日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

北朝鮮に操られる韓国



さて、本日は最近あわただしくなってきた韓国の対北朝鮮政策について書いていきます。

初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由

注意
・このブロマガは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブロマガのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

韓国の文在寅大統領は、年始の演説で「南北の交流協力強化をしていく」と発表、これに対して駐韓米国大使のハリス氏が「米国との協議が必要」と発言すると、韓国政府や与党は「内政干渉である」と反発し始めた。


この件、元々去年半ば頃より北朝鮮は韓国に対して非常に辛辣になってきており、親北派の文政権が北の顔色を窺おうと、無茶な反米方針をとっているだけに見えるが、実態はそこまで単純ではない。


確かに文政権が「親北」であることも関係しているが、それ以上に文政権が気にしているのは、国内での「文政権は外交で失敗した」という評価であり、これ以上北に辛辣な態度を取られると経済で失点続きの現状では支持基盤を失いかねず、だからこそ必死になっているという背景があり、そこを北に利用されているだけに過ぎない。


※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:アメリカと対立しだした韓国


まずはこちらの記事から

文大統領 新年演説で南北協力強調=「米朝対話の重要性は変わらず」
聯合ニュース 2020.01.07
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200107003900882

【ソウル聯合ニュース】韓国の青瓦台(大統領府)高官は7日、文在寅ムン・ジェイン)大統領が行った新年の演説で北朝鮮金正恩キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)の訪韓推進など南北協力の強化を強調したことについて、記者団に「朝米(米朝)対話の成功のため努力するとともに、南北協力を増進するという意味」と明らかにした。

 その上で、「朝米対話の重要性を認知しなかったり、基調を変えたりするものではない」として、「実質的に協力できることを見つけ、積極的に実行するという誓い」と述べた。

 文大統領は演説で、「朝米対話の成功のため努力するとともに、南北協力を一層強化していく現実的な方策を模索する必要性がさらに切実に求められている」とし、「金委員長の答礼訪問のための環境が一日も早く整うよう南北が共に努力することを望む」と言及した。

 同高官は金委員長の訪韓のための環境に関しては、「非武装地帯(DMZ)の国際平和地帯化やユネスコ(国連教育科学文化機関)世界遺産への共同登録、スポーツ交流などを通じて南北が交流協力強化に向けた共感が生まれる全般的な状況を言う」と説明した。

記事は今月初頭のものなのですが、見てのように文大統領は北朝鮮との交流事業にかなり前のめりであり、交流強化以外に金正恩訪韓などを推進している事がわかります。


そしてこの件に対して、駐韓米国大使のハリス氏が「南北関係の進展は非核化と同時に進めるべきだ」「米国との協議が必要」と発言すると


ハリス米大使の文大統領「新年の辞」批判に青瓦台は不快感あらわ 朝鮮日報 2020/01/09


まず匿名の韓国政府関係者が「一国の大使が語った内容について大統領府がコメントする必要はない」「米国大使が駐在国の大統領の語った新年の辞に反論めいた発言をするのは外交欠礼に相当する」と反発します。


そしてその後


韓国与党支持者ら、「ひげが日本の巡査みたい」「ハリスを追放せよ」と非難 朝鮮日報 2020/01/18 (1/3ページ) (2/3ページ) (3/3ページ


反発はさらに大きくなり「(髭の特徴が)日本の巡査だ」といった人格攻撃にまで発展、さらに与党議員がラジオ番組で「朝鮮総督」と言い出したり、「ハリス大使は韓国政府の南北関係進展構想に制裁という尺度を適用した。これには強い遺憾の意を表明する」と露骨にバッシングしだします。


そしてついには


韓国与党関係者ら、対北協議韓米ワーキング・グループを「新総督府」 朝鮮日報 2020/01/21
1/2ページ) (2/2ページ


アメリカと韓国が対北朝鮮事業での意見調整を行うワーキンググループを「新総督府」と言い出し、与党や政府関係者が率先してこの事態を煽るという収拾のつかない事態にまで発展します。


そしてその後、問題点が何一つ解決されないどころか、この件に関する北朝鮮側の反応すらない状態で


韓国人の北朝鮮旅行 海外旅行会社のツアー参加案が有力 聯合ニュース 2020.01.20
北からは反応ないのに…韓国統一部「北発給のビザで中国の旅行代理店を利用すればいい」 朝鮮日報 2020/01/21 (1/3ページ) (2/3ページ) (3/3ページ


北朝鮮への第三国経由での個人旅行を推進するまでに至り、そもそも北朝鮮の核問題を解決するための圧力として、北の外貨を枯渇させる目的で経済制裁を行っているにも関わらず、韓国が率先して北朝鮮の外貨稼ぎを手助けするという状況になりつつあります。


2:金正恩に振り向いてほしい


なぜ韓国がこんなことを突然やりだしたかといえば、それは去年10月にさかのぼります。


金剛山の施設撤去指示 北の思惑は?=韓国政府に戸惑いも 聯合ニュース 2019.10.23
韓国統一相 金剛山施設問題巡り事業者代表と協議 聯合ニュース 2019.10.31


