日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国では希望的観測と予測が事実上同じ


さて今回の内容なのですが、以前書いた「韓国人は常に「自分達は援助・優遇されて当たり前」と考えている」にも関係したものとなります。


ここで書く希望的観測の基盤となっているのは、要するに以前から書いている韓国独特の「かくあるべき姿」や「主観的正しさ」のことであり、書き方を変えれば韓国では一般的に「自身に最も都合の良い状況のみを前提に現状の判断や将来の予測をする」という意味です。


しかし、自身に都合の良い状況のみを前提にする事は、事が上手く行っているときは良いですが、そこに少しでも綻びが発生するとたちまち全てが破綻します。


ですので、希望的観測を前提に話を進めるのは「危険である」と私達の場合には考えるわけですが、韓国社会における一般的な価値観では、他者の劣等性を自己の優越性の根拠とし、そこから主観的判断によって「絶対的な正しさ」を確信するため、自身にとって不利になる状況、上手く行かない状況というのを殆どの場合事前に考慮しません、常に「正しいはず」だからです。
そしてそのことが、日本と韓国との間にも様々な問題を引き起こしています。


どうしてこれが日韓の間で問題になるのかの前に、まず「希望的観測と予測が同じ意味」とはどんな状態なのかを知ってもらうために、2006年に日本のネット界隈を騒然とさせた韓国の「天気予報」を巡る騒動について書きます。


2006年7月、当時東アジアに接近中だった台風が韓国を直撃するコースを取る事を、日米の気象当局が予報しました。
が、なぜか韓国のみ同じ台風が日本を直撃するコースを取ると予報、更に日本とアメリカの予報通りに台風が韓国を直撃するコースであることが確定し、しかも実際に直撃してからも、韓国の気象庁は台風が日本を直撃するコースを取る予報を逐次出し続けました。


そのあまりのとんでもなさに、当時日本のネット上でそのことが話題となり、この韓国気象庁の予報コースが時系列でまとめられフラッシュ化されます。
(探してみたところ、案の定ニコニコにもそのフラッシュを動画化したものがアップされていたので、今回はそちらを紹介します)





1分半程度の動画ですが、これが希望的観測が予測と同じ意味を持つという事です。


そしてその後も韓国気象庁は、ただ台風の進路を外すというだけではなく、明らかに予報者の願望が入っているとしか思えない台風予報を出し続けます。
数年後には流石に韓国でも台風という人の手の介入しようの無い出来事で「他人のせい」にすることはできず、一連の台風予報が問題になります。


台風15号進路、韓国気象庁発表と140キロの誤差
朝鮮日報 2012/10/09
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/10/09/2012100900929.html(リンク切れ)
http://web.archive.org/web/20121011191014/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/10/09/2012100900929.html(ウェブアーカイブ
今年8月28日に韓半島朝鮮半島)を直撃した台風15号(アジア名・ボラベン)の中心位置が当時の韓国気象庁の発表より最大で141キロ南西にずれていたことが分かった。これは「台風が西海岸を北上し、一直線に移動して北朝鮮に上陸した」とする韓国気象庁の発表が誤っていたことを意味するもので、同庁による進路捏造(ねつぞう)疑惑が再燃しそうだ。
(中略)
韓国気象庁のナ・ドゥクキュン報道官は「われわれも台風15号のベストトラックを再分析しているところだ。再分析の結果、(当初発表した進路が)修正される可能性があるが、日本の気象庁が発表したベストトラックが誤っている可能性もあるため、どちらが正しいかは現時点で分からない」と説明した。韓国気象庁は来年1月に開かれるWMO台風委員会でベストトラックに関する意見を表明する予定だ。

 民間の気象専門家A氏は「WMOはベストトラックの決定権限を日本の気象庁に与えており、韓国気象庁が異議を唱えても受け入れられる可能性はない。ベストトラック発表以降も韓国気象庁が強引な主張を続けている」と指摘した。韓貞愛議員も「日本の気象庁に確認したところ、今後ベストトラックが修正される余地は全くないとの回答を得た」と述べた。

 これに先立ち、韓国気象庁台風15号に関連し、米軍合同台風警報センター(JTWC)、日本の気象庁、香港天文台など海外の気象観測機関とは100キロ前後離れた位置を台風の中心が通過したと発表していた。

■ベストトラックとは

 台風が消滅した後、人工衛星、陸上、海上などの観測データを精密分析し、最終的に確定した台風の進路を指す。WMOは世界6カ所のRSMCにベストトラックの決定権限を与えている。韓国が属する北西太平洋は日本の気象庁の管轄となっている。


当然のことですが、「韓国だけ進路がおかしい」のですから、この言分は明らかに言いがかりなのですが、なぜかこの時この韓国気象庁の言い訳が半ば通ってしまい、議論が有耶無耶のまま終ってしまいます。
韓国では「日本のせい」にできればそれで殆どの事が正当化される風潮があるため、それが関係しているのでしょう。


