日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

日韓通貨スワップ終了の原因となった韓国人的考え方


さて、今回は先週から今週にかけて話題となった日韓通貨スワップ終了に関するゴタゴタを、今まで書いてきた韓国人的価値観や考え方を踏まえて説明していきます。
(厳密にはチェンマイイニシアチブに伴い締結された日韓通貨スワップ協定の終了は今月23日ですが)


まずは一見関係なさそうな2つの記事から。


【BOOK】朝鮮はなぜ倭軍に踏みにじられたのか、血で書いた反省文(1)
2015年02月19日11時39分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/833/196833.html?servcode=400&sectcode=440
http://japanese.joins.com/article/834/196834.html?servcode=400&sectcode=440
1593年1月下旬のある日、柳成竜(リュ・ソンリョン)は開城(ケソン)にいた明の提督李如松の軍営でひざまずかなければならなかった。李如松は「明軍に兵糧を適時に補給しなかった罪を問い軍法を執行する」と怒鳴りつけた。柳成竜は頭を下げて涙を流すだけだった。一国の宰相がなぜこうした侮辱と恥辱を味わわなければならなかったのだろうか。

このことが起きる何日か前に李如松は坡州(パジュ)の碧蹄館(ピョクチェグァン)の戦いで日本軍に惨敗した後開城に逃げてきた。そして「もう日本軍とこれ以上戦わず交渉を通じて戦争を終わらせる」と宣言する。明軍だけを信じていた朝鮮は衝撃に陥った。

柳成竜は連日李如松を訪ね、「早く明軍を進撃させ日本軍を国外に追い出してほしい」と訴える。だが、李如松は「戦うならお前たちが直接戦え」と拒否する。それでも柳成竜が催促を止めないので兵糧を言い訳に軍法執行を云々しひざまずかせる侮辱を与えたのだ。

『懲ビ録(チンビロク)』はこのようにひざまずくことまで耐えなければならなかった弱小国の宰相柳成竜(1542~1607)が残した記録だ。「懲ビ」とは「自分の過去を懲戒し後に憂いがないか慎む」という『詩経』の文句から取ったものだ。領議政であり都体察使として7年間の壬辰倭乱を体験し感じた反省と悔恨、再びこうした兵乱が起きることを防ぐのに必要な対策と心がけを記録した回顧録であり備忘録だ。

(後略)


この記事なのですが、省略している後半、特に2ページ目を読むと中央日報の記者が非常に遠まわしに回りくどく「日本を見習え」と書いている事が解るのですが、今回の本題はそこではなく引用した部分となります。
この部分が非常に「韓国人的」であり、尚且つ今回の問題を説明する上で非常に重要な要素となるからです。


記事は中世の文禄・慶長の役において、明の李如松に対し朝鮮の柳成竜が無償の援助を要求し、李如松がそれを事実上拒否していることがわかります。
この事から解ると思いますが、以前も書いたように韓国人は自分達が援助されるのは当たり前の事、常に何を優先してもそうするべきであると考えており、そしてその考え方は当時から変わっておらず現代においても同じく韓国人はそれが当然の事と考えているという事が解ります。


その背景には、「自分達は常に絶対的に正しく、正しいからこそ困ったときには自然と周囲が助けてくれて当たり前」という考えが根底にあるわけです。


国家間の問題に関して韓国人は特にそう考えます。通常はどの国でも自国の国益が最優先であり、他国の利益はその次なのですが、彼らからしてみると自分達が困っていたら何よりも優先して助けられるのが当然なのです。
なぜなら問題が起きたらそれは常に他が原因であり、周囲は韓国人の事情や心情を理解し助けることこそが道徳的に正しい行いだからです。


そしてもう一つの記事はこちら


韓国人の優越的態度、外国人に好感を持たれない 
朝鮮Biz 2014.05.26
http://biz.chosun.com/site/data/html_dir/2014/05/26/2014052601000.html
(前略)
一方外国人は、韓国の「優越的な態度」を最も非好感に指摘した。 経済成長を土台にした韓国の優越的態度は、高所得(29.9%)と低所得新興国外国人(25.2%)に、すべての欠点に選ばれた。 この他にも韓国の人々は懸命に働くが、「プライドの高い姿」と「余裕がない生活」などは、非好感で指摘された。

