日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

「若い韓国人に反日が少ない」はある意味正しい


さて、今回はよく日韓のメディアなどで伝えられる「韓国の若い人には反日が少ない」は、ある意味で正しく、ただしその「少ない」の意味はメディアの意図とは全く違うという内容になります。


それを知ってもらうために、まずこちらの記事を


朴大統領の支持率35% 就任後ワースト=年頭会見不評
聯合ニュース  2015/01/16
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2015/01/16/0200000000AJP20150116002600882.HTML
【ソウル聯合ニュース世論調査会社の韓国ギャラップが16日に発表した調査結果によると、朴槿恵(パク・クネ)大統領の支持率は前週から5ポイント下落した35%となり、就任後最も低くなった。不支持率は4ポイント上昇の55%だった。

 12日に行った年頭記者会見が支持率低下に影響したとみられる。今回の調査は13~15日、全国の成人男女1002人を対象に実施された。

 世代別では60代の支持率が62%で最も高く、50代が43%、40代が32%、30代が20%、20代が13%と続いた。50代では初めて支持率より不支持率(50%)が高くなった。

 不支持の理由は「意思疎通不足」が19%で最多。次いで、「人事問題」(13%)、「公約の履行不十分・変更」(11%)、「経済政策」(9%)、「福祉政策の不足・増税」(5%)などだった。

 年頭会見に関しては、「良くなかった」が40%に達した。「良かった」は28%にとどまり、昨年の会見より15ポイント落ちた。会見を否定的にとらえた理由としては「意思疎通不足」(14%)、「正直ではない・誠意がない」(9%)、「台本通りに話す」(9%)、「一方的な主張・独断的」(8%)などが挙がった。

 韓国ギャラップは調査結果について、朴大統領の元側近、チョン・ユンフェ氏が国政に介入していたとの疑惑で、意思疎通不足と人事を問題視する声が高まったと指摘。「朴大統領は会見で国政介入疑惑を事実無根としたが、国民の世論とは多少隔たりがあるようだ」と分析した。



前回紹介をしたので知っている方も多いでしょうが、朴大統領の年始の演説はまさに日本人から見た反日そのものでした。
しかし見ての通り大統領支持率は落ちています。


これに関して、記事中での分析にもあるように、大統領の元側近が国政人事に介入した疑惑が現在韓国で大きく取り上げられているため、それに関する不信感も当然関係しているでしょうが、元々韓国ではそういった内政問題からの矛先逸らしとして反日が利用されて来た経緯があります。


要するに、今回朴大統領が年始の演説で歴史問題を持ち出し日本へ「要求をする」という典型的な反日行為を行ったにも関わらず、内政問題からの矛先逸らしとしてまるで機能しなかった、そういった事が解るわけです。
なぜでしょうか。


ここで注目したのが、支持不支持の年齢別の割合です。
読めば一目瞭然ですが、年齢が下がるほど支持率が低く、年齢が上がるほど支持率が高い、特に20代30代は支持率の低さが顕著です。
ここが重要となります。


韓国政府関係者の発言でも韓国メディアの記事でも、それどころか日本のメディアなどの記事においてもそうなのですが、一般的に反日とされる内容では必ず「右傾化」という単語が登場します。
つまり反日というのは、少々大雑把な定義となってしまいますが「政治的な思想としての反日」なのです。


この政治的な思想としての反日というのが重要で、東西冷戦時代を生きた方々にとってそれは身近に実感できる非常にわかりやすい世界の二分化であり、自身のスタンスや基準を決める上での重要な要素だったわけですが、現在はそもそも東西冷戦構造や思想の対立による二分化という時代はとっくに終っています。


むしろ現在は、冷戦構造が子供の頃に終った或いは当時はまだ生まれていない、そういった人達が世の中に大勢います。
そしてそういった人達は、そもそもこの思想による二分化や自身のスタンスを決める「思想」という前提条件にまるで実感が持てません。


当たり前です、韓国人でなくともこれは世界的にそうなのですが、それは既に過去の出来事であり、肌で感じるような事では無いからです。
つまり価値基準の土台としての思想の二分化というものを元々持っていないのです。


ですから、朴大統領がいくら政治的な思想としての反日を演説しても、この世代には根本的に実感をもてないわけです。
結果として大統領支持率にここまではっきりと世代間の差が出たと、私はそう考えています。
日本と同じように、韓国でも思想の左右という考え方は既に「過去のもの」なのです。


