日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

どんどん酷くなる折り紙の韓国起源説


さて、今回の内容なのですがぶっちゃけて書いてしまうと本来前後編に分けてやった方が良い内容を圧縮して1つにまとめます。
ですので今回はいつにも増して無駄に長いです。
そして、当然色々と詰め込みすぎになるので、最初に目次を書きます。
(2つに分けると1つ1つの文章量は減りますが、実質的な作業時間は2倍になるので色々と厳しいです、ご勘弁を)


目次

1:問題となっている事例の記事紹介及び折り紙の韓国起源説の概要
2:問題にしている団体の規模や活動内容など
3:韓国起源説の問題全般・まとめ


となります。


1:問題となっている事例の記事紹介及び折り紙の韓国起源説の概要
"頭巾は折り紙母胎…世界に悠久な歴史知らせよう"
聯合ニュース(韓国語)
http://www.yonhapnews.co.kr/bulletin/2015/01/26/0200000000AKR20150126109500371.HTML




(ソウル=聯合ニュース)「悠久な歴史を受け継いできた頭巾を全世界に知らせましょう。」

26日午後、ソウル中区獎忠洞、紙の国(チョンイナラ)ビルディングでは紙文化財団・世界折り紙聨合(理事長ノ・ヨンヘ)が主催する第1回大韓民国折り紙文化学術大会が開かれた。

カン・ミョンオク紙文化財団理事は'頭巾を折ることと創意教育'という主題の発表で「頭巾は我が国の風俗で天、地、人を示す三神帽子として使ってきたと伝えられる冠飾」とし、「頭巾は我が国の折り紙の始原」と紹介した。

カン理事は引き続き「頭巾は高句麗から始まり三国時代、統一新羅、高麗、朝鮮時代につながる折風」とし、「祈り歌い踊る時に使い、いろいろ多様な形の帽子の形に発展してきた」と説明した。「高句麗土製頭巾、慶州騎馬人物土偶、農楽や僧舞の頭巾などがその事例というもの。

これは'折り紙宗主国'を主張する日本(オリガミ)の論理を無力にさせる歴史的事実だ、とカン理事は力説した。彼は「私たちの悠久な歴史と伝統の頭巾折りを世界に広報し、折り紙主権を追求する方法になる」と強調した。

文化財団はこの日の主題発表を根拠に歴史的事実を含んで頭巾折り創意教育を全世界16カ国37支部で実施する計画だ。ノ・ヨンヘ理事長は「韓半島の平和と統一を祈る頭巾折りも近い将来出るだろう。全世界で日本の折り紙に奪われた私たちの折り紙文化の自尊心を取り戻すことに寄与したい」と明らかにした。

今回の行事の大会場を引き受けたキム・ジェウン梨花(イファ)女子大名誉教授は'折り紙の学術的研究の必要性'という主題の基調講演で「創意的な折り紙作家や芸術家が少なく、学問的に研究する人も目に触れない現実で私たちが日本に追いつくのは難しい。造形芸術分野の作家や科学・視覚芸術分野の専門家たちが奮発しなければならない」と言う。

キム教授は「折り紙運動が発展しても、折ることの機能面だけ訓練してはならない」と指摘した。折ることの教育的・造形的・心理的・数学的・遊び的機能も生かせばさらにおもしろくなり、学習活動も多様化するだけでなく、進んで折り紙が文化運動になって世界化すれば世界平和にも役に立つという助言だ。
(後略)



この記事なのですが、まずこの団体が折り紙の起源としている「頭巾(고깔)」とは何なのか、そこが解らないとお話にならないので少し調べてみました。
結論から始に書くと、これは折り紙と何の関係もありません。


最初にこの頭巾がどんなものなのかを知らないといけないと考え、「고깔」を画像検索してみたのですが、この試みは失敗しました。
出てくる画像がこんなものばかり






挙句の果てには道路などにある三角コーンなどまでが出てきて、なにがなにやらわかりません。
どうやら現代の韓国では、三角錐で中身が空洞のものを「고깔(コカル?)」と呼んでいるらしく、画像検索ではそれが出てきてしまうようです。
また、機械翻訳にかけると「とんがり」や「三角」と出てくるので、恐らくそこから連想するものなのでしょう。


そこで次に普通に文字で検索をかけてみたところ、一応なんとなくですが概要がわかりました。
どうやらこれは朝鮮伝統舞踊である農楽や、或いは巫俗(ムーダン)と呼ばれる朝鮮の土着信仰におけるシャーマンなどの被る、布や紙でできた帽子という事が解りました。
そしてその方向から調べてみたところ、こんな形の物である事が解りました。






