日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

日韓問題というわけではないですが、靖国問題について書いてみる





今回、日本と韓国だけの問題というわけではないのですが、丁度時事的な問題である事もあり、こういう話題は荒れやすいので避ける人も多いですが、いろいろと思うところがある人も多そうなので、なるべく手短に書いてみます。

そもそもなぜ首相の靖国神社参拝が問題にされているのか、国家レベルで批判している中国、韓国、北朝鮮の主張を見てみると、「A級戦犯が合祀されているから」という問題に行き着く。
ではなぜA級戦犯が合祀されている事が問題になるかといえば、彼らや日本のマスコミの論調を見ていると、「アジアで戦争をして大虐殺をしたから」とか「ヒトラーの墓参りをするのと同じ」とか「アジアに対する侵略戦争をしたからだ」という意見を見かける。

そこでまず、「そもそもA級戦犯とはなんなのか」という問題になる。
A級戦犯と訳されているので、ABCとは等級(Class)と勘違いしている人も多いが、実際のところこれは等級ではなく分類(Category)による区分けなのだ。
なので本来はA級戦犯と訳すのではなく、戦犯a項b項c項と訳すのが正しいはずなのだが、なぜかA級B級C級と訳されている。
A級戦犯となっているので、多くの人はイメージ的に何か重大な戦争犯罪を犯したからと思いがちだが、等級ではないのだから実際のところそれはイメージが先行しているだけの誤解に過ぎない。

次にこのa項b項c項の内容を見ていこう。
a項
平和ニ対スル罪
即チ、宣戦ヲ布告セル又ハ布告セザル侵略戦争、若ハ国際法、条約、協定又ハ誓約ニ違反セル戦争ノ計画、準備、開始、又ハ遂行、若ハ右諸行為ノ何レカヲ達成スル為メノ共通ノ計画又ハ共同謀議ヘノ参加
b項
通例ノ戦争犯罪
即チ、戦争ノ法規又ハ慣例ノ違反。
c項
人道ニ対スル罪
即チ、戦前又ハ戦時中為サレタル殺人、殲滅、奴隷的虐使、追放、其ノ他ノ非人道的行為、若ハ犯行地ノ国内法違反タルト否トヲ問ハズ、本裁判所ノ管轄ニ属スル犯罪ノ遂行トシテ又ハ之ニ関連シテ為サレタル政治的又ハ人種的理由ニ基ク迫害行為。
要するに、a項とは国家間における戦争を起こした罪であり、極東軍事裁判東京裁判)においては連合国と戦争を起こした罪のこと、そしてb項は国際法における戦争犯罪に分類される罪、c項は戦争犯罪とは定義されないが一般的に犯罪とされる行為に対する罪となっている。

さて、ここで重要となってくるのは中国、韓国、北朝鮮の主張だ。
彼らの主張を集約すると「アジアでの大虐殺をしたから」という事になるのだが、これは見ての通りb項とc項に分類される罪なのだ。
戦犯a項はそれとは全く別であり、「大虐殺をした指導者だからだ」と反論する人もいるが、そもそもそれならばa項の罪はb項に分類されていなければおかしい、命令をした人間だろうが実行した人間だろうが、国際法における戦争犯罪と定義できるからだ。
しかし実際にはされていない、彼らの言う通りならば、a項とb項が分かれていることの意味そのものがなくなってしまう。
大虐殺云々の主張が事実かどうかという議論を差し置いて考えても、彼らは見当違いの主張をしている事になる。

また、「アジアでの侵略戦争だから」という人もいるが、極東軍事裁判における戦犯a項とは、太平洋戦争において連合国と戦争を起こしたことそのものに対する罪なうえに、国家対国家の戦争行為を指すものであり、現在の中国、韓国、北朝鮮は当然含まれない。

なぜならば、現在の中華人民共和国大韓民国朝鮮民主主義人民共和国は太平洋戦争中連合国として参戦した国ではない、そもそもそんな国は当時存在すらしていない、連合国として参戦した中国とは蒋介石率いる国民党であり現在の台湾(中華民国)、韓国と北朝鮮にいたっては当時日本なのだ、連合国の一員ではないのだから、本来は首相の靖国参拝を批判する資格そのものが無い。
強いてアジア諸国靖国神社に戦犯a項が合祀されていることや、首相の参拝を抗議できる国があるとすれば、それは当時既に独立国だったフィリピンとタイ、それと連合国の一員だった現台湾くらいのものだろう。

では、なぜ首相の靖国参拝が問題になったのか、実は1984年までは中国も韓国も北朝鮮も首相の靖国参拝に何も目立った抗議をしていない、それどころか韓国にいたっては当時までに韓国の軍人や要人が何人か靖国神社に参拝していたりする。
それが1985年8月15日に一変する、この日に朝日新聞などのメディアが一斉に首相の靖国参拝を問題にする記事を書き、そして更に社会党などの議員が中国へと向かいこの話を共産党幹部などにした結果、8月末になって突然中国が首相の靖国参拝に抗議し始め、その数年後から韓国と北朝鮮も問題にし始める。

つまりこの問題、中国や韓国や北朝鮮から始まった外交問題では無く、朝日新聞を中心とした日本のメディアが文字通り「作り出した」政治問題だったのだ。
そもそも中国、韓国、北朝鮮が現在国交関係にまで言及する重大な問題だというのならば、なぜこの3国は1984年までほぼ毎年行われていた日本の首相による靖国参拝に抗議をしなかったのか。結局のところ、この問題は日本のメディアが炊きつけ中国、韓国、北朝鮮が国内のガス抜きと日本に対して優位に立つための外交カードとして利用しただけの、極めて単純な政治ゲームの結果でしかないというわけだ。
歴代首相による靖国参拝
吉田茂(5回): 1951.10.18、1952.10.17、1953.4.23、1953.10.24、1954.4.24
岸信介(2回): 1957.4.24、1958.10.21
池田勇人(5回): 1960.10.10、1961.6.18、1961.11.15、1962.11.4、1963.9.22
佐藤栄作(11回): 1965.4.21、1966.4.21、1967.4.22、1968.4.23、1969.4.22、1969.10.18、1970.4.22、1970.10.17、1971.4.22、1971.10.19、1972.4.22
田中角栄(5回): 1972.7.8、1973.4.23、1973.10.18、1974.4.23、1974.10.19
三木武夫(3回): 1975.4.22、1975.8.15、1976.10.18
福田赳夫(4回): 1977.4.21、1978.4.21、1978.8.15、1978.10.18
大平正芳(3回): 1979.4.21、1979.10.18、1980.4.21
鈴木善幸(9回): 1980.8.15、1980.10.18、1980.11.21、1981.4.21、1981.8.15、1981.10.17、1982.4.21、1982.8.15、1982.10.18
中曽根康弘(10回): 1983.4.21、1983.8.15、1983.10.18、1984.1.5、1984.4.21、1984.8.15、1984.10.18、1985.1.21、1985.4.22、1985.8.15

日本のメディアによる「安倍総理靖国参拝は右傾化の象徴」という論調が、いかに事実を無視した話なのかが良くわかる。

これが靖国参拝問題の全容だ。
だから、我々一般日本人としては中国、韓国、北朝鮮が首相の靖国参拝や戦犯a項合祀に文句を言ってきたら、戦犯a項が何なのかを説明した上で、「あんたら関係ないでしょ?」と言うのが正しい態度という事になる。
手短にと書きながら結局長くなってしまいましたが、以上となります。