では、日本のメディアの言うように、こういった韓国の若い世代とは日韓友好が可能なのでしょうか?
それは大きな間違いです。
むしろこの政治的思想に基く反日を持っていない世代の方が、余計に友好のハードルは高いのです。


それがなぜなのかといえば、過去何度も書いてきたように2000年代に入って以降、韓国では民族主義や蔑視ありきの自民族中心主義が先鋭化してきているからです。
今現在我々が目の当たりにしている韓国の反日とされるものの大部分は、要するに思想の二極対立における反日ではなく、民族主義や蔑視ありきの自民族中心主義の発露の結果としての「表面的に反日に見えるもの」なのです。


思想の対立ならば、その思想を変えるなり何かしらの折り合いをつけるなり、地勢学上の敵味方という前提で乗り越えたり目をつぶる事もできるのでしょうが、「民族」という変えようの無いもので区分けされた価値観では、簡単に「色分けを変える」というわけにはいかないのです。


つまり過去の思想としての反日時代よりも、今の方が実は友好のハードルが高いのです。
ある意味、思想の左右という二元論によって「蓋をされて来た」ものが、冷戦構造の終焉によって表面化してきたとも言えるでしょう。


その結果、特に最近の韓国の韓国では民族主義的な論調の記事が非常に多いのです。
まずはこちらの記事を


「朝鮮は清の藩属国」 韓国をおとしめる外国の教科書
朝鮮日報 2014/11/06
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/11/06/2014110601518.html(リンク切れ)
http://web.archive.org/web/20141106033448/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/11/06/2014110601518.html(ウェブアーカイブ
外国の教科書で韓国関連の誤記載が多数、その内容は
「6・25は北侵」「『現代』は中国企業」「大韓民国朝鮮民主主義人民共和国

「1950年6月25日、南韓軍が北朝鮮を侵略」(ウズベキスタンの教科書の年表)、「朝鮮は清の藩属国」(2012年発行の台湾の高校1年生用教科書)、「『現代』は中国企業」(2007年発行のスリランカの10年生用教科書)…。

 海外の教科書に記載された韓国関連の内容の中には、表記の誤りから歴史的事実を完全に歪曲(わいきょく)したものまで、深刻な誤りが多数あることが分かった。

 与党セヌリ党の鄭柄国(チョン・ビョングク)議員が教育部と外交部(いずれも省に相当)から入手した「海外の教科書における韓国関連の誤り修正の現状」によると、教育部は2003年から今年の上半期まで10年かけ、97カ国の教科書2125冊について調べ、1003カ所の誤りを発見した。そのうち今年上半期までに修正が行われたのはわずか140冊(14%)だった。

(中略)

 スリランカの2012年版の教科書には「この時期(20世紀初頭)韓国はアジアで最も貧しい国だった。韓国政府は非常に腐敗していた。韓国の農民たちは放置され無力だった。日本は経済的・戦略的重要性を持つ韓国に関心を持った」とされている。日本による韓国侵略の違法性には言及せず、韓国の遅れた状況ばかりを強調したのだ。スロバキアの教科書には「韓国の驚くべき経済成長は、日本と米国から導入された技術を基盤としていた」と記載されており、韓国の経済成長の原動力が日本と米国の援助によるものだったかのように説明されている。

 セルビアの2011年版6年生用教科書には「印刷術を発明したのはドイツ人のヨハネス・グーテンベルク」とされており、高麗時代の1372年に世界初の金属活字印刷物「直指心体要節」が発行された事実は書かれていない。

 さらにパナマの教科書には韓国が植民地でなくなった時期が1945年ではなく1948年と記載され、コロンビアの教科書には「韓半島朝鮮半島)は1973年当時共産主義国家だった」と記載されている。またリトアニアの教科書は韓国の宗教について「土俗信仰とキリスト教」と地図に表示し、クロアチアの教科書は大韓民国の国名を「朝鮮民主主義人民共和国」と紹介していた。

 鄭柄国議員は「東海(日本海)・独島(日本名:竹島)の表記も重要だが、韓国の歴史や経済発展に関する歪曲された内容を修正することも急を要する」とした上で「外交部が先頭に立って間違いを積極的に修正すべきだ」と主張した。