これ以外で韓国を代表する象徴的な文化では「キムチ」が占めており韓国を代表する製品としては、「家電製品」と「携帯電話」が選ばれた。

国際貿易の円は「韓国の肯定的なイメージをマーケティングに活用、我が国の製品とサービス、技術などが新興市場のトレンドをリードするというイメージを強化しなければならない」と主張した。



以前から書いている韓国人の異文化・異人種・異民族への蔑視感情とそれに伴う序列意識に関する記事です。
特に韓国人は最近の経済発展に伴い「国(民族)の序列が上がった」と考えており、その考えを背景に下とみなした国や民族・人種を徹底的に蔑視するようになってきています。
韓国人にとってこういった序列付けは当たり前の事であり、その態度が非常に露骨なため、このようなアンケート結果となっているわけです。


この2つ
・自分達は何に変えても最優先で援助されて当たり前と考えている
・多くの韓国人が「自分達の国(民族)の序列が上がった」と韓国人的価値観で考えている


この考えが日韓通貨スワップ協定にも非常に大きく関係しています。
いくつかのメディアで取り上げられているように、最近の日韓の政治的対立というのも当然関係はしているでしょうが、影響としては明らかにこちらの方が大きいです。
この2つの要素を踏まえたうえでこちらの記事を


韓日通貨スワップ終了…'流用したドル通帳失った'
イーデイリー(韓国語) 2015.02.19
http://www.edaily.co.kr/news/NewsRead.edy?newsid=01446486609272160
[イーデイリー]日本との通貨スワップ中断について大きく憂慮する雰囲気ではない。しかし、通貨スワップは危機に備えて作られた非常装置で、我が国が締結した通貨スワップの中でドル・スワップは日本とチェンマイ・イニシアチブ(CMIM)しかない点で懸念が残るという指摘が出ている。

イ・ウンテクSK証券研究員は19日「日本との通貨スワップは規模が大きくなく、外国為替保有額が充分だから、現在は全く問題がない」として「しかし、いくつ考えなければならない問題はある」と言う。

韓国は外国為替危機で外貨流動性の重要性を知り、危機の時に金を融通できる方法として他国との通貨スワップ契約を締結した。2001年初の通貨スワップ対象国が日本で、その後、中国、インドネシア、マレーシア、オーストラリアなどとも相次いで締結した。特に金融危機以後、米国との通貨スワップ契約を締結し、不安定だった金融市場は急速に安定した。

しかし、金融危機が落ち着いたという判断で韓米通貨スワップは去る2009年終了し、今回、日本との通貨スワップも外交的葛藤で14年ぶりに終わらせることになった。

イ研究員は「日本とのスワップは日本円ではなく、ドル・スワップという点が重要だ」として「我が国は中国、オーストラリアなどとスワップをしているが全て現地通貨であり、ドル・スワップを締結したのは日本とCMIMだけ」と話した。

本来、危機の時に必要なのは現地通貨ではなく、基軸通貨のドルだ。アジア諸国の多者間通貨スワップ協力体のCMIMは私たちが困難な時、ドルを借りてくることができるが、反対に東南アジアが困難になれば、私たちがドルを貸さなければならないという点で両刃の剣だと分析した。

イ研究員は「CMIMはかえって危機伝染通路になりうる潜在的危険がある」として「直ちに問題はないが、このような事実を知っておく必要がある」と指摘した



韓国では日韓通貨スワップ終了に伴い、実質的には問題ないとの立場や、記事中にもあるようにドルの外貨準備高が大きいので影響が無い、また他国とのスワップがあるから問題ないともしているのですが、実態はここにあるように米国とのスワップが期限切れになった時点で、ドルを融通してもらえるスワップ協定は日本との間にしかなかったのです。


また、それでも本来は記事の通りならばドルの保有率が高いので問題が無いはずなのですが、実は韓国、1997年のアジア通貨危機の時にも同じような事を言っていたにも拘らず、いざ危機が起きてみると宣言していた保有額の1/10程度しかドルが無かったのです。
そして、何年か前から様々な専門家の方々が指摘していますが、現在の韓国も同じ状態にある可能性が極めて高いのだそうです。
つまり、だからこそ韓国は日本とのスワップ協定がどうしても必要だったわけです。