またこんなものも







紙製ではありますが、最初の記事にある画像のものとはかけ離れた物であることが解ります。
そして更に、高句麗や高麗の名称が出てきていることから、その方面からこの「頭巾」を調べてみたところ、こんなものが出てきます。







これが当時の「고깔(コカル?)=頭巾」だそうです。
要するに日本で言うところの烏帽子に相当するものであり、現代では紙製のものもありますが、元々は布製であり紙のものが出てきたのはずっと後の時代、恐らく李氏朝鮮時代ではないかと思われます。


つまりこの団体は、現在の頭巾=고깔の中に紙で出来た物である事を、時系列を無視して過去にも同じ物があったと強引にこじ付け、紙を加工した物なのだから当然これも折り紙であると、そして高句麗の時代からあったのだから折り紙の起源であると、そう主張しているわけです。


当然ですが、いわゆる「折り紙」と定義されている物とは何の関係もありません。
これは単なる烏帽子相当のものです。


2:問題にしている団体の規模や活動内容など
次に、この折り紙の韓国起源説を主張している紙文化財団とはどんな組織なのかについて調べてみました。
文化財団のページを調べてみたところ、書いている事はほぼ上記の聯合ニュースの記事と同じであり、特に新たな発見はなかったのですが、注目すべきはその活動規模でした。


文化財団(종이문화재단)
http://www.paperculture.or.kr/

活動履歴より(文章量が多いので2014年のものだけを抜粋)
http://www.paperculture.or.kr/company/sub1_3_1.php?pageNum=1&sub=3
2014年
2014ソウル市のお年寄りの文化事業」シニアジョイアート」隊養成課程修了式
2014大韓民国折り紙の紙文化コンベンション開催

オセアニア地域ハングル学校の教師と子供のための「第1回「大韓民国の折り紙(Jongie Jupgi)講師·子供の折り紙マスター」奨学教育の実施
「第5回大韓民国分かち合い大祭」で折り紙体験ブース運営
「2014ソウルである事を文化祭」から「庁舎提灯」閉じる体験ブース運営
「第36回空軍参謀チョンジャンベースチャレンジ2014」本選大会で「紙飛行機飛ばし」の体験ブース運営
「愛の友人」主催の「わかち愛バザーハンマダン」に参加
世界韓人ジャーナリスト連合会と業務協約を締結
スタジアム漢江文化教育院開院

ソウル奨忠小学校の名誉警察少年団の子供の折り紙マスターの奨学金コース修了式
「第36回空軍参謀チョンジャンベースチャレンジ 2014慶北北部地域予選大会」
「紙飛行機飛ばし」体験ブース運営

西洋紙文化教育院開院
CIS韓国教育文化学校連合会と業務協約を締結
「22104ソウル市中区折り紙文化芸術祭」の一環キム・ヨンマン折り紙の短期集中コース
ブリッジソウル2014 /数学文化祝典参加
役員 教育院長の支部長の地図養成特活会員情報交流会開催
「69周年光復節記念、第23回統一祈願南山ボンファシク "記念国花ムクゲ折り紙体験運営
2014年夏休み教員特殊分野職務研修開催

ソウル市中区女性発展基金」紙造形アート指導士」養成課程開講
ソウル市お年寄り幸せ分かち合いのための「シニア締めアート」養成課程」開講
第32回楽しい韓国学校協議会学術大会で「第1回「大韓民国の折り紙講師」奨学金教育の実施
「紙の国創立42周年記念」、イ・ウィンジョン折り紙の芸術家招待展」神明分かち合い展
世界韓人財団と業務協約を締結
ソウル市庁舎ソウル創意教育人格教育センター開館、ソウル市教育庁から感謝状授与
米国正規学校韓国語半奨学生、紙の国博物館折り紙体験
アメリカLAの韓国語振興財団主催、<2014米国の学校行政家韓国研修団>一行紙国博物館体験
全南谷域支部開院
慶熙大学校国際教育院、理工系学部国費留学生対象折り紙文化特講
誘導大学未来の教育カレッジ業務協約を締結
慈善大学、CIS(独立国家共同体)青少年対象の折り紙文化特講