記事中で中略されている部分なども含め、70年代頃の情報がそのまま更新されずに残っている事例も多いのですが、それを考慮しても現在の政治的な動機に基く韓国の歴史観の押し付けが非常に目立つ事が解ります。
そしてこの活動も、韓国での民族主義の高まりと共に年々先鋭化してきています。
韓国人は「韓国人の民族としての優秀さ」を世界に認めさせたいのです。


また次のこちらの記事のように


'公休日ハングルの日'優秀性世界に知らせる機会で!
韓国NGO新聞(韓国語) 2012/11/18
http://ngo-news.co.kr/sub_read.html?uid=40317&section=sc37&section2=%EC%B9%BC%EB%9F%BC
韓国の国会で最近10月9日ハングルの日を公休日(祝日)に再び決定した。

我が国のハングルは全世界で最も科学的な文字であると認められた文字だ。このように立派なハングルが日帝強制占領期間に太極旗(国旗)、ムクゲ(国花)と数多くの愛国の志士らと共に日本の抹殺政策で苦痛を受けた。だが、人類社会の正義は決して抹殺されることはない。不正は滅亡するということを証明する日本の崩壊で我が国の太極旗・愛国歌・国花・ハングルが再び生き返った。

(中略)

国際化の時代で、ともするとハングルの重要性を忘れやすいが一方ではハングルの重要性を広く知らしめることができる。Kポップなどで韓国が世界に広く知られている好機をハングルの優秀性を広報する機会にすれば東方の灯の大韓民国は多方面で多様に世界人類社会で希望の灯として光ることになるだろう。

チェ・ボンシル障害者有権者連盟理事長



文字というのはその国の文化や歴史的背景に根ざしている物なので、本来単純に優劣で語れるものではないはずなのですが、現在の韓国ではこういった「ハングルの優秀性」とか「民族の優秀性」という論調の記事が、特にここ数年非常に多くなってきているのです。


また、ネットメディアなどを中心に更に先鋭化した記事も年々増えてきています。
こちらの記事などがその典型例です。


日本、やはり答は天罰にある!
デイリアン(韓国語)  2012/8/18
http://www.dailyjn.com/news/articleView.html?idxno=10203
(この文は2010年3月31日初版を書き、2011年3月11日午後2時45分に近づく巨大津波を見て書いた文だ。そして今日本が従軍慰安婦と独島(ドクト、日本名:竹島)問題をめぐり反応する天人共に怒ることについて文を付け加える。)

2011年3月、津波によって崩れる日本の叫びを見ながら、このように強い神罰が下るのを見て粛然とした。天は無心でなかったが、しかしまだ日本人たちは反省がない。

(中略)

倭人’という言葉がある。‘とても小さくてみすぼらしい’という意味の倭だ。人間の度量が小さくて狭い場合に私たちは‘小さい奴’という言葉を使う。日本はそのような種族だ。私たちは去年、津波で号泣する日本のために多くの支援をした。しかし日本は有り難く思わなかった。それは非常に利己的で全てを自分中心に判断する者ばかりなのだろう。それで共に平和を論じ人類の正義を論じるには相手ができないのが日本人たちだ。

日本猿’という呼称もある。陰湿で凶悪で他人の真似はうまい人によく‘猿のような奴’と非難するそのような猿。日本はまた、猿のように卑怯な、そのような種族だ。よく本心と表面の心が違う民族だと自ら自認するそのような種族だ。

筆者は‘日本人たちには思想がない’と書いたことがある。思想。思考作用の結果から得られた体系的な意識だ。私と君、そして私たちにつながる人類の普遍的な価値と判断に忠実な意識、すなわち愛と平和に対する普遍的な価値に対する認識をいう。したがって思想はすべての宗教と民族と文化を問わず共通性を持つ。どの宗教もどの民族もどの文化も‘愛と平和’に対する長い間の認識が込められているからだ。それで人類は愛と平和の前に一つになることができる。

しかし日本人はそうではない。彼らは彼らだけ良い暮らしをすれば良い。それで第二次大戦を起こしたことを反省しない。運悪く米国だけに負けただけと考えているのだ。犯罪者が運悪く警察につかまったという認識と同じだろう。反省しない日本と日本人に私たちが懲罰するほどの権限はない。もし彼らに罰を下すにしても、日本人たちはその原因を自らにあるとは認めないだろう。したがって日本人たちに最も効果的な懲罰は天が彼らに下す天罰であろう。