金正恩北朝鮮と韓国が共同で開発を行った金剛山の観光地を訪れ韓国側施設を批判、その後韓国に対して今年2月までの撤去を一方的に要求してきたのです。


なぜこうなったのかについて、漏れ伝わってくる情報を総合すると、どうも文大統領が一昨年に金正恩と会談を行った際、米国による経済制裁を一部解除できるかのような空約束を行い、強引に金剛山観光復活を進めようとしたが米国の許可を得られず失敗、これが外貨不足の解決になると考えていた金正恩が激怒したのではないかと言われています。


実際、この時期文大統領はしきりに金剛山観光と開城工業団地の再開を主張しており、アメリカから何度も忠告を受けていました。


そして北朝鮮は、去年あたりから「経済の自力更生」を主張しだし韓国を事あるごとに侮辱するようになり、


北朝鮮、中国の後ろ盾信じて「金剛山圧迫」…ジレンマに陥った韓国 中央日報 2019.10.27 (1/2ページ) (2/2ページ
スマートフォン
1/2ページ)(2/2ページ

中国の投資を受け入れて独自の金剛山観光開発に乗り出し、スキー場や温泉リゾートを建設するなど、韓国抜きでの金剛山観光推進をし始めたようなのです。


当然韓国は面目丸つぶれなうえに、金剛山に様々な投資をしてきた現代などの韓国企業は大損害を被ることになります。


そのため、北朝鮮の顔色をうかがう親北の文政権が、北朝鮮から何の反応もないにも関わらず、アメリカの反対を押し切ってまで「南北交流」と「北朝鮮への個人観光」を復活させようとしている、そういう意図があるわけです。


3:もう一つの動機


ただし、確かに文政権は露骨な親中親北反日反米政権ですが、それだけのためにアメリカとの関係をここまで悪化させるかといえば、正直疑問です。
なぜかといえば、現在でも韓国はアメリカの顔色をうかがっており、だからこそホルムズ海峡への派兵を決定したからです。


米制服組トップが韓国に謝意 ホルムズ海峡への軍派遣で 聯合ニュース 2020.01.22


こういう現状がある以上、単に親北であることとメンツの問題というだけでは「動機が弱い」のです。


そこで私が注目するのは、過去このブログでも何度か言及したことがありますが、伝統的に朝鮮は内部の問題を「外部に解決してもらおうとする」傾向がある上に、徴用工問題なども本質的には単なる韓国の国内問題であるにも関わらず、「日本に解決してもらおうとしている」という事です。


そして今回の韓国の反米的な態度にも、これが当てはまります。


どういう事かといえば、それは「文政権の支持率の内訳」がどうなっているかを見るとわかります。


文大統領支持率47%…政党支持率は民主党40%・韓国党20% ハンギョレ新聞 2020-01-10



上記記事が分かり易いですが、文政権への肯定評価の理由として最も高い回答は「外交をよくやっている」(12%)なのです。


傍から見ると「どこが?」と疑問が出ますが、とにかく韓国人へのアンケートの結果ではそうなっているのが現状です。


そしてその理由の一つとして、文政権は以下のように


[ニュース分析]文大統領の「運転者論」の成果…6カ国協議の復元目指す ハンギョレ新聞 2018-03-10


大統領当選前から「朝鮮半島運転者論」という、朝鮮半島情勢を韓国が主導して解決していくとの主張を行っていたのです。


そして、文政権は金正恩と会談するたびにこの「運転者論」を持ち出し、自身の成果で半島情勢が進展したと宣伝してきたうえに、韓国政府は今でも「北朝鮮とは対話を続けている」と宣伝しているため、それを信じている韓国人が多いのです。


しかし先ほど書いたように、金剛山観光で北朝鮮は明らかに韓国排除に動いている事がはっきりしたうえに、


米朝対話に「口出すな」 北の談話に韓国政府が遺憾表明 聯合ニュース 2020.01.13


上記記事にあるように、韓国が「アメリカから金正恩への誕生日メッセージ」を受け取り北へ送ったと発表したところ、北から「誕生日メッセージはアメリカから直接受け取った、韓国は口を出すな」と、またメンツをつぶされたわけです。

※これに関して、脱北者の太永浩氏が興味深い考察をしていますが、今回本題と関係ないので省略します、詳しくは以下を参照。

太永浩氏「北、『金正恩誕生日』利用して悪ふざけされたと考えた」 中央日報 2020.01.14
スマートフォン
https://s.japanese.joins.com/JArticle/261480



このため、「朝鮮半島運転者論」を標榜し、支持者からもそれを根拠に「外交をうまくやっている」と評価されてきており、何度北朝鮮から侮辱されても韓国政府は「窓口はある、対話できている」と主張してきたにも関わらず、そもそも対話が成り立っていないことが北朝鮮の態度からはっきりしてしまったのです。


だからこそ、文政権はこの失点をなんとかしようとして、南北対話が継続されているとアピールするために、今回のようにアメリカを含む「こちら側」と対立してでも、南北交流を推進しようとしているのではないか、私はそう考えています。


これまでの韓国の傾向から、彼らは決断は苦手だが後先を考えない自己保身は頻繁に行う特徴があるからです。
そしてそれを北はわかっているからこそ、今回書いたような韓国への「揺さぶり」を行い、思い通りに操っているのでしょう。




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