日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国が望む日本との関係改善の形


さて、本日はタイトルにもあるように、韓国がしきりに訴えている日本との関係改善とはどんなものなのかについて少し短めに書いていきます。


現在韓国は慰安婦合意などと安保問題や経済問題などを切り離して対応する「ツートラック戦略」という方針を取っているが、実際の言動では日本を政治的に挑発したり、慰安婦合意に違反するような態度が多く、日本の常識からすると関係改善を行いたいようには見えない。


特に慰安婦問題関連では、各地に慰安婦像を次々と設置したり、慰安婦問題のユネスコ記憶遺産登録に政府が支援を行う事を決定したり、既存資料を改竄して新資料のように見せかけるような態度が相次いでいる。


これには以前から書いている易地思之などの考え方と共に、功罪が血筋や地域で連座世襲するという考え方や被害者が最も偉いという考え方、他者の劣等性から自己の優越性や正当性が導き出されるなどの独特の考え方が複合した結果、彼らの中では関係改善の障害にならないと定義されている事が関係している。


※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:日本への「挑発」が止まらない韓国


まずはこちらの記事から

韓日首脳会談で「少女像問題も議論」 信頼構築の第一歩=韓国高官
聨合ニュース 2017/07/09
http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2017/07/09/0400000000AJP20170709000600882.HTML

ハンブルク聯合ニュース】韓国の文在寅ムン・ジェイン)大統領と安倍晋三首相が7日にドイツ・ハンブルクで行った初会談で、慰安婦問題だけではなく、慰安婦被害者を象徴する少女像を巡る問題についても話し合っていたことが分かった。ただ、慰安婦問題では双方が従来の立場を主張し、進展はなかったという。

 韓国政府高官によると、文大統領は安倍首相に、国民が情緒的に慰安婦合意を受け入れられないことを伝え、「これはこれで管理し、コミュニケーションは続け、経済協力や文化交流を拡大しよう」と呼びかけた。会談では慰安婦問題だけでなく、少女像問題などさまざまな韓日の懸案も話し合われたという。

 同高官は「隔たりがあっても対話が可能なら、それが信頼構築だ。立場の違いについて意見を交わし、信頼と友好を深め、それを土台に緊密にコミュニケーションを取ることが外交」と話した。

 文大統領と安倍首相との初会談では、両国の首脳が相互に相手国を訪問するシャトル外交を再開することや、韓中日首脳会談の開催を推進することで合意する一方、文大統領が説いた南北対話の必要性に安倍首相が理解を示すなど、少なくない成果を上げたと評価されている。


こちらの記事なのですが、韓国側は日本との関係改善を望んでいるようですが、ソウルの日本大使館前や釜山の日本領事館前にある慰安婦像は、そもそも合意違反以前に「外交関係に関するウィーン条約の第二十二条の2」に対する違反行為です。


外交関係に関するウィーン条約


だからこそ日本はこの件で韓国を批判しているわけですが、韓国にはそもそもこの件での問題意識そのものが無く、更に現在韓国はユネスコの記憶遺産への慰安婦問題登録に政府支援を行う旨の公式見解まで発表していますが、これは明らかな合意違反です。


韓国新女性相「ソウルに慰安婦博物館建てる」=被害者と面会 聨合ニュース 2017/07/10


更に上記記事では、タイトルにもあるようにソウルに慰安婦博物館を建設するそうです。


また一昨年の慰安婦合意以降、韓国では各地で慰安婦像の建設ラッシュが始まっており、韓国の公共施設がどこも慰安婦像だらけになるのが時間の問題ではないかと感じるほどの勢いです。


韓国・大邱に2体目の少女像設置へ 来月1日除幕式 聨合ニュース 2017/02/24
韓国・安東に平和の少女像建立へ 8月除幕式 朝鮮日報 2017/05/16
慰安婦被害者暮らす韓国・報恩郡にも少女像 10月目標 聨合ニュース 2017/05/17
江陵・原州に続き束草・春川でも、平和の少女像建立相次ぐ ハンギョレ新聞 2017.06.14
100個の“小さな少女像”の後には彼女たちがいる ハンギョレ新聞  2017.06.20
不義に抵抗するハルモニになった少女像が登場する ハンギョレ新聞  2017.06.21