天罰…。多くの予言者が話したことがある日本沈没。また再び巨大な地震が日本を揺るがす時、日本人たちはその天罰の罪業がどこから始まったか初めて反省することになるだろう。そして船に乗って散る日本人を受け入れる国など世界のどこにもないことを骨に凍みるほど感じることになるだろう。隣国と共存のため何の努力もしない、ただ侵略根性だけ残っている日本。そのような民族を受け入れるどんな国もないことを悟らなければならないだろう。

近い将来、富士山を中心に、もう一度必ず天罰はおりるだろう。


この引用したデイリアンという韓国のネットメディアは、別に何らかの政治団体やカルトの機関紙ではありません、単なるどこにでもあるような一般向けのメディアです。
そんな場所ですら、このような記事が年々増加傾向にあり、それはつまりネットを利用し情報を得る世代に「それだけの需要がある」という事を表しています。


ここで少し考えてもらいたいのは、例えば「これと同等の嫌韓記事」がニコニコニュースに表示されたら、皆さんはどう感じるでしょうか。
当たり前の事ですが、大半の人は例え韓国の事が嫌いで嫌いで仕方がない人でも、非常に不快な気分になるでしょうし、中には記事に抗議する人もいるでしょう。
もしかしたら「ヘイトスピーチ」として大騒ぎになるかもしれません。


例外もいるにせよ、これが日本人の「普通の反応」なわけですし、どんなに韓国に批判的であってもこの類の記事を書こうという発想を持つ人はそうはいないでしょう。
しかし韓国の場合には、このレベルの記事が日常的にあちこちのメディアで掲載され、それに対する抗議や批判も皆無に近い状態なのです。


これが韓国の現状です。
従来の思想を前提とした反日というのは、現在の韓国では世代が若くなればなるほど薄まりました。
ですので一般的な定義としての反日は、現在の韓国では年配者の中にあるだけであり、世代が若くなればなるほどこの手の反日で日本を批判する韓国人は大幅に減少傾向にあります。


それに変わって出てきたのが、今回取り上げた民族主義や蔑視ありきの自民族中心主義を前提とした「一見表面的に反日見える」韓国の若い世代の反応なのです。
そして現在、韓国のこの現状に批判的な韓国人というのは殆どいません。


少数いることにはいるのですが、そういった人は少し前に日本でベストセラーになった『韓国人による恥韓論』の作者さんのように、韓国国外で匿名で問題提起をしたり、或いは呉善花さんのように他国に帰化して問題提起をしたり、そういった手段を取るか、そうでなければ韓国内で「黙っている」しかない、そうしなければ自身の安全すら危うい、そんな状況です。


現在の韓国では、民族主義的な社会風潮に否定的である事は、特にそれに日本が絡んだ場合売国奴と同等の扱いを受けるのです。
そして、一端そのことを公的に口にすれば最早韓国で生きていくことすらできなくなる場合すらあります。


確かに韓国は反日ではなくなりつつありますが、それに変わって先鋭化した民族主義や蔑視ありきの自民族中心主義が日常化してきており、むしろ従来の反日よりもより日本との正常な関係が難しくなってきているわけです。
というより、一般的な価値観の日本人が今の韓国社会の価値観を受け入れるのは無理でしょう。


最後に。
最近、日本の右傾化だとか言論弾圧だとか批判する人達がメディアなどに見受けられますが、これを見ても解るように、本当に民族主義が台頭し先鋭化したらそもそも国内でそれに批判的な論調など公言できる訳がないのです。
今の日本のメディアの論調のような事ができている時点で、彼らの主張するような事態にはなっていないことがはっきりと解るともいえます。


また、このブロマガでもたまに「良い韓国人もいる」とか「全てがそうではない」と反論するコメントが見受けられますが、そういった人達はこの韓国の現状を知っているのでしょうか。
現在の韓国では民族主義的でない事は異端であり、民族主義こそ韓国の日常である以上、一部にそうでない人がいたからとそれが何か変化の助けになる事もありません。


だからこそ、韓国は民族主義や蔑視ありきの自民族中心主義を当たり前の価値観とする社会なのだとして、その前提で対応していくしか選択肢が無いわけです。