日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国人を誤解させやすい日本人的価値観の態度


さて、今回は日本人と韓国人の価値観やあり方の違いからくる錯誤、そこから生まれるトラブルについてとなります。
そしてこれは、以前書いた「韓国に対してやってはいけないこと」にも関係した内容となります。


以前から書いていますが、日本人が日本人的価値観で良かれと思い行った事が、韓国人には価値観の違いから全く異なる印象で受け取られ、それが様々なトラブルを発生させるという事例は多数あります、現在の日韓の間にある問題にも、そういった経緯で発生していく問題がいくつもあるわけです。


日本人には「お互い様」という考え方があります。
これは、相手と何かしらのトラブルが起きた時に、自分にも相手にも少なからず問題があったのだと、自分が引くことで相手も引くことを期待し、それで大きなトラブルになる事を避けるという価値観があり、以前もその事を書きました。


しかしそれは韓国人には殆どの場合通じず、相手の問題点=相手の劣等さと考える傾向のある韓国人達にとっては、相手が落ち度を認めた時点で「自分にも問題があったかもしれないが、相手は間違いを認めたのだから相手が悪い」と考え、他者の劣等さを自己の優越性の担保とする独特の考え方から、「問題が起きたのは相手が原因だ」という結論に行き着くわけです。


そうして起きた価値観の違いから来る錯誤により、問題がより複雑化し、双方相手の真意を理解しないまま解決不可能な問題にまで発展していく、今回は「この問題の時に(日本人的な)この反応をすると相手に誤解を与える」という具体的事例の紹介となります。


まずはこちらの記事から。


韓日間の悪感情、韓国「過去の歴史のため」 日本「韓国の国民性のため」(1)(2)
2015年06月01日08時03分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/153/201153.html
http://japanese.joins.com/article/154/201154.html
韓国と日本の関係が5年前に比べて大きく悪化したことが分かった。過去の問題、相手国の政治指導者の発言などを韓・日の国民が否定的に感じているからだ。中央日報日本経済新聞が韓日国交正常化50周年を迎え、両国国民を相手に共同実施した電話アンケート調査を分析した結果だ。

現在の韓日関係を肯定的(「非常に良い」または「良い方」)にみる韓国人は3.7%にとどまった。中央日報日本経済新聞が2010年に韓日強制併合100年を迎えて実施した共同世論調査での24.2%を大きく下回った。一方、韓日関係を否定的にみる韓国人は78.5%と、5年前(22.8%)に比べ3倍以上に増えた。日本でも韓日関係について否定的な回答(54.6%)が肯定的な回答(5%)を大きく上回った。5年前、日本人の韓日関係に対する否定的な回答は12%と、肯定的な回答(30%)より少なかった。韓日関係が悪化した責任について韓国人は日本にある(62.7%)とみる一方、日本人は韓日双方にある(67,2%)という回答が多かった。
(中略)
日本ではとんでもない内容の嫌韓書籍や悪意的な週刊誌の記事で韓国に対するイメージが悪化したうえ、李明博(イ・ミョンバク)前大統領の独島訪問、天皇謝罪発言(2012年8月)以降、対立が長期化し、韓国に対する異質感が急速に広がった。日本メディアが韓国に否定的な記事を意図的に膨らませる傾向がこの1、2年間続いているのも影響を及ぼしたとみられる。逆にこれは、韓国政府がその間、「日本政府」と過去の歴史などの問題で強硬に対抗するばかりで、「日本国民」を相手にした「公共外交」は事実上放置した結果でもある。日本に対する韓国メディアの非難一辺倒の報道が韓国内の世論を「過去志向」に固めた側面もある。

韓国で日本に好感(「非常に良い」と「良い」の合計)を持っているという回答は5年前に比べ小幅(18.7%→14.5%)減少した。日本では半分に減った(33%→16.6%)。悪い感情(「嫌い」「非常に嫌い」の合計)を表した人は韓国(36.2%→58%)と日本(10%→28.3%)ともに大きく増えた。増加率では日本が上回るが、絶対的数値では韓国がはるかに多い。日本国民の場合、「どちらでもない」(54%)という日本人特有の慎重な回答が多いからだ。

意外な結果もあった。日本の20代の場合、好感が36.8%である一方、悪感情は6.1%にすぎなかった。「ネトウヨ」(インターネット上の右翼を意味する日本語)の中心勢力が20代であるだけに否定的な回答が多いと予想されたが、結果は違った。K-POPなど韓国大衆文化パワーが日本の若者に肯定的な影響を及ぼしているとみられる。

「日本の慰安婦問題対応」をついては両国国民の意見が分かれた。日本国民は「十分に対応した」(21.4%)、「一定部分対応した」(42.6%)と考えている半面、韓国国民は両回答を合わせても9.7%にすぎなかった。韓国は「十分でない」(45.7%)、「傷を深めた」(43.7%)が圧倒的に多かった。こうした認識の違いが韓日政府間の慰安婦問題協議に障害となっているのか、逆に両国政府間の対応が世論を悪化させているのかは不透明だ。しかしこの問題に対する接近がない限り、両国国民間の葛藤の火種は再燃するしかないということを見せている。