(※1)
「辛い歴史反復されなくなるのを」…往十里(ワンシムニ)広場も「平和少女像」 JTBCニュース(韓国語)  2017-06-10


私が把握している範囲のニュースで、「今年に入ってからのものだけ」でこれだけあるのです。
月に1つ以上のペースで韓国各地に慰安婦像が増え続けている事になります。


そしてこれなのですが、私達の常識からすると日本への憎悪を固定化させる意図があるようにしか見えませんし、また韓国側はこれを「平和への祈りのためであり決して日本を批判する意図はない」としています。


しかし、記事を読むと少なからず「慰安婦合意への不満」から建設ラッシュが起きている事が解り、慰安婦像には政治的な意図がある事が明白です。


更に現在韓国では、既に検証が終わり結論が出ている資料を「新発見」のように装い、韓国の望む慰安婦の定義である「国や軍の方針として、日本の軍人や官憲が直接的に行った女性の拉致」の資料を発見したと発表したりもしています。


「婦女子を誘拐して慰安婦として動員せよ」 文書発見 中央日報 2017年07月10日


この記事では、日本軍が女性を誘拐して慰安婦として動員した証拠が発見されたとしていますが、この資料は元々「(財)女性のためのアジア平和国民基金」を設立するにあたり政府が調査した「公開資料」に含まれています。


上記中央日報の事例は、4年も前に以下のブログの方が記事で詳しく言及しています。


従軍慰安婦関係資料集成を読んでみた


この記事を読むと、「不法に女性を誘拐している人物がいたので警察が摘発したところ、犯人が軍からの依頼で行ったとしていたが、軍に問い合わせたところ合法的な方法以外での募集はしていないと回答があり、犯人は逮捕された」という事例です。


つまり、これは軍の募集を「自称」した人物の犯行でしかないうえに、女性のためのアジア平和国民基金の設立は1995年ですから、この資料は20年以上前に調査され公開されていた事になります。


何もかもがおかしいですが、最近韓国ではこの手の報道が非常に多く、資料の検証も疑問の声も無いまま社会的に既成事実化され、「日本は事実を認め謝罪すべき」という声がどんどん大きくなっています。

2:韓国側の意図


上記のように、現在の韓国の行いは日本人の常識からすると何もかもがデタラメにしか見えないわけですが、韓国側がどのようなロジックで動いているのかを知る事は出来ます。
その場合に注目すべきは増え続ける慰安婦像の意味です。


先ほども書いたように、韓国側では慰安婦像の設置を「未来につなぐ平和のため」等としていますが、実態としては日本の罪を固定化させるための装置としての意図が強いです。


これを知ってもらうためには、日本と韓国で異なる「罪」に対する考え方の違いを知らないといけないわけですが、この件は「文禄・慶長の役」における耳塚に対する考え方の違いが解り易いです。


耳塚とは、豊臣秀吉朝鮮出兵である文禄・慶長の役において、秀吉軍の足軽達が自身の功績を証明するために、討ち取った相手の耳や鼻などをそぎ落として持ち帰り、それを証拠とし、その後その耳や鼻を供養するために建てられた慰霊碑です。


つまり、敵であっても死後には味方と同じように供養し慰霊すべきであるという考え方から建てられたのが耳塚なのですが、価値観の違いから韓国人はそうは考えません。


韓国においては、敵は死亡してもずっと敵であり、また罪人は死亡してもずっと罪人のままという考え方が一般的です。
ですから、「敵を供養する」考え方が全く理解できず、「秀吉が自らの功績を自慢する記念碑である」と認識しています。


そのため、ここ何年か韓国では「耳塚を韓国に移転すべきだ」という議論が度々発生しているのです。


読者の意見:日本の「耳塚公園」、韓国へ移すべき 朝鮮日報 2017/07/09


「敵を供養する」発想が無いからこその議論なわけですが、これは「罪人」に対しても同じで、韓国では罪人は死んでも罪人のままであるため、盧武鉉政権時代に制定された所謂「親日派財産没収法」で親日認定された人物を、墓を掘り起こし国立墓地から追い出せという議論も度々発生しています。


韓国の愛国の士が眠る国立墓地に親日派の墓がある事実に、ネットも驚き Record china 2017年6月8日



このように、「韓国では敵は永久に敵であり罪人は永久に罪人である」とする考え方が一般的なのです。
(ただし、これも断続的な「今」の連続である韓国社会では、「今の事情」でこの罪人や敵の定義がころころと変わります、十数年前までは国を滅ぼした悪女とされていた閔妃への評価などが典型的です)


