日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国人の無限ループ


さて、今回の内容は以前書いた「今更日本にすり寄りはじめた韓国」に関係した内容となります。


以前書いた内容では、韓国の世論が強硬一辺倒の態度から変わってきており、その背景には何があるのかに付いて書いたわけですが、実はこの態度というのは過去にも同じ事が起きており、それは「日本との関係が目に見えて悪くなった時期」という、現在と全く同じ状況で起きているのです。


つまり現在の韓国の態度の変化はその時と同じであり、過去に起きた事と殆ど同じ事が今現在また起きているだけ、それは日本の一部メディアが主張するように韓国社会の考え方が変わってきたのではなく、韓国社会独特の価値観に基く特徴的な反応のひとつに過ぎないという事です。


そして今回はこの特徴的反応に基く、韓国人の対日サイクルとも呼べるものについて書くわけですが、タイトルを「韓国人の対日サイクル」にすると何か解り難いような気がしたので、全く同じ事が繰り返されているという意味で「韓国人の無限ループ」にしてみました。


ではまず、過去同じ事が起きた時期とはいつなのかについて、以下を


内閣府 外交に関する世論調査
韓国に対する親近感
http://survey.gov-online.go.jp/h25/h25-gaiko/zh/z14.gif
平成16~18年(2004~2006年)に注目


(クリックで拡大します)


表を見ると平成16~18年(2004~2006年)頃に日本人の韓国への親近感が大幅に下がっている時期がある事が解ります。
この時期に何が起きたのかといえば、当時の盧武鉉政権が現在の朴政権と全く同じ「告げ口外交」を繰り返していた時期であり、その結果日本での韓国の印象が悪くなり、また嫌韓本などもいくつか発売され、韓国で「日本の嫌韓」が認識され始めた頃でもあります。


そして最も好感度が下がっている2006年の韓国メディアの記事を見ると、ここ数年の韓国の反応と非常に類似した反応と、今後の反応を予想できる内容があります。
以下の記事を


※①
■「所得両極化、日本の前車の轍を踏まぬよう」<サムスン研>
聯合ニュース(韓国語) 2006/01/09
http://www.yonhapnews.co.kr/news/20060109/030000000020060109150518K9.html(リンク切れ)
サムスン経済研究所は、深刻な所得両極化で社会的統合に困難を経験している日本を「他山の石」にして、我が国も急いで両極化解消と中産層復元に乗り出さねばならないと提言した。

同研究所は9日、「日本の所得両極化の現況と示唆点」と題する報告書の中で、1998年以降急速に進行した日本社会の両極化と、それによる問題点を紹介した。
(後略)


※②
中央日報意識調査>「盧大統領、よくやったことない」67%
2006年09月22日09時16分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/121/80121.html
(一部抜粋)
◆好きな国家=韓国民が最も好きな国はオーストラリア(17%)、最も嫌いな国と一番模範としなければならない国は日本(55%、26%)、経済的に最も協力しなければならない国は米国(40%)という結果となった。好きな国はスイス(14%)、米国(12%)が2~3位、嫌いな国は北朝鮮(15%)、米国(13%)の順だった。


※③
「日本経済追い越し無理、格差拡大も」現代経済研
聯合ニュース 2006/12/17
http://japanese.yna.co.kr/service/article_view.asp?News_id=200612171042521&FirstCd=02(リンク切れ)
http://web.archive.org/web/20070103073455/http://japanese.yna.co.kr/service/article_view.asp?News_id=200612171042521&FirstCd=02(ウェブアーカイブ
【ソウル17日聯合】日本経済の回復が続く中、韓国経済が日本経済に追いつくことは不可能で、その差はさらに広がる可能性があるとする分析結果が出た。
(中略)
研究院は、韓国経済が日本に追いつくためには、産業時代の日本模倣型成長戦略から抜け出し、情報技術(IT)やバイオ技術(BT)などの新産業分野をリードする新技術を開発する先進化戦略を進めるとともに、北東アジア単一通貨の推進や韓日・韓日中北東アジア新技術共同体の構成を通じ、日本との競争と協力を同時に進める戦略を検討すべきだとアドバイスしている。



※①の1月の聯合ニュースでは日本はもう落ち目だとしており、韓国経済は同じようになってはいけないとの内容であり、※②の9月の中央日報記事では日本を模範としなければいけないとしており、※③の12月の聯合ニュース記事では要するに「日本を模範とするのはやめよう」としています。


これが無限ループの正体なのですが、少々わかり難いので以下を


※①反日の活発化
韓国人独特の価値観である蔑視ありきの自民族中心主義に基き、落ち目の日本から学ぶ事は何も無い、むしろ韓国も同じようにならないようにしようとの考えに起因し、自分たちの方が優れているのだとの前提で対日要求(日本人から見た反日)が活発化する


※②反日の縮小・日本への依存度の増大
※①の前提に基き「主観的正しさ」の行使をしたが、理想通りに事が進まずそれどころか日本での韓国の印象が悪化、外交も経済も彼らの望んだ未来と程遠くなったため、「やはり日本の助けが必要だ」との声が韓国社会で大きくなる


