日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国式マッチポンプ


さて、今回は韓国人が度々行う韓国式のマッチポンプについてとなります。


マッチポンプそのものに関しては、自ら問題を引き起こし、そのうえで問題とは無関係な振りをしてその問題の解決の立役者になる、つまり自作自演(マッチで自ら火をつけ、自らそれを消火する)の意味なのですが、韓国式マッチポンプはこれとは少し違います。


どう違うのかと言えば、最も違うのは自らの行いによって「自らに火が付いた(批判の矛先になった)」時に行われる責任転嫁や論点のすり替え/燻製ニシンの虚偽の一種という事です。


たとえば、何かしらの理由で韓国が批判された、或いは韓国にとって都合の悪い問題提起がされてその説明が必要になったとき、彼らはまず「相手にも同じ問題がある」と相対化します。
つまり「これは自分達だけの問題ではないのだ」と問題の所在を曖昧にし責任を薄めます。


そして「双方同じ土俵で争っている」事にして「どっちもどっち論」を作り出した上で、「実は問題の原因は相手にあるのだ」「自分達は巻き込まれただけなのだ」とすり替えを行います。
そうする事で、自身の問題を他者の問題に摩り替える、或いは責任の所在を曖昧にすることで持論を押し通そうとする、それが韓国式マッチポンプです。


そしてこの韓国式マッチポンプは現在の日韓の関係悪化にも非常に深く関わっています。
それを説明する前に、2つ別件の実例を。


【コラム】サクラの原産地論争に意味がない理由=韓国
2015年04月05日12時46分
[ⓒ 中央SUNDAY/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/553/198553.html
(前略)
それなら現在の韓国でサクラの花を楽しむ風習はどこからきたのか。日本の影響であることは否めない。日本の代表的なサクラの品種で日帝強占期に韓国に多く植えられたソメイヨシノ済州島(チェジュド)のサクラが起源になったという学説が合っていたとしてもだ。

「サクラ済州島原産地説」は、解放後にサクラの木を切ろうとする動きを阻止し、多くの韓国人がサクラの花を楽しんで感じる「倭色」に対する不便さを減らしてくれた。だが、私たちは花の原産地とその花を楽しむ文化は別個という事実を便利に忘れていた。

原産地がどこであれ、昔からサクラの花への愛が最も強いのは日本だった。だから最近中国まで加勢して三国志になってしまったサクラの原産地論争は植物学的には意味があっても文化的には格別な意味はない。私たちの祖先はサクラの花より別の春の花をはるかに愛した。チョン・ギの「梅花草屋図」で士人が雪のようなウメを鑑賞し、申潤福(シン・ユンボク)の「年少踏青」で妓生と粋人が赤く咲き誇るツツジを楽しむが、サクラの花を見物する絵は見たことがない。これに対しサクラの花が登場する日本の浮世絵は数えられないほど多い。

そのためサクラの花が済州島原産であることを掲げて韓国の伝統でないサクラ祭りをはっきりしない民族主義で包装するのは自己欺瞞だけのことだ。対案は2種類だ。民族主義精神を潔癖症的に発揮してサクラ祭りをすべて廃止するか、そうでなければサクラの花と民族主義的原産地論争の連係を断ち切り、花見が日本から来たことを認めた上で、韓国式に創造的に発展させサクラ祭り文化の主導権を握るかだ。

すでに私たちは良い前例を持っている。江陵(カンルン)端午祭がユネスコ無形文化遺産に登録されたではないか。中国は怒ったが、韓国は端午の名節自体は中国で始まったことを認めるものの、江陵端午祭という祭りは韓国で独特に発展した文化という点を説明し、結局世界に認められた。

合わせて、サクラ祭りだけ発展させるのではなく、韓国固有の強固な文化芸術的基盤がある花祭りを発展させなければならない。日本はサクラの花に対する数多くの俳句と浮世絵、それを引用した現代漫画でストーリーテリングになるサクラ祭り文化を持っている。これに対応できる韓国の代表的な花はツツジだ。申潤福の美しい妓生の頭に差されたツツジの枝から金素月(キム・ソウォル)のそっと踏みつぶされるツツジまで、どれほど多くの話が出てくるだろうか。

激しい文化覇権争いの中で重要なことは、どの国が元祖かではなく、最も魅力的な文化商品として開発できるかであることを私たちは記憶しなければならない。



一見すると花見の文化が日本から来た事を認めているので、多少なりとも状況の改善に向けての一歩が踏まれたように見えるのですが、実態はまるで違います。
いくつか注目すべきポイントがあるのですが、最も重要なのは日本、中国、韓国が「対等の起源論争をしている」となっていることです。


以前も書いたように、そもそも韓国も中国も主張が突っ込みどころしかないうえに、韓国にいたっては根本的に主張に一貫性すらありません、対等の議論というのは双方の説に同等の信憑性があり、議論の余地がある場合のみです。
主張に一貫性すらないのでは、そもそも対等の議論など不可能ですが、記事中ではあたかも対等の論争が発生しているかのように印象操作しています。


