日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

MERS問題が韓国への不信感を増大させる


さて、今回は最近韓国で二次・三次感染まで確認され、WHOが調査チームを派遣するまでに問題が拡大したMERS(中東呼吸器症候群)についてとなります。
ただしこれはMERSの件だけではなく、以前書いた「嫌韓の出発点、2002年日韓共催ワールドカップで何が起きたのか」にも通じる問題です。


たとえば創作物の世界、映画でもドラマでも小説でも、或いはアニメやマンガでもそうですが、特定の物事に対し都合の良い内容しか公表しない、或いは良い評価しか許容しない、そういった態度の登場人物などは、大抵の場合悪役か悪役に順ずるような扱いです。


それはなぜかといえば、都合の悪い情報をひた隠しにし、都合の良い情報のみを許容し世間に伝えると言う態度は、独裁政権など傲慢さのイメージがあり、一般的に社会悪とされる考え方があるからです。
なので創作物の世界でも、悪役の「解りやすい行いのイメージ」として、このような態度が度々演出として使われるわけです。


そして韓国の問題に目を向けると、「韓国の悪い部分を見るな、良い部分を見ろ」と、日韓友好を訴える人々は韓国に対するあらゆるネガティブなイメージを否定し、良い部分のみを見る事を他者に対し事実上の強要をしています。


当たり前の事ですが、こういった態度は客観的に見れば先ほど挙げた「社会悪」に順ずる態度です。
しかも韓国に対する良い評価以外をする人々を、差別主義者、ネトウヨ、極右などとレッテル貼りをする事で実質的な弾圧をメディアなどを使って大々的に行うため、より一層「悪いイメージ」が引き立つわけです。


以前書いた嫌韓の出発点となった2002年のサッカーワールドカップにしても、嫌韓という現象が広がった背景にはこれがありました。
そして、今回の韓国におけるMERSの問題でも全く同じ事が起きようとしており、それは韓国人独特の価値観と相まって、「隠せば隠すほど」更なる韓国へのネガティブなイメージや不信感へと繋がっているわけです。


まずは以下の記事から


関西福祉大学 勝田吉彰 研究室
twitter @tabibito12 20:17 - 2015年6月2日
https://twitter.com/tabibito12/status/605936323539509248
本日3日も電話コメント決定。「ミヤネ屋」。Dとの打ち合わせ終わり、15時すぎのコーナー。昨日の数件もそうだけど、韓国が怖いというイメージをいかに阻止するかが現時点で頭の使いどころかと。日本に入ってくることが万一あるとすれば、それは中東からであって韓国からじゃないと思いますよと。


MERS感染拡大韓国政府は悪くない
wedge infinity 2015年06月04日
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5039
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5039?page=2
韓国で中東呼吸器症候群(MERS)が韓国で広がりを見せ、国内外への波紋を広げている。6月3日までに分かっている韓国人感染者数は30人、うち2人が死亡。感染は、最初の患者となった68歳男性と同室に入院していた別の患者へと広がり(二次感染)、男性の転院先でも別の患者からも感染(三次感染)が確認された。韓国政府は接触者1300人を隔離・追跡して対策を強化しているというが、現在のところ5人の容態が不安定で、1人が危篤状態との報道もある。

アジア地域でMERS患者が出たのはこれが初めてのことではない。これまでも、マレーシアとフィリピンで中東帰りの人から患者が1名ずつ出ているが、いずれも感染は中東から帰った患者本人に止まった。今回、韓国が問題となっているのは、二次感染、ひいては三次感染と感染が短期間で拡大しているからだ。 

 特に感染者のひとりは、症状があるにも関わらず韓国を出国し、5月29日、出張先の中国でMERSとの確定診断を受けたことなどから、中国を中心に海外から韓国政府の対応を批判する声が上がった。韓国の保健当局は5月31日、「MERSの感染力について誤認し、初期対応が不適切であった」として謝罪したが、「韓国政府の不手際で感染が広がっている」「韓国人患者にはモラルが無い」と、中国や日本での嫌韓感情はヒートアップする一方にある。
日本で同じことが起きていたら
別の対応が取れたか?

