日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国で繰り返される反日自家発電


さて、今回の内容なのですが、ここでの自家発電とは要するに「自分達で反日の火種を作り出し、そこで作り出された反日でより一層日本への敵愾心が湧き上がる」という意味です。


そしてこの背景には、以前から書いている韓国人の「絶対的正しさ(一つの正しさ)」が非常に深く関係しているので、おさらいも兼ねてまずはこの絶対的正しさについてあらためて書きます。


今まで書いてきたように、韓国人のこの絶対的正しさというものには原則的に根拠が必要なく、「最初から正しくあるもの」「世界中の人々が無条件に理解できているはずの正しさ」という意味合いが非常に強いです。


またこの前提に立ち、彼らは自分達は道徳的に常に正しい存在であると考える傾向にあります。
その背景には、道徳的に正しい者は常に最初から正しく、その行いは全てが道徳的な正しさに基くものであるのだから過ちを犯すはずが無いと考える傾向にあり、それに起因して(道徳的に優れた存在が間違いを犯す訳が無いのだから)「悪い事は全て他人のせい」という価値観が構成されています。


そして更に、この考え方は逆説的にも働きます。
つまり、道徳的に正しい存在の考えに反する相手は、道徳的に劣った存在だからであり、道徳的に劣っているからこそ正しさが理解できないのだ、彼らはそう考えるわけです。


つまり彼らの価値基準では、同じ事をしていたとしても、道徳的に優れた存在が行えば正しい行いであり、道徳的に劣った存在が行えばそれは間違った行いであると、そうなるわけです。
そして重要なのは、彼らのこの考えでは正しい人間は最初から常に正しく、劣等な人間は最初から常に劣等なのです。
だからこそ、彼らは自分達は常に(生まれながらに)道徳的に正しい存在なのだと、そう考えるわけです。


ここまでが最初に知っておいて欲しい前提知識です。


この前提に基き韓国人の「正しさ」のロジックが構成されているのですが、このロジックの適用範囲は実は個人単体に限りません、また時系列も飛び越えます。
「正しい存在は最初から常に正しい」「劣った存在は最初から常に劣っている」という考えにより、国や民族・人種、団体、血縁、で正しさや劣等さが継承されて行っている事になっているわけです。


つまり韓国視点から見て、現在道徳的に正しい存在は過去にも同じく正しく、現在道徳的に劣った存在は過去にも同じく劣っているはずなのです。


そして、この前提が今回の「反日自家発電」に深く関わってきます。
まずはこちらの記事を


【噴水台】カステラと三菱=韓国
2015年07月27日08時41分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/624/203624.html
(一部抜粋)
岩崎は欲も大きかった。ある日、東海(トンヘ、日本海)に無人島があるという話を聞いて蒸気船に伐木屋を乗せて向かった。島の木を切ってひと儲けする下心だった。だが到着してみると人に家まであるではないか。筆談で、ここがどこかと尋ねると「鬱陵島ウルルンド)」という返事だった。怒りをこらえられなかった彼は家を燃やして逃げる。三菱と韓国の悪縁はこうして始まった。

三菱は、政権の後援のもとで急成長して日帝の膨張を助けた。1894年、日本軍の朝鮮出兵の時に輸送を引き受け、第2次世界大戦中には世界最大の戦艦「武蔵」を、真珠湾攻撃の先頭に立った戦闘機「ゼロ戦」などを製作した。そのおかげで1937年の日中戦争以後、軍艦建造は10倍、電車は200倍以上に増えながら会社の資本も20倍に伸びた。当然、強制徴用も最も多かった。2010年、国務総理室がそれまで接収された徴用被害を調査した。日本3大財閥中3355人を連行していった三菱が三井(1479人)、住友(1074人)よりも2倍以上だった。


この岩崎弥太郎鬱陵島でのエピソードなのですが、いわゆる歴史学上の史実として確認されているものではありません。
では何かというと、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』に出てくるエピソードの一つ、つまり元ネタは小説です。


しかもその内容は小説通りというわけではなく、かなりの部分がネタ元の小説から改変されています。
つまり、学術的な裏付けの無い小説に出てくる内容を、更にそこから改変して史実として大手全国紙が記事にしているのです。


これなのですが、いくらなんでも小説の内容を更にそこから改変して史実としてしまう行為は、普通は韓国でも非常識とされています。
しかし、先ほど書いた前提によりこの行為が韓国人にとって「正しい事」になってしまいます。


記事中にもありますが、韓国において三菱は朝鮮人を強制連行した悪の企業という事になっています。
三菱が悪の企業=道徳的に劣った存在であるのならば、その創業者も「悪であり道徳的に劣った存在であるはず」というのが彼らの一般的な考えであるので、岩崎弥太郎にも「道徳的に劣っている事を示すエピソードがあって然るべき」、彼らはそう考えるのです。


結果、小説の内容が韓国内で独り歩きし、より「悪役っぽく」改変され、まるで創作物に出てくる悪人そのもののような岩崎弥太郎像が出来上がっていると、そんなわけです。
これが彼らの行う反日自家発電の正体です。


