日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国がユネスコに迷惑をかけまくっている件




(画像は対馬でほぼ毎年開かれる「アリラン祭り」の朝鮮通信使行列より)


さて、今回の内容は韓国での民族主義の高まりと共に、ユネスコに様々な無茶な要求や政治的主張をし始め、結果的にユネスコに迷惑をかけ続けているという内容となります。


それを知ってもらう前に、まず歴史というものに対する韓国人の特異な価値観を書いておきます。
我々の価値観では歴史と言えば基本的に学問です、例外はありますし歴史に自らの政治的なイデオロギーを持ち込む頭のおかしな人もいますが、原則としてこれに異論のある人はそうはいないでしょう。
「歴史は学問」これが日本での一般的な認識です。


しかし、韓国人にとって歴史は事実上学問ではありません。
では何かといえば、政治の延長であり民族主義の発露の場なのです。
一般的に韓国人に歴史について聞けば、彼らも「学問」と答えるのが普通なのですが、普段の彼らの言動を見ればそれが違うのは明らかなのです、彼らは日常的に歴史に政治的イデオロギー民族主義を平然と持ち込みますが、それが彼らにとっての「普通」なのでこれらの発露に使うことに違和感を感じないのです。
要するにこれも「常識やあり方の違い」なのです。


では具体例を見ていきましょう。
まずはこちら

世界最高金属活字本‘直指’のソウル外出
2012.06.07 アジア経済(韓国語)
http://www.asiae.co.kr/news/view.htm?idxno=2012060615101237589
[アジア経済]世界最古の金属活字本‘直指’がソウルを訪れる。

清州市古印刷博物館は7日、世界最古‘直指’の創造的価値を知らせるため、この日から10日までソウル・コエックスで開かれる「第25回韓国国際観光展」直指広報館を運営すると明らかにした。

54平方メートル(9m×6m)の大きさの展示ブースに直指広報館を開き▲直指影印本(下巻)▲直指金属活字製作過程ジオラマ▲直指広報パネルなどを展示する。これを通じて直指の価値と重要性、金属活字が人類発達に及ぼした影響、科学発達史での役割などを重点的に知らせる。

行事期間中、ボランティア・メンバーが留まって観覧案内、直指金属活字印刷体験を行って広報パンフレットを通じた広報もする。清州市学芸研究室、直指広報担当は「翌月には麗水(ヨス)世界博覧会など全国単位の行事場所を探して直指巡回広報に出る予定だ」と話した。

彼は「人類が認める最高の発明品でありユネスコ記録遺産直指の価値を知らせて知識情報先進都市清州(チョンジュ)のイメージを高める計画」と付け加えた。

一方、韓国国際観光展組織委員会が主催してソウル市などが後援する今回の行事は国・内外観光関連機関、地方自治体、地域別観光協会、旅行会社、航空会社、観光関連媒体、報道機関が参加して観光文化コンテンツ展示、優秀観光商品および施設直取引など多様に繰り広げられる。



これについての解説をすると、実際に韓国には金属板による活字印刷で世界最古級の印刷物があるのは間違いないです。
ただし、これは高麗末期(1377年)に印刷された『白雲和尚抄録仏祖直指心体要節』と呼ばれるものなのですが、要するにそれ以前からあった中国の木版印刷(恐らく5世紀から6世紀頃の発明)を金属板で行っただけのものであり、その後の発展もなにもなく廃れたもので、記事にあるような「世界最高の発明品」と呼ばれるようなものではありません。
単に当時の高麗で中国由来の木版印刷を金属板で行った、ただそれだけのものです。


当然ですが、これでは「発明」とは呼べるわけも無く、国際的には金属活字の発明は15世紀欧州のグーテンベルクとなっています。
もっと書けば高麗のこれは国際的には木版印刷の亜種、ただの「珍品」扱いです。
しかし現在の韓国ではこれが世界最古の金属活字であり歴史的発明とされており、韓国人は子供の頃からそう教わり育ちます。
国際的な評価がどうであれ、韓国では「政治的に」そうなっているのです。


