日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国人の目から見た「かくあるべき」世界


さて、今回なのですが韓国人の「絶対的正しさ」や「かくあるべき姿」を通してみた世界とはどんなものなのかについて、2001年に出版された【「コリア驚いた!韓国から見たニッポン」李元馥著 松田和夫・申 明浩翻訳】に掲載されていたマンガを例に説明していきます。


その前にいくつか注意点を。
この本なのですが、2000年に韓国で出版されベストセラーになったものの翻訳本であり、韓国で民族主義や蔑視ありきの自民族中心主義が先鋭化する前の「90年代の韓国人の考え方」に基いたマンガです。


今回引用する部分はかなり現在の韓国人の認識に近いものではあるのですが、本全体としては現在の韓国人達の言動に比べると抑制的で比較的中立的です。
(勿論明らかな事実誤認や歴史的な間違いも多々あり、韓国人「らしさ」も随所に見られたと記憶していますが。)


もう一つ、マンガ自体は李元馥教授の書いたものである事は間違いないのですが、実は私がこの本を読んだのが10年以上も前であり、記憶が曖昧で今回紹介する部分がこの本に掲載されていたものなのか、或いは別のところに掲載されたものなのか、実際のところよく覚えていません。
つまり出典に関しては「コリア驚いた!韓国から見たニッポン」ではない可能性もある、という事を始に書いておきます。


少し前置きが長くなってしまいましたが、以下が今回の本題のマンガです。



















以上が今回本題となる部分なのですが、15年も前の内容であり、いくつか現在の情勢とは合わないものもありますが、基本姿勢として韓国ではこの十数年間この認識が一般的でした。
これが韓国人にとっての「かくあるべき世界」だったのです。


また特に2007~2012年頃にかけて、韓国ではこの「かくあるべき世界」の大部分が「成された」との認識が出来上がっていました。
国連事務総長に韓国人が就任した事も、サムスンの躍進も韓流(K-POP)も、この考え方を「相当に」後押していたのです。


そのうえ、日本のいくつかのメディアや特定の学者・言論人などがこの韓国人の考え方を無批判にかなり煽っていたのもこの時期です。
結果として、韓国は文字通り「ブレーキが壊れた」状態で何の疑いも無いまま突き進み、その結果を多くの日本人が目の当たりにしたわけです。


多くの日本人が不可解に感じた韓国人の言動も、「この前提が存在するもの」と多くの韓国人が認識していたという事を知った上で見れば、理解は出来なくとも「なるほど」と納得が出来る部分が多いのではないでしょうか。
昨今の日韓の歴史問題も、つい最近の日本による近代化施設の世界遺産登録への抗議も、韓国はこのマンガにあるような前提で世界を見ていたからこその言動なのです。


嫌韓は日本人が躍進する韓国に嫉妬し危機感を持ったことの現われだ」との論調が韓国で広く受け入れられた背景も、この前提で世界を見ていたのだから当然です。


そしてだからこそ、韓国人は韓国人の絶対的正しさを世界が理解しているはずとの前提で、世界が一丸となって韓国といっしょに日本を叩くと、そう信じて疑いませんでした。
そのため先月の安倍首相の米議会演説も、ユネスコで近代化遺産が登録されそうだという情報も、バンドン会議での日中の首脳会談も、文字通り彼らにとっては「衝撃的」だったのです。


また以下の記事も「その前提」で世界を見ていたからこその当然の反応ともいえます。


「日本は友、中国は敵」 米国の二分法に鄭夢準氏が苦言
朝鮮日報 2015/05/18
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/05/18/2015051800552.html
鄭夢準氏が米国に苦言
「東アジアの平和望むなら、中国とさらに多くの対話をすべき」

鄭夢準チョン・モンジュン)元ハンナラ党(現セヌリ党)代表=写真=は15日、「米国と日本は友で、中国は敵といった二分法的な考え方は捨てるべきだ」「アジア回帰政策がこの100年間で東アジア安保を日本に下請けさせてきたように、『日本への回帰』に変質している」と述べた。

 同氏は米スタンフォード大学アジア太平洋研究センターで行った「東アジアの地政学:韓国の視点」という講演で、「米国が東アジアに真の平和を望むなら、民間・政府レベルで中国とさらに多くの対話をすべきだ。アジア回帰政策は地域の安定性に寄与しなければならない」として、上記のように述べた。

 また、同氏は「米国と中国が共に歩まなければ東アジアを救うことができない」「中国をどうけん制するかよりも、中国をどう理解するかが急務だ。北朝鮮の非核化と開放も米国と中国が協力して初めて可能だ」と語った。

 さらに、「米国と日本はできるだけ速やかにアジア・インフラ銀行(AIIB)に加入すべきだ。そして、できるだけ速やかに中国を環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に招待しなければならない」とも述べた。



この考え方、いわゆる「韓国がアジアのバランサーになっている」という前提での発言なのですが、バランサー論そのものが、先ほどのマンガにおける世界観と同様のものを大前提としているというわけです。


重要なのは、こういった考え方は一部の韓国人がとか、或いは政府の人間がとかではなく、メディアなどを通じて殆どの韓国人がこの認識を支持し、この事に疑いを持つ韓国人はほぼいなかったということです。


そして現在、韓国人にとってのこの「かくあるべき世界」とは明らかに矛盾する出来事が次々と起きています。
が、韓国人はそれでも軌道修正をしていません。
日本の円安が悪い、安倍が悪い、アメリカも中国もロシアも「正しさ」よりも目先の利益で動いているとの認識が大勢を占めているからです。


しかも、未だにこの韓国人の世界観を結果的に煽るような発言を、韓国人に対して繰り返す人々がいるので、「外から指摘されて気付く」という事すらできない状態にあります。


これが韓国の現状です、見ている世界そのものが違うのですから、根本的に話がかみ合う訳がないのです、しかも現状「韓国人のために苦言をする」人は殆どいません。
大半が「煽る」だけです。


少なくとも私は、韓国人に苦言をもって忠告をする日韓友好論者という存在を、産経新聞の黒田さん以外で知りません。
そして彼は韓国で「歴史修正主義者の右翼」という扱いです。


こういった状態にあるので、韓国は今後も大きくスタンスを変えることはまず無いでしょう。
だからこそ、尚更日本は韓国との距離を取るべきなのです。