日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

日本に「問題を解決してほしい」韓国


さて、本日はここ数日間の韓国の日本に対する態度が非常に興味深いものであったので、その件について書いていきます。

初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由

注意
・このブロマガは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブロマガのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください


日本で菅総理大臣が就任すると、韓国内ではかなり注目され、外交辞令的な対応にすら何か特別な事であるかのような反応を示し、電話会談はかなり後回しにされたにもかかわらず、不満よりも好意的な反応が多いという状態になっている。


この反応には、「日本から見放されたくない」という内情が見て取れると同時に、序列社会の韓国らしく、「菅首相を説得できればすべてうまくいく」という考えと、国家間の約束や協定が破られることの深刻さを全く理解していないという危機感の無さが見て取れる。


また、歴代の韓国の政権どれもそうだが、自身にとって都合の良い状況の時はそれを「掴む」のが上手いが、好ましくない状況になるとリカバリーができず途端に「崩れる」という特徴があり、現在の文政権もその兆候がはっきりと見えている事から、余計に「(問題解決を)日本に期待している」という背景がある。



※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。



1:菅政権への過大な期待


まずはこちらの記事から

文大統領と菅首相 初のメッセージ交換は「肯定的」
聯合ニュース 2020.09.21
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200921004400882

【東京聯合ニュース】韓国青瓦台(大統領府)は21日、菅義偉首相が19日に文在寅ムン・ジェイン)大統領からの首相就任を祝う書簡に返信を送ってきたと発表した。菅政権発足後、両国がやり取りした初めてのメッセージが肯定的な内容と評価されたことで、両首脳が行う電話会談の時期に関心が集まっている。

 韓国青瓦台の姜珉碩(カン・ミンソク)報道官によると、菅氏は文大統領の書簡に謝意を表し、両国が重要な隣国であることを強調した。また、菅氏は韓日が困難な問題を克服し、未来志向の両国関係を構築していくことに期待を示したという。

 「困難な問題」は韓国大法院(最高裁)が日本企業に賠償を命じた強制徴用判決を示すとみられる。

 文大統領は菅氏に送った書簡で、「菅首相の在任期間中に韓日関係がさらに発展するよう努力しよう」と呼び掛け、菅内閣の発足を機に関係改善に向けた意思を示した。

 文大統領の書簡の具体的な内容は公開されなかったが、青瓦台によると、文大統領は基本的価値と戦略的利益を共有するだけでなく、地理的・文化的に最も近い友人である日本政府といつでも向かい合って対話し、意思疎通する準備ができており、日本側の積極的な呼応を期待していると伝えた。

 外交関係者らは、両国の首脳が初めて交換した書簡でそれぞれを重要な隣国とし関係改善の必要性に言及したのは、良いメッセージと評価している。

 ある外交消息筋は「就任祝いに返信するのは相手国に対して礼を尽くす国際的慣例」としながらも、「懸案が前向きに解決するように願う雰囲気が盛り込まれた可能性もある」と話した。

 別の外交消息筋も両国関係が置かれた厳しい状況を考えれば、「良いメッセージ」と評価した。 

 文大統領と菅首相による電話会談が近い将来に行われるとの見方も出ている。

 菅氏は就任後、トランプ米大統領、オーストラリアのモリソン首相と電話会談した。

 ただ、強制徴用賠償判決とこれに対する事実上の報復である日本の対韓輸出規制など両国の懸案が山積した状況では、両国首脳の電話会談が早期に実現するのは容易ではないという慎重な見方も出ている。

 また菅内閣は韓国に対して強硬な姿勢を示した安倍晋三内閣の外交政策を継承するとの立場だ。

 発足したばかりの菅内閣がすぐに成果を見込めない韓日関係に力を注ぐよりも、新型コロナウイルス対策をはじめ、看板政策に掲げた行政のデジタル化や携帯電話料金の引き下げなどに注力するとの見方も出ている。


関連記事
菅首相、文大統領への返信で「未来志向的な韓日関係を期待する」 ハンギョレ新聞 2020-09-22


記事では、菅総理が韓国からの書簡に返信したという、本来なら特に注目することもない平凡な外交辞令的やり取りが、あたかも日韓関係の重要な転機であるかのような書き方がされており、韓国がいかに「菅政権に期待感を持っているか」がわかります。