次にこちら

[社説]ハングルの日に考えている美しい言葉と文
朝鮮日報(韓国語) 2006.10.08 22
http://www.chosun.com/editorials/news/200610/200610080336.html
今日9日は560周年ハングルの日である。ハングルの日が再び祝日に蘇り初めて迎える日だ。ハングルの日は1991年海の日、普通のありふれた記念日に格が引き下げられた。国の言葉の重要性、国の言葉のありがたさ、国の言葉の歴史、国の言葉の受難を知らなかった無知の無知の結果であった。
(中略)
ハングルは1997年にユネスコ世界記録遺産に登録されたし、私たちの国力が成長するにつれて、世界48カ国590以上の大学で教える国際文字になった。ハングルの科学性と美しさのための外国の学者たちの関心と賛辞も高い。ところが、いざ本場である韓国でハングルのたるみ疲れが極まりない。青少年の間で流行しているそのまま(ただ)チャンナ(迷惑)開くように(非常に)ゾーン(正常)などの通信言語と[文字化けしており判読不能](私が分かりますね?)のように解読することができない言語の破壊現象が、美しい私たちの言葉に無数の擦り傷をつけてている。
(後略)


韓国ではハングルは民族主義発露に利用され「世界最高の文字」という事になっており、それに関連する教育やメディア報道も良く行われているのですが、その中で「ハングルが世界遺産に登録された」というフレーズが頻繁に出てきます。


しかし、これも間違いです。
そもそもユネスコが特定の国や民族を特別視する事はないですし、そんな事をしたらユネスコの理念に反してしまいますから、現在まで継続して存在している特定の民族の文字を世界遺産に登録することなど絶対にあり得ないのです。


ではこれは何なのかといえば、韓国の国宝に指定されている『訓民正音解例本』という初期のハングルの解説本が、1997年にユネスコ記憶遺産に登録されたというだけなのです。
ユネスコ記憶遺産の概要についてはこちら


ユネスコ記憶遺産概要 (文部科学省HPより)
http://www.mext.go.jp/unesco/002/006/002/005/shiryo/attach/1308438.htm
ユネスコ記憶遺産(Memory of the World: MOW)事業について
1.概要:
世界の重要な記憶遺産の保護と振興を目的に、1992年に開始された情報・コミュニケーションセクターの事業

2.目的:
世界的に重要な記憶遺産の保存を最も相応しい技術を用いて促進すること
重要な記憶遺産になるべく多くの人がアクセスできるようにすること
加盟国における記憶遺産の存在及び重要性への認識を高めること

3.対象:
記憶遺産(直筆の文書、書籍、ポスター、絵、地図、音楽、写真、映画等)


要するに、歴史的価値のある情報媒体(主に紙)の保存と保護を名目としたものであり、特定の文字や言語を登録するような代物ではないのです。


たとえば日本からは明治期以降の筑豊炭鉱の様子を描いた『山本作兵衛による筑豊炭鉱の記録画』や、江戸時代に伊達政宗がスペイン国王フェリペ3世とローマ教皇パウルス5世へ送った使節関連資料である『慶長遣欧使節関係資料』、平安時代の貴族であった藤原道長(966~1028)が書いた日記である『御堂関白記』がユネスコの記憶遺産として登録されています。


そして、ハングルが世界遺産に登録されたものでは無い事は、度々韓国の国内外から指摘されているのですが、なぜか韓国では未だに「世界遺産の登録された」と言う話がまかり通っており、特に外国からやってくる観光客に対してこういった説明が頻繁に行われているようです。


このように、韓国ではユネスコへの登録がある種の政治的アピールや「民族の優秀さ」の証明のために利用される事が多々あり、韓国では韓国人的価値観から「そういうもの」と認識しています、この韓国とユネスコの考え方の違いが認識のズレを生み、韓国は度々ユネスコとトラブルを引き起こしています。