※③日本への依存度の縮小
※②の結果日本から助けてもらえたが、それでも韓国人の理想とする「かくあるべき姿」には遠く及ばず、(助けてもらいその場が凌げたからこそ)「日本の助けは必要ないのではないか」との意見が増え始める


※①に戻る


こうしたループが起きるのです。
そして、この反応は全て韓国人の主観の事情や都合のみで判断されており、「外部(日本)の助け」という外的要因が関わってはいますが、外部の事情や都合は一切考慮されず完全な自己完結です。
もう少し具体的に書けば、日本人が友好を願って韓国人を助けたとしても、大半の韓国人にとって日本人の事情は一切考慮されないという事です。


結果、2007年以降日本人の韓国への好感度が回復していくと(※②の反応)、それに伴い韓国人の「主観的正しさの行使(日本人からみた反日)」や、民族主義・蔑視ありきの自民族中心主義が日本に対してもどんどん露骨になり、2011~2014年にそれが最高潮に達した、つまり※③~①へのループが起きた事でまた関係が悪化していきます。


そして現在、韓国では最近以下のような事が起きています。


韓国青年層64万人、学業終えても就職経験なし(1)
2015年07月24日10時28分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/558/203558.html


サムスン電子、4-6月期スマホ市場で苦戦…出荷量・シェアともに減少
2015年07月24日13時25分
[ⓒ 中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/577/203577.html


韓国人83%「韓国の経済状況は悪い」
2015年07月27日15時57分
[ⓒ 中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/666/203666.html


また外交でも韓国は理想通りにならなかったことで危機感を覚え始めています。


<危機の韓国外交>今年訪韓した海外首脳、日本の半分(2)
2015年08月11日15時09分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/305/204305.html
◆外交妨げる韓日関係

一部では韓日関係の悪化も対外関係にとって障害になったと分析している。日本を招待しなければならなかったり日本と衝突したりする可能性のある国際行事を避けていたら、外交に消極的にならざるをえないということだ。メルケル首相のように日本を訪問した要人の中には刺々しい韓日関係を考慮して韓国訪問に慎重になるケースもあると伝えられた。

外交専門家たちは朴槿恵政権が「原則主義」から抜け出し、韓日首脳会談を通じて突破口を見出すべきだと主張する。これまで日本の「過去の歴史への反省」という原理原則と名分だけを重視して、韓国だけが孤立したという指摘だ。実際に日本は4月、過去の歴史対立を後回しにして中国と首脳会談を行ったし、9月に日中首脳会談を開くために水面下の接触を行っている。

米国が主導する環太平洋経済連携協定(TPP)交渉でも日本をはじめ東南アジア諸国連合ASEAN)諸国が参入した中で韓国は、中国との関係を意識しながら交渉テーブルから押し出された。

ある外交専門家は「MERSを理由に朴大統領の訪米も取り消して海外首脳たちの足も途切れながら青瓦台の門の敷居にはホコリばかり積もっている」として「指導者の外交力には、国家の地位だけでなく利益までかかっているという点を勘案すれば、近隣諸国と連帯して国益を得る実利外交を展開しなければならない」と話した。


以前から書いていますが、韓国では数年前まで「世界中の人々が韓国人の道徳的正しさを理解し、世界が韓国を中心にまとまり日本への反省を促す」と考えられてきました。
しかしそれは他者の事情を考慮しない主観的な判断でしかなく、他国の事情がまるで想定されておらず、彼らの理想通りには進みませんでした。


このような状況になっているわけですが、だからといって彼等が韓国の独特の価値観から離れるわけではなく、この現象も主観的に分析し自己完結で答えを導き出します。
結果現在の韓国では以下のような論調が出てきています。


「歴史を忘れる日本人と忘れない韓国人、それでも共生を」
朝鮮日報 2015/08/09
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/08/2015080800535.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/08/2015080800535_2.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/08/2015080800535_3.html

(ウェブアーカイブ
http://web.archive.org/web/20150809074828/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/08/2015080800535.html
http://web.archive.org/web/20150809074939/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/08/2015080800535_2.html
http://web.archive.org/web/20150809075028/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/08/2015080800535_3.html
(一部抜粋)
-そうやって比べてみると、同じではないものがある。教授は、韓日対立の起源が、新羅・唐連合軍と百済・倭連合軍が群山沖で激突した663年の『白村江の戦い』にあると書いている。

 「当時、敗北した百済人およそ3万2000人が日本へ移住し、日本の指導層を形成した。この人々の胸に秘められた『新羅のせいで故国に戻れなくなった』という敵対心が、集団無意識の形で現在まで続いている。これに対し新羅は、中国に『事大外交』をすることで進取の精神を失ってしまった。このとき、民族の原形が変わった」
(中略)
-今回の本で、韓国人は日本人の内面世界を全く理解できていないと書いているが、どういう点を言っているのか。

