日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

進む事も戻る事もできなくなった韓国


さて、今回も韓国人の「かくあるべき」に関する内容です。
ここ何年か、日本のメディアは頻繁に韓国の事を「日本のライバル」として紹介してきました、しかしそれは実際のところどうなのでしょうか。
確かにサムスンなどが国際的企業になり、スマホなどで多大な利益をあげています、しかし実体はそれは表面的な結果でしかなく、また現在サムスンはかなりの苦境に陥っています。


その背景には、今まで書いてきた韓国人の現実よりも優先される「かくあるべき」が非常に深く関係しているのです。
これを説明するために、まず少し本題とは逸れた内容を書きます。


どんな事でもそうですが、単純化すれば最初は模倣から始まり、そこから基本を身につけ、更にそこから身に付けた基本を元に独自のものを作り出すという形になっているでしょう。
また技術そのものにしても、過去に発明された技術が他で模倣され新たな発明へと繋がり、更にその発明の模倣から新たな物がつくられるというのが、現代までに行われてきた技術発展の歴史です。
技術と言うのは突然どこからか降って湧いてくるものではないのです。


これの非常に解りやすい事例が歯車を使用した機械式時計です。
時計に使われる歯車の歴史を調べていくと、古代ギリシャ天文学に使用されていた機械式のアナログ計算機、いわゆるアンティキティラ島の機械に代表される装置に行き着きます。




(画像はアンティキティラ島の機械)



これは直接時計とは関係なく、暦の計算や占星術、宗教上の祭事の日取りの決定や、最近の学説では古代オリンピックの開催日の決定などにも使用されていたとの説があるものなのですが、実はこの歯車の技術がそのまま欧州に残り時計になったわけではありません。


ギリシャの滅亡と共に一度欧州からは姿を消し、中東へとその技術が伝播、そこから東へと伝わっていき中国と中東で歯車式の水時計となります。
そして、11世紀以降にこの技術が欧州へと逆輸入され、その後様々な形へと発展していく歯車を利用した機械式時計へと繋がっていきます。


つまり、元を辿れば技術の大本はギリシャという事になりますが、その後の歯車式時計の発展はその技術を模倣した様々な文明の試行錯誤の結果なわけです。
勿論、ギリシャで歯車の発明がなければその後の展開はなかったでしょうが、その技術を模倣するところが現れなければ、同じくその後の発展もなかったわけです。
技術の模倣と発展と研鑽の流れを知る上で非常に興味深い事例です。


なぜこの話をここで書いたのか、それは韓国人の技術に対する認識に非常に関係しているからです。


韓国起源説などを見ていると、韓国人の主張には2種類ある事が解ります。
一つは「最初から現在と同じ物が朝鮮にあった」との主張、もう一つは「起源を主張するものの原型が朝鮮にあった」とする主張です。


この2つには共通点があり、どちらも先ほど挙げた技術の模倣と発展と研鑽の歴史を全否定しているのです。
前者は説明するまでもなく、後者の場合はその後の発展や技術の模倣から始まる新たな技術の発明を全否定しています。


韓国人の価値観では、技術の発展というのは重要な事ではなく、起源に拘るのも「最初にもっていた者が最も尊い」という思想が根底にあるのです。
韓国人はよく日本の事を「模倣しか出来ないパクリ国家」と呼ぶのですが、その考えの根底にあるのもこれです。
これも後ほど書きますが重要になってきます。


さて、ここでやっと現代の話に移ります。
これが現代の韓国にどう関係するのか、それは以下の記事を見てください。


韓国、日本の黒字助ける2番目の国
2013年05月23日11時09分
[ⓒ 中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/929/171929.html
円安余波で今年に入り対日貿易不均衡が続く中で韓国が事実上、日本の黒字を助長する2番目の国であることが明らかになった。

23日に発表された日本の財務省の4月貿易統計によれば、韓国の4月対日貿易赤字は2482億円で昨年同期より45・7%、前月より3.6%増加した。

これに伴い、1月に888億円だった対日貿易赤字は2月1336億円、3月2395億円に続き4月まで3カ月連続で拡大した。

日本財務省によれば今年1月、日本に貿易黒字を多くもたらした国順位で韓国は米国、香港、台湾、タイにつぐ5番目だった。

しかし2月に入り米国、香港、台湾に続く4番目になり、3月と4月には台湾を抜いて米国、香港についで日本の3番目の黒字貿易相手国に浮かび上がった。

中国の一部である香港の赤字が、中国の莫大な対日黒字で相殺されるという点を勘案すれば、韓国は事実上、米国に続き2番目に多くの黒字を日本にもたらした国ということになる。



