日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

日本と韓国では「信用」の概念が違う


さて、今回は日本と韓国で異なる信用や信頼といった概念についてとなります。


「信用」「信頼」といっても様々な要素があるわけで、それについて一つ一つ書くわけにもいきませんし、何より全ての要素が完全に異なっていると言うわけでもありません。


今回注目するのは、信用の重要な要素の一つである「一貫性」についてとなります。
日本人が相手を信用する場合、一貫性というのは非常に重要です、話す相手や状況によって言う事や態度が変わる相手は信用できないですし、何よりそういった「蝙蝠」な態度は嫌われます。
つまり、一般的な日本人の価値観では、言動に一貫性があるかどうかというのは相手を信用するかどうかの非常に重要な要素という事になります。


また、信用・信頼というのは何もプラスの要素のみで働く物ではありません。
たとえば、一貫して美味しい料理を出すレストランと一貫して不味い料理を出すレストランがあったとしましょう、美味しい料理を出すレストランは「あそこは美味しい」という評価での信用を得るわけですが、それと同時に不味い料理を出すレストランも、ある意味で「あそこは不味い」という一貫した信用があるとも言えるわけです。


他にも、全国放送のテレビ局というのは例外が稀にあるにせよ、殆どの場合韓国に都合の悪い内容は報じませんし、韓国のものなら大抵なんでも褒め称えます。
基本的にこれは信用を失う要素ではあるのですが、マイナスの意味で「テレビは韓国に都合の良いことしか報じない」という「一貫性」があるわけですから、それもまたある種の信用なわけです。


このように、日本人的価値観において一貫性と言う要素が信用・信頼には重要なわけですが、韓国では一貫性というのは相手を信用する要素として非常に軽視される傾向にあります。
それに変わって、韓国では「いかに相手が自分の考えに同調してくれるか」が信用において非常に重要な要素となっています。


これについて、「相手が同調してくれるのならば特におかしくないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、重要なのは韓国では「相手がなぜ同調するのか」という背景が殆どの場合重要視されないということです。


例えばこちらの事例


「韓国の対中接近は日本が広めている話」
朝鮮日報 2015/03/31
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/03/31/2015033101671.html(リンク切れ)
http://web.archive.org/web/20150331152154/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/03/31/2015033101671.html(ウェブアーカイブ
韓国のAIIB参加、米政府はどう見ているのか
韓半島専門家の分析
「韓国の立場理解、米国捨てる考えとは思いもしない」

 韓国が戦域高高度防衛ミサイル(THAAD)を韓半島朝鮮半島)に配備すること快く思わず、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加することを、米国はどのように見ているのだろうか。

 表向きは「韓国が自ら決めること」というのがホワイトハウス・米国務省・米国防総省の見解だ。しかし、ホワイトハウス関係者の中には「韓国が過度に中国に接近していることに対し一部に懸念があるのは事実だ」と話す人物もいる。匿名希望の関係者は「THAAD配備についても既に韓国と話し合いを進めているが、まだ回答はない」と不満そうに言った。しかも、「THAADは安全保障上の問題なのに、なぜ韓国が中国をあれほど意識しているのか分からない」と指摘する声もあった。だが、米政府関係者は一様に「韓米同盟はこれまで以上に強く堅固だ。THAADやAIIBで両国関係が揺らぐことはないだろう」と言った。これら関係者は特に朴槿恵(パク・クンヘ)大統領に対する信頼をかなり見せていた。

 韓半島専門家らは「韓国と中国の経済的利害関係がどれだけ大きいか、米政府も分かっている。韓国が立たされている立場が容易ではないことは理解している。だからといって、韓国が米国を捨て、中国と一緒になるとは思っていない」と話す。ワシントンの一部消息筋は「韓国が中国にさらに接近し、今後一緒になるという話は、日本側が広めていると聞いている。韓米日三角同盟のつながりの弱い部分が歴史認識問題による韓日間の確執であることを中国が知り、これを執拗(しつよう)に突くことを米国は懸念している」と述べた。このため、米国が仲裁してでも韓日首脳会談を実現させるなど、両国関係を正常化するため努力しているとのことだ。



以前書いた「韓国人の脳内補完力」とも関係するのですが、こんなアメリカと中国を都合よく両天秤にかけるような態度を取ったら、普通はアメリカも中国も良い顔をしません。
当然同盟国であるはずのアメリカは韓国に不信感を持つわけですが、記事にもあるように彼らは「アメリカは韓国の気持ちをわかってくれているはずだ」と勝手に解釈しています。


要するに韓国のやっている事は一貫性の無い「どっち付かずの蝙蝠」なわけですし、何よりアメリカはこれ以上の関係悪化は中国に利するだけと考え、空気を呼んで我慢し配慮しているだけです。
しかし、一貫性というのもを相手を信頼する上での重要な要素と考えていない韓国には、その辺りの事が全く解らないからこそ、「日本が告げ口をしているからこうなっているのだ」との発想になるわけです。


重要なのは韓国は「気付けない」のではなく、相手を信用するうえでのプロセスの中に「一貫性の有無」が最初から選択肢として希薄なため、それを考慮すると言う発想そのものが無いわけです。