アンケート結果は、日韓双方の価値観の違いが非常に顕著に現れています。
日本人は「お互い様」という考え方から、相手にも自分にも問題があるのだと考え、韓国人は「絶対的正しさ」から自分たちには問題が無い、問題があるのは日本人だとの考え方からこのような結果になっているわけです。


そして、韓国人は自分達は絶対に正しいと考え、また問題がある言動をしたのは「相手がそうさせたからだ」という考え方から、日本人が「双方に問題がある」と答えると、「韓国側にも」という部分が打ち消され、「自分達の行いは理由があるからそうせざるをえなかっただけ、日本人が間違いを認めたのだから原因は日本にある」と考えるわけです。


つまり、日本人が良かれと思ってトラブルを避ける為に何気なく答えたアンケート結果そのものが、より一層韓国人の中の「正しさ」の裏打ちとなり日韓の問題を深刻化させていくわけです。
常識の違いとは、こうしたアンケート結果一つでもこれだけ顕著に現れるのです。


また、以下のような事例でも日本人がこの事を知らずに日本人の常識で行動すると、相手にあらぬ誤解を与える事になります。


[16WKC]韓国剣道、汚れた日本の不公平な判定にもされた...男団体戦準優勝
スポーツソウル(韓国語) 2015.05.31
http://www.sportsseoul.com/?c=v&m=n&i=220801
9年ぶりに世界のトップに挑戦した韓国の剣道チームは31日、日本の東京武道館(武道館)で開かれた第16回世界剣道選手権大会団体戦でうんざりする日系主審の不公平な判定の末、決勝で日本に1 <2PK3> 2で敗北した。2006年の台湾での13回大会で史上初の優勝を獲得した男子代表は通算6回目の準優勝にとどまった。先鋒に出た枚億(26・亀尾(クミシ)市庁・4段)が竹野 ??内哉選手を相手に面打撃一本勝ちを奪われたが、2位ジョ・ジンヨン(25・南楊州市役所・4段)がスミ洋介に爽快な連続頭打撃で、2-0勝利を手にした。しかし、中堅バク・ビョンフン(30・龍仁市庁・5段)は釈然としない判定の末、ショーダイ昌弘に小手打撃で敗北を喫し、副将ユ・ジェミン(24・亀尾(クミシ)市庁・4段)と主将イ・ガンホ(37・亀尾(クミシ)市庁・6段)は相手と勝負を選ばなかった。

 予想はしたが、理解できない判定が横行した。大会開幕前から武道館の床も踏ませないようにするなど、宗主国にふさわしくない態度の日本。伝統的な不公平な判定はピークに達した。勝負だった第三の対決でバク・ビョンフンが正広の頭を正確に攻撃したが、審判は旗を揚げなかったた。ユジェミンのイ・ガンホも相手を打撃してもスコアを認められず苦労を重ねた。

 45年ぶりに「武道の聖地」と呼ばれる武道館で開かれる世界選手権。当初、日本の態度のをどのように克服するかがカギだった。国際剣道界に影響力が大きい日本は、今大会設けた36人の国際審判のうち12人も自国出身者で構成した。残りの審判員も国籍が違うだけで概ね日系出身が多い。枚億の準決勝でも、カナダ国籍を持つ田口義明が主審に出た。団体戦決勝審判を見たアメリカ国籍のチームユーズド日系だった。団体戦直後、国際審判も激しい抗議を受けたが何も答えず、武道館を抜けていった。
(後略)


この件なのですが、これを見て日本人的発想だと「日本に何かしらの落ち度があり、不正と言わないまでもそう誤解させる何かがあったのではないか」と考えるのが一般的です。
そして、その前提の下に「お互い様」という考え方に基き韓国に「謝罪」する人もいるかもしれませんし、そこまで行かなくとも「よく解らないが日本に“も”問題があった」と韓国人に答える人もいるでしょう。


ここで重要なのは、日本人的発想だと記事として書かれている内容だけでなく、「その背後に何かあったのではないか、だからここまで激しく抗議しているのではないか」と考えてしまうことです。
しかし実際は、ここに書かれている以上の事は何も起きていません。


試合前の数日間は、武道館でアイドルグループのコンサートがあったので設営準備などから立ち入りが出来なかっただけであり、元々剣道の競技人口は世界的にも日系人が多いですが、そのことで日本に有利になる判定が起きたという事も過去にも現在にもありません。
韓国は単に「自分達が負けたから不正があったはずだ」と考えているだけです。
そのうえ、韓国ではスポーツ大会において「身内びいき」が一般化しているため、そう考えるのがむしろ自然と言う背景もあります。


