そしてこの状況で


中国・楊潔チ氏、徐薫国家安保室長に会い米中対立で協力要請 朝鮮日報 2020/08/24 (1/2ページ) (2/2ページ


中国政府要人を韓国に招いて釜山で青瓦台国家安保室長と会談を行い、米中対立での中国側への「協力要請」か、或いは「静観要請」を受けたようなのです。


それに対して韓国側は「米中間共栄と友好協力関係は平和・繁栄にとって重要だ」としか答えていないようですが、一つはっきりしているのは、本来対中包囲網ありきのG7枠拡大を、G7枠拡大に賛成しながら一切考慮していないという事です。


これも要するに、韓国内での人気取りという事情でやっている事であり、アメリカなどに対して「中国と経済的に完全に離れることはできない」という「韓国の事情を考慮すべき」という易地思之の理論が働いた結果です。


日本人から見ると単にご都合主義の考え方でしかないですが、「常に自分は正しい」という前提で思考する韓国的価値観においては、これに矛盾が存在しないうえに、「正しい事をしているのだから、”正しい考え”を持つ相手なら理解してくれるはず」という理論で合理化されています。


だから「G7枠拡大」と「中国への接近」という相反する外交上の態度を何のためらいもなくできるのです。

3:対日本でも同じ


そしてこれは対日本での外交方針でも全く同じです。


最近韓国側は以下のように


韓国通商交渉本部長、WTO事務局長選で日本の支持を要請…「輸出規制とは無関係」 中央日報/中央日報 2020.08.25
スマートフォン
https://s.japanese.joins.com/JArticle/269524


日本に対して、WTO事務局長選で韓国を支持するよう要請してきています。


そもそも、韓国の兪明希候補は一連の「輸出優遇解除」の件で日本をWTOに訴えた当事者であり、そもそも「中立的観点」から日本が疑問を持つのは当然のことなので、支持するわけがないのですが、彼らにはその事情が一切通用しません。


これも典型的な「易地思之」なのですが、もう一つ理由があり。
潘基文氏がかつて国連事務総長に立候補した際、当時も日韓で様々な外交対立がありましたが、結局日本は彼を支持しました。


そして国連事務総長に就任すると、「日本海ではなく東海が正しい」というビラを国連の会議場で配るという行為で、支援した日本を後ろから撃ったという背景があります。


こうしたことがあるので、韓国側は「日本は本来韓国の事情を理解しているはず」と常に考える傾向にあり、そのため日本側はすでに「アフリカの候補者2名のうちどちらかを選ぶ」という事がほぼ確実であるにもかかわらず、「日本は韓国の事情を理解して兪明希候補を支持しないといけない」と考えているわけです。


この問題は、単に韓国内の事情で相手の事情を考慮せず外交を行う韓国政府という事でしかないのですが、日本との外交でそれが成功してしまった過去があることもあり、最近の韓国は特に「易地思之外交」を行う傾向にあります。


当然ですが、日本が韓国の国内事情を考慮する必然性は一切なく、また彼らは「※要求が通ると恨を感じ後ろから撃ってくる」という行為を頻繁に行ってきた過去があるため、今後韓国の要求は「何であれ原則的に断る」という態度が必要です。


※質問が多かったので回答(2020年8月27日23時8分)
序列社会の韓国では、「常にどちらが上か下か」を意識しているわけですが、相手が自身の事を「助ける行為」をすると、「相手の方が序列が上になった」と感じる場合があります。


そのため、過去記事の「韓国の侮辱文化」でも解説したように、「自分の方が序列が上だ」とアピールするために、意図的に相手に失礼な態度を取ったり侮辱したりする場合があり、その延長線上として、「要求を聞いてくれた相手」に対して「恨」を感じ、解消行動に出ることがあります。


※2020年8月28日23時30分追記
序列社会の韓国では、受けた「恩」も序列で考えます。
彼らは「恩」を「与えるもの」として考える傾向にあり、序列の上位者からの行いはあまり問題になりませんが、彼らが主観的に「自身より序列が下」と考える相手から「恩」を受けると、「面子を潰された」と考え、たとえそれが自身が要求したことであっても「恨」の解消行動を行う場合があります。




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※恨(ハン)とは。
あくまで個人的な見解となるが、「主観的な正しさ」を絶対視する韓国社会において、この主観的正しさが相手や社会から受け入れられない場合に、彼らが感じる理不尽さを根底として、そこから派生する様々な感情の総称。

また恨には「解消」という概念があるが、これは完全に恨が消失するものではなく、「一過性」のものでしかない。

韓国人の中にある「主観的正しさ」と「恨(ハン)」


youtube
https://youtu.be/Rfk2R4lLOuw




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