そのため、公的には「必要が無い」としながらも、以下のような記事が出てきています。


日韓通貨スワップ協定、延長が望ましい=韓国政府高官
The Wall Street Journal 2015年2月16日
http://jp.wsj.com/articles/SB11442920196806124664104580464901053690936
 韓国は、来週23日に期限を迎える日本との100億ドル規模の通貨スワップ協定の延長を望んでいる。韓国企画財政省のソン・インチャン国際金融局長が16日、ウォール・ストリート・ジャーナルの電話インタビューで明らかにした。足元では、韓国との関係が冷え込んでいることを理由に、日本側は同協定の延長に消極的との観測がある。

 ソン局長は、韓国の外貨準備高は3600億ドルを超えるため、この100億ドルというスワップ枠は「大きな額ではない」と述べた。
(後略)


「本当は韓国はスワップを継続したがっている」という事がよく解るでしょう。
しかし韓国は、表向き「必要ない」との立場で継続を蹴りました、なぜでしょうか。
それは、数年前から日本政府が「韓国からの要請があれば継続する」というコメントをしていたからです。


なぜたったこれだけの事が問題になるのでしょうか?
そこが先ほど挙げた「韓国人的価値観」なのです。
彼らは常に自分達が絶対的に正しく、正しいからこそ援助されて当然であり、相手もその正しさを理解しているから援助するとの考えです。


本来ならば韓国は絶対的に正しいのですから、彼らの常識では韓国から何も言わなくとも日本から率先して継続を要請してこないといけません。しかし日本から「韓国から要請があれば継続する」と先に言われてしまうと、韓国人的には「韓国に問題があるからスワップを日本にお願いしなければならない」となり、つまり韓国人の正しさが保てなくなってしまうのです。


そしてもう一つの要素も彼らの価値観では大問題です。
韓国人は「自分達は国際的な序列が日本より上だ」と考えています、そしてそれは以前から書いているように「日本の劣等さ」を担保とし、日本がこれだけ劣等なのだから自分たちの方が上なのだと、そう確信しているのですが。日本からこう言われたうえで韓国からスワップ延長を申し込むと、自己の問題点(韓国人視点での劣等さ)を認めざるを得ず、韓国人的には「日本より序列が下」となってしまうわけです。


ですから、現在の韓国はスワップ延長を「終了しても何の問題も無い」として断るしかないわけです。
そうしなければ韓国人的な考え方では自己の優越性が保てないからです。
まあ日本政府も、そのことが解っているからこそ「韓国から要請があれば継続する」と声明を発表したのでしょうが。


さて、ここまで読んで一つ疑問がでてきたのではないでしょうか。
「なぜ日本はこうなる事が解っていて誘導するような声明を発表したのか」という事です。
これもにもそうなった経緯として最も可能性が高い根拠があります。
まずは以下の記事を


[社説]外交対立が招いた韓日スワップ打ち切り
東亜日報 FEBRUARY 18, 2015
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2015021878128
韓国と日本が、23日に期限が切れる100億ドル規模の韓日通貨スワップ協定を延長しないことを決めた。通貨スワップとは、通貨危機などの異常な経済状況の際、相手国に自国通貨を預けて相手国の通貨やドルを借りることのできる契約だ。韓日通貨スワップは、2001年7月に20億ドルでスタートし2012年10月は700億ドルまで膨らんだが、両国間に過去史や独島(トクト)領有権を巡る対立が強まったことを受けて減少に転じ、今回は13年7ヵ月ぶりに終了となった。

今回の通貨スワップを巡る再交渉の過程で、日本が「韓国のほうから先に再延長の要請があれば、検討したい」と高飛車な態度を取ると、韓国は「両国が協議して決める事案だ」と切り返し平行線をたどった。どちらの責任がより大きいかは別として、外交的対立が経済協力にまで悪影響を及ぼしたのは、両国共に望ましいことではない。

日本は1997年、タイから始まったアジア通貨危機の際、韓国から100億ドルの資金をいきなり撤退させため韓国が通貨危機に追い込まれるのに大きな影響を及ぼした。2008年のグローバル金融危機の直後も、韓国との通貨協力の規模拡大に消極的な姿勢を見せた。韓国と中国が300億ドル規模の通貨スワップ協定の締結を進めると、交渉に積極的な姿勢に転じて、同じ規模の協定を締結した。資金力を武器に、韓国を手なずけしようとする日本の態度は後味が悪いが、それこそ国際的な経済関係の厳しい現実だ。

