日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国では「中身」が重要ではない


さて、本日は一連の韓国向け輸出管理の運用の見直し問題について書いていきます。

初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由

注意
・このブロマガは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブロマガのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください


一連の韓国向け輸出管理の運用の見直し(グループAからの除外)に関連し、本日も韓国政府などから様々な反発が出てきているが、その主張には一貫性や整合性があるようには見えず、一見すると何を言っているのかわからないものすらある。


しかし、これを韓国的価値観の視点で見ると、彼らは「感情的な正しさ」を重視し、その感情に邪魔な「実態としての姿」を否定し「あるべき姿」を語っているだけであり、「被害者は加害者より正しい」と主張している事がわかる。



※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:よくわからない主張


まずはこちらの記事から

優遇対象国からの除外実施に「強い遺憾」 ボールは日本に=韓国大統領府
聯合ニュース 2019.08.28
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20190828003300882

【ソウル聯合ニュース】韓国青瓦台(大統領府)の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長は28日、記者会見を開き、日本政府が同日に輸出管理の優遇対象国「グループA(旧ホワイト国)」から韓国を除外する政令を施行したことについて、「強い遺憾」を表明した。

 金氏は「この間、わが政府が大法院(最高裁)の強制徴用判決に関連し日本が取った経済報復措置を撤回するよう継続的に要求したにもかかわらず、日本は本日付でわれわれをホワイト国から除外する措置を施行した」と指摘。その上で「日本はわれわれの韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了(決定)に関連し、輸出規制措置を安保問題であるGSOMIAに関連付けたと主張しているが、当初、安保問題と輸出規制措置を関連付けた張本人は日本であることを改めて指摘したい」と述べた。

 また、「日本はわれわれの輸出許可制度の問題が日本の安保に否定的な影響を与えると主張するが、米国の科学国際安全保障研究所によると、輸出統制体制(ランキング)はわれわれが17位、日本が36位だった。日本の主張は根拠がない」と説明した。

 その上で、「河野太郎外相はきのうの会見で、『韓国が歴史を書き換えようとするならば、そんなことは実現できない』と話したが、歴史を書き換えているのは日本」と主張。「しかも、安倍晋三首相はわれわれを信頼できない国だと2回も言及し、われわれを敵対国扱いしている」として、「基本的な信頼関係が壊された状況でGSOMIAを維持する大義名分はない」との認識を示した。

 1965年の韓日請求権協定も取り上げ、「わが政府は協定を否定したことはない。しかし、『反人道的な不法行為』は協定によって解決済みとみることはできず、従って日帝強占期(日本による植民地時代)の強制動員被害者個人の損害賠償請求権は依然として有効との立場を維持してきたし、大法院判決はこれを確認したもの」として、「日本政府はわが政府が大法院の判決を是正するよう要求しているが、司法に対する政府の干渉はあり得ない」と反論した。

 また、「むしろ日本外務省の条約局長が1991年、請求権協定により個人の請求権が消滅したのではないとの立場を表明し、第2次大戦中、シベリアに抑留され強制労役をさせられた日本人の個人請求権問題について、日本自らも1956年に締結された『日ソ共同宣言』に基づき、個人の請求権が放棄されたものではないとの立場を表明している」としながら、「日本はこうした立場を変えている」と指摘した。

 ただ、「きのう、李洛淵(イ・ナクヨン)首相はGSOMIA終了まで3カ月が残っており、この期間中、双方が打開策を見つけ、日本が不当な措置を元に戻せば、GSOMIA終了(の決定)を再検討できると言及した」として、「ボールは日本側にあることを強調したい」と述べた。

 その上で、「GSOMIAの終了により韓米の同盟関係に亀裂が走り、安保脅威への対応体系に大きな問題が発生するというのは間違った主張」としながら「むしろ政府はGSOMIAの終了を機に、韓米同盟を一段階アップグレードさせる」との方針を表明。「韓米はもちろん、韓米日の連携の必要性に関するわれわれの立場に変わりはない。韓米日の関係を阻害したのは日本」として、「光復節(日本による植民地支配からの解放記念日、8月15日)の演説で文在寅ムン・ジェイン)大統領が言及したように、日本はわれわれが差し出した手を握ることを期待する」と強調した。


上記は韓国大統領府からの公式声明なのですが、あちこちに論点が飛んでいるうえにその全てが中途半端で説明になっておらず、「優遇措置を戻せという部分だけはなんとなくわかる」というのが、大方の人の意見ではないでしょうか。


なぜそういった印象になるかといえば、一つ一つの意見がまとまっておらず、個別に結論を出さないまま言いっぱなしで終わっているからなのですが、この韓国政府の公式声明やもっと書けば「対日」に限らず、こうした「ちらかった文章」は韓国関連では非常に多いです。


特に意味不明なのが、韓国はもともと「経済問題を政治にからめるのは不当」と主張していたわけですが、「日本はわれわれの韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了(決定)に関連し、輸出規制措置を安保問題であるGSOMIAに関連付けたと主張しているが、当初、安保問題と輸出規制措置を関連付けた張本人は日本であることを改めて指摘したい」と書いている事です。


この件、本来日本側は「兵器転用可能な戦略物資」に関して、韓国側の輸出入管理に疑問があり、この件を定期協議で話し合おうとしたところ、韓国側がこれを拒否し続けた結果、優遇措置を解除することになったのであり、GSOMIAの件と絡めている韓国とは前提そのものが違います。


