日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

WTO事務局長選と韓国


さて、本日は一連のWTO事務局長選について書いていきます。

初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由

注意
・このブロマガは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブロマガのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

現在、WTO事務局長選に立候補した韓国は得票数で非常に不利な状況にあり、WTOの仕組みでは韓国が自主的に辞退をするのが慣例となっているが、韓国は辞退をせず現状維持をし続けている。


原因はアメリカが中国寄りとされているナイジェリア候補に反対しており、結論が出ていないという事が挙げられるが、実際問題としてアメリカは韓国と非常に険悪な状況にあり、「韓国候補だから」と支持しているわけではない。


その理由として、韓国は現在アメリカによる対中包囲網入りを拒否しているだけではなく、アメリカとの同盟関係を揺るがすような発言を繰り返したり、露骨に中国寄りや北朝鮮寄りの発言を繰り返しているため、「中国寄りだからナイジェリア候補を支持しない」のならば、韓国候補も支持できるわけがないという事が挙げられる。



※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。



1:WTO事務局長選


まずはこちらの記事から

WTO事務局長選、「美しい辞退」に苦心する韓国政府
朝鮮日報 2020/10/31
https://web.archive.org/web/20201101140215/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/10/31/2020103180007.html

 ナイジェリア人候補の楽勝が予想されていた世界貿易機関WTO)次期事務局長選挙で、兪明希(ユ・ミョンヒ)韓国産業通商資源部通商交渉本部長を米国が支持すると宣言したことにより形勢が揺れ動く中、韓国政府は同氏の候補辞退案をめぐり苦心していることが30日、分かった。「途中下車」は適切でないとする青瓦台の意向が現実的に見て逆転困難な状況の中、結果に承服せずに選出手続きを遅延させることによる外交的負担が少なくないためだ。

 30日現在、青瓦台・韓国産業通商資源部・韓国外交部などは、WTO事務局長選挙の形勢や加盟国の動向をリアルタイムで分析し、協議している。外交部関係者は同日、記者たちに「11月9日に行われる理事会の時に決定するというのが(WTO議長団の)計画なので、急がなければならない状況ではなさそうだ」と語った。

 青瓦台は29日に「まだ公式の手続きが残っている」として、WTO内部の協議状況をさらに見守るとの意向を示していた。米国の強力な支持を得ただけに、米大統領選挙後、兪明希氏に加盟国の支持が集まる可能性もあるとの判断が作用したとみられる。

 しかし、得票で大きくリードしているナイジェリア人候補を米国が異例にもヴィートー(veto=拒否)したことをめぐり、「トランプ大統領WTOを無力化しようと試みている」という国際社会の非難が高まりつつある。外交消息筋は「膠着(こうちゃく)状態が長期化すれば、成果のないまま韓国責任論だけが広がるかもしれない」と話す。このため、政府の一部では、来月3日の米大統領選挙後に米国側と協議した上で、なるべく早く退陣決定をしようという声もある。

 兪明希氏と競合しているナイジェリアのオコンジョイウェアラ氏は29日、ツイッターで「一時的な問題があっても、我々は予定されている次の段階に進むだろう」と勝利に自信を見せた。

キム・ウンジュン記者


記事にもあるように、韓国が立候補したWTO事務局長選は、ナイジェリア候補が104票、韓国候補が60票と、大差をつけてナイジェリア候補が支持されるという結果になりました。


ただし、WTOでは「事務局長は全会一致で決定する」という手法を取っているため、慣例通りならば韓国候補が最終決定前に「辞退する」のが普通なのですが、アメリカがナイジェリア候補に反対したことで、韓国は「米国の強力な支持を得ただけに、米大統領選挙後、兪明希氏に加盟国の支持が集まる可能性もある」として辞退しませんでした。


そして記事にもあるように、「膠着(こうちゃく)状態が長期化すれば、成果のないまま韓国責任論だけが広がるかもしれない」というリスクがあるため、韓国の外交部などは早期辞退を提案しているそうですが、文政権は「途中下車は適切でない」として辞退を拒否してるのが現状です。

[ニュース分析]韓国候補、退却か逆転に懸けるか…先行き見えないWTO事務局長選挙 
ハンギョレ新聞 2020-10-31
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/38178.html