そして、先ほど挙げた「マイナスの要素としての信用」についても、韓国はそこに信用を感じる事はありません。
韓国にとって好ましくない言動をする相手は、それが常に一貫していたとしても「自分達を裏切る酷い相手」としか考えず、「この反応には一貫性があるという信用」を感じる事は無いのです。
単に「道徳的に劣等な相手」と認識するだけです。


先ほどの記事の「日本が告げ口をしているのだ」という発想がそれを知る上で非常に解りやすいでしょう。
日本は韓国のように各国を回って「告げ口外交」などしませんし、そもそもアメリカに対して伝えたのは「韓国の態度に疲れた」という感想であって、韓国が中国に接近しているという事は、そもそも伝えるまでも無くアメリカも解りきっている事です。


なにより去年の10月頃、アメリカは公式に韓国に対して「アメリカの反対側に賭けるな」と明確な忠告をしているわけですから。


要するに、マイナス要素としての信用という概念があれば、日本の態度はずっと一貫しているわけですし「日本は告げ口をしない(必然性が無い)」という事は解るはずですが、そのような発想そのものが無いので上記の記事のような考えに至るわけです。


これは例えば先日出国禁止措置が解除された産経の加藤元支局長の事例でも同じです。
日本の側からしてみれば、問題となった記事のネタ元の朝鮮日報は口頭注意のみにもかかわらず、産経の支局長のみ逮捕され事実上軟禁されるというのは、法の下の平等に反する行為であり、それはつまり法の執行に一貫性がないという事ですから、当然信用できないという事になります。


しかしこれも韓国人にとってさして重要なことではないのです。
韓国人にとって重要なのは「相手が自分の気持ちをどれだけ理解しているか」だけですから、大半の韓国人にとってこの行為は日本人が韓国人への信用を失う原因とか、韓国人を嫌う原因とはなり得ないわけです。


そしてだからこそ、彼らはこういった態度を取ります。


駐日本韓国大使「産経前支局長の出国許可は韓日関係改善のシグナル」
2015年04月16日10時28分
[ⓒ 中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/075/199075.html
柳興洙(ユ・フンス)駐日本韓国大使は、朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉を毀損した容疑で裁判を受けている加藤達也・産経新聞前ソウル支局長の出国停止の解除が、韓日関係の改善につながる契機になるよう願うと15日、明らかにした。

柳大使は同日、日本の国会で開かれた日韓議員連盟総会で講演をした後に記者会見に臨み、加藤前支局長に対する出国許可に関し、「受け取り方によっては韓日両国の関係を好転させられる一つのシグナル(信号)を送ったとも考えられる」と伝えた。

柳大使は引き続き「一方の国で良いことをすれば相手国もこれを受け入れて他の良いことをする。互いに良いことを交換できるなら、首脳会談にも繋げられるのではないか」と付け加えた。



日本人の価値観では、法の運用に一貫性が無いからこそ韓国への不信感を募らせたのですから、出国を許可した事を口実に「見返りをよこせ」などと言われてもお門違いであり、余計に不信感を募らせるだけです。
当たり前です、問題は何も解決していないのですから。


しかし韓国人はその事を問題にする発想が無いので、「韓国人の気持ちを深く傷つけた相手を解放するという寛大な措置をとったのだから、日本はそれに答えるべきだ」となります。
韓国人からしてみたら、ここまでのプロセスで日本人が韓国人に不信感を持つ要素は無いはずなのです。


最後に。
この韓国人の価値観なのですが、これはもう「そういうもの」と考えるしかありません。
日本人の価値観、或いは世界の殆どの国の価値観からしたら「異常」なのでしょうが、韓国ではそれが当たり前でありその価値観で社会が動いているのですから、「そういうもの」なのです。


今までも例えば韓国起源説の件や歴史問題の件などで、韓国人の主張の一貫性の無さを何度か指摘してきましたが、ここでも韓国人にとっては一貫性があるかないかはさして重要な事ではないのです。
結果的に彼らの望む結論通りならば何でも良いのです。


また、韓国人はよく「日本人が裏切った」という反応をしますが、それも要するに日本が一貫した態度を取るからこそという事例が多数あります。
一貫した態度を取れば、状況によっては当然相手と意見がぶつかる事があるわけですが、日本人の側から見たらそれは「信用」のためでもあるわけです、しかし韓国人からしてみたら一貫性があるという事がむしろマイナスに働く場合もあるという事です。


韓国人が日本人の視点から見て理不尽な態度を取る背景には、こうした価値観やあり方の違いもあるわけです。
勿論、だからといって日本のいくつかのメディアや言論人のように、場当たり的に韓国人の態度に迎合すると言う態度を取って良いわけではないです。


重要なのは、「違いがあるのだ」ということを理解し、その前提で彼らの態度に一貫した対処をしていくことでしょう、それで彼らの信用を失っても、それはさして重要なことではありません。
むしろ韓国の望むような場当たり的な態度は国際的な信用を失うだけです、そのリスクのほうが大きいですから。
中国のように、韓国人のこの価値観を逆手にとって露払いに利用するという力技は、失うものが大きい日本にはできないですし。