そして、実は今年も韓国は似たような事をしています。


台風9号:進路予想大外れの韓国気象庁
朝鮮日報 2015/07/13
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/07/13/2015071300759.html(リンク切れ)
http://web.archive.org/web/20150713071015/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/07/13/2015071300759.html(ウェブアーカイブ



台風9号(アジア名『チャンホン』)の実際の進路は、米軍の合同台風警報センター(JTWC)の予報に最も近く、韓国気象庁の予報は米中日3カ国の予報と比べ最も外れていたことが分かった。この台風が北上していた9日、韓国・米国・中国・日本の4カ国の気象庁は、中心部の位置が数百キロメートル以上違う予報=本紙7月10日付記事=を発表していた。

 韓国気象庁が12日に明らかにしたところによると、台風9号は同日昼12時ごろ全羅南道木浦から西南に約250キロメートルの海上を北上し、13日午前0時ごろ仁川市ペンニョン島を経て、北朝鮮の甕津半島に上陸したとのことだ。衛星画像などで12日に観測された台風9号の実際の進路と9日の予報を比較してみると、JTWCの誤差が最も小さかった。JTWCは台風9号が中国に上陸するとすぐ進路を急激に東に変え、韓国西海(黄海)上に進むと予測(①)したが、韓国気象庁は台風が中国に上陸してかなり西の地点まで進み、12日午後3時ごろに上海から西南西に約180キロメートルの陸上に到達する(②)と予想していた。日本(③)と中国(④)の予想も、韓国気象庁の予想に比べ実際の進路に近かった。

 気象専門家A氏は「台風の進路予測は非常に難しく、最先端の気象技術を確保している米国でも外すことが多い。だが、韓国気象庁の今回の台風予測はほかの国の気象庁の予測に比べあまりにも違いが大きく、問題だ」と語った。これに対し韓国気象庁関係者は「北から吹いてくる冷たい高気圧の勢力が我々の予想より強かったため予報が外れた」と説明した。



一見すると単に「はずれた」だけにも見えますが、実はこれも希望的観測に基く予報の結果です。
この時韓国は記録的な干ばつに見舞われており、「台風が直撃しては困るが雨は欲しい」という状況でした。
その結果がこの予報であり、台風本体は遠くを通るが雨だけは降るという彼らの願望そのままだったのです。


先ほども書いた通り、台風の挙動は流石に人の手でどうにかできるものではないうえに、台風が直撃すると大きな被害をもたらすため、予報が外れるたびに韓国気象庁は批判されますが、それでも希望的観測による予測が社会で一般化しているため、同じ事を繰り返している事がこの事から解ります。
実害が起きてもおかまいなしなのです。


ではこの価値観がどう日韓関係などに関わってくるのかといえば、例えば以下の事例がそうです。


暗礁に乗り上げた鄭夢準、日本はプラティニ氏支持か
東亜日報 AUGUST 21, 2015
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2015082187568
大韓サッカー協会鄭夢準チョン・モンジュン)名誉会長(64、写真)が、国際サッカー連盟(FIFA)会長選挙で、日本の支援を受けるのは難しい模様だ。

日本のスポーツ新聞「スポニチ」は20日付で、「日本サッカー協会田嶋幸三副会長が、FIFA次期会長選挙に立候補した鄭夢準元FIFA副会長を支持しない意向を示した」と報じた。同報道によると、田嶋副会長は18日、マレーシアのクアラルンプールで行われたアジアサッカー連盟(AFC)の会議の際に会った取材陣に対し、「同じ東アジア地域で候補が出たことを誇らしく思う」としながらも、「(アジア)大陸連盟の団結が重要だ。AFCのシェイク・サルマン・ビン・イブラヒム・アル・カリファ会長はすでに、欧州サッカー連盟(UEFA)のミシェル・プラティニ会長への支持を表明している」と語った。事実上、プラティニ会長への日本サッカー協会の支持宣言として受け止められる発言だ。田嶋副会長は4月、AFC分のFIFA執行委員の選挙の際に、大韓サッカー協会鄭夢奎(チョン・モンギュ)会長(53)を破って当選した。

鄭名誉会長は6日、ソウルでの記者懇談会の際、「日本からの支援があれば当選可能性は99%だと思う」と語った経緯がある。鄭名誉会長は日本サッカー協会大仁邦彌会長宛てに、FIFA会長選挙での支持を頼む手紙を送ったりもした。

来年2月26日、209のメンバー国の投票で行われるFIFA次期会長選挙で、メンバー国が所属大陸連盟の意思を従わなければならないことはない。



この件なのですが、まだ情報が少なく実際に日本が韓国を支持するかしないかは判断のつけようがないですが、少なくとも韓国はこの日本の態度を見て「日本に裏切られた、だから日本は信用できない」と多くの人が感じているようです。


