さて、本日はタイトルにもある通りなのですが、特に今回は以前から書いている韓国独特の価値観「主観的・絶対的正しさ」に関連付けた内容となります。
日本でも一時期メディア等で韓流・K-POPがもてはやされていたが、時間が経過するにつれて「ワンパターンで飽きる」との批判が目に付くようになり廃れて行った。
実はこれは韓流などのエンターテイメントに限った事ではなく、どんな事柄にも序列付けをすることを好む韓国社会では、成功した事例を「正しい(優れている)」としそれ以外を「間違っている(劣っている)」として実質的に多様性を悪徳と考える風潮があるため、あらゆる事柄で成功事例と同じ事しか行われずワンパターンになって行く。
更に、この韓国社会の考え方では、ありとあらゆる事柄が一元的な「優劣」で決定されることと、「自分達の考え方はこの世の絶対普遍の正しさである」と考える傾向が強く、また「異なる考え」を積極的に排除しようとする傾向も強い。
そのため彼らは、往々にして自分達の正しさを「優れた考え方である」との前提の下で他者に同意させようとするため問題を引き起こす場合も多い。
※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブやウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。
1:「一極集中」が当たり前の社会
まずはこちらの記事から
ネイチャーが韓国に警告「カネでノーベル賞は買えない」
朝鮮日報 2016/06/05
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/06/03/2016060301775.html
https://web.archive.org/web/20160605134954/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/06/03/2016060301775.html (インターネットアーカイブ)
「韓国はノーベル賞の受賞を目指し、ますます多額のカネをつぎ込んでいる。問題は、野望はカネで実現するものではないということだ」
著名な国際科学誌『ネイチャー』は1日(現地時間)、「韓国はなぜ研究開発(R&D)における最大の投資家なのか」と題する文章で、韓国科学界の「ノーベル賞コンプレックス」と現実的な限界を分析しました。
同誌はまず、韓国のR&D投資の増加ペースに注目しました。R&D投資の対国内総生産(GDP)比は1999年の2.07%から2014年には4.29%に拡大しました。世界でトップです。米国は3%を切っており、中国や欧州連合(EU)は2%水準です。
それにもかかわらず、満足のいく成果は出ていないといいます。同誌は「韓国の研究者が14年に国際学術誌に発表した論文の数は、R&D投資の対GDP比が1.22%のスペインとほぼ同じ」としています。英国やドイツ、日本の半分にとどまり、中国に比べると7分の1にすぎません。予算を増やしても基礎科学分野の競争力向上にあまりつながらなかったというのです。
政府の意思決定スタイルも問題視しています。同誌は、米グーグル傘下の企業が開発した人工知能(AI)「アルファ碁」と韓国人囲碁棋士の李世ドル(イ・セドル)九段の対局が李九段の1勝4敗に終わるや、韓国政府がAI分野に向こう5年間で1兆ウォン(約920億円)を投じる計画を発表したことを紹介し「一つのケースだけで『AIこそが未来』と決めてしまった場当たり的な対応」だと指摘しています。
同誌は、議論を避け、上下関係を重んじる韓国の風土もクリエイティブな研究を阻む要因だと批判し、こうした風土が優れた科学者の海外流出につながっていると分析しました。実際に、米国立科学財団(NSF)の報告書によると、米国で博士学位を取得した韓国人科学者の7割が米国に残ると答えています。ネイチャーの指摘の通りです。
同誌が韓国科学界の実情を正確に分析したのは、筆者であるマーク・ザストロー氏が韓国と深い縁を持っているためです。同氏は韓国に生まれ米国で養子として育ち、今は科学分野のフリージャーナリストとして活動しています。日ごろから韓国に対し深い愛情と関心を見せている人です。そんな彼の助言はこうです。「韓国は科学研究の歴史が長くないのだから、長けている分野に集中するという戦略が必要。カネではノーベル賞を買えないということも知るべきだ」
類似記事
韓経:ネイチャー誌、韓国科学界に「忠告」
2016年06月03日11時34分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/496/216496.html
上記記事では、韓国が研究に投資すればノーベル賞が取れると考えている事や、基礎研究の実績もなく更に何の議論も吟味もしないまま、人工知能研究にいきなり巨額な研究資金を投入するという態度を批判する韓国系アメリカ人の記事を紹介する内容です。
どうしてこんな事になっているのかといえば、それは韓国が「日本がノーベル賞を取った」「日本が研究している」という事を研究への投資の最大の動機としており、日本がノーベル賞を取った分野や重点的に研究している分野を成功事例として、「その分野」への投資を集中的に行ったからです。
