日韓問題(初心者向け)

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「オバマ大統領広島訪問」が許せない韓国


さて、本日は過去にも何度か言及したアメリカのオバマ大統領の広島平和記念公園への訪問に関連し、韓国が韓国独特の価値観を前提に猛反発している件について書いていきます。


以前から書いているように、韓国社会は対等の概念が希薄であり「どちらが上か下か」をあらゆる人間関係で重視する序列社会なのだが、この序列社会において最も上位に位置できるのが「被害者」となっている。


これは、自己の優越性や正当性を証明する最も有力な方法が「他者の劣等性」である韓国において、被害者となって相手の加害性(劣等性)を指摘する事が自己の優越性や正当性を証明する最も効率の良い手段だからであり、韓国では公的な被害者になる事ができれば「道徳的な絶対的優位者(序列の上位者)」となれる。


そして今回のオバマ大統領による広島平和記念公園への訪問は、韓国的価値観では「アメリカは日本が被害者である事を認めた」と認識されており、「日本が被害者になって道徳的優位性をアピールしようとしている」と認識されているからこその反発であり、また韓国は自己の正当性を証明するために「(広島訪問を決めた)アメリカの劣等性」を指摘して反発している。



※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:韓国の歴史観と価値観から発生した反発


まずはこちらの記事から


[アンカー&リポート]日、戦犯国家烙印脱いで‘被害者’浮上意図
KBS(韓国語)  2016.05.11
http://news.kbs.co.kr/news/view.do?ncd=3277761

<アンカーコメント>日本はドイツなどと条約を結んで第二次世界大戦を起こした戦犯国家です。中国、南京では30万人以上を虐殺し、軍慰安婦、強制徴用など戦争中に数多くの蛮行を犯しました。日本軍による死亡者は韓国人を含んで最大千万人に達するほど、日本の戦争犯罪がますます苛酷になり、次の様な決定が下されました。

<録音>ハリー・トルーマン(1945年8月6日/当時米大統領):「少し前、米国の爆撃機が日本の広島に原子爆弾を投下しました。」

広島は結局、戦犯国家日本を象徴するわけですが、そこに米国大統領訪問を推進した日本の意図は何でしょうか。パク・ジェウ特派員です。

<リポート>一言で歴史的事件です。オバマ大統領の広島訪問決定についてこのように日本が歓呼する理由は自分たちが'原爆被害国'であることを強調できる良い機会だからです。

<インタビュー>安倍晋三(日本総理):「(オバマ大統領は)唯一の戦争被爆国総理の私とともに犠牲者に哀悼の心を伝えようとします。」

日本は先月、広島で開かれたG7外相会議でもケリー米国国務長官の慰霊碑献花を引き出しもしました。自分たちが被害者であることを前面に出して'侵略国家・戦犯国家'の責任を脱いでしまおうという意図です。

<録音>マツオ・フミオ(ジャーナリスト):「犠牲者に追悼の意を表明するのは(米・日両国が)戦争について決着させる良い機会になります。」

さらに進んで今後、国連安保理常任理事国進出のための踏み台を用意するという意図からも説明されます。中国は原爆が日本の軍国主義の結果がもたらしたことと今回の訪問に憂慮の意向を明らかにしました。

<録音>陸慷(中国外交部報道官):「新軍国主義の道に絶対行かなくなければならないというメッセージを世界の人々が日本に与えなければなりません。」

多くのアジア国家に被害を与えた日本が今回の機会に加害の歴史を隠し平和国家に変身を試みています。

東京からKBSニュース、パク・ジェウです。


関連記事
オバマ氏広島訪問に心中穏やかでない韓国政府 朝鮮日報  2016/05/12
韓国メディア、オバマ大統領の広島行きに憂慮 中央日報 2016年05月11日
第2次世界大戦で戦った日米、歴史的和解へ急展開 東亜日報 May. 12, 2016
[社説]オバマ大統領の広島訪問が成果を収めるために ハンギョレ新聞  2016.05.12



韓国の公共放送(日本のNHKに相当)であるKBSの記事なのですが、韓国は現在官民挙げてオバマ大統領の広島平和記念公園訪問に大反発しており、関連記事にありますが韓国の主要紙も全て同じ論調です。


これは、最初に書いたように「被害者と加害者」という関係性が私たちとは全く異なるからこそ発生する問題であり、私たちの常識が韓国にも適用されると考えていると、問題はどんどん悪化していきます。