また、剣道世界大会に出場する韓国チームと言うのは、過去にも何度か取り上げた事がある大韓剣道会所属の選手達なのですが、彼らは以下のように考えています。


イ・ジョンリム大韓剣道会長「剣道、2020東京オリンピックのデモンストレーション種目推進"
スポーツソウル(韓国語) 2015.06.01
http://www.sportsseoul.com/?c=v&m=n&i=220893
[スポーツソウル]「全世界剣道人のためにもオリンピックに必ず進出しなければなりません。」
第16回世界剣道選手権大会閉会式が開かれた31日の日本武道館国際剣道連盟(FIK)副会長であり、韓国剣道の歴史の生き証人である凡事8段イ・ジョンニム(76)大韓剣道会会長は57ヵ国963人の選手団、役員の前でこのように述べた。 日本武道館を埋めた1万4000余りの観衆も拍手喝采を送った。
(中略)
「剣道の近代化を成し遂げたことは日本であっている。 しかし、日本で剣道という名称で定着する前には“撃剣”という名前が使用された。 三国史記と三国遺事などにあまねく登場する韓国語だったのだ。また、日本で11世紀以前まで使用した剣の形も、三国時代に我が国で使用したものと同じだ。」

よく日本をはじめ、他の国では剣道を“ケンドウ(KENDO)”と呼ぶが、韓国において“コムド”で使用することも、このような自負心から始まった。 また、世界大会でも韓国だけが唯一の“白衣民族”を象徴する白色道服を着用している。



要するに「いつもの」です。
本来剣道は自分達の物であり、日本は近代化の過程で発展させただけにも関わらず、あたかも自分達の物であるかのように振舞っているのが許せない、「本来の宗主国は自分達なのに」と考えているのです。
なので負けたことがより一層不満なのです、「本来は自分達のもの」であり、コムドとしてオリンピック種目化を目指しているにも関わらず、日本がそうさせないために不正を働いているのだと、そんな考えが背景にあるのです。


これも例えば、「そんな事を考えているのは一部の人達だけ」という考え方から、日本人はこの現実を無視する傾向にあります。
しかし実態は、この韓国人の考え方は韓国の義務教育で「日本の文化は全て百済が教えた」「我々は日本に文明を与えてやった」という、蔑視ありきの自民族中心主義に根ざした教育を受けてきた結果であり、そもそも韓国では例外こそ一部にあれこの考え方に疑問を持つ環境そのものがありません。


しかし、こういった考え方は日本人的価値観では「悪徳」と考えられているため、日本人の常識に当てはめて「そんな考え方を多数派がしているはずが無い」との思い込みから、「韓国がなぜ猛抗議しているのか」への解として安易に「お互い様」と考える傾向にあるわけです。
当たり前の事ですが、背景をしっかりと認識していないので、これではより一層韓国人に誤解を与え、韓国人の行いを正当化し問題を悪化させてしまうだけです。


※余り詳しく書くと脱線してしまうので大雑把に余談として書きますが、上記記事にある大韓剣道会の起源主張は全くのデタラメです。
11世紀の時点での日本では太刀とその原型となった毛抜型太刀(衛府太刀)が混在した状態であり、当時の朝鮮半島にそのような刀剣類は存在しません。


また、9世紀頃まで日本でも両刃の直剣を使っていましたが、これは「唐太刀(唐様太刀)」と呼ばれるもので名前の通り中国の王朝の一つである唐由来の刀剣です。
こういった刀剣に何かしらの剣術体系があった可能性は示唆されていますが、客観的な資料もなくどんな物があったのかはわかっていません。


しかも、当たり前の事ですが両刃の直剣と太刀のような反りの強い片刃の彎刀では、力の加わり方が違うので同じ技術体系では扱えません。
つまり、仮に唐太刀に何かしらの技術体系があったとしても、太刀の技術体系とは全くの別系統という事です。
ちなみに、大韓剣道会の様々な主張を総合すると、恐らく彼らは太刀と打刀の区別すらついていません。


しかし韓国では「日本の文化は全て我々が教えてやったものであり、我々の文化の亜種でしかない」との考え方が一般的なので、矛盾だらけであってもこのような起源主張が広く信じられているという背景があるのです。


最後に。
このように、日本人と韓国人は土台となる価値観の違いから、同じ物事でも全く異なる捉え方をしています。
表面的には単なる抗議や批判でも、その背景にある考え方が全く異なるわけです。


日本人の問題は、この異なる価値観による認識の違いに対しあまりにも鈍感すぎる事です。
また韓国人は、自分達の価値観を絶対普遍の物とし、それに反する価値観を劣等さの表れと考える傾向にあるので、そもそも「対等な違い」と認識する事がありません。
しかも日本人と韓国人の価値観は、今回の事例をみただけでも解るようにとりわけ相性が悪く、日本人の「当たり前の態度」は韓国人を非常に誤解させ問題を悪化させやすいのです。


「お互い様」という日本人の価値観は勿論非常に大切です、日本の社会を構成する上でなくてはならない価値観です。
しかし、その態度はあくまで日本人と「異なる価値観に理解を示す相手(国)」のみに限定すべきです。
日本と韓国は、それができないからこそ問題ばかり起きるわけですから。


日本人にとってそれが美徳だからと、韓国人にとってもそれが美徳とは限らない、むしろ悪徳と写る場合もある、逆も同じ。
この事を常に意識する事が、今後の日本にとって非常に重要となるでしょう。
剣道の世界大会を主催する全剣連の方々にも、この事を十分理解して欲しいのですが。