更には、そんな「平凡な外交辞令」に対して韓国最大手の聯合ニュースが「速報を出す」という、普通ならば考えられないような事態にまでなりました。


[速報]菅首相 文大統領の書簡に返信「未来志向の韓日関係を期待」 聯合ニュース 2020.09.21


更にその後日韓首脳の電話会談が行われるとわかると


菅首相、文大統領に「日韓関係、このまま放置してはならない」 中央日報 2020.09.24
スマートフォン
https://s.japanese.joins.com/JArticle/270577


オーストラリア、アメリカ、ドイツ、EU、イギリスの後であるうえに、記事によると「韓国側から提案を申し込んだ」そうですので、面子や序列を何よりも気にする本来の韓国であれば抗議をしそうな状況なのですが、そうした反応が一切ありません。


更には、内容的には日韓には「懸案がある事」を確認し合っただけであるにも関わらず、そうしたことに対する反応もありません。


8月までの


徴用問題 「日本は解決に前向きな姿勢示すべき」=韓国当局者 聯合ニュース 2020.08.17


「日本が問題を解決すべき」という一方的な態度より明らかに「弱気」になっています。
これはどういうことかというと、「日本が一切折れない」からです。


以前も書いたように、韓国は「日本が折れる事」を前提に外交を行ってきたのですが、「なぜか」日本が丸で折れないうえに、GSOMIAの件など韓国政府の行いのほとんどが「裏目」に出てしまい、最早「打てる手がなくなった」からです。


さらに、韓国政府は文在寅大統領の音頭で「基幹素材の国産化」を行う官民合同プロジェクトを始動しましたが、技術的にも人材的にも半世紀近い差のある日本に早々追いつけるわけがなく、最近になって一般人も薄々気付く人が出てきています。


またこちらの記事を読むと


米国が中国の首を絞める核心技術…半導体のほかさらに25種類あった 中央日報 2020.09.29
スマートフォン
https://s.japanese.joins.com/JArticle/270722


文面はアメリカの対中制裁についてという体になっていますが、最後の方で「項目を見れば大多数の技術が米国と日本、ドイツの独壇場ということがわかる。これらの技術は韓国もほとんどが持っていない。韓国もまた状況によって首が締められかねないという意味だ。緻密な戦略を立てなければならない理由がここにある。昨年の日本の半導体技術輸出制限のような不意の一撃をまた食らわないためにだ。」と書かれており、韓国側が日本からの「報復」をかなり恐れている事がわかります。


更に次の記事を見ると


海外就職へオンライン面接イベント 日本から54社参加=韓国 聯合ニュース 2020.09.22

大韓航空、「仁川-関西」運航再開へ 中央日報 2020.09.22
スマートフォン
https://s.japanese.joins.com/JArticle/270487

日本、10月から観光客除く新規入国受け入れ再開へ 中央日報 2020.09.23
スマートフォン
https://s.japanese.joins.com/JArticle/270531


こうした件を事細かに記事にするほど韓国が日本への就職やビジネス客の往来にかなり期待している事がわかり、韓国が「日本に依存している事」が見て取れます。


つまり、日本と「疎遠になると困る」韓国が、日本の首相交代にかなり期待をかけている、その表れが「外交辞令にまで過剰反応する」という状況になったというわけです。


2:韓国は変わらない


では、こうした背景から「韓国の態度が変わったのか」といえばそれは明らかに違います。


まず重要な点として、韓国は徹底した序列社会の国であり、全てがトップダウンで決まるのが当たり前です。また「序列上位者(道徳的優越者)の決定には従うのが当然」という社会的な背景がある事も関係しています。


そのため韓国人の多くは「他国も同じ」と考え、「菅首相さえ説得できれば事態を改善できる」と考えているのです。


実際には、そもそも日本では首相にそこまでの権限はないうえに、「国家間の約束や協定を破る事は問題」であり、これは首相の一存で覆せることではないため、トップを説得できてもあまり意味がないのですが、彼らにはそうした考えが感覚的に「よくわからない」のです。


次のこの記事を見ると


[記者手帳]義理を重視する菅首相、なぜ韓国に冷たいのか ハンギョレ新聞 2020-09-23


菅首相慰安婦合意に深くかかわっており、それが反故にされたことで「面子を傷つけられたことが原因」と認識しているようで、「何が問題なのか」を彼らが本質的に理解していないことがわかりやすい記事です。