この日本の対韓貿易黒字の中身はなんでしょうか?
そこが重要となるのですが、次にこちらの記事を見てください。


韓日国交49年、累積貿易赤字は5000億ドル
朝鮮日報 2014/06/16 08:56
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/06/16/2014061600973.html?ent_rank_news(リンク切れ)
http://web.archive.org/web/20140617054938/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/06/16/2014061600973.html?ent_rank_news(ウェブアーカイブ
全国経済人連合会(全経連)は15日、「韓日間の経済協力の成果と課題」と題する報告書で、1965年6月22日の韓日国交正常化以降、韓国は日本との商品貿易での累積赤字が約5000億ドル突破を目前としているのに対し、サービス観光、直接投資分野ではそれぞれ134億ドル、297億ドルの小幅な黒字を計上したとする分析を明らかにした。

 対日貿易赤字は、2010年に361億ドルまで拡大したが、最近は素材部品の日本依存がやや改善されたことから、昨年は253億ドルまで縮小した。

 しかし、国交正常化以降、今年4月までの韓国の対日輸入は累積で1兆ドルを超えたのに対し、対日輸出は5843億ドルにとどまり、今年第3四半期(7-9月)にも累積赤字が5000億ドルを突破すると予想される。

 対日輸出で最も大きな割合を占めるのは半導体で、1988年からの累積輸入額は950億ドルに達した。サービス分野で対日黒字を記録したのは、国交正常化以降、韓国を訪れた日本人観光客が日本を訪れた韓国人観光客よりも約2000万人多かったためだ。

 全経連のオム・チソン国際本部長は「対日貿易赤字を縮小するには、部品・素材分野の国産化を強く推進する一方、日本の精密化学企業が韓国に工場を設置するよう、積極的な投資誘致を行う必要がある」と指摘した。



つまり、工業製品などの基幹部品や素材などの殆どを日本(とアメリカ)に頼り、その結果対日貿易赤字が累積し続けているのです。
要するに韓国は、製品を作るうえでの技術は日本に依存し、それを組み立てて自国製品とする事で利益を得ている国なのです。
ちなみにここでは言及されていませんが、韓国は工場で使う製造装置などもほぼ完全に日本に依存しています。


これが韓国の産業構造の実態なのですが、ここには一つ大きな問題があります。
製造するのが難しい部品を他所から買って製品を作るだけなら、ある程度技術があれば他の国でも出来るという事です。


そして、たとえばスマートフォンの場合、こういった基幹部品などを製造しているのはほぼ日本とアメリカだけです。
また日本もアメリカも、別に韓国に特別な便宜を図っているわけでは無いので、韓国と同じものを売ってほしいと他の国の企業から言われれば、当たり前の事ですがその国に同じ物を売ります。
結果こうなります。


中国の低価格スマホが東南アジアで大人気 1年で1億2000万台販売
新華社 2014年10月27日
http://www.xinhua.jp/socioeconomy/economy/399339/
市場調査会社Gfkは22日、中国の低価格スマートフォンが今年8月までの1年間、東南アジアで前年同期比44%増の1億2000万台が売れたとの報告を公表した。23日、国際在線が伝えた。

シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナムカンボジアでのスマートフォンタブレット端末の同期間の販売額は、同30%増の164億ドルだった。

Gfkは「東南アジアでは中国メーカーのスマホ345機種が販売されており、大部分の価格帯は50~200ドルで国際ブランドのスマホに比べると58%安い」と説明している。



これが現在のサムスンの不振の主な原因です。
更にタイミングが悪い事に、実はサムスンは2~3年前からアップルの攻勢から逃れるために、途上国向けの販売強化をしたばかりでした、その矢先にこの有様なのです。
まあ、技術を軽視しそこそこの技術があればどこでも出来る事に拘った結果なので、当然と言えば当然の結末なのですが。


そしてやっとここで「かくあるべき」が関係してきます。
上記の朝鮮日報の記事では、この貿易不均衡を何とかするために素材部品分野の技術開発が必要だと訴えているのですが。この問題提起、実はもう7~8年前からずっと指摘されているのです。
しかしその間も貿易赤字は膨らみ続け、朝鮮日報の記事では状況が改善されて少し赤字が減ったとしていますが、これも怪しいものです。
なぜなら減った時期から明らかにサムスンの売上不振が始まっているからです。


実は問題提起したことで既に彼らの中では「かくあるべき」が出来上がっているのです。
どういう事かといえば、以前から書いて言いるように、韓国人は現実よりもかくあるべきが優先され、現実とかくあるべきが矛盾すれば現実を否定してしまいます。


そして、問題提起をした時点で、或いはそういった記事を読んだ時点で、多くの韓国人はこう考えるのです。
「自分はこれを問題だと思っている、でも周りが問題に気付かないから悪いのだ」、或いは「問題提起がされた、だからいずれ変わっていくはずだ」と、それで自己の中では問題を解決したつもりになってしまっているのです。
結果的に問題は一向に解決されず、何年も何年も同じ問題提起が繰り返されます。



