日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

アメリカが日韓の関係改善に乗り出すようです


さて、今回は悪化した日韓関係に米国が本格的に仲裁に乗り出すことにしたというニュースについてとなります。
ただし最初に結論を書いておきますが、真っ当な方法での解決は不可能です、そしてなぜ不可能なのかを書いていく事となります。


最初に簡単に書いてしまうと、それは韓国では政府も国民も自分達しか見ていないうえに、自分達の望む「かくあるべき姿」に固執しているからです。
そしてその原因は大きく分けて4つに大別されます。


・問題の責任が100%日本側にあるとしてそれ以外の意見を一切認めない
・第二次大戦以降の国際情勢・国際秩序を一切考慮していない
・日本と韓国の間で取り決められた国際条約を無視している
・自国の問題と対日本の問題で露骨なダブルスタンダードを行っている


まずはこちらの記事から


キャンベル前次官補「韓日関係改善に米国が乗り出さなければ」
2015年03月15日10時46分
[ⓒ 中央SUNDAY/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/732/197732.html
史上最悪の韓日関係を改善させるために米国が介入すべきとの主張が提起された。カート・キャンベル前米国務次官補は13日にワシントンの米国企業研究所(AEI)で行われた討論会で、「米国は韓日関係改善のためにもっとできることがあり、そのようにしなければならない」として「米国の役割論」を主張した。

キャンベル前次官補はまた、「われわれがこの問題に介入するなら状況がさらに悪化しかねないとの見通しもあるが、いまよりさらに悪くなる状況はない」と述べた。米国が介入すべき理由では、「不協和音をなくすことが米国の戦略的利益に合致する」と説明した。具体的方法論では「韓日問題は外交や軍事的手段で解決できない。政治的に尊敬される人が両国を行き来し彼らの話を聞いて米国の要求事項を伝えなければならない」と提案した。

国防総省でアジア・太平洋地域の安保問題を担当したリチャード・ローレス前副次官補もこれに同調した。ローレス前副次官補は、「強制的で持続的な第三者の介入なくして韓日問題は解決しにくい。こうした行動をできる国はまさに米国だ」と主張した。また「われわれが出なければ韓日関係はがたつき続けるだろう」と話した。

彼らの主張は米国政府が維持した「不介入の原則」とは正面から外れるものだ。ジョージタウン大学のビクター・チャ教授は「韓国と日本は米国のアジア重視政策で核心だ」と話した。

これに先立ち先月27日、「民族感情は悪用されることがあり、政治指導者が過去の敵を非難し安っぽい拍手を受けるのは難しいことではない」というウェンディ・シャーマン国務次官の発言が韓国で「韓日両非論」と解釈され波紋を起こした。



この記事で注目すべきは最後の部分です。
これは以前から書いていますが、韓国は「現在の状況となっているのは100%日本の責任であって、韓国側には一切責任が無い」との立場です。


ですからアメリカが「どちらにも責任がある」との態度を示せば、政府も国民も「アメリカが日本に迎合している」と感じ猛反発します。
つまり韓国側のスタンスとしては、日本が韓国の要求を受け入れることこそが関係正常化への道であると、それ以外の選択肢など無いとの立場です。


これはドイツのメルケル首相が来日時に発言した内容でもほぼ同じような対応を韓国政府が行っています。
それがこちらです。


韓国政府「日本は歴史直視する勇気を」 独首相発言受け
朝鮮日報 2015/03/10
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/03/10/2015031003208.html
【ソウル聯合ニュース】韓国外交部の魯光鎰(ノ・グァンイル)報道官は10日の定例会見で、日本を訪れたドイツのメルケル首相が歴史に向き合う重要性を訴えたことと関連し、「日本が歴史を直視する勇気を持ち、過去の傷を癒すことに努め、周辺国や国際社会との信頼を築いていくことを期待する」と述べた。「ドイツが歴史と向き合う中で一貫して示してきたざんげと反省が、欧州諸国の和解、協力、統合の土台になった」と説明した。

 メルケル首相は9日に東京都内の講演会で、戦後70年を迎えた日本が歴史問題をめぐり中国や韓国との対立をどう克服すべきかとの質問に対し、「ドイツは過去ときちんと向き合った」と答えた。安倍晋三首相に遠回しに歴史の直視を促したものと受け止められている。

 一方、魯報道官は「隣国の寛容さがなければ(和解は)不可能だっただろう」というメルケル首相の発言が、韓国にも示唆するところがあるかとの質問に、「歴史に対する心からの反省があってこそ、寛容な態度も取れるのではないか」と答えた。


