日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

ソメイヨシノ韓国起源説の何が問題なのか(実質part2)


さて、今回は前回の「今年も始まったソメイヨシノ韓国起源説(part1)」の実質的な続きとなります。
前回は韓国が官民挙げて行っているソメイヨシノ韓国起源説がどのようなものか、どういった矛盾があるのかについてを中心に書いたのですが、それはあくまで今回の問題を知ってもらうための事前知識でしかありません。
今回の方が重要です。


では何が重要なのかという事になるのですが、まず知っておいて欲しいのは実際のところ韓国起源説そのものはさして重用ではないという事です。
以前から書いていますが、韓国内で韓国人同士がどんな歴史観やそれに根ざした起源主張をしようと、それをどう評価するかは韓国人自身の問題であって、我々が口出しをするようなことでは無いからです。


しかし多くの方がご存知のように、彼らの起源主張は韓国国内で完結するものではありません。
彼らは国を挙げてその起源主張を世界中で行い、場合によっては以前紹介したフランスのコリアンコネクションのように、半官半民の大イベントを行ったりもします。
この動きは当然ソメイヨシノ韓国起源説でも起きています。


そして、こういった国際社会へ向けて起源主張を繰り返す時に彼らが行う説明方法が、非常に重大な問題を孕んでいるのです。
それを知ってもらうために、まずはソメイヨシノの問題とは直接関係の無いこちらの記事を。


【時論】何が創造経済の足かせなのか?=韓国(1)(2)
2014年02月27日16時48分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/345/182345.html
http://japanese.joins.com/article/346/182346.html
(前略)
筆者は、創造経済の足かせとなっている根源的な理由は日帝の「朝鮮文化抹殺政策」とみている。初代朝鮮総督寺内正毅は「朝鮮人に日本魂を植えつけなければならない…これがまさに朝鮮人の心理研究であり歴史研究だ」と強弁した。これは我々の伝統文化を断絶し、アイデンティティーを消滅させ、我々を低級文化国家・低級国民として固着させるという意図だった。日帝による低級文化の固定化は結局、我々の伝統文化の発展を鎖で縛り、民族の創造力まで枯渇させた。それによる100年の文化空白は韓国的な知性の思考を脆弱にした。これは我々の文化の創造・発展を止めただけでなく、文化の根幹である食文化まで歪曲し、「安くて豊富で庶民的」なものだけが我々の食文化の美徳であるように刻印し、結局、我々の内需経済の最悪の障害物となってしまった。
(後略)


この記事自体は、以前も紹介した「自らの行いすらも他者のせいにしてしまう」という、韓国で一般的な価値観の記事でしかないのですが、その中で「朝鮮文化抹殺政策」という単語が出てきています。
これが重要なのです。


これはソメイヨシノ韓国起源説に限ったことでは無く、殆ど全ての韓国起源説で言えることなのですが、韓国人は「日本が韓国独自の文化を抹殺した」と子供の頃から教育されて育ちます。
また韓国では義務教育で「日本に文化を伝えたのは韓国人」とも教わります。


韓国起源説というのは、要するにこの組み合わせなのです。
古代石器時代だった日本に韓国人が文化と文明を教えてやった、日本のすべての文化は我々の劣化コピーでしかなく、本流は全て自分達にある。
彼らはそう考えています。


そして、にも拘らず現代の韓国にその文化が無いのは日本が植民地支配を通じて「朝鮮文化抹殺政策」を行い、我々の文化を禁止したからだと、そう考えます。
つまり彼らの韓国起源説というのは、「植民地支配によって日本に奪われた我国の文化を取り戻す運動」と捉えられているのです。


つまり、単に起源主張をするわけではなく「植民地支配によって韓国独自の文化が禁止され、日本のものとされてしまった、そして『現代の』日本人がそれを自国の文化だと言って世界で宣伝している」彼らはそう世界中で宣伝して回っているのです。


たとえばこんな風に


「韓 独立運動家ワシントン桜『韓国桜』指定要求」 NYT 1942年報道
NEWSIS(韓国語) 2014-04-17
http://www.newsis.com/ar_detail/view.html?ar_id=NISX20140417_0012861991&cID=10201&pID=10200
【ニューヨーク=ニューシース】ノチャンヒョン特派員=韓国の独立運動家たちが解放前の1942年、米政府に、ワシントンDCに植えられた「日本桜」を「韓国桜」に名前を変更することを要請したことが明らかになった。

1942年4月5日、ニューヨークタイムズは、「ワシントン桜、『韓国桜』と呼べ(Calls Cherry Trees at Capital Korean)」という題の記事で、「韓国の独立運動団体である韓米委員会(Korean American Council)が、連邦首都ワシントンに植えられた桜は、日本が盗んだもので、韓国産という名前を付けなければならない」と要請した事実を報道した。