 「日本は火山列島だ。地震や火山などで、大災害には慣れている。そのたびに、素早く被害を覆い隠して忘れ、新たな方向へ向かう。過ぎ去った過去は記憶しない。『あっさり』しているので、歴史意識がないのだ。そんな日本の立場からすると、政権が変わるたびに繰り返し謝罪を要求してくる韓国は理解できない」

-だが「被害者が受け入れるまで謝罪すべき」と語る日本の知識人もいるではないか。

 「人類の歴史は戦争の歴史だ。日本人は、戦争は犯罪行為ではなく国家生存の手段だと信じているのに、本当に誤っていたと考えるだろうか。それでも対日外交を過去史問題で一貫させてきた韓国人は、独特ではないだろうか」

-過去を直視しない日本の方が独特なのではないか?

 「歴史を簡単に忘れる民族と簡単には忘れない民族、不幸な出会いだ。韓国人は、人が死んだら『お戻りになった』という。原点に戻るということだ。原点では、常に再スタートする。過去史について繰り返し謝罪を要求するのがそれだ。これに対し日本は、人が死んだら『逝く』といい、それで終わる」

-それで終わるなら、なぜ神社や寺で死者のために追悼を行い、戦犯神社参拝で韓国人を刺激するのか。

 「日本人は、死んだ人間を『仏』と呼ぶ。戦犯も、泥棒も、死ねばそれで終わって仏になる。靖国神社参拝をめぐって何か言うと『仏様にお参りすることの何が悪い』と言う。コメディー漫画のようだが」

-日本人の原型には『甘え』要素があると書いていた。

 「強い人間や権力に甘えるということだ。一方韓国は、権力に対して甘えない。その代わり、村中で『ごり押し』して回る。日本が自ら変わるよう引っ張るためには、韓国の国の格や品位を上げなければならない」



この記事の前半は典型的な韓国の右派系の用日論なのですが、今回引用した部分は2ページ目以降の対日観です。
そしてこの内容なのですが、韓国の事を知らない人にはまるで意味が解らないのではないでしょうか。


日本人から見て「まるで意味が解らない」この韓国人の対日観こそ重要であり、韓国人の対日無限ループが発生する主要な原因でもあります。
そしてこの記事が殆どの日本人にとって意味不明なのは、この記事が韓国人独特の価値観である「主観的正しさ」と「恨(ハン)」の概念を前提として書かれているからです。


韓国人は主観的正しさという独特の概念を持っており、そこには根拠は原則的に必要とされず、正しさは相手の劣等さを担保として成り立っており、またこの正しさを他者が受け入れないことに対して韓国人は理不尽さやストレスを感じ、それが「恨(ハン)」となって蓄積されていきます。


この記事では、日本が今韓国に否定的なのは、百済が滅んだという事に対する敵愾心を日本人が持っているからとしていますが、これは韓国人にとってこの「正しさ」や「恨」とは、世代や時間を越えて全ての人々が「現在の自分達」が持つものを皆等しく共有しているという、独特の考えから来ています。


つまり、日本とは百済人が作った国であり、百済が滅ぼされた事に対する「恨」を今でも日本が持っているのだと、そう書いているわけです。
また靖国に対する解説で日本人の死生観を「コメディーマンガのようだ」としているのも、正しさや恨が世代を超えて永久に続く物とする彼らの価値観では、日本人の死生観での「死んだら皆等しく仏」との考えは、この主観的正しさや恨の連続を否定するものであるので、非常に「道徳的に劣等」に見えるからです。


そして最後の韓国人は権力に対して甘えないというのも、要するに韓国人は主観的な正しさを常に持ち続け、それが他者に受け入れられなければ「恨」となり永久に恨を晴らす(正しさを相手に受け入れさせる)時期をうかがい続けます。
それが韓国人にとっては権力者に迎合したり甘えないという事であり、日本人は権力に迎合し恨を持続できない劣等な存在と映るわけです。


そして記事中では、このような日本人に自分達の道徳的正しさを教えてやるにはどうすればいいのかとして、日本人は権力や格に迎合するのだから、韓国の格が挙がれば彼らは韓国人の道徳的正しさをうけいれるはずだとしています。


韓国人の無限ループというのもこうした考えに基いています。
自分達は道徳的に正しいはずという前提を元に、韓国が困っているときは道徳的正しさを脇に置いて仕方が無く日本に助けを求めますが、問題が解決されたら脇に置いた道徳的正しさをまた持ち出して日本人を教え導かなければいけない、そのような考えからループし続けるわけです。


日本人的価値観だと単なるご都合主義なのですが、これが韓国社会一般の「常識」であり、主観的判断で自己完結する価値観だからこそこのような考えになるわけです。


現在の韓国の態度とは、日本人が考えるように「自省して反日をしなくなった」わけではなく、単に困っているから正しさを脇に置いているだけである、その事を十分に知っておかないといけません。
それができなければ、また同じ事が延々と繰り返されるのですから。