またこの記事が出てきたのは、「中国人が起源を主張しだした」からなのですが、韓国人が行う起源主張には「中国から朝鮮に伝わったものを、朝鮮が日本に教えてやった」という、小中華思想に根ざした物がいくつかあります。


ですので、中国に起源を主張されてしまうと韓国人的な価値観では「元祖が偉い」というアイデンティティーを失ってしまいます。
それでは困るので、「花見の文化は日本だ」とする事で表面的な譲歩をし、そのうえで「ソメイヨシノの起源は済州島なのだ」と言う部分を残す事で、「三国それぞれが起源を主張しているが、ソメイヨシノ起源は韓国だ、対等な議論だがその中で韓国が一歩抜きん出ているのだ」との印象を与えようとしているわけです。


要するに、韓国人的には中国に出てこられると都合が悪いので、問題を相対化して論点のすり替えを行い、そのうえでソメイヨシノ=王桜説を既成事実化させようとしているわけです。


次はこちらの事例


[コラム] 韓国型人種主義の特徴
ハンギョレ新聞  2015.02.17
http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/19716.html
韓国の大学が“ひたすら白人”に執着するのには深い文化・世界観的原因がある。韓国で非公式的にほとんど制度化された差別的対外観がそれだ。 世界を一つの大きな位階秩序で把握するこの対外観は、西欧発の人種主義の単純な“翻訳”に限定されない。

 言語(すなわち、英語駆使力)や宗教など他者の象徴資本と特に他者の経済力に対する序列的評価が常に結合して、非常に複雑なピラミッド構造を成し遂げる。他者に適用される序列は内部序列の延長線上にあるとみなければならない。

何日か前に偶然ある日本の大学の英文紹介パンフレットを見た。 その大学で勉強する留学生の大部分は韓国人や中国人、いわゆる隣国から来たアジア人だ。 ところがパンフレットの写真には、日本人の学生以外には“アジア的な”顔は全く見られなかった。 パンフレットのモデルとして呼び出された外国人留学生は全員白人だった。 後から聞いたところ、このような慣行は日本の大学ではありふれている。 実際、日本で勉強する約13万人の外国人のうち、アジア出身が92%で絶対的だ。 多くの学生たちは中国(62%)や韓国(12%)から来る。“白い国”から来た学生たちの比率は約4%に過ぎず、彼らの中でも相当部分はアジア系の学生たちだ。 しかし、それでも日本の大学はそれぞれ“白人学生たちを迎えること”に渾身の力をふりしぼり案内パンフレットにアジア学生たちを“露出”させることを敬遠する。“中国人が集まる学校”という印象が強まればその学校の“地位”を象徴するはずの“白人”が来なさそうだという恐怖感のためという。

 ここまで読んだ読者は、やはり“脱亜入欧”(脱亜入欧-アジアを抜け出てヨーロッパ列強のようになる)を非公式的国是としてきた日本らしいと片付けて、彼らの人種主義の被害者として生きてきた私たち韓国人と果たして何の関係があるのかと思うだろう。 問題は、韓国が植民地時代の親日官僚群を継承したエリートによって支配されてきた国家であるだけに、日本が持つ病理の相当部分を共有しているということだ。
(後略)


この記事なのですが、非常に長いので前半部分しか引用していませんが、前半は韓国の人種差別は日本のせいなのだとし、後半は日本の人種差別を継承した歴代政府が悪いのだとしている、韓国人に見られる典型的な責任転嫁です。


こういった記事が出てきたのは、近年韓国人による異人種や異民族への激しい差別意識が国際的に批判される事が多くなってきたという背景があります。


「常に絶対的に正しい事」になっている韓国人にとって、自分達に問題がある事を指摘されるのは許されない事です。
ですから、まず日本のせいにする事で「日本にも人種差別があり韓国のそれは日本のせいなのだ」とすることで問題を相対化します。


そしてそのうえで、「現在もその問題が続いているのは、日本の悪しき慣例を継承した政府のせいなのだ」とすることで、ハンギョレのような親北左派系には何の落ち度も無いのだと、そうする事で自分達にはなんの責任も無く、悪いのは他者なのだと論点のすり替えと自己正当化をしているわけです。


実際はどうなのかと言えば、今まで書いてきたように韓国人の差別意識というのは、異文化、異民族、異人種を蔑視する「蔑視ありきの自民族中心主義」に根ざした物であり、他者を蔑視することで自己の優越性を証明する韓国特有の価値観に根ざした固有の原因に起因する問題です。


日本でも他者の落ち度を指摘することで自己の優越性を証明しようとする人はいますが、日本の一般的な価値観ではそういった人は「嫌なやつ」と定義されるように、明らかに日本人の価値観では非主流の考え方ですし、何よりそういった考え方に根ざした差別と言う物が主流になったこともありません。
つまり日本に人種差別があるにせよ無いにせよ、実際は韓国の問題とは無関係なのです。