ユネスコが韓国政府に警告=「虚偽報道続けば、文化遺産登録は困難」―中国メディア
サーチナ 2013年11月13日
http://www.recordchina.co.jp/a79084.html
2013年11月12日、韓国政府は今年3月、「キムチとキムジャン文化」のユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産への登録申請を行い、結果は今年12月に発表される予定だった。しかし、発表に先んじて、韓国メディアはこのほど、「キムチがユネスコ無形文化遺産に登録された」と報道した。ユネスコはこの報道を否定し、「誤った報道が商業的に利用される恐れがある」と警告を発した。日本の10日付報道を引用して環球網が伝えた。

よく知られる通り、キムチは、唐辛子やニンニクなど様々な香辛料で野菜を漬けた漬物のことで、特に白菜のキムチは大変有名だ。一方、キムジャン文化とは、キムチを漬けこむ行事を指す。韓国では、本格的な冬が来る前に、庶民が集まって一斉にキムチを漬けこむ風習があり、韓国の冬の風物詩となっている。

韓国メディアは、ユネスコが審査結果を発表する前に、「キムチがユネスコ無形文化遺産に登録された」とフライング報道を行った。ユネスコはこの報道は正しくないとした上で、以下の通り説明した。

無形文化遺産とは、口承伝統、伝統芸術行事、民族活動、儀式・祝祭行事など、無形で、庶民の生活と密接な関連があり、子々孫々に受け継がれる各種伝統文化の表現形式のことを言う。一方、キムチは具体的な食べ物であり、今までに、具体的な食べ物が無形文化遺産に登録された例はない。
 
また、ユネスコは、「キムチが無形文化遺産に登録されたというのは正しくない。仮に、キムチが登録された場合、商業的に利用される可能性が高い」と韓国メディアの報道内容を否定した。さらに、「今後も、『キムチが無形文化遺産に登録されることは確実』といった内容の報道が続いた場合、キムジャン文化の世界遺産登録はいっそう厳しくなるだろう」と韓国政府に警告を発した。

韓国文化財庁はこれについて、「キムチは、キムジャン文化に欠かすことのできないものだ」と説明。同庁公式サイトのトップページでは、すでに「キムジャン文化の世界遺産申請が確定」という記述が、「キムジャン文化が世界遺産登録候補に」との記述に変更された。韓国キムジャン文化の無形文化遺産登録が承認されるか否かは、今年12月にアゼルバイジャンで開かれる「第8回無形文化遺産委員会」で決定される。



要するに、この時登録されたのは「キムジャン文化」と呼ばれる、冬を前に地域の人々が協力してキムチを漬け込む「習慣」が無形文化財遺産登録されることになったにも関わらず、韓国人はそれを「キムチが遺産登録された」と宣伝し自らの「民族の優秀性」をアピールしたのです。


更にこちら


済州島の海女、来年のユネスコ文化遺産登録は困難に
2014年06月05日08時38分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/124/186124.html
済州島(チェジュド)の海女のユネスコ無形文化遺産への登録に影響が出そうだ。ユネスコが人類無形遺産登録と関連した実行指針を変更したためだ。

文化財庁が4日に明らかにしたところによると、パリのユネスコ本部はこのほど文化財庁に書簡を送った。今年から無形遺産登録審査件数を年間50件に制限するという内容だった。また、すでに登録されている無形遺産が多い国が新たに登録申請をする場合には順序を調整し審査を後回しにすることがあるという内容もあった。

韓国はキムジャン文化(2013年登録)、アリラン(2012年登録)など16件の無形遺産保有している。韓国はユネスコ無形文化遺産保護協約に加入した161カ国のうち中国の38件、日本の22件に次いで3番目に登録遺産が多い。

