日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

日本海呼称問題と韓国的価値観


※今回、韓国的価値観の解説表現にかなりてこずりました、何度か書き直しをしたのですが、わかりにくかったらごめんなさい。


さて、何か韓国側がまた「自衛隊機が接近してきた」と騒いでいますが、流石に今日のニュースを記事にするのは準備が間に合わないので、日本海呼称問題について改めて、動画でも予定しているので予習として手短に解説します。

初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由


注意
・このブロマガは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブロマガのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください


※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。



1:問題の概要


まずこの件なのですが、問題の概要や要点は外務省の以下のページで詳しくまとめられており、詳細を知りたい方はそちらを見てください。
詳細すぎてあまり一般向けでは無いですが、かなり詳しく問題が書かれています。


日本海呼称問題 外務省


また、私のほうでも過去に記事にしているのでそちらも参照してみてください。


突っ込みどころだらけの日本海呼称問題


そのうえで、この記事では「軽め」の状況説明についてと要点、韓国側の反応の「なぜ」について書いていきます。


まずはこちらから

日本海呼称「韓国と協議を」国際機関が強く要求
読売新聞 2019年01月18日
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20190118-OYT1T50075.html

 韓国が日本海の呼称に「東海」を併記するよう求めている問題を巡り、日本海の単独呼称が国際的に認知されている根拠のひとつである国際水路機関(IHO)の指針について、同機関が、改訂を望む韓国との協議を日本に要求していることがわかった。日本は併記につながりかねない改訂論議に消極的だったが、IHOは強い態度で迫っているといい、厳しい状況に追い込まれる恐れがある。

 IHOは、世界の海洋名や境界などが記され、各国の海図作製の指針となる刊行物「大洋と海の境界」を出版している。外務省によると、1929年の初版から現行版(1953年作成)まで日本海の海域には「Japan Sea」と一貫して記載されている。

 一方、韓国は92年に国連の会議で日本海の名称を批判し、呼称問題を国際社会に初めて提起。以後、「日本海は日本の植民地支配の結果広がった呼び名」などと主張し、当初は「東海」への改称を、近年は併記を訴え続けている。

 日本は「日本海の名称は19世紀から国際的に使われており、韓国の主張に根拠はない」などと反論。2004年には、国連が日本の問い合わせに「日本海が標準的な名称」と回答した。

 韓国は近年、指針が1953年から変わっていないことに着目し、改訂を求めるようになった。


関連記事
日本海呼称変更めぐり日韓朝が非公式協議へ 東海改称や併記現実化の懸念も 産経新聞 2019.1.19 (1/2ページ) (2/2ページ



この件なのですが、要するに韓国は1992年から「日本海ではなく東海と呼ぶべき」と主張しており、今何故IHO(国際水路機関)で問題になっているのかといえば、それは過去韓国は国連でこの要求を何度もしたが拒否され続け相手にされなかったので、既成事実作りのために様々な国際機関に片っ端からクレームをいれ、結果IHOで議題になったからです。


そしてなぜ議題になったかといえば、産経のほうの記事に書かれていますが、IHOは2000年代に入り指針の改訂が議論されるようになったのですが、韓国と北朝鮮日本海呼称の件でクレームを入れまくり、十数年に渡って議論がそこからまるで進まないという事態に陥っているのです。


そして、もともとIHOは「この件は日本と韓国で話し合うべき」としていたものが、恐らく韓国側によるロビー活動によって覆され、「韓国側と積極的に協議しなければ日本海呼称を標準名称から外す可能性もありうる」とIHOから圧力をかけて来たわけです。


そしてこの件なのですが、問題を起こしているのは韓国とは言え、日本側にも全く問題が無いわけではありません。


どういう事かというと、先ほども少し書きましたが、外務省の説明は非常に冗長で複数の項目にまたがっており、かなり「やる気」を出して読まないとなかなか「なぜ日本海なのか」について理解する事ができません。


そのうえ、2014年に動画も作られてyoutubeにアップされているにはいるのですが、その動画がまた問題で、まるで運転免許証の更新の時に見させられるビデオのような内容で、短縮版であってもあまり見る気になれず、実際英語版の再生数は2019年1月現在で8700程度しかないうえに、コメントすらできません。


youtubeに外務省が投稿した動画
"Sea of Japan" - A globally established name (Digest Version) 外務省 / MOFA 2014/05/30


要するに、「他人に説明を聞いてもらう意思」すらまるで見えてこないような代物なのです。


では韓国側はどうかといえば、内容は明らかに間違っていますが主張が非常に単純明快で、また官民合同でかなりなりふり構わずやっているので、外務省の動きに比べて「知名度」が格段に高いのです。


彼らの主張は「日露戦争以降、東海の戦略的重要性に目覚めた日本が東海を日本海に書き換え、1929年のIHO会議でこれを確定させた」、他にもあるにはありますが、大筋で彼らは殆どの場所でこれしか言っていません。


東海呼称問題:それでも東海は東海だ(上) 朝鮮日報 2007/05/08 (1/2ページ) (2/2ページ


実際には、外務省のページにもあるように、日本海という呼称が国際的に一般化したのは19世紀初頭頃からであり、また韓国側は「朝鮮海」と「東洋海」と「東海」という表記を全て「東海」という名称であったと錯誤させているうえに、実際には東海という名称が殆ど国際的に使われていなかった事も隠しています。