タイムズの記事は、ワシントン発APの記事を転載したもので副題を「独立団体、新名称指定要請」とつけた。 タイムズは「数十年前に日本が贈った桜の木に『日本産』とついたものに対する抗議が提起された。韓国独立に向けて努力する韓米委員会は、連邦政府に電文を送り、これらの木は、貪欲で野蛮な日本が韓国から盗んだ木々 」と強調した事実を紹介した。

韓米委員会は、「日本人たちによって殺害された明成皇后の墓がある京畿道南楊州洪陵は、桜の自生地でもある。ここには、毎年4月には、数千輪の花をぱっと咲かせ、日本のアジア侵略を悲しんでいる」と象徴的に比喩した。 さらに、「ワシントンの桜は、必ず韓国の桜と呼ばなければならないということを宣言する」と強調した。

ワシントンの桜は、1912年に日本の東京市が日米間の友好関係を図るため、寄贈した3020本をポトマック川沿いに植えられたもので、1935年から始まった桜祭りを通じて広く知られた。

日本はこの桜を東京近郊で採集した日本の桜だと主張したが、遺伝子検査によって原産地が済州産の王桜であることが確認され、一部の専門家は、済州島で直接採集したものと証言している。<ニューシース2014年4月16日送稿の記事を参照>

これに関連し、ハワイで独立運動をしていた李承晩博士などが韓国桜と呼ぶべきだと主張したが、米メディアの記事を通じて、連邦政府に公式的な要請をしたのは初めて確認された事実である。

当時のアメリカでは、日本の真珠湾空襲で反日の雰囲気が広がり、ワシントン桜を切ってしまおうという意見が出て、実際に4本を切ってしまう「イベント」も行った。しかし、米州韓人たちは、これらの桜が日本産ではなく、韓国で盗んだ韓国の桜という事実を知らせて引き止めたという裏話だ。

グローバルウェブマガジン ニュースローのコラムニスト、ムン・キソン氏は、「当時、韓国人らの努力で『日本桜』という公式の名前が『東洋桜』に変わるきっかけになった」とし、「急進的な愛国者達の間では『韓国桜』、あるいは『勝利の木(Victory Tree)』とも呼ばれた」と紹介した。



この記事を見ても解るように、韓国起源説というのは単に起源を主張するだけのものではありません、韓国人が日本を加害者、韓国を被害者に設定し日本の悪評を広める事とセットになっているのです。


これを読んでいる皆さんの中には、「あんなデタラメな説を信じる人はいないだろう」と思う方もいるかもしれませんが、それはあくまでソメイヨシノの歴史を知っており、尚且つ韓国側の主張のデタラメさを体系的に把握しそれを共通認識としているからに過ぎません。


そもそも、ソメイヨシノ韓国起源説には何種類もあり、それぞれの説が矛盾したり時系列が前後したりしている事も珍しくないという事実を知っている人はこの世に殆どいません。
韓国人は外に向けて起源主張をするときに、単純に「元々我々の文化だったが日本に奪われた」としか説明しませんし、矛盾だらけの複数の説がある事など余程詳しく調べない限り普通の人は解りません。
ましてや桜に馴染みの無い他国の人なら尚更です。


また、往々にして人は「被害者の言葉」を無条件に支持しやすいものですから、我々が常識として持っている共通認識を持たない他国の人から見たら、彼らの主張というのはとくに疑う要素の無い物なのです。
勿論、それで興味を持って調べて実態に行き着く人もいるかもしれませんが、そんな人はごく僅かです。
殆どの人は「ただ何となく」でしか情報を受け取らないのですから。


また更に、特にソメイヨシノ韓国起源説の場合にはもっと大きな問題になる可能性があるのです。
日本は過去何十年にもわたって、ソメイヨシノを多国間交流の象徴として扱っており、交流事業で相手国にソメイヨシノを含む複数の桜を植える事業を行ってきました。
つまり、ソメイヨシノというのは日本と他国の友好と交流のアイコンのような存在なのです。


そういった象徴的な木を「実は他国を支配し文化を上書きする事で奪ったものだ」と宣伝されたらどうなるでしょうか。
当然のことですが、それは最早単なる「起源論争」という枠を超えています、もっとはっきり書けばこれは戦争相手国の信用を落すために行われる「戦時プロパガンダ」と同質の効果をもたらすものなのです。