3月に登録申請をした済州島の海女が影響を受けることになった。済州島の海女は計画通りなら来年末にユネスコ政府間委員会で登録の可否が決定される予定だった。だが、ユネスコの指針変更で今年行った申請は無効となった。来年3月末までに再度登録申請を行わなければならない。その場合、ユネスコの審査は早くても2016年末に可能になる。

済州島の海女を日本の海女より先に人類文化遺産に単独登録しようとしていた韓国政府の計画が影響を受けることになった。日本はユネスコ登録申請前段階である自国内候補選定手続きを踏むことができず今年の申請を断念した。だが、来年3月までに国内手続きが終えられればすぐに韓国と並んで登録競争をすることもできるようになる。

一方、4日にパリで開かれた第5回ユネスコ無形文化遺産保護協約当事国総会で韓国はユネスコ政府間委員会委員国に当選した。142カ国の投票で126票を得た。任期は2018年までの4年間だ。韓国とともにアジア太平洋地域グループではインド、モンゴル、アフガニスタンが選ばれた。24カ国が参加する政府間委員会委員国に選出されることにより各国が登録申請する無形遺産目録の決定過程に主導的な役割をすることができるようになった。韓国は今年「農楽」、来年「綱引き」などの文化遺産登録を推進している。



以前から書いていますが、韓国では教育によって「日本の文化は全て我々が教えてやったものであり、日本の文化は全て韓国のコピーである」という事になっています。
これにはそれが関係しており、日本がNHKドラマの「あまちゃん」のヒットに後押しされて海女文化の無形遺産登録を行おうとしたところ、韓国が「我々の文化を日本が盗もうとしている、先に登録しなければ」と、強引に登録推進をしたのです。
要するに非常に政治的な動機による登録です。


上のキムチの件もそうなのですが、こんな事がまかり通ったらユネスコとしては困ります。
ユネスコの遺産登録事業はあくまで人類にとって貴重な伝統文化が様々な理由により失われる事を防ぎ、その伝統や歴史を保存していくための事業として無形遺産登録を行っているのですから、こんな民族主義や政治的な動機を露骨な態度でやられると、遺産登録の存在意義そのものが失われてしまうのです。


もちろん、ユネスコも単なる善意の団体ではない事は確かです。
登録により知名度が上がり観光地化が進めば大きなお金が動きますし、そこから様々な利権も発生します、当然その利権とユネスコは無関係ではありません、裏では様々な思惑が動く事も当然あるでしょう。
日本の登録申請の中にも、首を捻りたくなるようなものがあるのは確かです。


しかし、だからと言って民族主義ありきや政治的意図ありきでこんな露骨な事をして良いわけではありません。
またお金が動くという事も一概に悪い事ではなく、たとえば途上国で自力での遺産維持に限界があり、観光収入をそれに充てる必然性に迫られている物や、先進国であっても過疎化や後継者不足などにより自治体の支援が難しくなり、外部からの支援がなければ維持できない伝統・文化というものもあります。


たとえどんなに大きな金が動き利権化が起きたとしても、それで結果的に伝統文化の維持管理ができるのならば、それを必要悪として容認しなければいけない場合もあるわけです。
そして、その大前提として「遺産を“人類全体の遺産”」として残そうと活動しているのがユネスコの理念なわけです。
韓国の「民族の優秀さ」をアピールする一連の行いと言うのは、そういった大前提そのものを崩してしまいかねない、そんなとんでもない行為なのです、ですからユネスコは度々韓国を名指しで批判します。


しかし韓国は何度その事を指摘されても、価値観やあり方の違いから全くそれが理解できません。
結果としてこんな事態まで起きています。


ユネスコ局長に「日本の産業革命遺産登録反対」=韓国長官
聯合ニュース 2014/02/04 19:50
http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2014/02/04/0400000000AJP20140204003600882.HTML
【ソウル聯合ニュース】韓国外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官は4日、訪韓中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)のボコバ事務局長と会談し、日本政府が「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」の世界文化遺録を推進していることについて、「韓国国民が強制徴用された九州や山口の近代産業遺産を世界遺産として登録するのは遺産登録の基本精神に反する」と反対の立場を示し、ユネスコに協力と理解を求めた。