要するに、日本が罪を認めてそれを「許してやる」のが寛容さであると言う趣旨であり、それが解決しないのならば現在の問題を話し合うつもりは一切無いとのスタンスです。


これに対して、実は日本とアメリカのスタンスと言うのはほぼ同じです。
どちらも「歴史問題は棚上げにして、まず現在の問題を話し合おう」という態度であり、例えば安倍政権が「条件なしの会談」を何度も希望しているのも、アメリカが「どっちもどっち論」を繰り返し訴えるのも、基本的にこの考えがあるからです。


しかし韓国は上記で書いたように、歴史問題の解決が(韓国の望む形で)行われなければ一切先へは進まないとの態度で、少しでも韓国側にも責任のあるとする態度や、歴史問題の先送りをするような態度を決して認めません。


そして、この態度に様々な問題があるためにまず解決が不可能なのです。


また以下のように、韓国の歴史観そのものにも解決を遠ざける原因があります。


【コラム】米国をめぐる韓日の外交戦、勝敗は明らかだ
朝鮮日報 2015/03/15
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/03/14/2015031400972.html
過去1年間、日本はワシントンを舞台に巨額資金を投じロビー活動
連邦議会での安倍首相の演説まで推進
韓国の予算額は日本の1財団にも及ばず戦略もなし
(前略)
それでも韓国内部には、ワシントンの戦いの最終的な勝者は当然韓国だろうと、鉄のように信じる雰囲気がある。日本は米国と戦争した国で、韓国は日本の侵略と収奪に苦しんできた被害者だ。この歴史的事実を理解している米国が、被害者・韓国をのけ者にして加害者・日本の手を取るはずがない、というわけだ。これが、過去1年にわたり韓国を支配してきた国民感情だった。

 しかしワシントンの状況は、韓国人の期待とは正反対の方向に流れつつある。過去1年余りにわたり、日本は、それまでできなかったタブーを一つ、二つと破り、立地を広げてきた。その代表例が、米国連邦議会に「ジャパン・コーカス(親日議員連盟)」ができたことだ。日本は常に、米国議会に親日議連ができることを願ってきたが、太平洋戦争を挑発した歴史が原因で、容易には実現しなかった。03年と07年に、米国連邦議会下院および上院で相次いで「コリア・コーカス」が誕生するのを見守るしかなかった。しかし「ジャパン・コーカス」には、発足からわずか1年で68人が名を連ねた。「コリア・コーカス」に属する下院議員は63人だ。

 日本のワシントン攻勢は、これだけにとどまらない。オバマ政権で国家情報長官(DNI)を務めたデニス・ブレア元海軍大将は昨年5月、笹川平和財団のワシントン代表に就任した。DNIは、米国政府内に16ある情報機関をまとめ、大統領に報告される全ての情報をコントロールする責任者だ。そのような人物が、日本のロビイストに変身したのだ。ブレア元海軍大将は今年初め、韓国が日本の歴史を問題にしていることをめぐって「日本は過去にひどいことをしたが、韓国もベトナム戦争当時、極めて無慈悲だった」とためらうことなく妄言を発した。




ここで重要なのは、韓国が「日本は戦犯国であり韓国とは対等ではない」という考えを持っていることです。
そして、アメリカもその前提で日本に対して「反省を求めなければならない」という態度なのです。
つまり韓国では、世界は現在でも第二次大戦当時と同じ扱いを日本にするべきであり、それが「かくあるべき姿」なのです。


これでは当然話が一切前に進みません。
日本もアメリカも「現在の問題の話」をしようとしているのに、韓国は70年前の国際情勢で思考が止まっているのです。


大戦後の様々な問題を解決するために各国が国際条約を結び、それで「終わり」にして現在の秩序があるにもかかわらず、韓国がずっと「まだ終っていない」と主張し続けているのです。
そしてこの事がまた更なる問題を引き起こしています。


韓国側が関係改善の条件として要求している内容が、到底受け入れられる物ではないのです。
たとえば以前書いた「来月、慰安婦問題に関連した日韓局長級協議が開かれる事が決定したようなのでちょっと書いておきます」のように、1965年の日韓基本条約締結時にとっくに話し合われて「お互い合意の上」で解決した問題を「解決していない」と言い出してきたり。


【河野談話】韓国政府が自爆しましたで書いた内容のように、韓国政府すら証拠を一切提示できないものを「認めろ」と要求し、それが出来ないのならば首脳会談はしないとの立場なのです。