そしてもう一つ重要な事として、韓国では功罪が世襲連座する考え方が一般的であるという事です。


関連記事
韓国の世襲文化


この2つの要素を総合した上で慰安婦像がどのような意味を持つか考えてみるとわかりますが、要するに慰安婦像とは「罪人とその子孫が永久に罪人である事の証」なのです。


だからこそ慰安婦合意後に建設ラッシュが発生したのです。
韓国は要するに「合意によって日本が罪人では無くなる事が許せない」ので、罪人である証を形として残すために次々と像を建てるわけです。


また韓国では他者の劣等性から自己の優越性や正しさを導き出す独特の価値観があるため、こうした日本の劣等性を形として残す行為は、同時に韓国の優越性や正しさを証明する行為とも直結しています。


そのため現在の韓国では、日本を絶対悪として登場させる抗日映画が次々と作られ大ヒットしていますが、これも背景としては同じです。
日本人の劣等性を映像作品として形に残し、それを世界に広報することで自己の優越性や正当性を確認しているわけです。


つまり、日本の劣等性を指摘できればできるほど、自分達の過去が輝かしく美化されていくわけです。
下記の抗日運動家とは、実態は「武力による共産革命」を目指す共産系のテロリストでしかないのですが、日本の劣等性の指摘によって抗日運動家と美化されているわけです。


抗日運動家・朴烈の同志・金子「生きるとは自分の意志で動くという事」() () 中央日報 2017年07月11日
水底1000メートルで窒息死・圧死…日本軍艦島は「地獄島」そのもの() () 2017年07月03日


これらは歴史考証を完全に無視している映画にもかかわらずノンフィクションを謡っており、傍から見ると戦争中の相手国に対する憎悪を煽るプロパガンダ映画にしか見えませんが、今回書いたように韓国的価値観の発露としての意味があるわけです。


日本から見ると挑発行為にしか見えないですが、韓国からしてみると韓国の社会常識を実践しているだけであり、だからこそ日本との関係改善の障害になるという発想そのものが無いのです。


彼らからしてみれば「罪人なのだから当たり前の扱い」であり、彼らはそのうえで「道徳的劣等者の罪人」である日本人との友好を結ぼう(=用日しよう)との発想をしているわけです。


また韓国では「相手は自分の心情を察するのが当然」という独特の考え方、「易地思之」があるため、尚更「関係改善するなら日本は韓国の事情を察して受け入れるのが当然」という発想になっているのです。



人気ブログランキングに参加中です、もしよかったらクリックをお願いします。


クリックで人気ブログランキングへ


以下は当ブロマガのお勧め記事マイリストです、もしよかったらこちらもどうぞ。




動画版マイリスト








(※1)
「辛い歴史反復されなくなるのを」…往十里(ワンシムニ)広場も「平和少女像」
JTBCニュース(韓国語)  2017-06-10
http://news.jtbc.joins.com/article/article.aspx?news_id=NB11480289

[アンカー]ソウル鍾路区(チョンノグ)日本大使館前には少女の像があります。この平和の少女像がソウル往十里(ワンシムニ)広場にも立てられました。正しい歴史を幼い子供たちに教えなければならないという意味で父兄らが自発的な同意を集めました。オ・ソンミン記者です。」

[記者]「平和と人権が尊重される世の中のために、平和の少女像をたてます。」座高123センチ。悲しいような悲しくないような少女の表情。そして地面についていないはだしのかかと。今日(10日)ソウル城東区(ソンドング)往十里広場に「平和の少女像」が登場しました。

今年3月、40人余りの城東区の父兄らが一緒に集めた意が実を結ぶのです。日本軍慰安婦ハルモニの名誉回復だけでなく、未来の世代の青少年に辛い過去の歴史が繰り返されないように教訓を与えるためです。

[ナム・キチャン/父兄]:釜山日本領事館前に少女像撤去事態が起きた時、少女像を設置しようという会が始まって…]

去る3月から約100日間、市民千人余りが少女像建設のための募金に参加して4千万ウォンが集まりました。学生たちは少女時期のハルモニの姿をかたどったバッジを自ら作って少女像建設に誠意を加えました。

[キム・ソナ/女子高3年:学校で歴史を習って慰安婦問題に関心を持って、バッジを製作しながらやりがいも感じて…]

駐韓日本大使館前にある少女像を製作した彫刻家キム・ソギョン氏が今回の少女像製作も引き受けました。

[キム・ソギョン/少女像彫刻家:往十里は過去と現在が一緒にある場所ですね。その痛みが明確にあったでしょう。その方々の一つ一つの血が今日を作ったようです。]

慰安婦ハルモニたちの悲しく辛い歴史が繰り返されないように願う心が広場に加われいました。