これに対してボコバ氏は、「世界遺産登録は関連国を分裂や対立ではなく、統合に導く役割をしなければならない」と話した。

尹長官は韓国が世界遺産委員会に選出されたことと関連し、人類が保護しなければならない遺産が登録されるよう、委員国として最善を尽く方針を強調した。 

また、南北軍事境界線がある非武装地帯(DMZ)に世界平和公園を造成する計画を伝え、ユネスコの協力を要請した。ボコバ氏は同計画について、ユネスコが追求する原則や方向と一致するとの見解を示した。

 一方、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領もボコバ氏と会談。韓国が進めている済州島の海女文化や南北離散家族記録物などの世界遺産登録への協力を呼び掛けた。



そもそも、強制徴用というのは韓国や在日達の勝手な事情でしかありません。
国民徴用令を強制徴用としてしまうと、韓国も含め現在もいくつかの国で行われている「徴兵」も強制徴用であり人権侵害となってしまいます、しかし主観的な視点しか持たない韓国人にはそれが理解できません。


ですからユネスコ側から「世界遺産登録は関連国を分裂や対立ではなく、統合に導く役割をしなければならない」と言われ、韓国側が政治的動機からクレームをいれた日本の遺産登録が予定通り2015年に審査対象となっているにも関わらず、その意味すら理解できていません。
韓国人にとってこの問題は「問題は日本が道徳的に間違った事をしているから」なのです。
要するに、根本的な価値観の違いからお互いの主張が全くかみ合っていないのです。


さて、これが現状韓国がユネスコへ絡んで問題を起こしている状況の説明なのですが、問題はこれだけでは済まされません。
実は韓国人のこの行いに一部の日本人も絡んでユネスコに迷惑をかけようとしているのです。
それがこちらです。


朝鮮通信使「記憶遺産」申請へ 5自治体が実務組織発足
京都新聞 2014年05月22日
http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20140522000013
朝鮮通信使」の国連教育科学文化機関(ユネスコ)記憶遺産への申請と登録を目指す「朝鮮通信使縁地連絡協議会」(事務局・長崎県対馬市)の理事会が21日、滋賀県長浜市内のホテルで開かれ、2016年に申請するための実務組織を設立した。

 同協議会は、江戸時代に朝鮮王朝が江戸へ使節を送った朝鮮通信使にゆかりのある全国の15自治体などで組織し、京滋では京都市長浜市彦根市近江八幡市が加盟している。古くからの友好関係を大切にし、日韓関係の改善を進めるために、韓国とともに記憶遺産へ申請し、17年の登録を目指している。

 理事会では、記憶遺産申請までのスケジュールを確認。対馬市長浜市近江八幡市など5自治体による実務組織「朝鮮通信使ユネスコ記憶遺産日本推進部会」を発足させた。推進部会では韓国側との協議を進め、国の機関との連携や調整を図るほか、国際シンポジウムを開くなどして機運を高めていく。

 また、登録するための資料を選定する諮問機関「学術委員会」も来月に立ち上げる。

 朝鮮通信使関連の文化財には「対馬宗家倭館関係資料」(重要文化財)や「雨森芳洲関係資料」(同)などがある。

 推進部会長に就任した松原一征・同協議会理事長(対馬市)は「記憶遺産への申請、登録が、日韓関係のこう着状態を打開する糸口になれば」と強調した。



韓国のユネスコへの態度の認識や現在発生している問題などは今まで書いた通りなのですが、それに加えて朝鮮通信使の場合には韓国人の「蔑視ありきの自民族中心主義に基く歴史観」という問題があります。
以前も紹介しましたが、以下に韓国の国定歴史教科書に書かれた朝鮮通信使の記述を