忠清北道忠州郊県紙文化教育院開院
ソウル奨忠小学校の名誉警察少年団の子供の折り紙マスター養成課程開講

ソウル市のお年寄りの文化活性化支援事業遂行協約締結
米州韓財団とMOU締結
アメリカLA小学校教師、「大韓民国の折り紙講師」の資格拾得に新しい韓流創造

ソウル特別市教育庁とMOU締結
ソウル中部警察署とMOU締結
国立ソウル科学館サイエンスデー無限の創造体験イベントに参加
フィリピンイロイロ市教育庁、ノースウェスタンビザヤ大学と業務協約を締結
ソウル市中区女性発展基金支援事業実行協約締結
韓国戦争参戦国フィリピンに向けた<Thank you From Koreaありがとうございます団>現地で<大韓民国折り紙(Jongie Jupgi)文化グローバル化フェスティバル>開催

ソウル市中区地域文化の育成事業遂行協約締結
米国バージニア州センタービル支部メリーランド州モンゴメリー支部開院
ソウル市子ども文化事業遂行協約締結

紙の国と15号発行
新しい未来を創造する「2014紙文化春セミナー」開催
第16回理事会

ドイツ・フランクフルト支部開院
ソウル市教員特殊分野職務研修実施




活動は2011年頃からかなり活発になってきており、特に注目すべきはこの団体が韓国政府機関や自治体と非常に繋がりの深い団体である事、世界中の複数の国に支部を持ち折り紙の韓国起源説を吹聴して回っていること、各自治体にも支部を多数もてるほど資金と人材が豊富であること、韓国内では特に子供を対象として活動している事などが解ります。
ここから、恐らくこの団体は政府から資金や人材の支援を受けているようだという事がわかります。


また、ページ内のニュースには更に注目すべき事方が書かれていました。


ノ・ヨンへ理事長、「国民勲章」授与受け
文化財団 14-12-20
http://www.paperculture.or.kr/bbs/board.php?bo_table=news&wr_id=622&page=5&id=&sname=
ノ・ヨンへ紙文化財団 ・世界折り紙連合理事長は。2014年12月19日午後2時、ソウル白凡記念館コンベンションホールで開催した「有功諮問委員国民の賞授与式で大統領直属の憲法機関である民主平和統一諮問会議の (議長 : パク・クネ)から平和統一と国民統合に寄与した功労を認められ、民主平和統一主席副議長から国民褒章を授与された。

国民褒章は、政治・経済・社会・教育・学術分野に功績を立て、国民の福祉の向上と国の発展に寄与した功績が明確な者が受賞する。

ノ理事長は、現在の民主平和統一ソウル市中区協議会諮問委員として活動しており、これまで統一祈願南山、統一講演会、北朝鮮離脱住民支援バザー、平和統一祈願大型紙亀甲船、世界平和祈願紙飛行機飛ばし、 ムクゲ大韓民国伝導普及などの紙に関する文化伝播を介して、朝鮮半島の平和統一の基盤構築に貢献してきた功労を認められた。

ノ理事長は「国内は勿論、世界のあちこちで、大韓民国の折り紙(Korea Jongie Jupgi)の普及と拡散を介して、朝鮮半島の平和統一と、新しい韓流創造に貢献している紙文化財団、世界折り紙連合の教育院長、支部長を始とするメンバー家族の皆さんと受賞の栄誉を一緒にする」とし「こんごもより一層貢献し邁進すること」を約束した。



この団体のトップは、先月に韓国政府から活動を評価され勲章を受けていたのです。
このての韓国起源説を批判すると、よく「こんな事を信じている人は韓国に殆どいない」とか「こんな事をしているのは一部のおかしな人だけ」との反応がありますが、見ての通りこの紙文化財団というところは相当に大きな規模の組織であり、政府や自治体とも深い繋がりがあり、かつ韓国の大統領直属機関から勲章を受け取っている、そんな団体なのです。


恐らくですが、規模としては日本の折り紙協会より大きいのではないでしょうか。
またここ数年で韓国国内外に多数の支部を設立し複数の国と様々な関係構築をしていることから、急速に組織の規模が大きくなって行っている事が解ります。
当然「一部のおかしな人」だけでこんな事はできません。
そんな団体が、こんな詐欺紛いの韓国起源説を世界中で吹聴しているわけです。


3:韓国起源説の問題全般まとめ
この件に限らないのですが、韓国人の行う起源主張には特徴的な傾向があります。
たとえば今回の折り紙の韓国起源説の事例で見てみると、「折り紙宗主国」という奇妙な単語がでてくるわけですが、これは日本人から見ると非常に不可解ですが韓国人は「文化に序列がある」と考えているのです。