序列社会の韓国においては、被害者になると言う事は序列の絶対的上位者になれるという事であると同時に、道徳的に「最も正しい存在」という事でもあり、彼らの価値観では「上位の存在が行う行為は全て道徳的に正しい」つまり何をしても許される存在となるという事です。


韓国が今回の件に対して猛反発している理由のひとつがこれです。
韓国人の多くは韓国人的価値観が世界標準だと考えているので、「日本も同じ事を考えている」はずであり、加害者から被害者へ成り代わる事で道徳的優位性を手に入れ「戦犯国の罪」を消し去ろうとしている、そんな風に見えているわけです。


そのため、たとえば先日の朝鮮日報の記事では「(オバマ大統領は)加害者は日本、被害者は韓国と広島で指摘せよ」という要求をしています。


【社説】オバマ氏は広島で「加害者は日本、被害者は韓国」と指摘せよ 朝鮮日報  2016/05/12


また別の背景として、韓国では「韓国は第二次大戦で連合国の一員だった」という事になっている件が関係しています。


臨時政府の「対日宣戦布告」64周年の記念式 中央日報 2005年12月08日


しかし現実には、韓国が連合国の一員であった事を認める国は世界中どこにもなく、現実よりも「かくあるべき姿」を優先する韓国人にとってその事が非常に不満なのですが、だからこそ韓国は事あるごとに「連合国として振舞いたい」との背景があります。


今回の一連の出来事も、韓国人としては「連合国の一員としてアメリカに意見している」つもりなのです。


韓国が今回の件で反発するのも、靖国神社の戦犯a項に反発するのも、日本の事を未だ戦犯国と呼び続けるのも、韓国は連合国の一員として「日本を裁いているつもり」と言い換えることもできます。
当然のことですが、全て韓国人の価値観が世界共通であるとする前提のうえでです。


2:自己の正当性をアメリカに訴える韓国


上記で書いたような背景から、韓国はオバマ大統領の広島平和記念公園訪問に反発しているわけですが、韓国社会で自己の正当性を訴える最も有力な方法は何かといえば、それは「他者の劣等性を主張する事」です。


今回の件も同じで、韓国は韓国独特の価値観のルールに沿った形でアメリカに自分達の正当性を訴えています。
それが以下です。


在韓被爆者「米国に謝罪・補償求める」 オバマ氏の広島訪問 聨合ニュース 2016/05/12
韓国人の原爆被害者「日米政府は私たちに謝罪し賠償せよ」 中央日報 2016年05月12日
韓国原爆被害者協会、オバマ大統領に韓国人被爆者への謝罪を求める ハンギョレ新聞  2016.05.11


要するに、自身が「アメリカの被害者」とアピールする事(他者の劣等性の指摘)で自己の正当性を主張しているわけです。


韓国において、被害者である事を主張し相手に謝罪と賠償を求めるという行為は、ある種の序列構築作業とも表現でき、相手より序列が上位であるという事を認めさせることで、自己の主張を通すというのが韓国では一般的です。


そして最初に書いたように、韓国においては被害者になるという事は道徳的な絶対的上位者になれるという事ですから、こうすることで「いかに自分達が正当な主張をしており、アメリカの判断が間違っているのか」をアピールしているというわけです。


(個々の行動原理としては、「アメリカを加害者にすることで自身が道徳的優位に立ちたい」という側面もあります。)


またもうひとつの動きとして以下のようなものもあります。


オバマ氏の広島訪問 「米側にわれわれの関心事伝達」=韓国聨合ニュース 2016/05/12
オバマ氏広島訪問に心中穏やかでない韓国政府 朝鮮日報  2016/05/12

米国ホワイトハウス、「広島訪問は韓国人含めすべての犠牲者慰霊するためのもの」 中央日報 2016年05月13日
[社説]米大統領の初の広島訪問を見る韓国人の目 東亜日報 May. 12, 2016
広島の韓国人原爆犠牲者慰霊碑にも悲しい歴史が… ハンギョレ新聞  2016.05.12


これら記事はどれも同じ論調であり、「日本の原爆被害者記念碑に慰霊するのならば韓国の原爆被害者記念碑にも慰霊せよ」という内容です。


これはどういう事かといえば、要するに韓国人の中では今回の件は「日本が被害者である事をアピールしアメリカに対する道徳的優位性を確立しようとしている」との認識であることから、「それならば自分達もアメリカに対して道徳的優位性をアピールしよう」という行動原理が働いた結果です。