そして、韓国のそのような動機や「基礎研究が重要と訴えながら基礎研究を軽視する態度」には以前より外部から批判があったのですが、韓国的価値観では「既に成功した事例」を「正しさ」と解釈するため、一切聞く耳を持たず突き進んだわけです。
今回批判記事が珍しく取り上げられた背景には、韓国が「権威」と認めるネイチャーに記事が掲載されたため、内容よりも序列意識から来る「権威の言葉」として注目されたからです。
そうした背景があるので、恐らくこの忠告は「注目されただけ」で終わるでしょう。
重要なのは「韓国社会が一元的な正しさしか認めない」価値観を持つからであり、ここが変わらなければ他も変えようがないからです。
こうした事例は他にもあり、たとえば韓国は現在造船業が非常に厳しい状況にあるのですが、それだけで「国が傾きそうな状態」になりつつあります。
韓国造船の手持ち工事量が急減 近く日本に逆転許す? 聨合ニュース 2016/06/06
なぜそんな事になっているのかといえば、それは「日本の造船業を成功事例」として真似、投資や人材をそこに一極集中したためです。
似たような事例でサムスンなどのスマートフォンがあります、これの場合には「アメリカの成功事例」を正しさとし、そこに一極集中したため、スマホの売り上げが落ち込むとサムスンの業績が一気に悪化したわけです。
また他にも、たとえば数年前に韓国は国を挙げて「PSY」という芸能人の大宣伝を行い、国際的にある程度の成功を収めました。
そしてPSYは国際的には典型的な「一発屋」で終わったわけですが、韓国では「成功事例」=正しさとなっているため今でも「外国からの観光客誘致」目的での宣伝が行われています。
「江南スタイル」の造形物が完成 15日に除幕式=韓国 聯合ニュース 2016/04/11
「江南スタイル」の国…ユーチューブが特別待遇する韓国 中央日報 2016年03月22日
K-POPなども同じで、数年前と全く同じことを少し形を変えて延々と続けています。
韓国文化院 メキシコにK―POPアカデミー開講 朝鮮日報 2016/06/07
全てはすでに成功した事例を「正しさ」として、一度その流れができてしまうと「他の事で成功しよう」という発想が「社会全体として」なくなり、かつ「その他の選択肢」を社会が積極的に「劣ったもの」とみなして排除する傾向にあるから発生する現象です。
2:韓国独特のワンパターン化現象
このように、韓国では一元的な正しさ以外は許容されないために、何もかもがワンパターンとなっていくという背景があるわけですが、一度成功すると社会がワンパターン化するという傾向そのものは日本を含めどこにでもあります。
しかし、日本を含め他の国では韓国のように何もかもが完全にワンパターン化して一元化してしまい、多様性が完全に失われるというところまでは行きません。
この違いは何かといえば、それは「主流以外のもの」に対する扱いが違うからです。
たとえば日本でも、主流から外れたマイナーなものは世間から無視されたりバカにされたりする事はありますが、一部例外を除いて「社会が積極的に排除しようと動く」という事はありません。
なので肩身が狭くとも多様性そのものは保たれます。
(余談になりますが、日本のテレビ業界がどこも軒並み視聴率を落として苦境な背景には、ネットの登場で多様性の幅が広がり、テレビ業界がそれに対応できないからという事情もありますが、韓国ではこの現象が全く無いわけではないですが非常に弱いです。)
しかし韓国の場合には、「主観的・絶対的正しさ」という一元的な「正解」が社会に存在するため、主流から外れた存在や「劣っている」とみなされた存在は社会が能動的に排除しようとします。
たとえば、現在韓国の小学生の間では家庭内の事情や貧富など、とにかく比較対象を見つけて積極的・能動的に虐めたり社会的に排除するという事例が頻発しています。
(日本にも虐めはありそれはそれで問題ですが、記事を読んでもらうと日本のものとはかなり性質が異なる事がわかります。)
スマホ普及で変わる韓国小学生のネットいじめ 朝鮮日報 2016/02/09 (1/3ページ)(2/3ページ)(3/3ページ)
韓国でMERS治療スタッフの子供がいじめの対象に FOCUS-ASIA 2015年06月17日
韓国の幼稚園で「注射痕のある子」が差別されるのはなぜ? Record china 2016年6月2日
そして重要なのは、こうした動きは子供の判断だけで行われるわけではなく、紹介した記事でいくつか言及されているように、親や学校、社会が積極的に「劣等性」を指摘して排除しようとした結果発生しているのです。
以前から書いているように、韓国社会には「他者の劣等性を指摘できれば自己の優越性が証明される」という独特の価値観があるわけですが、今回の事例も同じで、相手を「劣っている」と定義付けできれば自己の優越性が証明されるため、劣っているもの、主流以外のものを社会が積極的・能動的に排除するわけです。
だから韓国では大半の事柄で非常に極端な「ワンパターン化現象」が発生するわけです。
要するに韓国では、その独特の価値観から「主流以外の存在」は「劣等性の指摘」のターゲットとなりやすく、結果的に主流以外の存在を社会が許容してくれないのです。
3:「一元的正しさ」受け入れなければ友好できない