つまり、前回・前々回に書いたような事でまず現在の問題を作り出し、そして「現在劣等ならば過去にも劣等であるはず」という独特の価値観に基き過去に無制限に遡り、現在の問題の標的となっている相手に少しでも関係のある存在を次々と劣等な存在と認定していったり、またはその逆に過去が劣等なのだから今も劣等なのだと認定したりするわけです。


当時の歴史的背景や国際情勢、価値観、考え方等々、そういったものも一切考慮されません、彼らの価値基準では「一つの正しさ」はどの時代においても絶対不変のはずだからです。
あくまで現在の韓国人が道徳的に劣等だと考えたのならば、その基準が過去に無制限に遡って適用され、かくあるべき姿としての「史実」ができあがるのです。


こうした背景があるので、当然この考え方は現在の政治にも適用されます。
結果韓国では以下のような趣旨の記事が非常に頻繁に見られます。


【コラム】メルケルの懺悔と安倍の歴史歪曲(1)
2015年05月28日11時10分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/018/201018.html
(一部抜粋)
安倍首相の祖父は最後の朝鮮総督だったし、母方の祖父は戦犯調査を受けた岸信介元首相だ。敗戦の屈辱を徹底的に味わった彼らの悔しい思いはそのまま後世に伝えられ、今や日本は学校教育までも過去の歴史を歪曲している。その結果、今の世代の日本人たちは日帝が韓国や中国で行った蛮行を知らずに韓国人と中国人が「ありもしなかったことをねつ造して国際社会で謀略している」と憎悪するに至った。



要するに、彼らは「安倍は祖先が道徳的に劣等だから本人も道徳的に劣等なのだ、だから我々の正しさが理解できないのだ」そう考えているのです。
書き方を変えると、韓国には劣等性の連座制とも言えるような考え方が存在しているとも言えます。


この考え方に基き、韓国は今でも「日本の罪」を次々と作り出して自家発電しています。
日本側から見れば発想そのものがとんでもなく、冤罪も良いところなのですが、彼らはいたって大真面目であり、それが常識なのです。


そして当たり前の事ですが、このロジックは韓国内の韓国人にも適用されます。
その代表的事例が過去にも言及したことがある親日派財産没収法です。


韓国の親日派財産没収法のとんでもなさとその背景
http://ch.nicovideo.jp/ooguchib/blomaga/ar434100

親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法(第一条)
日本帝国主義の殖民統治に協力し、わが民族を弾圧した反民族行為者が、その当時、蓄財した財産を国家の所有とすることで、正義を具現し、民族精気を打ち立てることを目的とする」



これは要するに、日本統治時代に総督府の統治に関与して蓄財した人間の財産を、実質的には「その子孫から」没収するという法律です。
そしてこの法なのですが、実際にどのように財産を得たのか、その経緯は殆ど考慮されません。


単純に「悪の総督府に加担して蓄財した」事が罪であり道徳的劣等性なのです。
そして、その罪(財産)を継承した子孫にも道徳的劣等性があるのだから、罪の清算として財産を没収されなければいけない、それが彼らの道徳的正しさの証明であり絶対的正しさなのです。


このようにして、彼らは彼ら独特の価値観により「自分達は常に最初からずっと正しい、道徳的に優れた存在なのだ」という前提に立ち、主観的視点に基き相手の罪(道徳的劣等さ)を次々と作り出し、また他者の劣等性=自己の優越性というこれもまた独特の価値観により、この事が更に自己の優越性を確信する原動力となり、そこから更に相手の劣等性を再生産し続けるという自家発電の循環サイクルを確立しているのです。


ちなみにこうした行為は、実は韓国内でも批判する人物が存在しており、例えばソウル大学の李栄薫教授は「日帝土地収奪論」を例に出して以下のように批判しています。


李栄薫教授「厳格なジャッジなき学界が歴史を歪曲」
李栄薫ソウル大教授インタビュー(3/4)
朝鮮日報 2007/06/03
http://www.chosunonline.com/article/20070603000016(リンク切れ)
http://megalodon.jp/2008-0406-0548-21/www.chosunonline.com/article/20070603000016(web魚拓)
(一部抜粋)
このように商業化された民族主義が横行し、被害意識だけが膨れ上がった結果、(植民地支配を実際に体験した)高齢者よりも若い世代で反日感情が強くなった。これは、商業化された民族主義と間違った近現代史教科書に基づく公教育のせいだ」



しかしこうした声は非常に小さく、また特に最近はこの手の批判は韓国内で受け入れ難い空気がどんどん強くなってきており、メディアからもほぼ消え去っています。
現在の韓国では上記のような論調を公にするのはほぼ不可能なのです、それだけこの「商業化された民族主義」がより先鋭化してきているわけなのですが。


そして批判が出来ない社会的風潮が出来上がってきたからこそ、今回取り上げた「反日自家発電」もどんどん活発化していると、そんなわけです。