しかし、この事を日本側のページで知ろうとすると、以下のように


米議会図書館所蔵の地図に関する調査

大英図書館及びケンブリッジ大学所蔵の地図に関する調査

仏国立図書館所蔵地図に関する調査

日本海呼称問題ドイツにおける調査

日本海呼称問題(ロシアにおける調査)


上記6つのページを確認しなければならず、そのためかウィキペディアでは有志により以下のような表が作られている有様なのです。



(クリックで拡大します)


長々と大量の文章を読むのとこの表を見る、どちらが感覚的に問題を理解し易いかは一目瞭然ですし、「日本に海の名前を奪われた」と繰り返し官民で主張し続ける韓国と、論文のような内容を発表してそれで済ませている日本、どちらが解り易いかは説明するまでも無いでしょう。


本来は、「韓国側が古地図表記の印象操作をしている事」元々「東海という表記は国際的に一般的ではなく、また韓国は2000年前から使用していたと主張しているが、その証拠が提示されていない事」「東海という表記が使われたという事と、それが過去に一般化していたかどうかは別問題であり、韓国側はこれを混同させている事」これらを明確にして訴えないといけないわけです。


2:韓国側が拘る理由


このように、日本の外務省のページの説明は、私のようにもう十数年日韓問題に関わっている人間でも「全部読むのは大変だ」と尻込みしてしまうような分量なので、事情を知らない人が簡単に問題を理解できるような仕組みを作る事は最優先の問題なのですが、それだけではなく韓国側が「拘る理由」を知るのも重要です。


以前もここで紹介したこちらの2つの韓国中央日報の2つの記事なのですが


【グローバルアイ】約束を守る国・日本、正義が重要な国・韓国 中央日報 2019年01月04日
【コラム】韓国と日本、その永遠の平行線() () 中央日報 2019年01月08日


この中で『オルバルダ』という韓国独特の概念が出てきており、これを記事では独特の正しさの概念として「時代によって異なって受け止められる概念」であり、「その時は合っていて、今は間違っていること」、つまりその時その時の主観的感情によって「正しさが可変する」概念であると説明しています。


そしてもう一つ、韓国では「正しい、正しくない」に非常に拘る国であり、韓国では「道徳的正しさ」というものが重視され、この正しさを証明できた側が権力を手に入れる事が出来ると説明されています。


この2つの概念はこの日本海呼称問題にも関係しています。


どういう事かといえば、元々客観的な歴史では日本海という呼称は日本が鎖国をしていた19世紀初頭に、主に欧米の地図で定着し一般化した呼称なのですが、彼らの主観では「日露戦争(1904年~1905年)で海の名前の重要性を知った日本がごり押しで強要した」と解釈されています。


この考えは次のプロセスで成立します。
先ほどの「オルバルダ」の概念に当てはめ、「その当時はそうなっていたが、今は(韓国人が)正しいと感じていないので変えなければいけない」「なぜそうなっていないのか」という考えがまず登場します。


この時点で、韓国人は「自分が常に正しい選択をしている」という考えから、「日本が不正で国際的な影響力を行使したに違いない、だから当時はそれがまかり通ってしまったが、今は韓国も国際的に強くなったのだから、正しさ(オルバルダ)を行使できる」と考えます。


(19世紀初頭と20世紀初頭では時系列的に100年も因果が前後しますが、その辺りは彼らは考慮しませんし、その点を追及すると「日本が歴史資料を(不正に)作った」と解釈します。)

※独特の正しさの概念
彼らの正しさの概念は独特であり、根拠を必要としない。
また「この世には最初から一つの正しさが存在する」と考えられており、自分はその正しさを常に選択していると考える傾向にある。

そして正しさ同士がぶつかった場合には、(曲解でも捏造でもその件と全く関係なくともなんでもいいので)相手の劣等性を指摘する事でそれを自己の正しさの担保とする。

また相手の劣等性を指摘した時点で自身が指摘された問題は相手の問題にすり替わる。

【日韓問題】日韓で異なる「正しさ」の概念


その動機付けとして、後付けで出てきた「日露戦争で海の名前の重要性を知った日本が、日韓併合後に無理矢理名前を変えてしまった」という主張が、「韓国では被害者が一番偉い」という独特の概念によって、「被害者としての道徳的優位性」を獲得します。


そして、常に「正しい、正しくない」にこだわり、その時の感情を「道徳的正しさ」と解釈し物事を判断する韓国社会では、この「被害者としての道徳的優位性」を正しさと解釈して「日本海ではない、東海だ」と確たる信念を持ちます。


またもう一つ、これも過去何度か解説していますが、彼らは「今自分達が(感情的に)そう思っているなら、過去や未来の人々も同じ感情を共有しているはずだ」と考える傾向にあります。


なので、「自分達が今そう思っているにも関わらず、過去が意に沿わない結果なのは、何かしらの不正があったはずである」と考えます。
今の韓国人が東海が正しいと思っているなら、過去の彼らの祖先も同じくそう思っているはずなので東海表記ではない理由がないとおかしいと考えるのです。
(「普遍的正しさが最初からそこに存在している」とはそういう概念です。)


そしてこの感情的解釈から「演繹的」に「日露戦争で海の名前の重要性を知った日本が、日韓併合後に無理矢理名前を変えてしまった」という結論が説得力を持ち、「今の自分達がそう主張しているからこれが道徳的正しさだ」という考えから、東海表記にこだわっているというわけです。


このように、彼らは主観と感情によって物事を判断し、「日本が不正によって手に入れた日本海という名称」を「確たる信念」によって、何があっても東海へ、またいずれは「韓国海」へと変えたいと考えているのです。



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