今回の事例は、上記までならば実際のところ韓国内の事柄であって「日韓問題」ではありません。
ですので、これだけならばここで書くべき内容ではないです。
重要なのはここからです。
今回書いたように、韓国では「正しさ」が一元的であり、この正しさから外れてしまった主流以外のものは「積極的・能動的に排除される」傾向にあるわけですが、このパターンは実は日韓の間の政治問題などでも発生しています。
数年前、韓国世宗大学の朴裕河教授が「帝国の慰安婦」という本を出版しました。
この本は、原則的には現在日本で韓国を支持する人々と同じスタンスであり、「軍命令で行われた軍人による女性の拉致」は存在しないという論調です。
そしてまた「奴隷的であっても基本的に軍人と同志的関係」、「自発的に行った売春婦」という主張もしています。
そして、そのうえで「日本には慰安所を運営していた道義的責任がある」としています。
この情報だけですと、日韓友好論者に比較的近い考えの大学教授という印象しかないでしょうが、実はこの教授は韓国で慰安婦問題の中心的役割を果たしている「挺対協」から名誉毀損で訴えられ、給与の差し押さえと本の内容の変更をせよとの判決を受けています。
ソウル地裁、名誉毀損で『帝国の慰安婦』出版禁止 ハンギョレ新聞 2015.02.18
(※1)
慰安婦被害おばあさんたち「帝国の慰安婦」著者給料差し押さえ news1/NAVER (韓国語) 2016-02-16
なぜかといえば、以前から書いているように韓国では「慰安婦とは日本軍が軍命令によって軍人が女性を拉致し奴隷とした事件」であるとされているからです。
『帝国の慰安婦』書籍の出版等禁止及び接近禁止の仮処分決定
http://east-asian-peace.hatenablog.com/entry/2015/02/23/234842
※上記リンク先に、韓国の裁判で内容の変更要求を受けた箇所がいくつも明記されており、そのうちの一つに
「しかし、「慰安婦」を「誘拐」して「強制連行」したのは、少なくとも朝鮮の地では、そして公的には、日本軍でなかった。いわば需要を作ったのが、すぐに強制連行の証拠となるものではない。」
という部分があります。
現実には「軍命令で行われた軍人による女性の拉致」は存在せず、そこを突っ込まれるとこまる朝日新聞や日韓友好論者などは、このあたりの定義を後付けで拡大して「慰安婦が募集される過程や就業する過程で実質的な強要があった」というように、批判の対象を広げています。
朴裕河教授は、こうした日韓友好論者の意と韓国のニューライト系の歴史観なども汲んで「帝国の慰安婦」を出版したわけですが、韓国では「軍命令で行われた軍人による女性の拉致」が普遍的な正しさであるため、他の解釈は許されず積極的に排除されたわけです。
韓国において「一つの正しさ」以外の「そういう意見もある」とか「そういう解釈もある」との発想は許容されない事を示す非常に典型的な事例です。
朝日などは必死になって「なぜ朴裕河教授は訴えられたのか」をボカしていますが、要するに日韓友好論者が韓国をフォローして慰安婦問題を継続させるために作り出した新たな解釈すら、韓国社会の「一つの正しさ」の前では積極的に排除対象となっているのです。
韓国においてはこれが「常識」であり、日本と韓国はここまで「違う」のです。
そして違うからこそ、その違いを正確に認識していないとこんな傍からみて「内紛」にしか見えないような事すら発生するわけです。
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以下は当ブロマガのお勧め記事マイリストです、もしよかったらこちらもどうぞ。
(※1)
慰安婦被害おばあさんたち「帝国の慰安婦」著者給料差し押さえ
news1/NAVER (韓国語) 2016-02-16
http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=shm&sid1=102&oid=421&aid=0001890209
日本軍『慰安婦』被害者のハルモニ(お婆さん)が、『帝国の慰安婦』の著者である世宗(ヨンセ)大学の朴 裕河(パク・ユハ=59歳)教授の給料を差し押えた事が分かった。
16日、ソウル西部(ソブ)地方裁判所は去る1日にイ・オクソンさん(89歳)など、9人の被害者
ハルモニが朴教授と世宗大学校法人を相手に起こした損害賠賞金約9700万ウォンの差し押えと、回収命令の申請を引用した。
これは先立ちソウル東部(トンブ)地方裁判所が先月13日、朴教授に対し、「原告に1000万ウォンずつ、計9000万ウォンを賠償せよ」とし、原告一部勝訴の判決を出した事によるものである。
ハルモニは宣告によって先月25日、ソウル西部地方裁判所に債権の差し押さえと回収命令を申請した。
これによって去る4日、朴教授は西部地方裁判所から損害賠賞金を全て返すまで、2月から給料の一部を差し押えするという内容のメールを受けた事が分かった。
朴教授は自分のSNSに、「全く予想しなかった事」と言いながら、「ナヌムの家の目的は結局、私の名誉を現在以上に毀損する事にあるようだ」と明らかにした。
朴教授は『帝国の慰安婦』の本を通じ、ハルモニの名誉を毀損した疑いで刑事裁判を控えていて、先月に国民参加裁判も申請されている。