そして更に、上記で韓国は証言さえあれば(客観性がなくとも)被害者は存在するのだから日本側はその罪を認め謝罪と賠償をすべきとしているにも拘らず、韓国政府自身は以下のような態度を取っているのです。


米軍元慰安婦の初公判、韓国政府「違法行為を立証できてない」
レコードチャイナ 2014年12月22日
http://megalodon.jp/2015-0309-2353-04/www.excite.co.jp/News/chn_soc/20141222/Recordchina_20141222030.html
2014年12月19日、韓国・聯合ニュースによると、基地村で売春に従事していた122人の女性が、「国が米軍相手の慰安婦制度を作った」として、韓国政府を相手に提起した裁判の初公判がソウル地裁で開かれた。

女性たちは今年6月、「私たちは外貨を稼ぐために夜通し働かされた。韓国政府はこうしたシステムを作ったことを認め、賠償してほしい」として、1人につき1万ドル(約118万円)の損害賠償を求める訴えを起こした。

政府側の弁護人は、「国家賠償の成立には、122人それぞれが、個別公務員担当者の具体的な行為などを立証する必要がある」とした上で、警察の黙認、ほう助などについて違法行為を証明できていないと主張した。これに対し、被害者側の弁護人は、「政府が管理して組織的に運用したものであることは明らかだ。その違法性を問うための訴訟であるため、個人の具体的な不法行為を立証する必要はない」と反論した。


過去史委の報告書に基づく国家賠償命令、大法院が認めず
朝鮮日報 2013/07/24
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/07/24/2013072400711.html(リンク切れ)
http://web.archive.org/web/20130725045540/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/07/24/2013072400711.html(ウェブアーカイブ
朝鮮戦争中の住民虐殺事件
「矛盾があれば調査必要」

1950年末から翌年1月にかけて全羅南道咸平郡で起こった国軍や警察による住民虐殺事件(咸平良民虐殺事件)の被害者の遺族Aさん(64)が国に損害賠償を求めた訴訟で、大法院(最高裁判所に相当)第2部(金竜徳〈キム・ヨンドク〉裁判長)は23日までに、原告一部勝訴とした原審を破棄し、審理を光州高裁に差し戻した。

 咸平で義務警察として勤務していたAさんの父親は、50年に警察に連行され、数カ月後に遺体で発見された。「真実・和解のための過去史整理委員会」は2009年、現場調査や参考人の証言などを基にAさんの父親を虐殺事件の民間人犠牲者と推定し、Aさんはこれを根拠に損害賠償訴訟を起こした。

 裁判所は、過去史整理委員会の調査報告書であっても、内容に矛盾がある場合や事実関係が不明確な場合、これを基に国家賠償を決定してはならないと説明。「Aさんの父親が警察に射殺されたとは推定し難く、過去史整理委員会も故人を犠牲者と『推定』したにすぎないことを踏まえると、証拠調査を経て調査報告書の記載内容を裏付ける必要があった」と指摘した。




日本側には客観性のない証言のみで「被害者がいるのだから罪を認めろ」と要求しながら、自分達は客観的に立証できないのならば問題そのものを認めないとしているのです。
これは例えばベトナム戦争関連の問題でも同じです。


【グローバルアイ】ベトナム戦争が過去の歴史なら韓米同盟は何か
2015年03月17日13時37分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/804/197804.html
(前略)
しかし韓国も過去の歴史を直視すべきだという趣旨でブレア元局長がベトナム戦争を取り上げたとすれば、これは適切な例ではない。過去を直視するのは過去をごまかそうとしないことだが、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉ノ・ムヒョン)元大統領らは在任中、ベトナム政府にすでに謝罪と遺憾を表明した。太平洋戦争当時に犠牲になった旧日本軍慰安婦の存在を否定し、言葉で表しにくい「職業女性」にしようとする日本の一部の態度と、ベトナム戦争が公論化されてベトナムとの関係悪化につながることを憂慮する韓国人の内心を同じ線上にのせるのは話にならない。

さらに重要な点はベトナム戦争派兵の背景だ。振り返ってみると、韓国軍のベトナム派兵は共産主義の拡散を防ぐための米国の努力に韓国が「集団的自衛権」で参加した事例だった。派兵には経済開発と在韓米軍の撤収憂慮など韓国の国益が作動したが、最も大きかったのは韓米が軍事同盟だったために派兵されたのだ。軍事同盟ではなかったとすれば、韓国が米国の戦争に加勢する理由はなかった。