(一部抜粋)
 韓国政府の悩みは、WTO一般理事会のデービッド・ウォーカー議長が28日(現地時間)、オコンジョイウェアラ候補がより多くの支持を集めたと発表したことから始まった。コンフェッション(Confession)と呼ばれるWTO事務総長選出手続きは、一般選挙のように得票数ですべてが決まる構造ではない。一般理事会議長と紛争解決機構(DSB)議長、貿易政策検討機構(TPRB)議長の3人が、加盟国の支持だけでなく、各候補に対する支持国の地域的分布および経済的水準まで総合的に考慮し、最終候補を推薦する。ある候補が他の候補より圧倒的な劣勢に立たされない限り、どれほど広範囲な支持を受けたかによって、勝負を覆す可能性もある。そのような背景から、ユ候補は全体の得票力においては後れを取ったものの、北米や中南米、アジア、中東などで広く支持を確保したことを基盤に、韓国人女性としてWTO事務局長という夢を見ることができた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領とカン・ギョンファ外交部長官だけでなく、各公館でも最後まで全力を尽くした。

またこちらの記事によると、文政権の判断としては「広範囲の地域で支持されたためまだ逆転の目はある」と判断しているようです。


さらにこちらの記事によると


WTO事務総長選挙も米中の「代理戦」?…「引き分け」の可能性も ハンギョレ新聞    2020-11-02


1999年の事務局長選において、オーストラリアのマイク・ムーア氏とタイのスパチャイ・パニチャパック氏の支持が拮抗、最終的に双方が任期を半分ずつ務めるという結果になったことがあるため、韓国の場合も同じになるのではないかとしています。


2:カギとなるのはアメリ


そのうえで重要となるのがアメリカの態度です。


今回の事例の場合、先ほどの記事にもあるように、実質的に「アメリカだけがナイジェリア候補に反対している」という状態であり、過去の事例とはかなり状況が異なります。


なのでアメリカがどれだけ本気で韓国候補を支持しているのかが重要となるわけですが、同じく先ほどの記事「WTO事務総長選挙も米中の「代理戦」?…「引き分け」の可能性も」で各国からアメリカに対し「反対するなら、米国はもう少し早くすべきだったと主張した」とクレームが来ているように、アメリカの目的は「韓国候補の支持」ではありません。
単に「中国寄りとされるWTOの機能不全」を狙っているだけです。


またこうしたことはこれまでのアメリカの態度からも見て取れ


米国務次官補「WTOでの韓日輸出紛争解決を支持」 中央日報 2020.06.26
スマートフォン
https://s.japanese.joins.com/JArticle/267471


当初アメリカは韓国が一連の日本による輸出優遇解除の件で「韓国が日本との輸出規制問題を解決するためにWTO提訴手続きを活用したことを支持する」と、中立的な態度でした。


しかし8月になると一転


「日本の輸出規制は安保措置」 WTO紛争会議で日本の肩を持った米国 朝鮮日報 2020/08/04

米国「日本の韓国輸出規制は安保措置」…WTO審理対象でない? 中央日報 2020.08.03
スマートフォン
https://s.japanese.joins.com/JArticle/268773

米「日本の輸出規制は安全保障措置、WTOの審理対象ではない」 東亜日報 August. 04, 2020


「日本の安保措置はWTOの審理対象にならない」「70年間避けてきた安保関連事案不介入(の立場)を困難に導き、WTOに深刻な危険を招く」と、韓国の提訴そのものに反対を表明しているのです。


つまり、当初は静観していたアメリカが、はっきりと「韓国の態度は間違いだ」と公言したわけです。


当たり前の事ですが、この韓国による一連のWTO提訴に深く関わっている韓国候補に対して、アメリカがこの状態で「(韓国候補の)不利を承知で強く支持する」とはとても考えられないというわけです。


また最近のこちらの記事にあるように


米国防長官、「中国牽制協力14ヵ国」で韓国を除く 東亜日報 October. 22, 2020


最近アメリカが米国の対中政策に協力する国家として14ヵ国の名前を出したのですが、そこに韓国の名前がなく、東亜日報のこの記事では「米中の間で明確な立場を示さない韓国に対する迂迴的な圧力という観測が流れている」と書かれています。


更にこちらの事例では


韓国パッシング? 米国務長官、来週のアジア歴訪から韓国外す 中央日報 2020.10.23
スマートフォン
https://s.japanese.joins.com/JArticle/271493


10月初頭に、トランプ大統領の新型コロナ感染を理由として、アメリカの国務長官訪韓「だけ」キャンセルしたという事態が起きたのですが、その時は「一応理由があった」にも関わらず、今度はインド、スリランカモルディブインドネシア歴訪を行い韓国をスルーしたのです。


このことからもわかるように、現在米韓は表面的には何事もないかのように見えますが、実態は非常に険悪な状況にあり、「WTOへの妨害」以上の理由で韓国候補を支持する動機はアメリカ側に無いのです。


さらにこちらの記事によると


米国が「“兪明希”事態」を理由に「WTOを脱退するかも」=米メディア wowKorea 2020/10/30


一連の問題に関して「アメリカの意向が反映されないことを口実にWTOを脱退するかもしれない」というロイターの記事を引用しています。
これが事実かどうかはわかりませんが、本当ならアメリカは「韓国を露払いに利用している」という事になります。