またこの問題にはもう一つ「かくあるべき」が関係しています。
この件に限らないのですが、韓国人の価値観では「技術が追いついた」という言葉が日本人の定義する"それ"とは大きくかけ離れている場合があります。


たとえば何年か前に韓国で打ち上げられたロシア製ロケットの羅老号、このロケットなのですが、1回目の失敗をする前までは韓国でしきりに「純国産ロケット」と宣伝され、いずれ日本や果てはアメリカに追いつけるとの声がしきりに韓国で見受けられました。
実体はロケット本体も残りの部分もほぼロシア製なのですが。


何か日本人の感覚だと不思議に思わないでしょうか。
羅老号は単純にロシア製ですし、何より日本に追いつくも何もそもそも韓国はロケットを作っていないのですから。


ここに日本人と韓国人の価値観の大きな違い、そして韓国人のかくあるべきが関係してきます。
スマホの件も含め、韓国人の言動を注意深く観察していると解るのですが、「自国内で製造された」とか「世界で大きなシェアを得た」というのが、「技術的に追いついた」と同じ意味なのです。
技術を非常に軽視するので、「自国にどんな技術があるのか」がすっぽり抜け落ちているわけです。


だからスマホでもロケットでも、韓国人の価値観だと自国内で生産(厳密には組み立て)されているから技術的に既に追いついたのだとなってしまい、それがかくあるべきとなっているのです。
韓国内で韓国人同士で何かしているうちは、皆同じ価値観を共有しているので差してこれでも問題は無いのですが、当然この価値観は韓国の外では通用しません。


結果韓国人自身はかくあるべきが実現していると思い込んでも、現実がそれについてこないのでサムスンのように不振に陥り、それでも「かくあるべき姿」を現実よりも優先してしまうがために、模倣から前に進もうにも今まで技術の蓄積をしてこなかったので進みようがなく、かといって戻って基本から学びなおそうにも、戻れば後続に飲み込まれ価格競争で負けてしまいます。
進む事も戻る事もできなくなっているのです、このままでは後続にただ追い越される事になるでしょう。


そして現実との剥離から更に「かくあるべき」にこだわるので、最近の韓国では「日本の円安が原因だ、この不振は日本のせいだ、円安をなんとかすればまた持ち直すはずだ」という、殆ど現実逃避に近い主張が目立ってきています。


また最初のほうで書きましたが、韓国人が「日本人はパクリしか出来ない」と主張することもこれに関係しています。
韓国人が非常に技術を軽視するのは今まで書いた通り。そのため韓国人は「日本人は西洋のパクリをしたから成功したのだ」と考え、自分達も同じ事をすれば成功できると考えているのです。


しかし、現実はそうではありません。
たとえばホンダの事例などがわかりやすいでしょう。
ホンダは元々外国製のバイクの修理工場から始まったわけですが、そこからそこで得た技術を元に自力でバイクを製造するようになり、1960年代にはついに伝統あるイギリスのマン島レースで優勝、その技術の集大成がCBシリーズの名車を生み出します。


当たり前の事ですが、「パクリ=他と同じ事」をしていては当時強豪揃いだった欧州のバイクメーカー達にレースで勝つことなど到底出来ません、勝つためには他と違う事をしないといけません。
ホンダは模倣から始まり、そこから試行錯誤のすえに新たな技術を発明し、それを次々とレース車両に取り入れていった結果、他の追随を許さないような性能を引き出すまでになったのです。
しかし韓国人の感覚では、これは「パクリをしているだけ」で重要な事ではないのです。


ここにも日本人と韓国人の大きな感覚や価値観の違いがあります。
韓国人の中では「日本と同じ事をしているのだから成功し、いずれ日本を追い越すはず」という事になっているのです。
これも韓国人のかくあるべきです。


最後に、一番最初に書いたようにこの状況にも関わらず、日本のメディアなどは今でもしきりに「日本は韓国に負けている」とか「韓国は日本のライバルになった」と宣伝しています。
実体は今まで書いたように、かくあるべきに拘り技術軽視を続けた結果、もはや進む事も戻る事もできなくなったのが、今の韓国の経済と企業の実態なのですが。


そして彼らはこう言います。
嫌韓ネットウヨクは、韓国の躍進に嫉妬し危機感を持った結果だ」と、しかし、彼らの言うところの嫌韓ネットウヨクは、程度の差はありますが大半の人が多かれ少なかれ韓国のこの現状を知っています。
これでどう嫉妬しろと言うのでしょうか、あまりにも現実から剥離した分析です。


ある意味これも日本のメディアが「かくあるべき」に拘った結果でしょう。