ところが今になって当時の派兵の脈絡を省略したままベトナム戦争を韓国軍の過去の歴史として烙印すれば、韓米軍事同盟に対する信頼を傷つけかねない。いくら考えてもベトナム戦争は韓日中3カ国の過去をめぐる葛藤の引き合いに出す素材ではないようだ。




確かに金大中政権と盧武鉉政権はベトナムに謝罪談話を発表しましたが、盧武鉉政権でその後謝罪を撤回した上に、以前紹介したこちらの記事のように(韓国が戦争犯罪を認めない訳 NEWSWEEK 2013年10月16日)、異民族や異人種への露骨な蔑視感情によって問題そのものを無視したり、
以下のような見解を軍が公式発表したり


SAPIO2013年12月号
http://www.excite.co.jp/News/world_g/20131113/Postseven_226234.html?_p=2
(前略)
今年8月、韓国国防部の報道官は、米・ニュースサイト「グローバル・ポスト」の取材に「韓国軍が組織的に民間人を虐殺することは不可能。わが軍隊は厳しい規律と命令系統の下で任務を遂行しており、ベトナム人女性の性的搾取もまったくない」と答えたが、それを証明する調査も史料も示さなかった。ここでも日本に対する態度と自国のやり方に大きな乖離がある。


日本側には罪を認めろとしながら、ベトナムに対しては日本のように条約で問題を解決しようとする態度すら見せずに「終わった事」としてしまっているのです。


これでは日本側に出来る事は何もありません。
この背景には、「かくあるべき姿」に拘り自己の行いすら他者のせいにしてしまう韓国人独特の価値観が関わっているという背景もあるのですが、それと同時にこういった問題を韓国内で煽っているのが親北派の人々であり、現在の政治的動機から韓国側は北に利するこのような政治的問題を安易に受け入れる事はできないという背景もあります。


ただし、それは日本も同じです。
以前「【従軍慰安婦問題】最近の朝日新聞が必死すぎるので突っ込みを入れてみる」で書いたように、日本国内における従軍慰安婦問題の動きにも、様々な形で北朝鮮や韓国の親北派が関わっているのですから、当たり前の事ですが安易な態度は取れないのです。


にも拘らず、韓国政府は対日本では自国に有利になるからと親北派の様々な活動を黙認し、時には利用し、尚且つ自国に都合の悪い事では「正論で」拒否すると言う態度を取り続けているわけです。


さて、この状態でアメリカがこの問題に直接介入し問題を解決しようとしたらどうなるでしょうか。
最初に書いたように、韓国側は「責任は100%日本側にある」として一切譲らない上に、ほんの少しでも韓国側にも責任があるとする態度をとると、露骨に猛反発します。
そして、では日本側に対して妥協を要求するという事は、それはつまり日本側から日韓基本条約を破棄しろと要求するも同じ事です。


前者では韓国人の「絶対的正しさ」の否定ですから当然反米感情が最悪になり、韓国の対中傾斜がより露骨になるでしょうし、後者は文字通り現在の国際秩序に基づく条約の放棄を日本へ要求しているも同じなので、日本との関係が最悪になるでしょう。
つまり解決法など無いのです。


最後に少し余談を。
現在、実は韓国内にも「歴史問題を棚上げして首脳会談をすべき」としている勢力は存在しています。
それは韓国の財閥などを含む財界です。
韓国経済はかなりの部分を日本に依存しているため、政治的な空白期間が続けば続くほど「兵糧攻め」を受けているのと同じになるので、これは当たり前の事です。


そして朴政権は現在財界から「早く首脳会談をしろ」と突き上げを受けているのですが、それと同時に韓国内の野党(=左派=親北派)は、朴大統領を親日派認定しようと虎視眈々と狙っており。条件なしでの首脳会談をしようものなら、「安倍に譲歩した、やはり親日派だ」と国民を煽って政権を機能不全にさせるでしょう。
それだけ韓国内での親北派というのは大きな発言力を持っており、財閥への不満から一般人の支持も高いのです。


また、恐らくですが日韓の関係悪化は中国にとっても非常に都合が良いので、日韓首脳会談をしないよう中国からもさまざまな圧力があるでしょう。
要するに、朴大統領の意思がどうであれ、またアメリカがどう思っていようと、いずれにせよ韓国は日韓の関係改善になど動きようが無いのです。


最初の記事でアメリカ側は「これ以上悪くなりようが無い」と楽観視している人々もいるようですが、実際は首を突っ込んだ途端にもっと悪化する可能性も十分あるのです。
本来ならば「こうなる前に何とかするべき」事だったのですが、最早何もかもが遅すぎます。