 しかし、今回の韓国のケースは、今までとは事情の異なる点も多い。「もし日本や中国で同じことが起きていたら別の対応が取れたのか」と問われると、疑問の余地が残る。

 MERSは、2012年9月、サウジアラビアで初めて確認されたばかりのコロナウイルスの一種による呼吸器感染症。今日までに中東諸国など世界中から1154人の患者が報告され、そのうち431人が死亡している(2015年6月1日現在、WHO統計による)。WHOの公式発表の数字を単純に割り算すると致死率が40%近くなることから、「殺人ウイルス」などと言う人もいるが、人類がこのウイルスを知ってからわずか3年足らず。感染力や致死力について、はっきりしたことは分かっていない。
(中略)
このような事情を考えれば、今回の感染拡大の理由が韓国政府だけにあるとも言い切れない。世界のどの国で起きてもおかしくなかったことだともいえる。

 今後も患者との接触者を検査していくことで、新たな感染者が見つかる可能性がある。しかし、思い出したいのは、MERSの初期症状が普通の風邪に似ていること。軽症で済んでしまうためMERSと診断されることのない人や、感染していても症状の出ない人(不顕性感染者)もいるため、実際の致死率はさほど高くないという専門家もいる。

 これを機に、正体不明のMERSについて、新たな情報が得られる可能性もある。韓国における感染者の経過と、さらなる感染拡大の傾向を冷静に見つつ、年間500万人の往来のある韓国からは、すでに症状のないMERS感染者が入ってきているとの前提で我々も備えたい。

著者
村中璃子(むらなか・りこ)
医師・ジャーナリスト。東京都出身。一橋大学社会学部・大学院卒、社会学修士。その後、北海道大学医学部卒。WHO(世界保健機構)の新興・再興感染症対策チーム等を経て、医療・科学ものを中心に執筆中。


見ての通り、典型的な「韓国に都合の悪いイメージは許容しない」という態度です。
では実際韓国政府に過失が無かったのか、これは突発的な事で単なる偶然の産物による天災のようなものなのかといえば、実態は大きく異なります。
実はMERSの感染拡大以降、韓国メディアでは日本の医師などへのインタビューを行っており、そこで日本と韓国の感染症に対する取り組みの違いがはっきりと指摘されているのです。


MERS:日本の第一人者に聞く「日本ならどう対応したか」
朝鮮日報 2015/06/05
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/06/05/2015060501135.html
谷口氏・中島氏インタビュー
「日本は感染者なくても2年前に管理システム確立」
SARSで警戒心生まれ、新型感染症を常にチェック
日本のマニュアルでは「疑い患者」も病院で感染管理
病院公表しなければ「リスク管理」できない
感染者の行動も伝えるべき

中東で中東呼吸器症候群(MERS)が確認されたのは2012年だ。日本では13年7月にMERSを「指定感染症」に指定、今年1月にあらためて「全世界的に流行する危険性がある」と全国に警告した。それと同時に、MERS感染が疑われる患者が発見された場合、どのように管理・対応するかを定めたマニュアルを全国の自治体と病院に配布した。

 日本の感染症専門家、谷口清州・国立病院機構三重病院臨床研究部国際保健医療研究室長と中島一敏・東北大学病院検査部講師に「日本はどうしてそのように速やかに備えることができたのか」と尋ねた。両氏は2003年に重症急性呼吸器症候群SARS)発生が中国で確認された時、厚生労働省傘下の国立感染症研究所で中心的な役割を果たし、防疫の最前線に立った。両氏は「SARS以降、日本社会には新型伝染病に対する警戒心が生まれた。そのため、MERSのような新型感染症が発生した場合、日本に感染者がいなくても引き続きチェックするシステムができた」と語った。

-MERS対策が早かった理由は?

 谷口氏「SARS前までは日本でも『まさかそんなものが日本に来るだろうか』と思われていた。SARS発生をきっかけに厚生労働省など関係機関が毎日状況のチェックを開始した。国民の意識も高まった。グローバル化に伴い、新型感染症が特定地域から別の地域に伝染することを実感したということだろうか。MERS発生時も、国立感染症研究所で状況を確認し、中東からイギリスにMERS患者が移動したことが分かるとすぐに『指定感染症』にした。日本では感染者がいなかった時だった」

-日本ならどのように対応しただろうか?

