さて、本日は以前書いた「北朝鮮に侵食されつつある韓国」の続報となります。
以前書いたように現在の韓国はかつての李明博政権や朴槿恵が権力をかさに違法行為を続けた結果、韓国内の親北派の逆襲に合い、逆により北朝鮮に国内を侵食されるという事態になった。
更に最近になると、文大統領の側近が意図してアメリカとの関係を悪化させるような発言をしたり、政権に近い人間が北朝鮮の核保有を容認する趣旨の発言をしたり、教育現場で公然と金日成を賛美する副教材が使用されるなど、手のつけられない状態になってきている。
そしてこの問題がより深刻なのは、このような状態でありながら現状文政権は高い支持率を維持しており、さらにその高い支持率の中心は若い層であるため、長期的に見ても現状を立て直す手段が殆どない事にある。
※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
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1:大手を振る親北派
まずはこちらの記事から
連日の突出発言、韓国の安全保障が抱える「文正仁リスク」
朝鮮日報 2017/09/30
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文正仁(ムン・ジョンイン)大統領特別補佐(統一・外交・安全保障担当)が韓国の外交・安全保障の「不安要素」になっている、という批判が韓国政府内外から上がっている。
文特補は「個人の発言」と主張したが、「韓米同盟が崩れようとも戦争は駄目だ」とか「北朝鮮の核を認めるべき」といった趣旨の発言は、韓米同盟に亀裂をもたらし、北朝鮮の核問題を悪化させる要因として作用している。韓国政府の公式の立場と大統領特別補佐の発言に差があるという事態が続き、外交的混乱も起こっている。「文正仁リスク」という言い回しまで生まれた。韓国の野党各党は28日、一斉に文特補の解任を要求した。しかし韓国大統領府(青瓦台)は「肯定的・否定的側面どちらもある」として、解任の計画はないことを明らかにした。
(中略)
文特補が「事故」を起こすと大統領府や韓国政府の関係者が「後始末」に乗り出す-ということが繰り返されているが、文特補はむしろ発言のトーンを強め、回数も増えている。これについて、韓国政界では「最近、国防部(省に相当、以下同じ)の宋永武(ソン・ヨンム)長官と対立した際に青瓦台が文特補の肩を持ったことで、文特補が一層力を付けたから」とみている。文特補が宋長官の「斬首部隊運営計画」発言などを批判すると、宋長官は国会で「相手にしてはいけない人物」と反論した。すると大統領府は「思慮深く発言してほしい」と、宋長官を注意した。これを見た韓国政府・軍・政界の関係者は、一斉に「安全保障ラインの『パワーゲーム』で文特補が勝った」と見なした。
こうした状況のため、米国・日本などの各外信も、文特補の発言を韓国政府の公式の政策であるかのように報じている。ロイター通信は今月7日、文特補の「経済制裁が結局は金正恩(キム・ジョンウン)政権と北朝鮮の経済を崩壊させるだろうという仮定は間違いだった」という発言を引用しつつ、文特補のことを文在寅政権の「special advisor」(特別補佐官)だと紹介した。ソウルに駐在するある外国の報道関係者は「われわれは文大統領が文特補を通して本心を表明しているものと理解している」と語った。
(後略)
関連記事
文正仁・大統領特別補佐官の話、これ以上聞くに堪えない 東亜日報 September. 29, 2017
【社説】北の核保有は認めても韓国の戦術核は認めない対北宥和論者 朝鮮日報 2017/09/29 (1/2ページ) (2/2ページ)
長い記事ですので今回の本題部分のみを抽出しますが、見てのように韓国の文正仁大統領補佐官が北朝鮮を擁護するような発言を繰り返し、しかもそれを止めるべき立場にいる文大統領自身が、文正仁補佐官を擁護するという状況になっているのです。
そしてこの補佐官が特に問題なのは、先ほどの引用記事にもある宋永武国防長官との対立の中身です。
元々は文補佐官が「(斬首作戦部隊を創設するという宋長官の発言は)実に間違っている」とメディアに発言、また「(宋永武国防長官が北朝鮮の核・ミサイルへの防衛について解説すると)それは全部米国的な用語。そんな用語で作戦計画を作ったら、米国の武器ばかり買うことになる。そういう部分はかなり否定的に考えている」とも批判した事が発端です。