戦争相手国を象徴するアイコンのイメージを落とすと言う行為は、古来より非常に有効なため何度も行われてきました。
直近では冷戦時代が良い例でしょう。
冷戦時代、両陣営は相手側陣営国の象徴となるようなものを、エンターテイメントなどを通じて貶めると言う行為を非常に頻繁に行っていました。
韓国が日本に行っている行為というのは、本質的に得られる効果はこれと全く同じです。


そして現在、韓国はとくに毎年アメリカのワシントンD.C.で開かれる桜祭りをメインターゲットにし、この宣伝を非常に活発に行っており、今年もこのような動きがあります。


光復70年・手渡し、50年、済州と日本を語る/第1部済州ワンボトのグローバル化(3)大量生産の前哨基地
漢拏日報 2015 03.23
http://www.ihalla.com/read.php3?aid=1427036400494039020
[専門家レポート]ソメイヨシノ使用説明書
「済州ワンボト世界中に知らせなければ"
ムンミョンオク博士(済州基礎科学研究所特別研究員)

今、米国のワシントンDCで4月12日まで国立王桜祭りが開かれている。 1912年、日本が寄贈したソメイヨシノ由来のワシントンDCの王桜祭りは、世界的なフラワーフェスティバルの一つに位置した。 このイベントは、各種公演やイベント、文化、芸術関連のプログラムなど、非常に多彩構成されている。 もちろん、最近の研究で明らかになったように、済州原産の王桜が主人公である。 ところが、いざ第地上ではどうだろうか? ソメイヨシノの自生地と原産地が済州であることが自明な今、その位相にふさわしい「マニュアル」と「システム」が必要な時点はないだろうか?

まず、正確なソメイヨシノの自生地調査が必要である。 自生オブジェクトの数と位置、受領、標本、形質材料、画像データ等を確保して管理することができる体系的なデータベースとマニュアルを備えなければならない。 追加の自生地が確認されると、マニュアルに基づいて固有の番号を付与し、項目に応じて、調査して登録する。 もちろん管理システムを統合して、継続的なデータの蓄積が行われるようにすべきである。 また、ソメイヨシノを識別することができる植物愛好家の積極的な参加が必要である。 褒章制度などを活用し、発見者、歴史的に記録するなどの刺激が行われた場合、より多くの自生地を発掘することができるだろう。

第二に、ソメイヨシノを活用する差別化された祭り、資源化戦略などのインフラの拡充と開発が急務である。 毎年開催される王桜祭りは開催地域とのプログラムを多様化する必要がある。 自生地である漢拏山のあちこちでイベントが行わなければなら。 市民とともに行うことができるソメイヨシノの森歩き、ソメイヨシノ写真展、自生地で行われる済州島桜類の識別教育、周囲の道桜トラッキングなどが良いアイテムになるだろう。 このほか、画像を形象化した小物、衣類、植物自体つまり、花、実、木材などを活用した様々な製品の開発も試してみるに値する。

第三に、ソメイヨシノの起源を全世界に積極的に広報して通知しなければならない。 ソメイヨシノが済州を象徴する木であり、唯一の自生地が済州島というのは明らかに知られている事実である。 ソメイヨシノの歴史と重要性などを盛り込んだ資料集を発刊して観光客や全世界に知らせなければならない。 国際社会を対象とした破格的なイメージ広告などでソメイヨシノが日本原産の花で認識されていることに対するイメージの切り替えを試してみることもできる。

「春風舞い♬〜舞い散る桜の葉が〜♪」この音楽がよく聞こえるのを見ると、今年もソメイヨシノが咲く春が来たなと思う。 今年の春には、植物愛好家が訪れた自生ソメイヨシノ1号誕生することを願うものだ。


韓国は、国、自治体、メディア、学会、民間企業などが一丸となって、ソメイヨシノは本来韓国のものであると宣伝をするために、現在も様々な下準備を行っているのです。
単純に起源を主張すると言うものではなく、「日本に文化を奪われたのだ」と宣伝され、それを「どっちが起源でも関係ない」と放置していたら、以下のような交流事業はどうなってしまうのでしょうか。


