日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

河野談話の実質見直し中止が意味すること

さて、今回河野談話見直しについてちょっと思った事を手短に。

どんな事でもそうですが、部分部分のパーツのみではなく、そのパーツが構成する全体像を見てみると、色々と違った見え方がしてくるというお話です。

まずこちらの記事
官房長官河野談話の検証結果にかかわらず「継承」表明
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140312/plc14031219050014-n1.htm
菅義偉官房長官は12日の記者会見で、慰安婦募集の強制性を認めた「河野洋平官房長官談話」について、政府が行う談話作成過程の検証結果にかかわらず見直 さないとの認識を示した。「検証結果にかかわらず、談話を継承する内閣の方針に変わりはないか」との質問に対し、「そうだ」と答えた。

さて、これだけ見ると単に日本側が折れただけのように見えるのですが、実際はこれ別の意味があるんです。

過去に書きましたが、北朝鮮問題や中国問題に絡み以前よりアメリカは「歴史問題より現在の問題を」と韓国に訴えてきたわけですが、韓国政府はその都度様々な理由をつけて「歴史問題を優先する」と主張し続けてきました。

それに対し、日本政府は河野談話の再検証をするとしていたのですが、一転上記のような態度に変わりました。
これは実は今月24日よりオランダのハーグで行われる核安全保障サミットで、アメリカが日韓首脳会談をセッティングしようとしている事と関係しています。

要するにアメリカとしては「歴史問題より北朝鮮問題を」という態度なので、なんとか日韓の関係改善のための首脳会談をしてもらいたいわけです。
そこで、日本政府は「懸案の一つである河野談話の再検証をひとまず中止しましょう、それを手土産に、アメリカが提案している日韓首脳会談を行いましょう」と呼びかけたわけです。

その日本側の「譲歩」の結果がこちらでした
慰安婦問題で「誠意」要求=日韓次官会談、溝埋まらず
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140312-00000144-jij-pol
時事通信 3月12日(水)21時26分配信

 【ソウル時事】外務省の斎木昭隆事務次官は12日午後、韓国外務省で趙太庸第1次官と約3時間会談した。韓国政府関係者によると、斎木氏は安倍晋三首相が歴代政権の歴史認識を継承している点を強調し、関係改善を呼び掛けた。しかし、趙氏は首脳会談実現には従軍慰安婦問題などでの日本の誠意ある対応が必要だとの考えを示し、認識の差は埋まらなかった。
 オランダのハーグで24、25両日に開かれる核安全保障サミットに合わせた日米韓3カ国の首脳会談開催について、韓国側は「(開催へ調整に入ったとの日本側の報道は)事実と違う」と不快感を示した。このため日本側は正式な会談要請を見送った。
 斎木氏は13日まで滞在する予定だったが、12日の韓国側主催の夕食会が取りやめとなったため、同日夜に帰国。羽田空港で記者団に対し、日韓首脳の顔合わせについて「相手のあることだから、今の段階では何とも言えない」と述べ、実現の見通しは立っていないことを明らかにした。
 また、斎木氏は次官会談の内容について「懸案の解決に向けどう進めていくか、いろいろな角度から話をした」と説明。北朝鮮情勢でも意見交換し、連携の重要性を確認したと語った。 

アメリカは去年の年末辺りから、なんとか北朝鮮問題を進展させようと色々と骨を折ってきました、そして日韓首脳会談を実現させようと、韓国に何人も政府の要人を送り交渉してきました。
そして、日本側もアメリカの顔を立てて様々な譲歩をしてきたうえに、今回も河野談話の継承という譲歩をし首脳会談を行う意思表明をしました。
アメリカもそれを「おとしどころ」にしようとしたわけです。

その日本とアメリカの韓国に対する配慮も譲歩も、韓国政府は「誠意がない」と全部蹴ってしまったわけです。

「仏の顔も三度まで」とは言いますが、アメリカはいつまで手厚く韓国のフォローをしてくれるんですかね、アメリカだってアメリカの国益が一番大事ですからね。
韓国政府は、アメリカがアメリカの利益よりも韓国の利益、しかも朴政権の国内支持率を何よりも優先してくれるとでも思っているのでしょうか。

結果韓国は更に選択肢が狭まったのに対し、むしろ日本はできる事の選択肢が増えました。
「蹴った」のは韓国ですからね、日本は今後、誰から何を言われても何をするにしても「でも韓国はこっちの譲歩を全部蹴ってしまいましたよ」と言えるわけですから。