また次の記事を読むと


<危機の韓日関係、連続診断19>韓日首脳が書簡を交わした今、「譲歩イニシアチブ」推進を(1)=韓日ビジョンフォーラム 中央日報 2020.09.23
スマートフォン
https://s.japanese.joins.com/JArticle/270502


彼らが日本の韓国への反発を「ナショナリズム」と考えており、「菅首相の面子を保ち日本に徴用工問題の賠償をさせる方法」を考えている事がわかります。


つまり、彼らは「国家間の協定が破られた」という問題がどれだけ深刻な事なのか、それを本質的に理解しておらず、単なる「面子の問題」としか考えていないのです。
韓国側の現状認識には、価値観の違いから決定的な「ズレ」があることがわかります。


そのうえで


菅首相に外交協議進展を期待 安倍氏は「ブレーキかけた」=韓国与党代表 聯合ニュース 2020.09.23


韓国与党の次期大統領候補の李洛淵氏の「韓日の外交当局の協議が安倍首相によってブレーキがかかったことが多くあった」「菅首相はそうしないことを望む」という発言から、「何が問題なのか」をまるで理解していないことがわかります。


ブレーキをかけたのは、安倍首相の独断というより「国家間の約束を軽視する韓国の態度」に原因がある事がわからず、韓国と同じように「全てがトップダウンで決定される」と認識しているからです。


なので、韓国側の態度がどれだけ「柔らかく」なっても、彼らの態度の本質が変わることはありません。
根本的に「日本側が何を問題にしているのか」が理解できないからです。


3:危機に弱い


そしてもう一つ、韓国側が問題を解決できない原因として、「韓国社会は危機に弱い」という特徴が挙げられます。


どういうことかというと、以前から書いているように彼らは「(自分達の理想とする)かくあるべき姿」を何よりも重要視します。


関連記事
韓国人は理想(かくあるべき)と現実が矛盾したら現実を否定する


そのため、計画も「自身にとって最も理想的な状況」のみを前提に立てるため、「不測の事態に極めて弱い」という特徴があります。


例えば2年前の韓国海軍レーダー照射問題や、一連の日本の韓国に対する輸出優遇解除の件のように



youtube
https://youtu.be/doZqutqucRo


YouTube
https://youtu.be/2r20-pm44NA


日本側から反論されると次々と矛盾する主張をしだして、釈明すれば釈明するほど支離滅裂になって行くという事態になっていました。
これも要するに、「自身に都合の良い状況」のみしか想定していなかったので、不測の事態に対応できなかったのです。


そしてこれは対日だけではなく、韓国内でも日常的に起きている事であり


14時間報告しなかった青瓦台、今になって「文大統領に密に報告」 朝鮮日報 2020/09/30 (1/2ページ) (2/2ページ


先日起きた北朝鮮による韓国人銃殺事件においても、野党から政府の対応の遅さをを批判されると、大統領への報告過程で以前の釈明とは矛盾することを言い出し、その件を批判されています。


また一連の韓国の秋法相を巡る疑惑の件でも


「国民は守れず法務部長官の息子だけを守るのか」…嫌疑なしにあふれた怒り=韓国 中央日報/中央日報 2020.09.29
スマートフォン
https://s.japanese.joins.com/JArticle/270696


秋美愛法務部長官の自身の息子に対する特別待遇疑惑の件で嘘の釈明をしていた事が次々と発覚、しかも秋氏の息のかかった検察が「嫌疑なし」で問題を手打ちにしようとしている事例です。


つまり、常に「自身にとって最も理想的な状況」のみを想定して物事を進めようとするため、不測の事態に対応できず後手に回り、その場限りの場当たり的な言い訳に終始するという、レーダー照射問題や輸出優遇解除の件でも見られた反応は、韓国内でも頻繁に起きているわけです。


これは韓国の外交政策でも同じであり、一連の慰安婦合意の件や徴用工裁判の件でも、韓国側にとって現状は「不測の事態」です。
日本が折れる前提しか想定していなかったからです。


韓国内であれば、これを序列で強引に解決するという手法も取れますが、外交の場でそれがそのままうまくいくわけもなく、また「アメリカや中国に頼ろうとしても手を貸してもらえない」ため、韓国が「問題を解決する事」はもはや不可能になっています。


だからと言って日本が韓国に譲歩する必然性は一切ないですし、今後日本は「事務的な対応」を続ければいいだけなのですが、「韓国にはあらゆる意味で自力で問題を解決する能力がない」という事は理解しておく必要があります。




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