北朝鮮危機:韓国国防相が大統領特別補佐を批判「学者の立場で騒いでいる」 朝鮮日報 2017/09/19
要するに文補佐官は対北朝鮮の軍事オプションや核ミサイル防衛、米韓同盟について非常に批判的であり、その事を公然とメディアに発言した結果、宋国防長官がそれに反発、更に文補佐官は過去に米韓軍事演習の縮小や凍結などの発言もしていたため国防長官の立場から反論したわけです。
その結果、なぜか政府の方針ともそれほど違わないはずの宋国防長官のみが厳重注意を受けるという事態になりました。
韓国大統領府が宋永武国防相を厳重注意 軽率発言続き 産経新聞 2017.9.19
他にもこの文補佐官は親北反米的な発言が目立っており、「(韓国政府による今年7月の)南北軍事会談提案に対し、米国のティラーソン国務長官が康京和(カン・ギョンファ)韓国外交部長官(日本の外務大臣に相当)に強い口調で抗議した」と発言をしました。
「南北軍事会談提案で米が不快感」発言を韓国外交部が釈明 朝鮮日報 2017/09/28
これは「アメリカとの協議は充分にしている」「コンセンサスは取れている」とする韓国政府の公式見解と明らかに異なっており、韓国外交部(日本の外務省に相当)が火消しに奔走するという事態になりました。
現状の韓国では、ここまであからさまに親北反米の人物が政府内に深く入り込み、米韓同盟を揺るがしかねないような発言を繰り返しても何のお咎めも無く、むしろその事を批判した側が批判されるという状態になっているのです。
2:若い世代ほど文政権を支持
更に問題なのが、現状文在寅政権は就任当初より少し支持率を落としたわけですが、なぜか20代からは大統領就任直後とほぼ変わらない高い支持率を得ている事です。
文大統領の支持率67.7% 5週ぶり上昇 聨合ニュース 2017/10/02
全体としては67.7%と就任当初より15%ほど支持率を落としているのですが、記事にもあるように20代からの支持率は82%と群を抜いているのです。
これには韓国の主だった親北団体の一つである全教組という教員組合が関わっており、90年代末頃からこの組織はどんどん力をつけ、教育の場で韓国の否定、北朝鮮の肯定を刷り込む教育を続けているのです。
その結果、こうした教育を強く受けた現在の20代30代は北朝鮮に強い親近感を持つ人々が多いのです。
だからこそ、便宜上の保守であった李政権や朴政権はこれに危機感を覚え親北派排除のために違法行為を繰り返し、現在親北派からの逆襲を受けるという事態に繋がっています。
またこのような事情から、最近は特に韓国の否定、北朝鮮の肯定・美化の傾向が強くなってきており、最近も小学生向けのマンガで金日成賛美が行われている事が発覚したようです。
【コラム】韓国社会で金日成万歳を叫ぶ自由 朝鮮日報 2017/10/01 (1/2ページ) (2/2ページ)
記事によると、マンガには「故・金日成(キム・イルソン)主席とその活動を称賛し、北朝鮮の農民たちが土地の分配に感激して踊りながら「金日成将軍万歳」と叫んでいる内容」などがあるそうなのです。
このような空気の中で現在の韓国では反米親北デモが大手を振って行われ
金正恩には言及せず「トランプのせいで戦争危機」と言う人々 朝鮮日報 2017/09/28
更に北朝鮮が現在の文政権による積弊清算という名の政争を賞賛するプロパガンダまで行っており、最早現在の韓国は水面下で「北朝鮮の意のまま」に動かされているような状況なのです。
北朝鮮メディア「積弊清算を肯定評価」、韓国国内の対立を助長 東亜日報 October. 03, 2017
現状、日本でもいくつかのメディアや政治家が北朝鮮の意向と全く同じ主張をしたり、北朝鮮が今度の解散総選挙を「特定メディアと同じ論調で」批判したりしていますが、このプロパガンダは日本で全く成功していません。
しかし韓国では、日本で行われている事と全く同じ事が行われ、それが「若い世代の大きな支持を得て」成功してしまっているのです。
これが今の韓国の姿です。
日本の特定メディアや政治団体が躍起になるのも、こうした「韓国での成功例」があるからでしょう。
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