そして、朝鮮の伝統的な儒教の考え方では、文化は「水のように高いところから低いところへ流れるもの」と考えられており、そのために「起源」が文化の序列の最も高いところにあり、だからこそ最も「偉い」と考えます。


「起源が一番偉い」がために、そこから派生したものやその後変化したものは一切価値を認めません。
今回の折り紙の韓国起源説の場合、韓国人の発想の元は「製紙技術は百済から日本へ伝わった」という説がベースとなっており、要するに「紙を伝えたのだからそこから派生したもの(折り紙)は全て自分達のお陰、だから起源なのだ」とのロジックなのです。
頭巾云々はそこから派生した枝葉でしかありません。


そしてここからもう一つ重要な事が解ります。
この紙文化財団の主張で(日本人の発想から見て)最も奇妙な事は、仮にこの頭巾が折り紙の起源だとして、そこからどう派生して今の日本の折り紙になったのか、或いは今現在なぜこの団体が「日本式の折り紙」を韓国の伝統として行っているのか、その説明が全く無いのです。


これも要するに、「起源が一番偉い」ために、そこから派生した(と彼らが思っている)ものは起源の劣化コピーとしての価値しかなく、全く重要ではないとの発想があるからです。
今現在この団体が明らかに日本式の折り紙を韓国伝統の折り紙として宣伝しているのも、起源であり「もっとも序列が高い」韓国を日本が真似ただけなのだと、そして「本当の宗主国を蔑ろにして」折り紙宗主国を名乗っているだけなのだと、そう考えているからです。


このように、韓国人の発想というのは我々日本人とは全く違います。
物事を評価する価値基準が全く違うので、そこから得られる結論もまるで違うのです。
ですから、日本人が韓国人に例えば日本の折り紙の歴史を伝えても全く意味がありません、韓国人は日本でどうやって折り紙が成立して行ったのか、そこには全く興味が無く、そのうえ全く価値を見出せ無いからです。
これが韓国起源説です。


最後に。
少し余談になりますが、日本の折り紙について。
記録上、日本の折り紙の最も古い記述は平安時代の貴族であり歌人でもあった藤原清輔(1104~1177年)が、『清輔朝臣集』でカエルの折り紙について言及したものが最古とされています。


その後、武家社会において贈答品などに和紙で折った様々な形の折り紙を一緒に送るなどの文化が出来上がり、江戸時代に入ると紙の普及と共に庶民へもこの文化が普及、娯楽の一種として普及し、井原西鶴の『好色一代男』(1682年)などに折り鶴などへの言及があります。


また、『秘傳千羽鶴折形』(1797年)のようにこの文化が普及し折り紙の折り方などを書き記した本なども出版され、庶民文化として定着して行ったという経緯があります。


その後、明治時代に入り西洋との交流の中で、欧州で独自発展した折り紙文化をドイツの教育家フレーベル(1782~1852年)が子供の教育に取り入れ、それが日本に入ってきて日本の折り紙文化と融合します。
現在の日本の折り紙文化はこうして出来上がったわけです。


元々日本の折り紙は千代紙という和紙を使用していましたが、現在の折り紙用の紙が洋紙なのはその結果です。
そして現在、こうして出来上がった日本の折り紙文化が「origami」という名前で世界に普及し、芸術などにも派生していっているわけです。


このように、本来文化というのは相互に干渉して進化発展していくものなのですが、文化に序列があると考える韓国人はその発想が理解できません。
ですから、子供の頃から教育によって「韓国が未開な日本に文化を伝えてやった」と教えられて育つ韓国人は、現在「origami」として世界に普及している文化を見ると、「日本に我々の文化が奪われた」と感じて起源主張を行うわけです。


そのうえで日本人がすべき事は、韓国人に「反論」することではありません。
重要なのはまず多くの日本人が韓国人が行っているこの問題を「知る」ことです。
今現在、韓国のこの行いを正確に知っている日本人がどれほどいるでしょうか、実際のところ殆どいません。
そこが最も問題なのです。


勿論、韓国が世界中でこんな事をしている以上、それに対して何らかの対策をしていくことも重要ですが、問題の知名度が日本国内で低すぎるのではまずそもそも問題外なのです。
そしてそのうえで、(同時進行でもいいですが)日本の折り紙文化がどう進化発展して今に至ったのかを、「韓国人以外に」伝えていくのが重要です。
「韓国がこんな嘘をついている!」と訴えるのでは、「どっちもどっちだ」と思われかねないからです。
それでは本末転倒ですから。