3:険悪になった原因


では米韓関係がここまで険悪になったのはなぜかなのですが、それは文在寅政権が露骨に反日反米、親中親北を繰り返しているからです。
単に「対中包囲網に加わらない」というだけではないのです。


例えばこちらの事例では


韓日GSOMIA「今も有効」 日本の態度が鍵=韓国国会国防委員長 聯合ニュース 2020.08.25


あれだけアメリカから反対されたにも関わらず、韓国は未だに「まだ日本の態度次第では終了できる」と言い続けています。


これなのですが、一見すると反日による国内での人気取りのためにやっているだけに見えますが、実態は違います。
どういう事かというと、文政権は中国と北朝鮮の顔色を窺っているのです。


例えば、2017年に文在寅大統領は中国との間で「三不一限」という約束を取り交わしました。


韓国を操る中国――「三不一限」の要求 Newsweek 2017年11月30日


これは「1.米国のミサイル防衛(MD)体制に加わらない。」「2.韓米日安保協力が三カ国軍事同盟に発展することはない。」「3.THAAD(サード)の追加配備は検討しない。」というもので、GSOMIAはその性質上2と非常に深い関係にあります。


なぜなら軍事情報を日米韓で共有するのがGSOMIAなのですが、その目的は「対中」と「対北」であり、当然中国にとっても邪魔な協定なのです。
当然これは北朝鮮も同じです。


中国と北朝鮮から見れば韓国は日米と軍事情報を共有し中国や北朝鮮と敵対している事になるため、当然よく思っておらず、文政権はそれを知っているので何かと理由を付けてGSOMIA破棄をしようとしており、それは日本にもアメリカにもバレバレなのです。


また最近の事例でも、


「70年前の米国選択、今後もそうする必要あるか」駐米韓国大使の発言が論議に 中央日報 2020.10.13
スマートフォン
https://s.japanese.joins.com/JArticle/271091


駐米韓国大使が「70年前に韓国が米国を選んだから今後も米国を選択しなければならないわけではない」「国益になってこそ選ぶこと」と、まるで米韓同盟が国益に沿っていないかのような発言をし、アメリカ側から


【社説】同盟の信頼を傷つけた李秀赫氏、駐米韓国大使の資格あるのか 中央日報/中央日報 2020.10.14
スマートフォン
https://s.japanese.joins.com/JArticle/271165

米国務省「米韓同盟は非常に誇らしい」、李秀赫大使の発言に反論 東亜日報 October. 14, 2020


「韓国は数十年前に権威主義を捨てて民主主義を受け入れた時、すでにどちら側に立つか選んだ」と長文の抗議を受けています。


またこちらの事例では


韓国政府、中国を意識か…駐韓米国大使の海軍基地訪問を拒否していた 中央日報/中央日報 2020.10.15


韓国はアメリカのハリス大使による韓国海軍基地訪問が突然キャンセルとなり、その理由として関係者が「中国と北朝鮮の反応を意識した結果」と証言しています。


また文大統領が提唱する「北朝鮮核放棄前の終戦宣言」に関しても


米国務長官「北朝鮮の非核化を見る方式に変わりはない」、「核放棄ない」終戦宣言を事実上拒否 東亜日報 October. 23, 2020


アメリカ側が「終戦宣言は、北朝鮮の非核化とは別に議論できる事案ではない」という趣旨の発言をしており、事実上文政権の提案を拒否している状態です。


更には


韓米同盟のスローガン「一緒に行きましょう」…中国大使の前で叫んだ与党・金炳周議員
朝鮮日報 2020/10/28


過去に韓米連合司令部副司令官を務めたこともある韓国与党の議員が、ソウル市内の中国大使館で開催された夕食会に出席し、元々米韓同盟のスローガンである「一緒に行きましょう」を中国との乾杯の合図に使用し問題になったという事例もあります。


他にもいろいろありますが、見てのように現在の韓国はアメリカと足並みをそろえる事のできるような状況になく、WTOの件もアメリカは「韓国と相談して決めた」わけではないことがわかります。


なので、仮にこのまま韓国が辞退せずにいたとしても、アメリカが韓国候補を強く推薦することはないでしょうし、そもそもアメリカは「中国寄りの候補」に反対している以上、ここまで中国寄りの韓国を「真っ当に支持する」わけがないのです。


そもそも文政権が「辞退しない」という立場を堅持している最大の理由は、単に「大統領まで出てきて積極的に支持したのに」という面子の問題であり、そんなことにアメリカが本気で肩を持つわけもなく、このままいけば最初の記事にあるように「(状況を無駄に悪化させた)韓国の責任問題」になるだけでしょう。




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