 中島氏「後に確認された感染者のほとんどが最初の感染者の家族や、その(最初の感染者が行った)病院の患者だと聞いている。患者が病院に来た時、そこからどう2次感染・3次感染を断ち切るか対策を立てておかないと、こうしたことが起こる可能性がある。感染が疑われる患者が病院に来たら、診断が確定する前でも感染拡大を防ぐため病院内で感染予防措置を取らなければならない」


要するに韓国は、MERSにまだまだ不明な点があるなし以前の問題として、国としてこういった感染症に対する対策マニュアルの作成を怠っていたのです。
最初に引用した記事とは明らかにイメージが異なります。
にも拘らず、問題点の指摘をしないまま「韓国への悪いイメージを払拭しよう」とか「韓国政府は悪くない」などといった態度を取れば、当然韓国に対するイメージもメディアに対するイメージも悪化します。


本来ならば、問題は問題として指摘する「正直さ」が必要だったにも拘らず、日本のメディアやそこに連なる人々は正直さのカケラも無い態度を取っているのです。
これでは韓国もメディアもイメージが悪化して当たり前です、情報を独占出来ていた時代はそれも通ったのでしょうが、現代はネットを通じてこのようにあらゆる情報を得る事ができるわけですから、こんな事をすれば文字通り火に油です。


しかも問題が問題なだけに「韓国の悪いイメージばかり扱っている」では済まされない問題です。
日本と韓国は人の往来が非常に多く、MERSは人の命にかかわる問題なのですから。


そして更に、では日本のメディアなどの態度だけが悪いのかと言えばそうともいえません。
実は韓国もこれと全く同じ事をしているのです。


韓国外交部がMERS対策班 反韓感情や観光客減防止へ
聯合ニュース 2015/06/04
http://japanese.yonhapnews.co.kr/society/2015/06/04/0800000000AJP20150604003100882.HTML
【ソウル聯合ニュース】韓国の外交部当局者は4日、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス対策を担うタスクフォースを設置したと明らかにした。

 同当局者は「MERSの感染拡大による外国人観光客の減少や反韓感情の広がり、国の信用度低下などさまざまな可能性を未然に防ぐため最善の努力を尽くしている」と説明。「そのために(外交部の)関係局が参加するタスクフォースを構成した」と伝えた。

 同部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官は2日に関連部署の幹部を集め会議を行い、外交部としてMERSコロナウイルス対応策を協議した。

 同当局者によると、現在海外で隔離されている韓国人は15人となっている。感染の疑いがありながら訪中した男性と、この男性が中国で会った4人、男性と同じ飛行機の乗客だった10人だ。

 また、中東を訪れる韓国人旅行者全員に対し、MERS感染の予防法を知らせるメッセージを先月28日から1日1回、各自の携帯電話に送っているという。 



こういった措置をするなとは言いませんが、我々の価値観からするとやることの順番が違います。
まずは対策をしっかりと行い、事態を終息させて信頼回復の準備をしてからこういった広報を行うべきなのですが、韓国ではまず広報ありきであり政府の準備不足から未だ感染阻止の対策は十分ではありません、それは外から見れば「問題を隠そうとしている」ようにしか見えません。


しかも、それに加えて先ほど挙げたように日本のメディアなどがこの韓国政府の態度に加担しているようにしか見えないわけですから、より一層プロパガンダ色が強くなりMERS対策における韓国の態度への不信感へと繋がるわけです。


そしてこの韓国の明らかに我々の価値観からすると「間違った行い」にしか見えない態度には、以前から書いている「悪い事は全て他人のせい」「責任は負うものでは無く負わせるもの」という独特の価値観が関係しています。


韓国では、問題が起きるとまず誰もが「自分は悪くない、悪いのは他者」と考える傾向にあり、そのため問題が起きて外から批判されると、「自分は悪くないのに不当に貶められている」と考える傾向にあります。
更に、以前から書いているように韓国では他者の欠点を自己の優越性の担保とする「蔑視ありきの自民族中心主義」教育が行われている事もあり、外から韓国を批判されると問題点の指摘=劣等さの指摘」と考える傾向にあるため、より一層他者からの問題点の指摘が許容できないわけです。


結果として、韓国人は「自分達が不当に貶められ劣等に見られている」と感じるため、このように政府が信頼回復よりも先に「広報」によって「批判を止めさせよう」と動くわけです。
そしてその価値観の違いを理解しないまま、彼らの言分そのままに「韓国への悪いイメージを払拭しよう」と動く日本人が現れ、事態をより悪化させていくわけです。