韓国国定教科書

朝鮮通信使について
壬辰倭乱をきっかけに朝鮮と日本の外交関係は断絶していた。したがって、日本は経済的に困難に陥ったために、戦乱後成立した日本の徳川幕府は先進文物を受け入れるために、対馬島主をとおして交渉を許可するように朝鮮に懇請した。朝鮮では日本が犯した誤りを恨みながらも建国以来の交隣政策の原則に照らし、制限された範囲内での交渉を許した(1609年(光海君2年)、己酉約条)。そうして富山浦に再び倭館が設置され、そこで日本人は米、木綿、人参などを求めていった。
また日本は朝鮮を文化の先進国と考え、使節を派遣するよう要請してきた。これに対し朝鮮では通信使を派遣したが、その一行はおよそ400余人になり、国賓として待遇を受けた。日本は通信使の一行をとおして先進学問と技術を学ぼうと懸命であった。したがって通信使は外交使節としてだけでなく、朝鮮の先進文化を倭奴(日本)に伝播する役割も果たした。



文禄慶長の役と捕虜について
倭乱でわれわれが勝利をおさめることができたのは、わが民族がもっていた潜在的力量がすぐれていたためである。つまり、官軍次元のわが国防能力は日本に劣っていたが、全国民的次元の国防能力は日本を凌駕した。わが民族は身分の貴賎や男女老若を問わず、文化的な優越感に満たされて自発的な戦闘意識をもっていた。こうした精神力が国防能力に作用して倭軍を撃退させることができる力になった。
(中略)
そして東アジアの文化的後進国であった日本は、朝鮮から活字、書籍、絵画、陶磁器などの文化財を略奪し、多くの技術者と学者等を拉致していった。これとともに朝鮮の性理学も伝えられ、日本の文化発展に大きな影響を及ぼした。




また国の公式の教育方針すらこの有様なので、大統領が行う正式な昼食会ですらこんな言葉が飛び交う有様です。


朴大統領「5000年の歴史は人文学的な文化の力」
朴大統領が人文・文化界の関係者と昼食会
朝鮮日報 2013/08/08
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/08/08/2013080801283.html(リンク切れ)
http://web.archive.org/web/20130808191644/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/08/08/2013080801283.html(ウェブアーカイブ
朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は7日、人文・文化界の関係者13人を大統領府(青瓦台)に招いて昼食を共にし、現政権が目指す「文化隆盛」の方向性や人文学の活性化などについて意見を聴取した。朴大統領はその席で「小さな国が数々の侵略を受けながらも粘り強く5000年の歴史を築けたのは、人文学的な文化の力によるもの。根本的な私たちの魂を形作っている歴史について『誰が正しい、間違っている』という風に分裂し始めれば、どんな努力をしても国民統合は実現できない」と指摘した。

 柳宗鎬(ユ・ジョンホ)延世大学碩座(せきざ)教授(寄付金によって研究活動を行えるよう大学の指定を受けた教授)=78=は「国際通貨基金IMF)の救済金融を受けて以降、人文学のステータスが低下した。韓国社会では近ごろ言葉による暴力などが横行し、社会の質が大きく低下したと感じざるを得ない」と語った。李時炯(イ・シヒョン)韓国自然医学総合研究院長(79)も「保育園で(子どもたちを)たたいている様子がテレビで報じられ、母親たちが心配している。私たちはこの間、非常に気性が荒くなった。『大人、子どもの区別なく正しい文化を定着させよう』というのをセマウル運動(地域開発運動)の新たな形態として発展させていくべきでは」と指摘した。

 小説家の朴範信(パク・ポムシン)氏(67)は「社会的な葛藤を解消できるのは歴史と文化だけ。最高レベルの文化芸術を身近な場所で感じることができれば、国民の気性が荒くなるようなことはない」との考えを示した。