荒川堤(足立区江北)の五色桜と日米さくら交流
http://www.senjumonogatari.com/sakuragosiki.html
●五色桜の由来 (荒川土手説明版より)
足立地区先の荒川は、昔、「荒川の五色桜」と呼ばれた桜の名所でした。この桜は明治19年、地元の方々の奉仕によって植えられ、育てられました。
当時、多くの桜の品種が混植されていました。白や黄色、淡紅色や濃紅色など、花色がいろいろとあったので「五色桜」の名がつけられたと言われています。花の見頃には、色とりどりの桜が人々の目を楽しませ広い並木道には人があふれるほど賑わいました。ワシントン市の有名なポトマック公園の桜は、この五色桜を当時の尾崎行雄東京市長が贈ったものです。しかし、この地の五色桜は自動車の排気ガスなどの影響で残念ながらほとんどなくなってしまいました。 (荒川土手説明版より)
●五色桜の復活 (荒川土手説明版より)
戦後、世の中が落ちついてくると華やかだった五色桜をしのぶ気運も次第に高まり、昭和56年にアメリカの協力を得て、ワシントン市から「桜の里帰り」を実現しました。この里帰り桜からつぎ木をしてその数を増やし一部はすでに区内の公園に植えられています。 そして、往時の五色桜の復活をと念願する多くの方々の熱心な働きかけと、建設省をはじめとして関係団体の協力により、この里帰り桜は「桜づつみモデル事業」として、ふるさとであるこの荒川堤に再び根をおろすことになりました。国境を越えて時間を越えて長い旅をして帰ってきたこの桜を今度は私たちが大事に育てていきましょう。
ポトマックのさくらは 2012年で 100周年をむかえました。 アメリカに贈った第1回目の桜木は 病害虫のために すべて焼却され、 第2回目は、慎重をきわめて、桜木がそだてられました。 東京の足立区江北地域:荒川堤の五色桜から穂木が採られ、 兵庫県の伊丹では サクラ台木が準備され、 静岡の興津で接木された桜。 それらの努力が ポトマック河畔の桜になりました。



これがソメイヨシノ韓国起源説の最も重要な問題です。
単純な起源論争として「どっちでもいい」とか「どっちもどっち」などと単純化して良い問題ではないのです。
韓国人は韓国政府が子供に行う教育の結果として、「日本に奪われた我国の文化を取り戻す運動」と信じて活動しているのです。


そしてそれが、以前から書いている韓国特有の価値観である「他者を貶める事で自己の優越性を表現する」蔑視ありきの自民族中心主義と結びつき、「日本という“悪”に韓国の桜を奪われたのだ」というプロパガンダとして、彼らは世界中に広めようとしているのです。


最後に。
少し余談となりますが、先ほど「戦時プロパガンダ」と表現してはいますが、あくまでそれは「効果としては実質同じ」というだけであって、厳密には大半の韓国人はそう認識して行っているいる可能性は低いです。
彼らはあくまで「日本の文化のルーツは全て韓国にある」と、そう教育されており、「にも関わらずなぜその文化の源流たる我々にその文化がないのだ」と疑問に感じ、その解として「きっと日本が奪ったのだ」という解釈をしている可能性が高いからです。


勿論、中には明らかに悪意をもってプロパガンダとして行っている人もいるでしょうし、単純に日本の文化を奪いたいと考えている人もいるでしょうが、大半の一般人はその意識すらないでしょう。
恐らくですが、こういった背景から「絶対的正義」を信じ「義憤」を感じているだけというのが多数派ではないでしょうか。


だからといって、我々が彼らの考えを汲み配慮する必要は無いのですが、この認識の違いを理解せずに「韓国は敵国だ!」とやると、逆に日本が国際的に悪者にされてしまう可能性もあるのです。
重要なのは、まず我々が現状を正しく把握し、何が問題でその結果どのような弊害があるのかを正確に理解し、そのうえでまず日本人の中で「韓国が何をしているのか」の共通認識を作っていくことでしょう。


現状、なんだかんだと韓国起源説の問題と言うのは、そもそも日本国内でも知名度が低すぎますし、何より問題を軽く見ている人が大半です。
そこを改善していかないことには、この問題は解決しようがないのです。
何はともあれ全てはそこからです。


2015年4月1日22時30分追記
勿論、国外へ向けての対策を同時進行でもかまわないです。
ただし、それは「韓国に反論する」ではなく、「根拠付きでソメイヨシノの歴史を説明する」という形にしないと、恐らく多くの人は目を向けてくれないでしょう。
彼らは「被害者を騙っている」以上、こちらはスタートラインからして不利なのですから、その前提で動く必要があり、露骨に対決姿勢を取るとよくて「どっちもどっちだ」と思われるだけだからです。


一応、今回のソメイヨシノ韓国起源説に関する記事は次回が最後となる予定です。
勿論、今後何かしらまた韓国から続報がある可能性もあるので、その場合はまた記事にしますから、あくまでこれは当初予定していた記事の最後と言う意味ですが。
(既に韓国発で新たな「亜種」が確認されています)


次回に関してなのですが、一昨年辺りからこのソメイヨシノの起源主張に中国まで参戦してきており、その主張が年々大きくなってきている事から、韓国と中国の起源主張両方への突っ込みを中心に書く予定です。