つまり、日本は「戦犯国」なので被害者である事をアピールする事は許されないが、自分達は「本物の被害者」なのだからアメリカの加害性を訴える正当な理由があるとの行動原理が働いた結果です。


日本やアメリカの本来の意図としては、将来的な対中国戦略を想定して「過去からの脱却」を行い同盟関係が強固なものである事を国際社会にアピールするという意図があり、「過去」を口実に日米離間を狙う中国の意図を挫くという目的が強いです。


しかし一般的な韓国人にはその意図そのものが理解できません。
韓国人的価値観では、日本は常に自分達よりも道徳的に劣等な存在であるはずであり、戦犯国であるという事実は永久に消えません。


また、今まで書いてきたように「被害者と加害者の関係性」が私たちと韓国社会では大幅に異なり、また「自己の正当性の主張方法」も根本から異なります。


ですから日米の今回の意図は恐らく外交ルートを通じて公式に韓国にも伝わっているはずですが、彼らはそうした説明が「価値観やあり方の違い」から理解できず、今回書いたような事態になっているわけです。


3:まるで噛み合わない「常識」の違い


今回書いたように、この問題も根本にあるのは双方の価値観の違いから来る「常識」の衝突が起こった結果です。


そして今回の件に限らないですが、韓国のこうした言動を見ていて不思議に感じる人がいるでしょう。
「ネットの普及で世界各国のニュースを個人でいくらでも入手できるようになり、各国の考え方や価値観の違いも肌で感じることができるようになったにもかかわらず、韓国人の中にはその違いを理解できる人がいないのか」と。


これなのですが、中にはそういう人もいるにはいるのですが韓国では少数派です。


どうしてなのかといえば韓国は徹底した序列社会であり、ありとあらゆる事柄を「どちらが上か下か」で考えることが社会に定着している事、また常に「他者との比較」を前提に思考する事が一般化していることが関係しています。


こうした価値観から、韓国では自分達が想定する「かくあるべき姿」に沿わない考え方が他国から出てきた場合、「間違った(劣等な)考え方だからそんな結論になるのだ」と二元的に思考するのです。


そして、ネットを通じて入ってくる他国の膨大な情報を自国や自己と比較し、「自分達が正当に評価されないのは相手に知識がないか間違った知識を持っているからだ」と判断する傾向にあり、いかに自分達の主張が正当であるかをひたすら各国にアピールしています。


つまり、価値観や常識が自分達と異なる事を「違い」と認識せずに「優劣or善悪」と認識するため、「この世の中には絶対普遍の価値観、絶対普遍の歴史観が存在する」という考えがむしろネットの普及で強くなり、近年の韓国における民族主義の先鋭化にも強い影響を与えています。


ですので、実は私が韓国人と積極的に関わりを持つようになった2002年頃よりも、現在の韓国人の方が頑なで先鋭的な思考を持つ傾向にあり、若い世代ほど一般的にその傾向は顕著です。


特異な価値観が土台にあることの影響で、先鋭化し続ける民族主義教育の影響と相まって、恐らくネットに触れる機会が多いほど頑なで先鋭的になって行っているのでしょう。


今回の件も本質的にはこの傾向の延長線上です。
韓国人は学校や家庭、或いは社会で子供のころから繰り返し「韓国人は道徳的に優れた存在である」と教育されて育ち、それが彼らの中で「当たり前」になっています。


ですから、そんな「道徳的に優れた民族」の判断する善悪観に反する行為が存在するなど本来ありえない事であり、だからこそ彼らは「相手の間違いを正さなければいけない」と考え、今回紹介したような事態になっているわけです。


韓国人の中で、「自分達の価値観は必ずしも他国で通じない」と考える人はほとんどいないでしょう。
そもそもそう判断できるだけの材料が韓国内に存在しないからです。


こうして日本との間でも事あるごとにトラブルが発生するわけです。
今回の件に関しても、予備知識がない日本人にとっては、「韓国人がなぜ広島訪問にここまで反発するのか解らない」というのが大部分でしょう。


なぜなら日本にも、韓国人の価値観を知る上での判断材料がほとんど存在しないからです。
これでは問題ばかり起きて当然です。



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