 また、ソン・スンチョル江原道大史学科教授(61)は「朝鮮王朝時代の500年間、朝鮮通信使が日本を往来し、戦争の時期を除けば非常に平和だった。通信使は必ず音楽を演奏する楽工や文化・歴史・哲学の大家を伴っており、日本人の好戦的で偏狭な部分を音楽や人文学で純化し、変化をもたらした」と述べた。
(後略)




見ての通り、史実を無視した非常に民族主義的で蔑視ありきの自民族中心主義に基いた内容となっています。
韓国人は子供の頃からこれを徹底的に教え込まれます。
そもそも、韓国ではあたかも江戸文化が朝鮮によってもたらされたかのように書いていますが、具体的にどのような影響があったのかは全く説明がありません。
実際のところ、具体的にどうなのかは韓国人自身も良くわかっていない、というよりそこは重要ではないのです。


以前も書きましたが、恐らく韓国人はアイデンティティの形成そのものが行われていません。
その代替物として、他者を蔑視することで自らの優秀性の担保とする蔑視ありきの自民族中心主義教育をしているのですが、実はその中心となっているのが「日本人の劣等さ」なのです。


韓国人にとって、この「日本人の劣等さ」は非常に重要です。
その前提がなければ「韓国人の民族としての優秀さ」を保つ事ができないのです。
彼らにとっては、劣った日本に文化を教えてやり、そのお陰で日本に様々な文化が形成され、その結果今現在日本の文化が世界的に有名になっている、「だから我々は優秀なのだ」という事になっています。


これは裏を返せば、その前提が覆されてしまったら韓国人は自らのアイデンティティそのものを全否定されたのと同じ事になってしまうのです。
だから朝鮮通信使にしても、「日本に文化を教えてやったのだ、我々が日本を導いたのだ」としなければいけない事になり、それに疑問を持ったり異論を唱える事は自らの全否定に繋がってしまうのです。
だから具体的根拠など必要ないのです、疑問や異論など最初から考慮されません。


この状況で朝鮮通信使ユネスコの記憶遺産登録を日韓合同で行ったらどうなるでしょうか?
説明するまでも無いと思いますが、韓国は決して史実としての通信使の実体を認めません、室町時代の通信使が渡航前に世宗から「倭の紙、堅籾、造作の法また宜しく伝習すべし」と、日本の技術を学んでくるよう命令を受けていたことや、江戸時代の通信使であった金仁謙の記録である日東壮遊歌での日本の発展度合いへの驚きの記録などは、韓国人にとっては「あってはならない事」なのです。


それは先ほど書いたように、韓国人のアイデンティティを全否定するのと同じ事だからです。
韓国人が韓国人として自らに誇りを持つためには、日本から朝鮮へ文化や技術が伝わった事例などあってはならない事、全て朝鮮から日本へ文化や技術を「教えてやった」でなければいけないのです。


当たり前の事ですが、これでは史実としての朝鮮通信使行列をユネスコの記憶遺産に登録することなど不可能です。
これでは2つに1つの道しかありません。


一つは韓国人の政治的、民族主義的思想をそのまま反映した歴史観そのものを、今まで韓国がユネスコにやってきたように登録申請するか、或いは当たり障りの無いように、全てを漠然とはぐらかし中身の無い玉虫色のなんだか解らない物を登録するか、そのどちらかしかないでしょう。


いずれにせよユネスコの理念とは遠くかけ離れています。
しかも日本側は、そんなものを「日韓友好の架け橋」として行おうとしているわけです。
こんな事になんの意味があるのでしょうか、そんな事までして韓国人の民族主義の発露に付き合う必然性が日本のどこにあるのでしょうか。
もっと書けば、こんな事をしなければ友好を保てないという事でもあるのです。


そしてこの事で一番迷惑を被るのは、間違いなくユネスコです。
いい加減この手の日本人は、価値観の違いから日本人の望む物と韓国人の望む物はまるで違うのだと、その事に気付くべきでしょう。
そうでなければ、いつまで経ってもこの異常な状況が続いていく事になるのです。