韓日通貨スワップが無くても、直ちに我が経済に及ぼす打撃は微々たるものだ。韓国の外貨保有高は3621億ドルと、短期外債の約3倍に上り、中国など5ヵ国と約800億ドル規模の通貨スワップを交わしている。しかし、外部変数に脆弱な我が経済の特性を考慮すれば、海外発悪材料に備えた防波堤は頑丈であるほどより安全だ。政府の経済チームや韓国銀行は、我々の急な都合で、日本に手を差し伸べてもらうことが再び無いよう、外貨流動性管理に万全を期さなければならない。



記事中に


>日本は1997年、タイから始まったアジア通貨危機の際、韓国から100億ドルの資金をいきなり撤退させため韓国が通貨危機に追い込まれるのに大きな影響を及ぼした。2008年のグローバル金融危機の直後も、韓国との通貨協力の規模拡大に消極的な姿勢を見せた。


とあるわけですが、実態は全く逆です。
特にアジア通貨危機のときは、日本は資金の撤退を各国よりもずっと遅らせ、更にこの時各国に対し韓国の債務の返済を先延ばしにするよう働きかけを行っていました。
つまり、可能な限り手助けはしていたのです。


しかし問題がおきます。
当時韓国の金泳三大統領が、自身への批判からの矛先逸らしをするためにこう言い出したのです。
「経済破綻しIMF管理下に入ったのは日本の金融機関が資金を引き上げたせいだ」と。
その後、金大中政権になり金泳三政権の問題点などを調査したところ、上記にあるように実は当時日本が韓国が破綻しないよう相当な働きかけをしていた事が判明します。


が、この調査結果はその後韓国で忘れ去られます。
なぜならそれでは韓国に問題があった事になってしまい、自己の劣等さを認めざる得ないうえに、「日本に助けてもらった」という屈辱(韓国人視点で見ると上から目線の施し)を認めないといけなくなるからです。


結果として、韓国では金泳三大統領の苦し紛れの言い訳が公式見解となった挙句、それをあろうことか国連総会で韓国代表が「国連の援助は助けになったが日本の援助は役にたたなかった」と公式に発言したのです。
更に2008年の韓国通貨危機に関しても、日本は可能な限り韓国の援助をしましたが、結果は記事の有様でした。


それは要するに、韓国としては自分達が援助されるのは当たり前であり、特別待遇が当たり前にも関わらず、日本は「他国と平等に」助けようとしたからです。
これが韓国にとっては非常に不満だったようです。
そして韓国は、この2つの件をその後世界中で「日本のせいでこうなった」と官民挙げて宣伝し始めました。


こんなことをされてしまうと、日本政府としては事は最早日韓の間の問題だけでは済まされません。
韓国政府が公式に「日本は自己保身のために経済危機を引き起こしている」と世界に向けて公言しているも同じだからです。
当然の事ですが、そんな事をしてくるならば最初から係わり合いにならないほうがマシなのです。


下手に援助をすればそれだけ韓国政府は国際的に日本の信用を落とそうと動くのですから、だったら始からそう言いだせる口実そのものをなくしてしまおうとなるのは、日本の国益として当然なのです。
日本のいくつかのメディアが報じるように、最近の日韓の政治的対立が原因とか、そんな単純な話では無く、ここ十数年の韓国の行いが大問題だった、だからこそというわけです。


まとめると。
韓国としては、日本は「韓国から要請があれば継続する」と上から目線で尊大な態度を取り、あたかも韓国に問題があるかのように誘導しようとした。
そんな事をされてまでスワップを継続する理由は無い。


日本としては、ここ十数年韓国は日本からの援助をあたかも何の役にも立たず、むしろいたずらに経済危機を引き起こす原因を作ったと国際的に宣伝し続けた、そんな事をされるくらいならもう実質的な援助となるスワップで、韓国の自尊心を満足させてまで「日本からの要請」という形に拘り継続する理由は無い。


と、日韓通貨スワップ終了にはこういった構図があるわけです。
勿論、これが全てではなく一般人の知りえない何かしらの動機もある可能性は十分ありますが、それは知りようが無いので論じるだけ無意味でしょう。