また更にこんな問題もあります。


【社説】無責任な韓国社会が招いたMERS感染拡大
朝鮮日報 2015/06/03
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/06/03/2015060301509.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/06/03/2015060301509_2.html
(前略)
韓国社会には法律やルールを「自分ではなく他人が守るもの」という意識が広くまん延している。一般市民の間で小さなルール違反に目をつむるケースが繰り返された結果、ルールを守らないで社会の秩序を乱す人間たちの方が逆に態度が大きくなっているのが韓国の現状だ。MERS患者と隔離対象者の一部が示した行動やうその言葉も、このような韓国社会の実情をそのまま反映したものだ。彼らにはおそらく罪の意識さえないのだろう。
(中略)
 米国や日本などでは小学校の時から公衆衛生に関する教育を行い、伝染病予防や他人に迷惑を掛けないための行動の仕方を教えている。個人の責任や意識が伝染病対策のスタートであり根本になるという当然の事実を、これらの国々ではわきまえているからだ。ただ韓国で今すぐこのように市民の意識を高めることはできないだろう。だとすれば香港のように伝染病への感染が疑われる渡航者を強制的に隔離するといった制度を導入し、危険地域への渡航の事実や体調不良を報告しない場合の処罰を強化せざるを得ないだろう。今回の問題を通じ、韓国社会に広がる無責任な意識や行動が、結果的に国民一人一人に跳ね返ってくるという当然の結果をあらためて目の当たりにした。この現実については国民も誰もがあらためて深く考えてほしいものだ。



この記事で指摘している事も「悪い事は全て他人のせい」「責任は負うものでは無く負わせるもの」という韓国独特の価値観が関係しています。
韓国では、大半の人々が「自分は徳の高い存在」と考える傾向にあり、それに加えて「ルールとは徳の高い者が低い者に与える行動指針」と考える傾向にあります。


これは要するに、徳の高いものはルールに縛られなくとも徳が高いのだから常に正しい行いが出来る、徳の低いものは正しい行いができないからルールが必要になるのだとの考えに根ざしており、韓国ではルールを律儀に守る人間ほど程度の低い人間と見られる傾向にあるのです。


そして、「自分は徳が高い」と考える大半の韓国人は、例えルールを破ったとしても「自分は正しい事をしているのだから元々ルールなど守る必要が無いのだ」と考え、その結果不都合が起きても「徳の低い他者のせいで問題になったのだ」としか考えません。
結果として記事中にもあるように「ルールを守らないで社会の秩序を乱す人間たちの方が逆に態度が大きくなっている」という状態になるわけです。


ルールを軽視する社会と言うのは何も韓国に限ったことではないですが、韓国の場合にはこのように非常に独特なロジックが背景にあり、単にルールを軽視する社会というのとは実は根本からその背景が違うのです。
こうした態度が顕著に出た結果、感染者が隔離措置を守らず二次・三次感染を繰り返し、前代未聞の大感染状態を引き起こしたと言うわけです。


香港で感染が確認された韓国人患者が、入管で嘘をついたり隔離措置に抵抗して警備員に暴力を振るい逮捕されたと言う事例も、こういった考えが背景にあるからです。
徳の高い自分に落ち度がある訳が無い、問題が起きるのは徳の低い他者のせいであり、責任は全てそういった人々にある、これが韓国では「当たり前」なのです。



最後に。
こうして、韓国人独特の価値観と、価値観の違いすら理解せず自らの行いを模範的な多文化主義の行いと勘違いした日本人達の相乗効果で、事態は最悪の方向へと向かい韓国に対する不信感は現在もどんどん増大しています。


しかも、韓国人にこのような考えがある限り、日本と韓国は非常に人の往来が激しいのですから、韓国経由でMERSが日本へと入ってくる可能性は十分にありえるのです。
本来ならばありえなかったとしても、韓国人に「ルールは(徳の低い)他者が守るもの」という考え方がある限り、「本来はありえない」が「ありえる」に変わるわけです。


「ありえない」とは、ルールをルールとして守ると言う前提があって始めて成り立つ前提です。
最初に挙げた人々は、こういった価値観の違いを全く理解していませんし、恐らく指摘しても理解しようとしないでしょう。
どんなに具体的事例を紹介しても「一部の例を全体に当てはめている」と思考停止するだけです。


そして事が事なだけに、こういった価値観の違いを理解しない彼らのような態度が、韓国独特の問題を隠す態度へとつながり、更なる韓国への不信感を広げ増大させていっているわけです。
「問題を隠せば不信感が強まり疑心暗鬼が広がる」こんな当たり前の事すら理解できていないのですから、こうなるのもある意味で必然ではあるのですが。


原因を作っている本人達に全く自覚が無いのですから、当たり前と言えば当たり前の結果なのですが。
そしてこれは日韓の関係において以前から繰り返し繰り返し起きてきた事です、そしてそれと同じ事が今回もまた繰り返されたのです。