更に書くと、この韓国人の蔑視ありきの自民族中心主義という価値観は、長年韓国の学校教育で子供たちが教わる事で形成された考え方なのですが。特に90年代に入って以降、韓国の学校教育で中心的役割を果たしてきたのは親北左派系の教員団体である「全教組」という組織であり、当然のように責任転嫁しているハンギョレ親北左派系であり、この問題の当事者の一員なのです。


ハンギョレは自分達が当事者にも拘らず、根本的な原因は日本にあると、韓国人の差別意識は日本起源であり、またその意識を継承した韓国政府や官僚にあるのだとすり替えを行う事で、韓国の問題を日本の問題に摩り替え、責任の所在から除外されようとしているわけです。


さて、このように韓国では様々な事柄で自身に振りかかった批判や都合の悪い主張を、他者に転嫁して薄める事で相対化し、さも自分達の問題では無く、他者の問題に巻き込まれただけであるかのように振舞うわけですが、最初にも書いたようにこれは日韓の関係悪化でも同じ事が起きています。


対立長期化に懸念、米国の仲裁で来週韓日対話
朝鮮日報 2015/04/11
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/04/11/2015041100449.html
日本による独島(日本名:竹島)・過去史をめぐる挑発で韓日の対立があおられる中、韓米日の次官級会談と韓日安全保障政策協議会が来週相次いで開催される。韓日間で続けざまに対話がなされる裏には、米国の積極的な仲裁があったという。

 ソウルでは14日、韓日両国の外交・防衛当局から局長級が出席する「2プラス2」形式の安全保障政策協議会が約5年ぶりに開かれる。韓日安全保障政策協議会は98年6月の第1回会議を皮切りに09年12月まで計9回開かれたが、その後は両国間の過去史などをめぐる対立で中断していた。

 また、韓国外交部(省に相当)の趙太庸(チョ・テヨン)第1次官は、16日に米国ワシントンでトニー・ブリンケン国務副長官、日本の斎木昭隆外務事務次官との協議に臨み、北朝鮮の核問題などアジア・太平洋地域の懸案を話し合う。韓米日3カ国レベルで外務次官協議を行うのは、今回が初めて。3カ国外務次官協議は米国の要請によるものだ。韓国政府の関係者は「ブリンケン国務副長官が今年2月に北東アジアを訪れた際、韓国政府と日本政府に3カ国外務次官協議を提案した」と語った。また、韓日安全保障政策協議会の開催も、米国の影響によるものだという。

 韓国政府の消息筋は「過去史問題をめぐる韓日関係の長期的行き詰まりが、アジア・太平洋リバランス政策の主軸たる韓米日三角協力に悪影響を及ぼしている、という懸念が米国では広がっている」と語った。米国の当局者は日本に対し、過去史についてもう少し明確な謝罪と反省を表明するよう促す一方、韓国に対しても、安全保障協力の復元に積極的に応じることを注文しているという。



まず重要なのは、「なぜ日韓首脳会談が開かれなくなったのか」です。
切っ掛けとなったのは李明博大統領による竹島訪問や天皇謝罪発言などの、露骨な支持率稼ぎのパフォーマンスだったわけですが、その後に朴政権が日本に提示した以下の3つの要求が最も直接的な原因です。


慰安婦問題で日本は軍命令による女性の強制連行を認めろ
竹島の領有権主張を撤回しろ
・韓国の歴史観を100%受け入れろ


これを「話し合う」のではなく、受け入れなければ首脳会談をしないと、そう突きつけてきたがために関係が悪化したわけです。
当たり前の事ですが、こんな要求を受け入れる事ができる訳がありません、しかし韓国側は「(受け入れない事は)日本側の挑発」としているわけです。


そしてそのうえで、これを「過去史問題をめぐる韓日関係の長期的行き詰まり」と、双方に問題があるかのように相対化して国際社会にアピールして現在に至っています。


これも要するに先ほど紹介した2つの事例と同じです。
「相手も問題があるのだ」と前提条件を無視して相対化し、そのうえで「相手が頑なだから問題なのだ」と、責任の所在を摩り替えています。
だからどんどん関係が悪化していくわけですが。


これが韓国式マッチポンプです。
自身についた火を相手に延焼させ、そのうえで「火がついたのは相手のせいなのだ」と時系列や因果関係を逆転させ、自身の火消しに利用するのです。


最後に。
この事を韓国側に指摘しても無意味です。
なぜならこういった相対化やすり替えを行うのは、韓国人の価値観では「当たり前の事」だからです。
以前から書いているように、韓国人の中には絶対的正しさというものがある事になっています、ですから、問題が起きたら「相手に落ち度がなければいけない」のです。


要するに、まず「自分は悪くない」という結論が先にあり、そのうえで因果関係を再構築し原因の方を「正しさ」に合わせようとするのです。
これを覆そうとしても無駄です、なぜなら彼らは「絶対的に正しい」事になっているからです。


ですので我々がするべき事は、韓国に問題を指摘することでは無く、関係する第三者や第三国に時系列順に問題の発生原因を説明したり、韓国側の行った相対化がそもそも相対化できていないことを一つ一つ説明していく事です。