日本人からしてみれば、なぜこれが同列で語られているのか、そもそもなぜその「批判している事」を自分たちもやっているのか、意図がわからず意味不明でしょう。


他の部分でもこれは同じで、大筋でこの公式声明は、前提の異なる事柄を強引に同一視し、ミスリードを誘う詭弁「燻製ニシンの虚偽」に該当するのですが、あまりにも論点が散らかりすぎていて論点のすり替えにすらなっておらず、それがまた「難解さ」を増す原因にもなっています。


また以下のハンギョレ新聞の記事では

韓国の輸出統制を問題にする日本に、見ろとばかりに…韓米、戦略物資管理協を締結
ハンギョレ新聞 2019-08-27
http://japan.hani.co.kr/arti/economy/34207.html

(一部抜粋)
「わずか一度の事前・事後協議もなしに一方的に輸出規制を強化した日本と対照的だ。」「日本は、韓国の戦略物資統制能力が不十分だとしながらも、不適切な輸出事例など具体的根拠は提示できずにいる。」

と、書いていますが、その数日前には

韓国政府、日本の対話拒否・侮辱的反応にGSOMIA終了の正攻法を選んだ
ハンギョレ新聞 2019-08-23
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/34173.html

(一部抜粋)
「韓国には兵器に転用される恐れがある物資の管理体制が不十分な点があり…日本側の申し入れにもかかわらず、3年間も当局間の協議が全く開かれず、改善の展望が見られないため(制度の)運用を見直した」という無理な主張を展開し

と、「答え」を書いています。


そしてこれはハンギョレ新聞が特殊なのではなく、多かれ少なかれ韓国の大手メディアは似たような論調であるうえに、韓国政府自身も「協議をしなかった件」で言い訳をしながら、「(日本は)不適切な輸出事例など具体的根拠は提示できずにいる。」と主張しています。


どれも日本人の感覚からするとかなり支離滅裂で意味不明です。

2:「中身」が重視されない


この「意味不明さ」の原因なのですが、過去記事で紹介した「外華内貧」と、以下の記事での言及が参考になります。


小学校の教科書から「漢江の奇跡」を削除……韓国の歴史とは「道徳教育」である 文春オンライン 2019/08/26 (1/2ページ) (2/2ページ

過去記事
韓国は「名分」社会


「外華内貧」の件は過去記事のほうを参照してもらうとして、文春の記事のほうでは、「韓国語の『正しい歴史(オルバルン・ヨクサ)』という言葉は、『事実にかなった歴史』という意味ではなく、『理にかなった歴史』『あるべき歴史』という意味で使われます」と書かれています。


そして続いて「文在寅政権の歴史観において何よりも重要なのは、「否定したい歴史」の方です。彼らはその否定の上に別の歴史を建てようとするので、どこまで行ってもそこにフィクション的要素が入ってきてしまう。」と書かれています。


記事では「歴史」に関連した言葉として紹介されていますが、実態としてこの概念はもっと適用範囲が広く、一般的な韓国人の「状況判断全般」にこの考え方が関わっています。
そのうえで、彼らにとっての「理に適った」とか「あるべき」とは、「その時の自身の感情」であり、この感情にとって邪魔な内容を「否定したい」というのが実態です。


結果、彼らはあらゆる物事をこの『理にかなった姿』『あるべき姿』として認識しようとするため、「実態がどうであったか」が否定されます。
では彼らが対日問題でどんな「その時の感情」を重視しているかといえば以下の記事がわかりやすいです。


韓国国立外交院長「徴用賠償問題、ICJ提訴が必要」 朝鮮日報 2019/08/28


この記事では、韓国は徴用工(募集工)の件で日本をICJに提訴すべきであり、その理由を「日本は加害者で韓国は被害者だという点から、日本よりはるかに正当性は大きい」と書いています。


以前から何度か紹介している「被害者が偉い」という概念です。

※被害者が偉い
序列社会の韓国において、何が正しく何が間違っているのかは多くの場合で「序列」によって決定されるが。これには例外があり、「自身が被害者である」と訴え「加害者の劣等性の指摘」を行いそれが社会に認められた場合、一気に序列を飛び越えて「序列の上位者」の地位を得る事ができる。

韓国では被害者が一番偉い


youtube
https://youtu.be/Zsx4Y2rkW7E

つまり、実際に自分達が何を批判されているのか、何が問題となっているのか、なぜ現状があるのか、そうした「現実に起きていること」は彼らの感情にとって邪魔であるため重要ではなく、「かくあるべき姿」としての被害者と加害者の関係という、彼らの望む「正しさの形」に則って発言しているのです。


だから矛盾していても一貫性がなくてもいいのです。
重要なのは「自分達は被害者で日本は加害者である」という部分のみだからです。


私達から見れば、単に問題の中身を重視せず、結論ありきの表面的な結果にこだわっているだけにしか見えないわけですが、彼らにとってはこれこそ『理にかなった姿』なのです。


ある意味で、今回の韓国政府の声明で書かれているまとまりのない様々な主張とは、「我々は被害者なのだから加害者の日本より正しい」という「主語」の「修飾語」とも表現できます。
ハンギョレの記事も同じです、あれは「いかに日本が加害者か」を、整合性という実態を無視して説明しているのです。


だから私達から見ると、言っていることに一貫性がなかったり整合性がなかったりするわけです。


今回の日本による輸出管理強化に対する韓国側の言い分とは、「日本はこんなに劣等な加害者だ、だから自分達は被害者であり正しい」であり、それを韓国的価値観で説明しようとすると、最初に引用した青瓦台の公式発表のようになります。


なので、私たちの常識に沿って「文中の一つ一つの理由」にスポットを当てて考えようとすると、支離滅裂すぎて混乱するというわけです。




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