なぜならば、「自分達は正しい事をしている」という希望的観測前提で日本に対して支持要請をしているため、そもそも日本が他の候補者を支持するという想定が、彼らの中で最初からされていなかったのです。
ですから、日本側が記者会見でプラティニ会長支持と取れる発言をした事があまりにも韓国視点では予想外であり、結果として「日本に裏切られた、信用できない」という意見が出てくるのです。


またこちらの記事も同じです。


朴大統領の中国戦勝式典出席 動き始めた北東アジア外交
聯合ニュース 2015/08/20
http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2015/08/20/0400000000AJP20150820001800882.HTML
【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が来月3日に行われる中国の抗日戦勝記念式典への出席を決断したことで、北東アジアの外交が大きく動き始めた。抗日戦勝記念式典を皮切りに、韓国と中国はもちろん、北朝鮮、米国、日本、ロシアなどが本格的な外交戦を繰り広げることになる。

 朴大統領が20日、苦心の末、中国の戦勝記念式典に出席することを決めたのは、北東アジアにおける外交戦で主導的に対応していくという強い意志の表れと受け取れる。
(中略)
 だが、韓国政府は中国との関係はもちろん、安倍晋三首相の出席の可能性を否定できない状況で朴大統領が中国の戦勝記念式典に欠席した場合、日中関係が進展することで韓国が外交的に孤立する懸念を考慮せざるを得なかったものと判断される。

 こうした韓国政府の腐心の結果が、中国の戦勝記念式典に出席し、軍事パレードへの出席の決定は後回しにするという姿勢に表れたとみられる。
(中略)
 朴大統領は韓中日首脳会談と、会談をきっかけにした韓日関係改善のモメンタム(勢い)を足がかりに、10月16日に確定したオバマ大統領との韓米首脳会談に臨む可能性が高い。

 米国は歴史問題をめぐりぎくしゃくしている韓日両国に関係改善を働きかけてきた。韓国政府としては韓米首脳会談で韓日関係改善に向けた韓国の努力をアピールしたい考えだ。


これなのですが、まずそもそも記事中では「韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が来月3日に行われる中国の抗日戦勝記念式典への出席を決断したことで、北東アジアの外交が大きく動き始めた」としていますが、傍から見れば韓国が日米韓の連携を崩したようにしか見えません。


また、「韓国政府は中国との関係はもちろん、安倍晋三首相の出席の可能性を否定できない状況で朴大統領が中国の戦勝記念式典に欠席した場合」となっていますが、そもそも日本が出席しない事は既に確定しています。


そして最後にはこの希望的観測を前提に、日中韓で首脳会談を行い日韓の関係を改善できるとの前提に立ち、その後アメリカとの首脳会談を通じて韓国の努力をアピールしていくとしています。
当然ですが何もかもが、「全ての国が韓国の都合で動いてくれる」という希望的観測のみです。
そしてこれも同じく、上記記事の想定通りにならなければ彼らは「相手が不道徳な事や不正をしたからだ」としか考えません。


こうして、なにもかもを自身に都合の良い希望的観測のみで予測し状況判断を行い、最初に挙げた台風予報のように、予想と外れても外れた結果から更に希望的観測を行い続け、実害が出ても何も変わりません、他が間違っているからと考えるだけです。


また更に、この事を韓国側に「それではだめだ」と指摘しても、それは無意味です。
これは韓国の価値観では当たり前の反応であり、また自己の正当性は他者の劣等性を担保として成り立つ価値観ですので、問題点を指摘されたら「相手も同じ問題を持っている」とする事で、自身の問題点を打ち消してしまい、指摘した問題が彼らの中では相手の問題に摩り替わってしまうからです。


当たり前ですが、今後の国際情勢は韓国の想定した通りにはまずなりません。
そのうえ、中国の式典に参加した事で米韓関係はより悪化して行くでしょうし、中国は更に韓国へ様々な要求を突きつけてくるでしょう。


そうなったとき韓国はどうするかといえば、今までの例から考えて「日本の助け」を求めてくる可能性が非常に高いです。
そのために今以上に友好を訴えてくる事になるでしょうし、日本のメディアのいくつかもそれに同調するでしょう。


重要なのは、この動きをどうやって拒否していくかです。
「おたがいさま」という、こちらが態度を変えれば相手も態度を変えるという考えは、日本人の価値観であって韓国で通用する価値観ではありません。当然、日本が助けたからとそれに応えて韓国の態度が変わるわけでもありません、日本と韓国では常識が違うのですから当たり前です。
一般的な韓国の価値観では、「自分達の正しさが受け入れられた」と考えるだけです。


またこの要求に答えたら、韓国は更に希望的観測に基き動くでしょうから、状況は更に悪化していくだけなのです。